レビューは右のアルファベットから A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z

REVIEW W

WETTON DOWNES / Icon

WETTON DOWNES / Icon AMAZONで詳細をチェック

オリジナル・メンバーが離散していったASIAの看板を守り続けたジェフ・ダウンズ(Key)と、そのASIAのオリジナル・メンバーだったジョン・ウェットン(B/Vo)が再会して始動したプロジェクトの2005年1st。イアン・マクドナルド(Fl)、ジョン・ミッチェル(G)、アニー・ハズラム(Vo)など豪華メンバーが参加。ASIAと比べるとプログレ風な器楽的要素は少なく、イントロのチェロが印象的な#1やクラシカルな展開のメイン・メロディだけで1曲を仕上げた#2、チャーチオルガンをイントロに配した#3など、2人が子供時代から影響を受けていたという教会音楽のテイストをコンテンポラリーなロックに溶け込ませた上質なメロディアス・ロックとなっています。サウンド面では、ジェフ・ダウンズのブ厚いシンセによるオーケストレーションを中心に、ジョン・ミッチェルによる構築性の高い#3、エモーショナルな#8などのギター・ソロ、イアン・マクドナルドによる#2や#10での叙情味溢れるフルートなど、素晴らしいプレイが楽曲をより印象深くしています。そして何といっても#10でジョン・ウェットンとのデュエットを聴かせるアニー・ハズラム!ジョン・ウェットンの歌唱にクロスして、クラシカルなメロディを歌うアニーのクリスタル・ヴォイスが登場する場面の神々しさときたら・・・・もう、絶品です。Icon

WETTON DOWNES / Icon II - Rubicon

WETTON DOWNES / Icon AMAZONで詳細をチェック

ジョン・ウェットン(B/Vo)とジェフ・ダウンズ(Key)によるユニットWETTON DOWNESの2006年2nd。勇壮なハード・ポップにシンセ・ストリングスの80年代風アレンジがマッチした#1。後に再結成ASIAのアルバムでも取り上げられたカッコ良いハード・ポップ#2。DURAN DURANのHungry Like the Wolfを彷彿させるシンセの"ポップコーン"風シーケンス・フレーズを筆頭に、これも80年代風アレンジが懐かしくも良い感じ。クラシカルな盛り上がりを見せる、ピアノとチェロが印象的なバラード#3。そして今回の目玉はオランダのゴシック・メタル/アンビエント・バンドGATHERINGのアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)を招いてのデュエット・ナンバー#4,#5。特に#4は、GATHERINGではなかなか聴けないベタな哀愁の美メロを情感たっぷりにクリアな美声で歌うアネクが素晴らしい。よくぞアネクを抜擢しそれどころかさらに、ファンが聴いてみたかったであろう曲調を選択したジョン・ウェットンに、感謝すると共にその慧眼に感服。その後も、アネクがGATHERINGを脱退後にリリースした作品にジョン・ウェットンが参加したりと、2人の交流は続いているようでファンとしてもうれしい限りです。フィドルが牧歌的フレーバーを醸し出すリラックスしたポップス#6。淡々としたリズムをバックにシリアスなムードで統一した#7。サビのブ厚いコーラス・ハーモニーが美しいパワー・バラード#8。ジョン・ミッチェル(G)がギター・ソロで良い仕事をしています。クラシカルで大仰なオープニング、スケールの大きなサビを持つ#9。終盤にかけてどんどんシンフォニニックに上り詰めていきます。雄大なサビのバラードで締めくくる#10。2人が少年時代から馴染んだ教会音楽由来の端整なメロディを軸にしたハード・ポップに、元BUGGLESの出自を物語るジェフ・ダウンズによる80年代テイスト溢れるシンセ・アレンジ、元ELOのヒュー・マクドウェル(Cello)の艶やかなチェロ、そしてゲストの歌姫とジョン・ウェットンのデュエット、というWETTON DOWNESのフォーマットが固まってきました。Icon II - Rubicon

WETTON DOWNES / Icon 3

WETTON DOWNES / Icon 3 AMAZONで詳細をチェック

ジョン・ウエットン(B/Vo)とジェフ・ダウンズ(Key)のユニットWETTON DOWNESの2007年3rdアルバムIcon 3。80年代風シンセに導かれるメロディアスで勇壮なハード・ポップ#1。美しいコーラスとWETTON DOWNESでは毎度お馴染みヒュー・マクドウェル(Cello)の滑らかなチェロが印象的なバラード#2。シンセ・ストリングスの8分刻みやヴォコーダーが80年代風味な#3。毎回ゲストで女性シンガーを招いている本ユニットの今回の歌姫はアン=マリー・ヘルダー。翳りのある歌声がダークでしっとりとした曲調にぴったりの#4で、ジョン・ウェトンと素晴らしいデュエットを聴かせています。チェロとピアノによる物悲しく端整なイントロからリズムインし、希望的なムードを垣間見せるサビに発展する#5。ハードなギター・リフをイントロとサビに配置した#6。ハープとチェロ、ストリングスで奏でるクラシカルなインストゥルメンタル#7。コンパクトながらもドラマティックな展開を持つバラード#8。80年代風シンセのブラスストリングスがリードする快活なヴァースと叙情的なサビの#9。明るいムードでキャッチーな#10。アン=マリー・ヘルダーがスキャットとコーラスで登場、クラシカルなメロディをジョン・ウェットンが抜群の歌唱力で歌い上げる#11。ゲスト女性シンガーとのデュエット、ヒュー・マクドウェルのチェロ、ウェットンとダウンズ共通の嗜好という教会音楽の影響が滲み出たクラシカルなコード進行など、定番フォーマットが確立。若干マイナー・キーに偏りつつも、美メロが随所で炸裂しております。 Icon 3

WHITE WILLOW / Storm Season

WHITE WILLOW / Storm Season AMAZONで詳細をチェック

ノルウェーの鬱系プログレッシブ・ロック・バンドWHITE WILLOWの2004年4th。シルヴィア・エリクセン(Vo)嬢の可憐な女性ボーカルをメロトロン、ハモンド、モーグ、フェンダー・ローズ、ウーリッツァーといったヴィンテージ・キーボードやフルート、チェロといったアコースティック楽器が織り成す暗黒グルーヴによって包み込むメランコリックなサウンド。ヘヴィに迫る場面ではゴシック・メタルのようなムードも感じさせます。デジタル・シンセも効果的に使用されており、アコースティック楽器と絶妙のマッチングを見せています。木漏れ日フォークのような序盤から優しい歌唱をフィーチュアした#3。ディストーション・ギターとハモンドのリフに導かれヘヴィに展開する暗黒シンフォ#4。グロッケンがミステリアスなムードを醸し出すプログレッシブ暗黒チューン#5。7拍子に乗るオルガン・ソロやモーグによるシンセ・ソロを含むヘヴィな#7。等々、どれも暗鬱な静寂パートや屈折したインストパートが用意されており一筋縄ではいきません。

Storm Season

THE WISHING TREE / Carnival of Souls

THE WISHING TREE / Carnival Of Souls AMAZONで詳細をチェック

MARILLIONのソングライターでギタリストのスティーブ・ロザリーのプロジェクト・バンドTHE WISHING TREEの1996年作。当時学生だったという”20世紀最後の妖精”ハンナ・ストバートの美声が大いにフィーチャーされた英国情緒たっぷりなフォーク/ロック。胸キュン・メロディーと女性Voの絶妙な絡みはALL ABOUT EVEを想起させる。普遍的な魅力に溢れたアルバムです。

Carnival of Souls

THE WISHING TREE / Ostara

THE WISHING TREE / Ostara AMAZONで詳細をチェック

英国ネオ・プログレバンドMARILLIONのスティーブ・ロザリー(G)が”20世紀最後の妖精”ハンナ・ストバート(Vo)と組んだプロジェクト WISHING TREEの13年ぶりとなる2009年2ndアルバム。英国トラッドの香りも仄かに漂うしっとりと落ち着いたアンサンブルをバックに、ハンナの少々鼻にかかったような独特の美声がたゆたうスタイルは不変。ハンナの声は中音域がベースだが、高音になった時の瑞々しい透明感が堪らないです。モーダルな歌メロがアニーハズラム(RENAISSANCE)、ジュリアンヌ・リーガン(ALL ABOUT EVE)、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(GATHERINGAGUA DE ANNIQUE)等の歌姫達を想起させるタイトル曲#1から、アコギのシンプルな伴奏に耳元で囁かれているかのような生々しい歌声が映える#8まで、21世紀になってもやっぱり妖精なハンナの魅力がアルバム全編通して大フィーチャーされております。Ostara

WITHIN TEMPTATION / Enter

WITHIN TEMPTATION / Enter AMAZONで詳細をチェック

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの1997年1st。シャロン・デン・アデル(Vo)の清楚で美しいソプラノ・ヴォイスを中心に据え、耽美なピアノ、荘厳なリフを刻むギター、大仰なシンセ・ストリングスによって展開される様式そのままの典型的なゴシック・メタル。曲によってはシャロンの私生活でのパートナーでもあるロバート・ウェスターホルト(G/Vo)のグロウル・ヴォイスとの醜美の対比も。ボーカルのメロディにメジャーになってからのようなキャッチーさは無いし、オーケストレーションもまだシンフォニック度は低いが、それがかえって不器用ながらも耽美かつ清楚な雰囲気を醸し出す結果となっており、ゴシック・メタルとしての完成度は高いです。先にデビューしていた先輩格のノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYからの影響を感じさせながらも、マタイン・ウェスターホルト(Key)のキーボード・ワークが加えた彩りで単なるフォロワーに止まらない個性を打ち出す姿勢も感じられます。表現力はまだまだだが、シャロン嬢の美声の透明感はこの1stが一番かもしれません。Enter

WITHIN TEMPTATION / Mother Earth

WITHIN TEMPTATION / Mother Earth AMAZONでチェック

WITHIN TEMPTATIONの2000年2nd。類型的ゴシックより脱却しシンフォニック度とメロディック度を大幅増量、バンドとしてのスケール感も加わった。起伏のある美メロを歌うことでシャロン嬢の瑞々しいVoもそのポテンシャルを存分に発揮、表現力が桁違いに向上している。ソング・ライティング面も進化、より立体的にオーガニックに紡がれる壮麗なWITHINワールドの完成までもう少しだ。

Mother Earth

WITHIN TEMPTATION / The Silent Force

WITHIN TEMPTATION / The Silent Force AMAZONで詳細をチェック

WITHIN TEMPTATIONの2004年3rd。深みの加わった厚いシンセとクワイヤで幕を開けるシンフォニックなWITHINワールドの頂点。メロディ、楽曲、アレンジ、Vo全てが完璧。壮麗なオケには一切無駄な音が無く緻密な計算の元有機的に紡がれた一音一音が各曲を最高に仕上げる為だけに存在しているかのようだ。圧倒的な説得力と優しい母性を同居させたシャロン嬢の歌唱も比類無きレヴェルに到達。押しと引き、動と静のコントロールも見事。快感の音のシャワーにひたすら身を任せるが良い。

The Silent Force

WITHIN TEMPTATION / The Heart of Everything

WITHIN TEMPTATION / The Heart Of Everything AMAZONで詳細をチェック

WITHIN TEMPTATIONの2007年4th。前作が完璧だっただけにリリース前には一抹の不安もあったが、そんな杞憂をあっさり払拭。キャリアの頂点を極めた前作の流れを踏襲した文句の付けようが無い壮麗にしてゴージャスな音絵巻。それにしても良くこれだけネタ持ってるな。次から次へと湧き出る印象的なリフ、リリカルなピアノ等々全編フックの嵐。又こんな完璧なの作っちゃって・・・今から次作が心配だ^^;

The Heart of Everything

WITHIN TEMPTATION / The Unforgiving

WITHIN TEMPTATION / The Unforgivin AMAZONで詳細をチェック

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの2011年5thアルバムThe Unforgiving。試行錯誤の1st、ケルトに活路を見出しスケールの大きなサウンドに進化した2nd、壮麗なオーケストレーションを施し独自のゴシック・メタルを完成させたた3rdとそのスタイルを継承した4th、と順調にキャリアを重ねシーンの頂点に君臨するに至ったWHITHIN TEMPTATION。前作で感じた「これ以上完璧なモノがまだ創れるのか?」という危惧にも似た疑問に対する回答がこの5thアルバム。その回答は意外なものでした。まず商売的には、オリジナルのコミックに基いたストーリー仕立て、という楽曲ダウンロード時代でのCD販売を見据えた斬新なメディアミックス手法。そして音楽的には、シャロン・デン・アデル(Vo)の異常なまでにしゃくり度合いを増したワイルドな歌唱法や、 これまでは存在すらしないかあってもアレンジされたメロディをなぞる程度だったギター・ソロが大幅増量で個性をアピールするなど、普遍的なHR/HMの様式に則った表現を随所に導入。特にオケの一部と化し没個性にも感じられた存在からの脱却を果たしたギターの存在感は、前作・前々作でのオケ:ギター比率=7:3から4:6くらいにそのシェアを逆転。壮麗でスケールの大きさをも感じさせる一方で作り込み感も高かったスタイルから、身近で少々ラフなスタイルへと、サウンドの質感に大きな変化をもたらしています。かといってシャロンの表現力に陰りは無く、メロディの質は相変わらず高いので、もはや質の問題では無く単に好きか嫌いかだけでしょう。個人的には、溌剌としたシャロンも良いですが、"Forsaken"(The Silent Force)などのような清廉なソプラノ・ヴォイスをもっと聴きたかった。次はどう出てくるんでしょうか? The Unforgiving

WHITESNAKE / Ready An' Willing

WHITESNAKE / Ready An' Willing AMAZONで詳細をチェック

元DEEP PURPLEのデヴィッド・カヴァーデール(Vo)のソロから発展したブルーズ・ロック/ハード・ロック・バンドWHITESNAKEの1980年3rd。ブルージーなバーニー・マースデン(G)、スライド・ギターの名手ミッキー・ムーディ(G)のツイン・ギターに、NATIONAL HEALTHやCOLLOSEUM II等ジャズ・ロック畑でお馴染みのニール・マーレイ(B)、そしてジョン・ロード(Key)、イアン・ペイス(Dr)という元PURPLE組を加えての6人編成。ハード・ロック定番の5度重音リフ、ニールのメロディアスなウォーキング・ベース、マイナー・セブンスの胸を締め付ける響き、そしてメロディアスなバーニーのソロがハイライトとなった代表曲#1。ツイン・ギターのハーモニーにジョン・ロードのオルガン・ソロをフィーチュアしたゴキゲンなロックン・ロール#2。クラビネットが細かいスウィング感を醸成、オクターヴァーを掛けた様なメタリックな質感のトーンのミッキー・ムーディ(G)によるソロが印象的なブルーズ・ロック#3。デイヴィッドの幅広い歌唱が楽しめるリラックスしたムードのソフトなブルーズ・ロック#4。打って変わって、デイヴィッドの魂の歌唱とバーニーの泣きのソロが胸を打つ、DEEP PURPLEの"Soldier of Fortune"を彷彿させる美しい#5。アコギのカッティングにマイルドなシンセのメロディが加わって広がりを生む序盤から、イアン・ペイスのスネアを合図にブルージーかつキャッチーに展開する#6。渋いブルーズ・ロック#7。場末の酒場でライブ録音されたかのような楽しいロックン・ロール#8。バッキングとソロに活躍するホンキートンク・ピアノ、サビでの一瞬の哀愁が溜まりません。ブルージーな序盤からアップテンポのハード・ロックに展開する#9。エキセントリックでスペイシーなシンセ・ソロが若干クラシカルなテイストを漂わせているのがジョン・ロードらしいです。勿論、主役のデイヴィッドの歌が中心で、その主役を引き立たせる的確でタイトなアンサンブルが肝ではありますが、それでいて個性を滲み出させた各メンバーのプレイにチーム・ワークの良さが感じられる好盤であり名盤。Ready An' Willing

WHITESNAKE / Come an' Get It

WHITESNAKE / Come an' Get It AMAZONで詳細をチェック

WHITESNAKEの1981年4th。メンツは前作同様デイヴィッド・カヴァーデール(Vo)、バーニー・マースデン(G)、ミッキー・ムーディ(G)、ニール・マーレイ(B)、ジョン・ロード(Key)、イアン・ペイス(Dr)。軽快なノリに余裕を漂わせた#1。イアン・ペイスのちょっとしたドラム・ソロとジョン・ロードのオルガン・ソロをフィーチュアしたタテ乗りロックン・ロール#2。
オルガンのリフとバーニー・マースデンの哀愁のフギター・ソロが印象的な#3。哀愁のサビ・メロが堪らないスローテンポのブルーズ・ロック#4。ジョン・ロードのピアノがリードするロックン・ロール#5。ギタリスト2人による掛け合いソロも含めて楽しいムードが伝わる、この時期のWHITESNAKEの得意とするパターンのひとつです。ドラマティックな起伏を持つスケールの大きな#6。シンプルなリフがリードするブルーズ・ロックン・ロール#7。ファンキーな薫り漂うブルーズ・ロック#8。この手のタイプの曲でジョン・ロードのクラビネットはWHITESNAKEの定番。ミッキー・ムーディによるトーキング・モジュレーターとスライド・ギターがアクセントとなった#9。アコギのカッティングにシンセ・ストリングスが絡み、スネア1発でバンド・インするキャッチーなナンバー#10。等々、ヴェテラン揃いでメンバーの変更も無く制作された事で、悪く言えばマンネリ、良く言えば安定したバンド・アンサンブルを聴かせています。ロックン・ロールの#5、ドロ臭いブルーズ・ロック#8、アコギが絡む雄大な#10など、前作の焼き直しのような楽曲が中心のラインナップも平均的で特に意外性も無いのが耳障りの良い反面、あっさりし過ぎの感も。Come an' Get It

WHITESNAKE / Saints and Sinners

WHITESNAKE / Saints and Sinners AMAZONで詳細をチェック

WHITESNAKEの1982年5th。アルバム完成時にはギャラ等の問題でメンバー全員がデイヴィッド・カヴァーデール(Vo)に解雇されており、レコーディング・メンバーのクレジットは無いが、メンツは前作同様。一部バッキング・コーラスに後に正式メンバーとなるメル・ギャレイが参加しています。溌剌とした中に叙情も織り込んだオープニング・ナンバー#1。ミッキー・ムーディ(G)のスライド・ギター・ソロをフィーチュアしたブギ#2。ロックン・ロール・ナンバー#3。ミディアム・テンポの#4。ヘヴィなブルーズ・ロック#5。軽快なシャッフルの#7。ジョン・ロードのピアノがバッキングとソロで活躍するロックン・ロール#8。ギターのハーモニー、オルガン・ソロをフィーチュアした、クラビネットの小気味良い16分刻みがリードする#9。ブルーズ・ロック#10。等々、楽曲はWHITESNAKEお馴染みの黄金パターンによるブルージーなハード・ロックでソツ無くまとまっており、バンド内の問題を感じさせないヴェテランならではの円熟の出来映え。そんな中、オルガンの厳かなバッキングからハード・ロックへドラマティックに展開するキャッチーな#6が異彩を放っています。#6は#5と共に後に1987年のWhitesnakeにてリメイクされます。Saints and Sinners

WHITESNAKE / Slide It In

WHITESNAKE / Slide It In AMAZONで詳細をチェック

WHITESNAKEの1984年6th。前作で一度バンドをリセットしたデイヴィッド・カヴァーデール(Vo)がメンバーを再構成。ミッキー・ムーディ(G)、ジョン・ロード(Key)の出戻り組に、メル・ギャレイ(G)、コリン・ホッジキンソン(B)、MSGを脱退したコージー・パウエル(Dr)を加えたメンツで制作されました。敏腕のジョン・カロドナー率いるゲフィンに移籍した効果か、サウンドが劇的に変化。前2作で漂っていたブルーズ・ロックをベースとしたソング・ライティング面のマンネリ感が払拭され、開放的で明快なメロディのハード・ロックが満載。メジャー感溢れるリフに乗ってキャッチーなサビを展開する#2,#5,#9,#10は勿論、ミッキー・ムーディのテイストが充満する#6、ロックンロールの#7までもがとにかくゴージャスに仕上がってます。さらに、後にリリースされたUS盤では、脱退したミッキー・ムーディの代わりに加入した元TYGERS OF PAN TANG/THIN LIZZYのジョン・サイクス(G)のプレイを追加。ミックスもより抜けの良い感じに差し替えられダブル・プラチナの大ヒット。実際、ジョン・サイクスがレコーディングしたのはバッキング中にワイルドなグリッサンドを追加したりとか、一部のギター・ソロをオリジナルのメロディに倣って弾き直しただけのようですが、これによって楽曲に勢いというか若々しさが加えられました。また、ジョン・サイクスにとっても良質な楽曲の構造を学ぶ機会ともなったようで、次作ではTYGERS OF PAN TANG/THIN LIZZY時代の作品からは想像できないくらいに成熟&充実した高品位な楽曲をデイヴィッドと共に作曲することになります。 Slide It In

WHITESNAKE / Whitesnake

WHITESNAKE / Whitesnake AMAZONで詳細をチェック

前作「Slide It In」から参加の元THIN LIZZYのジョン・サイクスが唯一のギタリストとなったためか暴れまくってるWHITESNAKEの1987年作。サイクスはレコーディング後脱退、MTVで各曲のクリップが流れ出した頃には全然別のメンツになっていた。Bはニール・マーレイ、派手でヘヴィなドラミングを聴かせるのは元JOURNEYのエインズレー・ダンバーだ。最高のメンツでレコーディングされた最高のHRアルバム。ドライヴィングHR曲#8はプロ野球好プレー珍プレーの「好プレー」BGMとしてもおなじみ。他にも永遠の名曲#1,#3,#4,#5,#6など、とにかく名曲揃いな上、各メンバーのプレイが最高。サイクスのソング・ライティングもこの頃がピークだろう。THIN LIZZYでツアーやってる(2007年現在)場合じゃないぞ!1987

WHITESNAKE / Good To Be Bad

WHITESNAKE / Good To Be Bad AMAZONでチェック

2008年10th。デイヴィッド・カヴァデールの薫陶によりダグ・アルドリッチの作曲能力が開花。全体的に「1987」路線ながら、オルガンやスライド・ギター、ブルージーなフィーリング等アレンジもかなり練られており、今までに聴いてきたWHITESNAKEのフレイバーがそこかしこに漂っている。それにしてもデイヴィッド・カヴァデール、今年で57歳を迎えるとは思えない声のハリです。この声と上手いギター、ヘヴィなドラム・・・もう理屈抜きに楽しめるアルバムですね、これは。 個人的には、カッコ良いリフにStill of the Nightの影がよぎる#3やギターのハーモニーをはじめ何となくTHIN LIZZYっぽい#6が好きですね。#6は、ハーモナイザーにクリケット奏法、滑らかな早弾きのレブ・ビーチ。(本編)と、ワウを絡ませつつブルージー且つモダンなフレージングで盛り上げるダグ・アルドリッチ。(ボーナス)という2つのバージョンのギターソロが楽しめます。ライブでは多分二人とも弾くんだろうな〜。 想像しただけで、ご飯3杯おかわり可能です。グッド・トゥ・ビー・バッド

WISHBONE ASH / Argus

WISHBONE ASH / Argus AMAZONで詳細をチェック

英国のロック・バンドWISHBONE ASHの1972年作。メロディアスなVoハーモニーと叙情ツイン・ギターに善き日のブリティッシュ・ロックを思い起こさせられる。Gの片割れアンディ・パウエルはRENAISSANCEの「Ashes Are Burning」にゲスト参加している人です。

百眼の巨人アーガス+3 30thアニヴァーサリー・エディション>

WINGER / Winger

WINGER / Winger AMAZONで詳細をチェック

アメリカはニューヨークのHR/HMバンドWINGERの1988年1st。アリス・クーパー・バンドで活動していたキップ・ウィンガー(B/Vo)、ポール・テイラー(Key/G)が中心となり結成され、後にセッションマンのレブ・ビーチ(G)、DIXIE DREGSのロッド・モーゲンスタイン(Dr)が加わりRATTでお馴染みボー・ヒルのプロデュースでレコーディングされました。全ての楽曲を書き#2冒頭のストリングスをアレンジするなど洗練されたセンスを持つキップ・ウィンガーの音楽的才能とバレエ経験を活かした華麗な身のこなしを見せたPVで話題になり大ヒット。タッピングによる流麗なギター・ソロ、キャッチーなのに実は複雑でテクニカルな#3のリフなど超絶技巧を余裕でこなすレブ・ビーチも楽曲構成において多大に貢献しております。ジミ・ヘンドリックスのカヴァー#5ではドウィージル・ザッパ(G)がゲスト参加。レブと華麗なギター・バトルを展開しています。この時期テクニカルなギタリストは山ほど存在していましたが、#3のソロ、#9冒頭などタッピングで個性を発揮しつつ、バッキングやメロディアスなフレージングでチーム・プレイも堅実なレブ・ビーチの登場はギター・キッズにとってかなり衝撃でした。Winger

WINGER / In the Heart of the Young

WINGER / In The Heart Of The Young AMAZONで詳細をチェック

WINGERの1990年2nd。アメリカンな骨太さとスケール感がアップした。反面WINGERらしいセンスの良さが後退した様な印象。しかし名曲#5だけは高次元。プログレッシブな質感を漂わせるクールなヴァースとサビメロのドラマティックな展開の落差に熟練の味を感じさせる。シンセのオーケストレーション、レブにしては抑え気味なGプレイもポイント高し。

In the Heart of the Young

WESTWORLD / Westworld

WESTWORLD / Westworld AMAZONで詳細をチェック

元TNTのVoトニー・ハーネル、RIOTのGマーク・リアリ、元RAINBOWのDrジョン・オライリーらによるプロジェクト・バンドWESTWORLDの1st、1998年作。日本だけの企画?だからなのか低予算っぽい作り込みの甘さが目立つ。ドラムの音しょぼいし。Gのバッキングも白玉でジャーンが多すぎる。曲も真新しさの無いありがちなメロディアスHR。もっとちゃんと考えて作れ。トニーに歌わせるの勿体無いワ。

ウエストワールド





2007-2010 プログレやメタルのレビュー ☆千一夜☆の深い森 ALL RIGHTS RESERVED