多重録音の歴史

大袈裟なタイトルで恐縮です!音楽ネタが少ないので…
今はほんとにスタジオレコーディングシステム機材は、高性能でしかも簡単操作で出来るのですから幸せな時代になったものだと思います。
多重録音は田舎に住んでいると、演奏者のネットワークも知らずにいたので、多重録音で録音して何時の日かバンドを持って…なんて夢見て今日まで実現しませんでした。

さて、多重録音の言葉を初めて聞いたのが、あの若大将・加山雄三からでした。映画ではなく、ラジオを通して(^^) TBSだったか毎日放送だったか忘れましたが、彼のトーク番組があって、その中で自作の曲を紹介していました。それがきっかけで後の一連の名ヒット曲が産まれたのだと思います。ワイルドワンズも彼のプライベートな遊び友達だった。 但し、後年レコーディングのバックでは弟分のザ・ランチャーズが務めている。あの「ブラック・サンド・ビーチ」は良かったですネ。
また、電気ギター(エレキって随分後になって聞いたような気がします)によるインストルメンタルも非常に上手かったと思います。 彼は既にエフェクターを持っていたように思えるのですが、図太い音と、それでいてパートごとに録る多重録音の特徴であるクリアーな音色は、寺内タケシの天才的な早弾きより好きでした。

ヘナチョコ私の多重録音は?
(1)テープレコーダー(以下テレコ)の時代
’65年頃にやっとテレコ2台が揃ったので多重録音が始まりました。
最初の頃は「ピーター、ポール&マリー」「ブラザースフォ」「キングストントリオ」のちに「サイモン&ガーハンクル」等のコーラス
録音方法
風呂場の特設スタジオを貸し切る。バケツを横倒しにして、奥に雑巾を置いてその上に角型のマイクを置く。勿論棒状マイクにスタンドとかは使えない!(持ってない)
風呂場はエコーが掛かると言うより外の雑音を少しでも遮断するため。バケツはエコーと外界雑音の遮断の役割を果たす。
風呂場内はギターに程よいリバーブを与え、バケツは歌声にリバーブを与えるという画期的な「2段階エコーシステム」を採用していました。

PPMのケース
1.カポを付けたギターのアルペジオでマリーのメロをテレコAに録音する。
2.カポを外してローポジションを弾くギターでピーターに成り替って歌って、テレコAを再生しながら、テレコBに録音する。(ここで最初の多重録音成立)
3.音のバランスとかの結果が良かったら、テレコBを再生しながらポールに変身して低音を神経質そうに歌いテレコAに録音してレコーディングの完成。

大体録音の途中で風呂から長時間出て来ないので家族の誰かがドアをガラッと開ける。そんな時って、「もうあと4小節のエンディングの時」というのが多いですよネ。
ギター演奏を録る時も、山場をやっと弾いて締めに掛かる時に、「ポテッ」と弦を引っ掛けたりして、最初から弾き直しになりますネ。これは今も変わりませんが…
この頃は、コラスグループのコピーは別として、自作の曲やスタンダード曲にハーモニーを付けるのも”機械的”なものでしたが、それでも書いた譜面が具体的に演奏として出来上がった時はいつも嬉しかったです。

(2)4チャンネンルテレコ
2年もしない内にナショナルから4チャンネンルテレコが出たので直ぐに買いました。
4チャンネルの演奏録音!夢が膨らみます。実際に録音出来るのは2チャンネルだけ!カタログをロクスッポ読んでいないからネ
「何で4チャンネンルなの?」と思いましたが、再生時はソフトにより4チャンネンルの音が聞こえるというシステムでした。
今もホームシアター装置にもありますが、「臨場感溢れるシステム」です。「あなたはオーケストラの真ん中で聴いている錯覚に陥る」という奴です。

多重録音にも飽きて、家庭生活も持つと演奏から随分遠ざかりました。
ヒョンなことから、ある人のお誘いでハワイアン演奏に携わるようになって、またまた多重録音の必要性を感じるようになりました。

(3)4チャンネルテレコ
この時代になると、もう多重録音専用テレコでした。
カセットに録音するのですが、カセットの4本のトラックを片道だけ使って録音します。
やり方は従来のやり方の域を出ていませんので、雑音が重ねるほど出てきます。またテープには付き物のシャーという音がでました。

(4)デジタル録音
やっと来ました。デジタル録音の到来。
機材がローランドから出ると言う情報から、予約までして買いましたヨ。
記憶媒体がZipという日本では馴染みの無い形式で、精々4曲しか記録出来ません。
一番困ったのが記録の仕方が分からない。「8chx8chの64chが使用出来ます」のハズが、録音してみると、今の録音がどこに収容されたか分からない?
逆にいつの間にか下層のチャンネルに録音されていたりと、使いきれませんでした。
説明書には「まるで従来のカセットに録音するようにお気軽録音を楽しめます」とあったんだけど…。

(5)2代目デジタル録音
3年後に、「そのままCDに焼けます」という優れものに出会いました。
CDはともかく、記憶容量が比較にならない巨大なものに変化していて、しかも値段が性能からしてメチャ安!
8ch同時録音もセパレート録音も自由自在、ほんとにカセット録音と同じ気安さ!
今にして思えば先代は記憶容量が少ないので、面倒臭い方法を取らざるを得なかったナ?と理解を示しております。
「単なるメカ音痴だった」声もありますが、気にしていません。

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