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REVIEW S

SOFT MACHINE / Soft Machine

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カンタベリー・ミュージックの祖、SOFT MACHINEの1968年1st。ジミ・ヘンドリックスのアメリカ・ツアー同行中に、ニューヨークで4日間でレコーディングしたという1stアルバム。ロバート・ワイアット(Dr,Vo)、ケヴィン・エアーズ(B,Vo)、マイク・ラトリッジ(Key)の3人が繰り出す音はまさにサイケデリック。ジャズへの憧れを隠そうともしない#5あたりでのアバンギャルドな即興ソロの応酬も、やりっ放し感が強く”若気の至り”的微笑ましさも。そんな青さの反面、サイケ風味は絶品です。#7,#9,#12あたりのポップなサビメロとチープな音質のオルガンが織り成す少々くすんだ感じのカラフルな雰囲気は、時代を超越したカッコ良さです。とにかく、既成概念に囚われない奔放さが魅力的でイカしてます。つたない部分も多々あるが、それがかえって嫉妬をも感じさせる、60年代後半における英国のムードを切り取ったかのような1枚です。 Soft Machine

SOFT MACHINE / Volume Two

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SOFT MACHINEの1969年2nd。脱退したエアーズにかわり、ヒュー・ホッパー(B)が加入。兄のブライアン(Sax)がゲスト参加。オシャレなピアノと「Good Evening・・・」で始まる朗読?がファズ・ベースに乗って軽快に登場する#1〜#2にかけての人をくったようなユーモア路線から、Saxのリフが緊張感溢れる#3への流れでリスナーのハートを鷲づかみ。続く#5から#8まではピアノを軸に、サイケなPOP感覚を見せたかと思えば、ファズ・ベースが唸ってクールに展開と変幻自在。そして、リプライズ的な#9ときてアバンギャルドに締めくくる#10までのアナログ時代でのA面が怒涛の展開で一気に聴かせます。7拍子が心地良いヘヴィでPOPな#11、トラッド・フォークを思わせるシンプルなアコギ伴奏とヒネリの効いた歌メロが素敵な#12あたりの、とっつき易い歌モノの構成力は前作からの成長を伺わせる。一転して#13からはアバンギャルド、高速7拍子が入り乱れるテクニカルにしてハイテンションな連作でリスナーを圧倒。イカしてます。 Volume Two

SOFT MACHINE / Third

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SOFT MACHINEの1970年3rd。アナログ時代はディスク2枚での4曲構成で歌入りは#3のみ。基本の3人にホーンセクションを加え、ジャズ風味もあるサイケでカラフルなロックだった前作から硬派なジャズ路線に進化してます。とはいえ#1では、ホーンがテーマのメロディをクールに構築する傍ら、ソロタイムではマイク・ラトリッジのファズ・オルガンがこれでもかとシングル・ノートの反復フレーズを叩きつける所に熱いロックな息吹も感じられます。全編シリアスでジャジーな印象なので堅苦しさすら覚えそうな所ですが、前作までの流れを継承したメロディアスでサイケPOPなヴォーカル曲#3の存在がナイスな気分転換となってます。別の日のライブを繋げた#1やャeープの逆回転エフェクトを駆使した#4にスタジオ・ワークとしてアルバム制作を捉えた実験的な姿勢が感じられます。ミニマルで浮遊感のある無機的な逆回転と、その後の7拍子パートでのオーガニックに爆発するインプロビゼーションとの対比が効果的なんですよね。 Third

SPIROGYRA / Bells,Boots and Shambles

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ブリティッシュ・フォーク・ロックの名バンドSPIROGYRAの1973年3th。この時点で正式メンバーは全曲を手がけたマーティン・コッカーハム(Vo/G)、バーバラ・ガスキン(Vo)の2名のみで、過去の在籍メンバーやゲストのヴァイオリン、フルート等のプレイヤーを加えて制作されています。アコギのアルペジオからフルートやチェロが幽玄に絡みドラマティックに展開するプログレッシブ・フォークの#1。バーバラの天使のような歌声がアコギ、フルート、チェロによる厳かな伴奏の中に映える英国叙情満点の#2。マーティンが歌うアメリカンなムードのフォークにバーバラの雲間から光差すような神々しいスキャットが清涼感をもたらす#3、後半は一転してバーバラがメインの叙情フォークになってます。ピッコロ・フルートとアコギのシンプルな伴奏にバーバラのボーカルが乗る美しすぎる小品#4。ドリーミーな中に屈折したムードを織り込んだ#5。マーティンの歌う穏やかな#6。疾走するアコギのパートからトランペットとバーバラのスキャットによるメイン・テーマのリフレインでドラマティックに幕を引く組曲形式の#7。マーティンのアクの強いボーカルは好き嫌いが分かれそうな部分ではありますが、その存在がバーバラの儚げな美声をより一層輝かせると共に絶妙な陰影と起伏をアルバムにもたらしています。Bells Boots & Shambles

SANDY DENNY / The North Star Grassman and the Ravens

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FAIRPORT CONVENTION、FOTHERINGAYを経た英国フォークの歌姫 サンディ・デニー(Vo)の1971年1stソロ。元FAIRPORT CONVENTIONのリチャード・トンプソン(G)がサンディと共に共同プロデュース。その他、夫のトレヴァー・ルーカス(G)等のサポートで制作。サンディ自らプレイするピアノとリチャード・トンプソンの枯れたトーンのギター・ソロが味わい深い、哀愁のフォーク・ナンバー#1。LED ZEPPELINの"Black Mountain Side"とルーツを同じくするトラッドのアレンジ#2。トラッドな香り漂う優しいメロディのフォーク#3。ディランのカヴァー#4。ヴァイオリンをフィーチャーしたトラッド風ナンバー#5。幽玄なストリング・セクションを絡め、しっとりと聴かせる#6。リラックスしたムードの#7。楽しいロックン・ロール#8。ストリングス・セクションがエキゾチックなテイストを醸しだす#9。トラッドと叙情味が融合、足踏みオルガンの素朴な音色が印象的なタイトル・トラック#10。サンディがダブル・トラックで自ら重ねたハーモニーが美しい#11。等々、FAIRPORT CONVENTIONにサンディが初めて参加した"Unhalfbricking"で見せた、トラッド/ボブ・ディランのカヴァー/オリジナル、といった雑多な要素をよりコンテンポラリーなテイストで再現したような作風。様々な表情を見せるサンディ絶品の歌唱が素晴らしいのは勿論ですが、#6、#9で導入されたストリングスやバックを固めるプレイヤー達のツボを押さえた熟練のプレイから成るアレンジが、渋めながらもここぞという時にはしっかり主張してフックとなっており楽曲の印象を深めています。英国的な静かな情緒を湛えたキーフによるジャケット・アートも素晴らしいです。The North Star Grassman and the Ravens

SUPERTRAMP / Crime of the Century

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英国のロックバンドSUPERTRAMPがプログレ風味だった頃の1974年3rdアルバム。2人のソングライター、ロジャー・ホッジスン(Vo/G/Piano)とリチャード・デイヴィス(Vo/Key)による適度なウェット感とPOP感覚を兼ね備えたメロディーにプログレッシブな要素が相まった親しみやすくもヒネったサウンドが特徴。高音中心で少々クセのあるロジャーと中音域中心でストレートなリック、という2人のヴォーカリストのキャラクターもサウンド面での幅を持たせる要因に。#5などでSUPERTRAMPサウンドのカギともいえる”プアマンズ・ローズ”ウ−リッツァーのひしゃげたような独特のトーンも活躍。#3、#4、#6など6〜7分台の楽曲を普通に配する所も売れ線狙いとは一線を画すバンドのプレゼンスを主張してます。それと忘れちゃいけないのが、ジョン・アンソニー・ヘリウェルによるサックスやクラリネットが醸しだす何とも言えないペーソス感。物悲しいんですが、暖かみもあり、少々とぼけた風でもあるこの感じ。それに気付いた時にはもう虜です。 Crime of the Century

SUPERTRAMP / Crisis? What Crisis?

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SUPERTRAMPの1975年4th。タイトな演奏によりコンパクトにまとめられた楽曲の中で、明るさと湿り気が紙一重で同居する絶妙なバランス感覚がドラマを演出しています。その白眉が#6。お馴染みウーリッツァーの8分刻みに乗りマイナーからメジャーに移行する冒頭から、高揚感抜群のハジけるサビに至る展開が独創的です。12弦アコギによる爽やかなカッティングにハーモニカが哀愁をプラスする#2。ヘヴィ・ブルーズ調から突然緩い西海岸風サビに変化する#3。ピアノとストリングスをメインにチェンバロのオブリガードも加えた端正なアレンジが格調高い#4。ウーリッツァーのパーカッシブな伴奏にクラリネットによる場末のペーソス感が胸キュンな#7。ムーディなサックスソロとストリングスによる盛り上がりをバックにロジャーとリックがヴォーカルを分け合うバラード#8。アルペジオに絡むクラリネットが妖しい序盤とキャッチーだが翳りのあるサビがプログレッシブな雰囲気を醸しだすドラマティックな#9。等々、バラエティ豊かでスケール感もアップした名盤です。Crisis? What Crisis?

SUPERTRAMP / Even in the Quietest Moments...

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SUPERTRAMPの1977年5th。爽やかなアコギとロジャーの透明感ある歌唱が冴える#1や#3(#1が全米20位入り!)。リックの艶のある歌唱をフィーチャーした美しいメロディのキャッチーな#2,#4。そしてようやく屈折感とペーソスを持った#5が登場。ロジャーのセンシティブな歌唱と捻ったアレンジにジョンのサックスがベストマッチ。再びリックの洒落たピアノが主導するバラード#6ときて、ラストのプログレ大作#7。静かなピアノのイントロがフェイドアウトすると、荘厳なストリングスと鐘の音や街の喧騒などのSEを掻き分けてシンセによるメイン・リフが登場。続いてサックスのオブリガードを交えつつストリングスとコーラスに導かれ、ヴォーカルがスタート。深みのあるメロディをなぞる少々シアトリカルなロジャーの歌唱がドラマを盛り上げます。 そして、メインリフとユニゾンで迫るヴォーカルとそれに絡む単音シンセの分散和音フレーズ。まるで中期GENESISのような迫力。コマーシャル性とアーティスティックな側面との微妙なバランスがナイスなサジ加減で次作での世界的大ブレイクを予感させます。Even in the Quietest Moments...

SUPERTRAMP / Breakfast in America

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SUPERTRAMPの1979年6th。ピアノのリフレインによるフェイドインからギターのフィード・バックでいきなりロックする、静と動のダイナミズムがドラマティックな#1。ウーリッツァー独特の歪んだエレピをバックにペーソス感と郷愁を感じさせるメロディーが秀逸な#2。リックのヴォーカル曲としては珍しくエレピやオルガンによるカラフルなアンサンブルに乗ったPOPな#3。端正なアコピと美しいコーラスが印象的な#4。落ち着いたバラードに小粋なアレンジが施された#5。冒頭のハーモニカが哀愁と共に暖かみも感じさせる#6。美しいピアノの弾き語りからバンドが入り盛り上がる#7。軽快なウーリッツァーがリードするPOPな#8。ラストの大作を控え程良くリラックスした小品#9。そして緊張感あるイントロからしてただ事ではムードの重厚なプログレッシブ・チューン#10。#1,#3,#5等リックがメイン・ヴォーカルを取りロジャーがコーラスでアクセントを付ける(ラストの#10はその逆パターン)、というバンドとしての充実度を物語る黄金パターンが楽曲の魅力を増量。楽曲のクオリティ、流れともども完璧なアルバム。Breakfast in America

SUPERTRAMP / Famous Last Words

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大ヒットした前作Breakfast In Americaに続き、ライブアルバムを挟んでのSUPERTRAMPのスタジオ7th。1982年作。中心人物のロジャー・ホッジソン(G/Key/Vo)在籍最後のアルバムだったり、前作のプレッシャー云々で曲調が暗いといわれがちですが、むしろ本来の姿に戻っただけだと思いますね。#1,#3,#5,#7と多彩かつ多才な表情を見せるロジャーの曲は相変わらず最高。ウーリッツァーが目立たなくなったのは残念ですが、ジョン・ヘリウェルのクラリネットやサックスは健在だし、リック・デイヴィス(Key/Vo)の曲はは良くも悪くもいつも通り地味だし、全体の冷ややかな質感もいつも通りだ。ま、確かにラスト#9のタイトルといいセンチメンタルなムードといい、ロジャーの決意みたいなものは感じられますが・・・アルバムとしてのクオリティは、売れ始めてからのここ数作にひけを取らないと思いますね。しかしそれだけにロジャーとしては、バンドとしてはやり尽くした、という思いだったのかもしれません。ロジャーは1984年にIn The Eye of The Stormでソロ・デビュー。Famous Last Words

SPRING / Spring

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トリプル・メロトロンで有名な英国のフォーク・ロックバンドSPRINGの唯一作。音楽性は英国らしく端整で叙情味を湛えたメロディアスなフォーク・ロックで、まどろむような優しいボーカルがメロトロンに良くマッチしてます。全編に使用された霧のようなメロトロン・ストリングスを筆頭にグロッケンなど小ネタも効いた#1。#1とは違い、ここぞという場面で登場するメロトロンがアレンジに起伏をもたらす#2。アコギがリードするフォーク小品#3。マーチングのようなスネアが印象的な#4にも当然のようにストリングスや管のメロトロンが切り込んできますが、楽曲はファンキーな要素を持ったフォーク・ロック。独特な牧歌的テイストが堪りません。続く#5は開放的なリフを持ったメジャー感覚なフォークなんですが、ボーカルのバックのくすんだメロトロンが英国的な翳りも感じさせます。中間部のオルガンとエレキのソロや、それに続くパートでのアコギを交えたアレンジも巧みで聴き所満載です。#6はギターやオルガンがリードするロックですが、間奏のグロッケンとメロトロン・フルートが可愛いニュアンスをもたらす楽しいナンバー。ピアノをバックに切々と歌うバラード小品#7を挟み、#8でも静かな序盤は霧のように、感動的に盛り上げるサビでは洪水に、ラストは神々しく、とメロトロンが大活躍しております。ジャケット・アートはキーフ。 スプリング

STRAWBS / From the Witchwood

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前身は”ストベリー・ボーイズ”というちょっと恥ずかしい名前のブルーグラス・バンドだったSTRAWBSの1971年4th。後にYESに加入するリック・ウェイクマン(Key)が在籍していた事で有名です。基本的には美しいハーモニーとアコギを中心とした素朴でメロディアスな田園フォークながら、そこにラテン、インド、サイケ等々様々なエッセンスを上手くトッピングし独自のカラフルな世界を構築しています。その立役者はリック・ウェイクマン(Key)でしょう。レズリーが唸るグリッサンドからテンポアップし、クラシカルな格調高いハーモニーで締める#1のオルガン。転がるように軽快な#4のピアノ。クラシカルな#5冒頭のチャーチオルガン。サイケな#6や#7のオルガン。#8の優しくヴォーカルハーモニーを包み込むメロトロンと煌びやかな響きのオブリガードを奏でるピアノ。厳かな#9のハープシコード。等々、場面に合わせて様々なキーボードがアレンジに上手く溶け込みサウンドに彩りを加えてます。バンジョーやシタールも効果的に使用されています。From the Witchwood

STRAWBS / Grave New World

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STRAWBSの1972年5th。キーボードがYESに加入したリック・ウェイクマンからブルー・ウィーバーにチェンジ。様々な音色とフレーズで個性を楽曲に反映させていた前任者と比べると、一歩下がって俯瞰するかのようなスタンスで目立ちはしないが楽曲に必要不可欠のパートを堅実に演奏しています。爽やかなアコギにオルガンやメロトロンの装飾とエレクトリック・ダルシマーと思しきソロまで登場するボリューム感満点のポジティブ・ナンバー#1で幕を開け、#5は大仰なイントロとメロトロンの白玉がプログレッシャーの心を鷲づかみに。美しいコーラス・ハーモニーで始まる#7では、ハーモニウム(足踏みオルガン)にメロトロンやオルガン、そして叙情パートで単音メロディーを奏でるクラヴィオラインとウィーバー大活躍。美しいメロディに本物のヴィンテージ・キーボードしか出し得ないオーガニックなサウンドが溶け合った至福のひとときが味わえます。 Grave New World

STRAWBS / Bursting at the Seams

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STRAWBSの1973年6th。脱退したトニー・フーパー(G/Vo)に代わり、デイヴ・ランバート(G/Vo)が加入。ハード・ロックっぽいエレクトリック色が濃くなった。その反面、霧のようなメロトロンに絡む#1のバンジョーやインド風味なフォークの#2、ジプシー調の#7中盤といったエキゾチックかつアコースティックな要素も健在。アルバムのクライマックスはロンドン・シンフォニー・オーケストラが参加したドラマティックなメドレーの#4〜#5。特に#5は、期待感が膨らむエレキギターとピアノのユニゾン・リフによるオープニング、アコギとメロトロンをバックにしたフォーキーなヴォーカルパート、一転してフィードバック寸前のディストーション・ギターによるコード・カッティングをバックにしたハード・ロックパート、そして最後は壮大な管弦楽でスケールの大きな盛り上がりを見せる、といった目まぐるしい展開のプログレッシブ大作に仕上がってます。その他全体的には、#9をはじめソフィスティケイトされたキャッチーで美しいヴォーカル・ハーモニーに売れ線狙いも垣間見れますが、フォークをベースに様々なテイストによる楽曲がゴッタ煮状態で混在しつつも独特の牧歌的な雰囲気が醸し出すSTRAWBSのアイデンティティは隠しようも無い結局ブリティッシュな名作。 Bursting At The Seams

STRAWBS / Hero and Heroine

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プログレ度がますます上昇したSTRAWBSの1974年7th。前作を発表後のツアーを最後にデイヴ・カズンズ(Vo/G)、デイヴ・ランバート(Vo/G)以外のメンバーが脱退。リズム隊と鍵盤奏者を新たに加入させるわけなんですが、キーボードは何と元オリジナルRENAISSANCEのジョン・ホウクン(Key)。曲調や場面に応じてアコースティック・ピアノ、エレピ、オルガン、メロトロン、シンセ、と言った具合に持ち前の上品なトーンとフレージングで大活躍しております。(ちなみに脱退した鍵盤のブルー・ウィーバーは、様々なセッションをこなした後に何とBEE GEESに加入し大成功!) メロトロン大洪水の序盤、端整なピアノの中盤、教会風クワイヤの終盤とのっけからドラマティックに迫る組曲#1。程良くくすんだエレピの伴奏に乗ったAOR風なボーカル・パートから、突如クラシカルなオルガン・ソロで感動的に盛り上げる#2。キャッチーなロックン・ロールに叙情シンフォニックなメロトロン・パートが挿入された#3。コーラス・ハーモニーの美を気品あるピアノとメロトロンでさらに増幅する#4。メロトロンによる大仰でシンフォニックなメイン・リフに埃っぽいフォークのボーカル・パートが融合したプログレ・チューン#5。#5からメドレーで繋がった叙情フォーク#6。ピアノのオブリガードが印象的な優しいフォーク・バラード#7。シンセのリフあしらったアメリカン・ハード・ロックな#7。#9のギターとピアノによる重厚なリフレインが引き継がれ、クワイヤで感動的にフィナーレを飾る#10。と、トータル・コンセプト作らしいドラマティックなアルバム構成の充実作。#3や#5のような本来相容れない要素を巧みに(無理やり?)ドッキンングしてしまうセンスはSTRAWBSならでは。くっつけたは良いが、素材がそのままで融合しきっていない中途半端さも逆に味があって大好きですね。Hero and Heroine

STACKRIDGE / Stackridge

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フォークがベースのPOPなプログレ・バンドSTACKRIDGEの1971年1st。ヴァイオリン奏者、フルート奏者を含む6人組で全編フックのあるキャッチーなメロディーが目白押し。演奏やヴォーカル・ハーモニーといったテクニック面が巧みな上、多彩な楽器構成を活かした絶妙のアレンジが施されており、幅広い引き出しを感じさせる雑多な音楽性と相まって飽きがこないアルバム構成となっています。それを象徴するのが、トラッドっぽい神秘的なアコギのアルペジオから始まり、ブギー、メキシカン・ロック?と怒涛の展開を見せる#3。フィドルがリードしハーモニウムも加わって田園ムード全開の#4をはじめ、歌モノは楽しいフォーク主体。チェロやフルート、アコギが奏でる田舎の室内楽といった趣のプログレッシブなインスト曲#5では、弦による重厚なリフがシリアスでヘヴィな質感をも演出するなど、バンドの別の顔を見せるのがおもしろい。ラストの#9は叙情的な前半とアバンギャルドな中間部、重厚な後半からなる集大成的な14分超の大作で、バンドとしてのポテンシャルを感じさせます。Stackridge

STACKRIDGE / The Man in the Bowler Hat

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田園のBEATLESことSTACKRIDGEの1973年3rd。本家BEATLESでお馴染みのジョージ・マーティンがプロデュースし、#2,#4,#7,#10ではオーケストレーションも担当。それもあってか、従来の田園フォーク的な親しみやすいアレンジもより洗練され、洒落たサウンドに進化。しかし、ユーモラスでほのぼのとしたニュアンスも健在。これら新旧のテイストが高次元で融合した#3では、甘くて切ないサビがもう病みつきになるくらい強力。コーラスが又良い。全員が歌えるバンドならではで、曲によってボーカルをとる人が代わったり、フルートやヴァイオリンの楽しいアレンジも手伝って、いつ聴いても新鮮で飽きがこないですね。シリアスなオーケストレーションを聴かせる#10では、うなり、軋むヴァイオリンがハード・ロック並みのド迫力をも醸し出してます。インストゥルメンタルにも定評のあった彼らのポテンシャルがジョージ・マーティンによってさらに引き出された感じでしょうか。The Man in the Bowler Hat(山高帽の男)

STACKRIDGE / Mr.Mick

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STACKRIDGEの1976年5th。ミックという人物をテーマにしたコンセプト・アルバム・・・のはずだったんですが、前作から所属していたロケット・レコードの圧力でBEATLESのカヴァー#1をトップに収録させられたり、選曲や曲順に関してもかなりいじられたようです。ゆったりとしたピアノとコーラスが環境音楽のようなムードを醸し出す中、エキゾチックなサックスのプレイが強烈なアクセントとなった#2。#2ラストのナレーションから繋がったピアノのリズミカルなリフが印象的な#3。シンセを中心としたSEからメロトロンの東洋的メロディに移行する#4。ホンキートンク風ピアノとサックスがのどかなムードを演出する#5。繊細なボーカルをフィーチャーした前半、ハープシコードや滑らかなクラリネットが上品で落ち着いたムードの後半に分かれる端整なワルツに乗った#6。雫が滴り落ちるようなアンビエントなピアノが神秘的な冒頭から、メロトロンの洪水の中盤を経て物悲しいサックスで盛り上がるドラマティックな#7。と、ここで突如軽いムードに英国的捻りを加えた#8が登場。何か違和感あるなー、と思っていたら2000年にバンドがリリースしたオリジナル版では、これが1曲目になってました。洗練されたピアノの旋律にクラリネットのメイン・フレーズが絡むイントロダクションからペーソス感漂うボーカル・パートに発展する#9。前作から参加した元AUDIENCEのキース・ゲメル(Sax/Cla)が要所で印象に残る味わい深いプレイを披露。AUDIENCE時代は彼のプレイが楽曲のカラーを決定付けていたくらいですからね。又、元GREENSLADEのデイヴ・ローソン(Key)の参加やヴァイオリン・プレイヤーをゲストで賄うなど、サウンドは益々鍵盤中心のプログレッシブ・ロック寄りになってきましたが、セールスが振るわずバンドは解散してしまいます。Mr.Mick

SOLSTICE / Silent Dance

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英国女性ヴォーカル・シンフォSOLSTICEの1984年1st。8分超の大作#5後半のズ太いシンセソロにGENESSIS、サンディ・レイ嬢(Vo)の透明感あるハイトーンとモーダルなメロディに英国70年代プログレの華 RENAISSANCEとその歌姫アニー・ハズラムからの影響を感じさせる正統派英国シンフォ。そういった先達のおいしい要素を拝借しつつも、仄かにジャジーな#2、シャーマンの祈りのような神秘的なメロディにプリミティブなテイストで迫る#6、キャッチーでコンテンポラリーなバラードの#7など、豊富なアイディアによるオリジナリティも加味。ソリーナっぽい音色のストリングスがソソるシンセによる分厚いバッキングに、軽やかに浮遊するクラシカルでは無いヴァイオリン、コードのヴォイシングと叙情ソロに独特のセンスを感じさせるギター(エレキ、アコギ共にナイス!)が絡むサウンドは既に唯一無二の個性を放っています。適度な変拍子が又、心地良いです。Silent Dance

SOLSTICE / New Life

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前作から約10年ぶりに突如リリースされたSOLSTICEの1993年2nd。バンドの双頭アンディ・グラス(G)、マーク・エルトン(Vln/Key)以外のメンバーが入れ替えられ、看板の女性ヴォーカリストもサンディ・レイからハイディ・ケンプに交代。ハイディは前任者よりもクセが無く繊細なトーンが持ち味。バンドの音楽性も1stで顕著だった独特のモーダルな雰囲気や神秘性は#1でかろうじて感じられる程度に薄れ、全体的にPOPでまろやかなトーンが支配してます。それでも、インスト#3に見られるように叙情性は健在。ただし湿度はさほど高くなく、むしろ爽やかで清らかなテイストです。アレンジ面では前作以上にヴァイオリンの登場機会が増えシンセは後退。#2のようにギターとのバトルやハーモニーでソロを弾いたり、#4では歌モノなのにほとんどの場面でオブリガードが鳴ってたり、#5ではコンテンポラリーなソロを聴かせたり、とヴァイオリン大活躍。ギターのトーンが歪み度を高くし空間系エフェクトを多用して現代的なエッジを感じさせるのとは反対に、滑らかなヴァイオリンのトーンを多用する事で全体のバランスを保っている感じです。New Life

SOLSTICE / Circles

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SOLSTICEの1997年3rd。今回もアンディ・グラス(G)、マーク・エルトン(Vln/Key)以外のメンバーが入れ替えられ、看板の女性ヴォーカリストもハイディ・ケンプからエマ・ブラウンに交代。エマの声は初代シンガーのサンディ・レイに近いものの、サンディ程の神秘性は無く、もっとスッキリした感じ。前作ではピッキング・ハーモニクス等現代的なエッジを多用して浮いていたギターが、比較的オーガニックな叙情プレイに戻ったのと呼応して、エマのストレートなクリーン・ヴォイスがピースフルなSOLSTICEらしい世界観の表現にぴったりハマってます。勿論ヴァイオリンも重要なパートで必ず登場。イントロダクション的な挨拶代わりのインスト#1からピースフル&ドリーミングなSOLSTICE節が満開。重厚なバックとの対比がナイスな、お馴染みのモーダルなヴォーカルラインで浮遊感あるメロディアスさを演出するタイトル曲#2で早くも最高潮。キャッチーな#4。歌唱とヴァイオリンが絡んで美メロを紡ぐ#5。モダンなアレンジが緊張感をもたらし、サビでの美しい展開の印象を倍増させる#6。そして枯れた味わいのギターが切ない#7、と一気に聴き手を引きずり込むオーガニック・ワールドが健在の好盤です。Circles

STANDARTE / Standarte

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90年代のイタリアから突如登場したキーボード、ドラム、ベースによるハード・ロック3人組STANDARTEの1995年1st。キーフが手がけたヴァーティゴ・レーベルのAFFINITYBLACK SABBATHのジャケット・アートを彷彿させるくすんだ色調のカヴァー・デザイン、メロトロンやオルガン、故ヴィンセント・クレイン(Key, ex ATOMIC ROOSTER)に捧ぐのクレジット等からも明らかな70年代ブリティッシュ・ロックのスタイルを踏襲したサウンド。一応メンバーのクレジットではギターレスながら、歪んだリフやクリーントーンでのアルペジオにソロ、といった具合で結構頻繁にギターが登場し大活躍しているのはご愛嬌か。ATOMIC ROOSTER風なオルガン主導のリフ中心に構成されたインスト部に野暮ったいヴォーカルが乗るハード・ロックではあるが、メロトロンの効果的な導入や組曲形式での結構唐突な場面転換が非常にプログレ的でもありドラマティック。 本家イギリスからでは無く周辺国からこういったバンドが出てくるのがおもしろいですね。Standarte 鈍色の館

STRAWBERRY FIELDS / Rivers Gone Dry

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ポーランドのシンフォ・バンドSTRAWBERRY FIELDSの2009年1st。バンド名から来るサイケなイメージとは全く違ったそのサウンドは現代風アンビエント&エレクトロニカ風味のアンニュイなヨーロピアン・ゴシック。RobinことMarta Kniewska嬢(Vo)の声質がGATHERING在籍末期のアネクをよりまろやかな佇まいにした感じで胸キュン。中心人物Wojtek Szadkowski(Key/Dr/G)による元COLLAGE〜現SATELLITEというPOLANDシンフォ界の重鎮らしいツボを押さえたキャッチーなフックが目白押しのソング・ライティングが見事。個人的には、もうちょい必殺フックの繰り返しを少なくして別の展開を見せるとか、淡白にも感じられる打ち込み中心のドラムのサウンドとフレージングにロックな熱さをプラスするとか色々要望もありますが、現時点ではヴォーカルが全てを解決してますね。憂いを感じさせるまろやかな歌唱をメインにしながらも、セクシーなムードを漂わせた#5やウィスパー・ヴォイスにドキっとさせられる#8など芸風の広さも垣間見せ、早くも次作に期待が高まる掘り出し物です。キャッチーな#2は何度聴いても飽きない。 Rivers Gone Dry

STARCASTLE / Starcastle

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アメリカの爽やかでPOPなプログレ・バンドSTARCASTLEの1975年1st。ヴォーカルの声質やコーラス・ワークにYESの影響を感じさせる部分もあり演奏技術も高いが、曲調がストレートすぎる為かイマイチ味わいに欠けるきらいが。歌メロにも練りが足りん。自分でも何で買ったのか思い出せないくらい印象薄い。

Starcastle

SCORPIONS / Virgin Killer

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SCORPIONSの1977年作。クラウス・マイネの圧倒的な歌唱を中心にカッティング職人ルドルフ・シェンカーと仙人ウルリッヒ・ジョン・ロートのツイン・ギターが脇を固めるジャーマンHR。日本人好みの哀愁と明快なカッコ良さが売り。ギター・キッズはウリの正確無比なピッキング・テクと微妙な感情表現も要チェックだ。ワウによる音作りや#2のモード・スケール練習みたいなフレーズはマイケル・シェンカーも影響受けてますね、確実に。#6みたいにたまにもろジミ・ヘンになるのはご愛嬌。何しろジミの元カノであるモニカ・ダネマンを自分の恋人にするくらいなんだもん。

Virgin Killer

SCORPIONS / Taken by Force

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SCORPIONSの1978年作。POPとも言って良いくらいキャッチーでメロディアス。最大のハイライトは#5。ウルリッヒ・ジョン・ロートのネオクラシカル・ギターがたまらなくカッコ良い。当時の少年イングヴェイ・マルムスティーンが影響受けたのも確実だ。

暴虐の蠍団

SILVER MOUNTAIN / Shakin' Brains

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スウェーデンのネオ・クラシカル風味なメタル・バンドSILVER MOUNTAINの1983年1st。ラ・マルセイエーズのフレーズを一瞬挿入した#1からアツさ全開。Vo、G兼任の中心人物ヨナス・ハンソンの歌唱がイタい。ギターもいまいちヘボだったりする。ジャケ裏のアー写も超ダセェ。しかし曲と方向性は最高なのだ。#2なんて超カッコ良い。全編でクラシカルなフレーズ弾きまくりのKeyは勿論あのイェンス・ヨハンソン、Drは弟アンダースだ。#6終盤のKeyソロはイェンスの最高傑作だと思う。北欧メタルを語る際、避けては通れないアルバムです。

シェイキン・ブレインズ

STAGE DOLLS / Stage Dolls

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ノルウェーの3人組ハード・ロック・バンドSTAGE DOLLSの1988年3rd。北欧メタル・ブーム(?)に乗り本作にて日本でも紹介されました。北欧らしい透明感に、ゴスペル風コーラスによるデコレイトやギターのちょっとしたリックといったアメリカンなテイストも加味し、キャッチーなサウンドを展開しています。とりわけTorstein Flakne(G/Vo)の歌唱がブライアン・アダムスっぽいハスキーな感じで、哀愁のメロディーに抜群の相性を見せています。特に繊細さと力強さを幅広く表現した#2が良いですね。アルバム随一のキラー・チューン#5ではキラキラした80年代風シンセがシンプルなサビのギター・リフとナイスに融合、適度に冷ややかでウェットな中にも開放感のある胸キュン・メロディーが心に刺さる最高のハード・ポップに仕上がってます。それにしても#6や#8で聴かれるシンセのサウンドが懐かしい感じですね。これはコルグのM1やローランドのD50といったハイブリッド・タイプでしょうかね。サンプルしたアタック音にシンセサイズした持続音をミックスするやつ。まだメモリーがバカ高かったのでフルにサンプリングできなかった時代のアイディアの結晶ですよね。Stage Dolls

STAGE DOLLS / Stripped

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STAGE DOLLSの1991年4th。#2のタイトル「LIFE IN AMERICA」の通りアメリカンなサウンドに転換。ギター中心のサウンドでハスキーなVo、サビの強力なメロディとコーラスワークなど、前作のスタイルをほとんどそのまま継続。ただ、哀愁が後退した分をアメリカンな爽快さを増量して穴埋め。良質なハードPOPに仕上がっている。

Stripped

STRATOVARIUS / Twilight Time

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フィンランドのメロディック・スピード・メタル・バンドSTRATOVARIUSの1992年2nd。中心人物のティモ・トルキがGとVoを兼任。と聴くと3つ上を思い出しそうだが、演奏のクオリティは十二分なので安心してネ。ドラマティックでカッコ良い#2は32秒あたりで早くもガッツ・ポーズな名曲。当時この曲をネタに某社シーケンサー入りシンセのデモをやったっけ・・・・オレ?勿論ギター弾いたさ。懐かしいな。デモ演奏が終わって客から「これ誰の曲ですか?」って聴かれて「あれ?ストラトヴァリウス知らないの?これから来るよー」なんてカマしてたっけ。今聴くとVoがちょっと弱い気もするし実際選任Voが後年加入するけど、北欧メタルはこれくらいがちょうど良いんです。 トワイライト・タイム

SPIRITUAL BEGGARS / Ad Astra

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マイケル・アモット(G)率いる70年代ロックのグルーヴとフレイヴァーを持ったスウェーデンのバンドSPIRITUAL BEGGARSの2000年4th。本作よりペル・ヴィバリ(Key)がメンバーとして正式にクレジットされており、オールド・スクールなオルガン・サウンドを中心にフェンダー・ローズ、メロトロンなども駆使し、リフ、バッキング、ソロと全編で活躍しております。ギターとオルガンによるグルーヴィなリフで早くも独特の音世界に引きずり込む#1。現代的ブルーズ・ロックをベースに、ギター・ソロではマイケルの官能的なフレーズを聴かせる#2。性急なリフから一転し、ユニークなコードを使ったバッキングが新鮮な#3。轟音リフとメロウなアルペジオ&コーラス・パートのコントラストにハッとする#4。ヘヴィなリフとクラシックHRのテイストが融合した#5。空間を活かしたリフからのメロディアスな展開が秀逸な#6。グルーヴィなシャッフルをベースにTHIN LIZZY風なギターのオブリガードがニヤリとさせる#7。ディレイを使用したSEによるトリップ感と広がりのあるサビでスケールの大きさを感じさせるミディアム・テンポの#8。BLACK SABBATH風なうねるリフを持ちながらも、カラフルかつキャッチーに展開する#9。ルディック・ヴィット(Dr)の叩き出す様々なビートがリードする#10。サビのハンド・クラップも良い感じです。バンドが一体となって音塊をぶつけ、ハード・ロックの醍醐味を体現した#11。トレモロを効かせたローズでメロウに進行しオルガンやメロトロンで陰影を加えた前半から、ブ厚いリフの登場と共にギター・ソロとオルガン・ソロをフィーチャーしドラマティックな盛り上がりを見せる#12。ギターのエッジが立った現代的なサウンドで、クラシック・ロックのテイストを巧く消化した独自のハード・ロックが楽しめます。アド・アストラ

SPIRITUAL BEGGARS / On Fire

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マイケル・アモット(G)率いるスウェーデンのハード・ロック・バンドSPIRITUAL BEGGARSの2002年5th。脱退したスパイス(Vo/B)の後任にGRAND MAGUSのJB(Vo)とTHE QUILLのロジャー・ニルソン(B)が加入。又、本作よりペル・ヴィバリ(Key)がメンバーとして正式にクレジットされており、オールド・スクールなオルガン・サウンドを中心にフェンダー・ローズ、メロトロンなども駆使し、リフ、バッキング、ソロと全編で活躍しております。不穏なサイレンのSEからダーティなオルガンが唸りを上げる爆裂ハード・ロックン・ロールに突入する#1。早くもJBのパワフルな歌唱がバンド・サウンドに完璧にフィットしております。超ヘヴィ・リフによるドゥームなイントロから、ザクザクした刻みのギターとオルガンがバックを固めるブルーズ・ベースのヘヴィ・ロックに展開する#2。ギターとオルガンによるキャッチーなリフを持つオールド・スクールなメロディアス・ハード・ロック#3。サウンドのスキ間を活かしたルディック・ヴィット(Dr)のドラミングが印象的です。ミディアム・テンポの中に様々なリズム・パターンを織り交ぜ、サビではメランコリックな表情を見せる#4。JBのディープでセクシーな歌唱がデイヴィッド・カヴァデールを彷彿させます。冒頭にモーグのスペイシーなソロを配したエピック・チューン#5。スケールの大きなリフは、ライブではオーディエンスによる「Oh〜Ohhh〜」で再現されるパターンですね、これは。間髪置かずに始まるBLACK SABBATH風のソリッドでコンパクトなリフがカッコ良い#6。SEとメロトロン、クリーンなギターが織り成すムーディなインストゥルメンタル小品#7。シンコペーションの単音リフがRAINBOWっぽい#8。ビッグな縦ノリのリフに思わずヘッド・バンギングしたくなる#9。ギターとオルガンの熱いバトルも聴き所です。アコギとパーカッションをバックにマイルドなシンセが浮遊するイントロの70年代っぽさと、ヘヴィなリフに雪崩れ込んでからのクールな展開が痺れる#10。マイケルのタメにタメたブルージーなフレージング、絶妙なトーン・コントロールによる感情表現が見事なソロ。そしてそれに続くペルのオルガン・ソロがまた良い感じのフィーリング。JBの歌唱を活かした哀愁のサビを持つハード・ロック#11。ワウを絡めて泣きまくるマイケルのソロがナイスです。随所でニヤリとさせる70年代クラシック・ロックのテイストを、現代的ヘヴィネスとの融合でアップデートしたハード・ロックの名盤です。オン・ファイア

SPIRITUAL BEGGARS / Demons

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マイケル・アモット(G)率いるスウェーデンのハード・ロック・バンドSPIRITUAL BEGGARSの2004年6th。脱退したロジャー・ニルソン(B)に代わりARCH ENEMYでマイケルと同僚のシャーリー・ダンジェロ(B)が加入。しかし既に、マイケルのリフ・センスと泣きのギター、ルディック・ヴィット(Dr)の”メロディアス”なドラム、JB(Vo)の猛々しくも巧いボーカル、ペル・ヴィバリ(Key)のヴィンテージ・キーボードが醸成するバンドとしてのフレーヴァーは確立されており、本アルバムで打ち出された強力な楽曲群のベクトルにはいささかのブレもありません。重厚なオープニング#1に続き、スローな叙情パートを織り交ぜアップテンポで飛ばす#2。豪快なリフを軸とワウを絡めたメロディアスなソロを聴かせる#3。歯切れ良いキャッチーなギター・リフと底辺を支えるベースのラインが融合して独特なグルーヴを生み出す#4。JBの深みある歌唱がダーティなオルガンに乗るブルージーな序盤から3連のグルーヴがTHIN LIZZYを彷彿させる後半へと展開する#5。シンプルなブルーズ・ベースのヘヴィ・ロックにメランコリックなムードを加えた#6。ワウとコード・ヴォイシングがジミヘン風なリフがリードしつつサビがメロディアスで印象的な#7。緊張感あるリフをアクセントにボーカル・パートではブルージーに展開する#8。#8のテーマ・メロディを軸にピアノやメロトロンで清廉かつ静かに、何となくアジアン・テイストなムードでリプライズした#9。B♭の重低音キーでアルバム随一のヘヴィで邪悪なリフがのたうつ#10。ユニークなリフと試走するボーカル・パートの起伏が面白い#11。歪んだエレピのソロをフィーチュアした、躍動するパートとメロウに聴かせるパートを持つ3連リズムの#12。厳かな中にもダーティに歪んだオルガンの白玉をバックに、JBのマイルドで深みのある歌唱がドラマティックなメロディを紡ぐ#13。70年代ハード・ロック・バンド達のリフやフレーズそのものを拝借するのでは無く、あくまでもオリジナルでいながら上手に先達が漂わせていたムードとかグルーヴを滲み出させるセンスが素晴らしいです。ディーモンズ

SPIRITUAL BEGGARS / Return to Zero

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マイケル・アモット(G)率いるスウェーデンのハード・ロック・バンドSPIRITUAL BEGGARSの2010年7th。脱退したJBに代わり元FIREWIND、TIME REQUIEMのアポロ・パパサナシオ(Vo)が加入。前任者に負けず劣らずパワフルな歌唱からディープ・ヴォイスまで幅広くこなす実力者で、SPIRITUAL BEGGARSのオールド・スクールなタイプの音楽性にもぴったり。ペル・ヴィバリ(Key)の物悲しいモーグ風シンセをフィーチュアした静かなオープニング小品#1から、重くブルータルなリフの#2へ。定番の展開でありながらも、やはり心躍るものがありますね。ゆったりした流れに堂々としたアポロの歌唱が響き、中間部の厳かなペルのオルガンからワウを掛けた官能的トーンのギター・ソロに至る流れも感動的。アポロのプレゼンとしては申し分ない楽曲に仕上がってます。キャッチーなリフにリズムのフックを取り入れた#3。9thコードがクール。前作制作時から暖めていたアイディアに、マイケルの妻アンジェラ・ゴソウが作詞で協力して完成したという#4。ドゥーミーな単音リフがのたうつ超ヘヴィな前半、アップテンポにギアチェンジしカッコ良くドライヴする後半と、2度楽しめます。オーディエンス・ノイズを被せたライヴ向きのシンプルなシャッフル・ナンバー#5。トライバルなパーカッションとクリーンなギターをバックに、アポロの表現力の広い歌唱が郷愁を誘う異色のインディアン風ナンバー#6。UFOのDoctor Doctorを想起させる3連グルーヴの#7と、リフのネタ元がMSGのDesert Songであることが明白な#8。この辺はマイケル・シェンカー・タイム!終盤のギター・ソロではMSGのLet Sleeping Dogs Lie風フレーズまで登場。ワウ掛けてこのテンポで良い気分で浸って弾いていると勝手に出てきちゃうんでしょう。もう指が覚えてて。ジミヘン風グルーヴを持つメロディアスなナンバー#9。バッキングとソロでオルガンが効いてます、レズリーの回転数切り替えもバッチリ。デイヴィッド・カヴァーデールを彷彿させるアポロの歌唱に、サビのコード進行やメロディ、ペルが弾くジョン・ロードっぽいピアノやオルガンが70年代WHITESNAKEのヴァイブを感じさせる#10。ブルージーな#11、ピアノとメロトロンをフィーチュアしたバラード#12、とアルバム終盤はメランコリックに締めてます。70年代ハード・ロックの旨味を自分達流に消化する手法は相変わらず巧くて、もう感心してしまいますね。今回はいつにも増してモロなマイケル・シェンカー風もありますが、楽しんで作った結果として滲み出たものだと思うので微笑ましいです。ARCH ENEMYが売れて、SPIRITUAL BEGGARSの活動に割く時間がなかなか取れないようですが、次も期待しちゃいますね、これは。Return to Zero

SONATA ARCTICA / Ecliptica

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フィンランドのメロディック・スピード・メタル・バンドSONATA ARCTICAの2000年1st。インストパートにクラシカルなフレーバーを漂わせたメロディアスなメタルをやっている。Vo兼Keyのトニー・カッコ以外20歳未満でこの演奏テクニックは凄いですね。ギターのヤニ・リマタイネンが又ハイテク野郎でメチャ上手い。疾走系でメロディアス、テクニカルなGとKeyのバトル付きというある意味理想的な音楽性であっという間に人気者に。全編でフィーチャーされているKeyのハープシコード風音色ももはやこの世界ではお約束とはいえニヤリとさせられます。

エクリプティカ

SPOCK'S BEARD / The Light

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アメリカの4人組プログレッシブ・ロックバンドSPOCK'S BEARDの1995年1st。デビュー作ながら、いきなり組曲形式の2曲を含む4曲を収録。メンバーはそれぞれLA周辺でのセッション等で活躍していた人達のようです。ニール・モーズ(Key/Vo)のペンになる各楽曲は、彼がミュージカルの仕事もしていたというだけあって、場面転換とフックに溢れた小曲が止めどなく流れて組曲を構成する様は見事の一言。唐突な展開にGENTLE GIANT、ゴスペル風女性コーラスにPINK FLOYDを思わせる所もありますが、この辺は偉大なる先人への敬意を込めたオマージュと言ったところでしょうか。古臭くも無ければ、かといって最新シンセのような軽さも無い不思議なムードを醸し出すキーボード群のセンス良いアレンジも素晴らしいです。せっかくのメロトロンも味付け程度なのが奥ゆかしいですね。

The Light

SPOCK'S BEARD / Beware of Darkness

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アメリカのプログレッシブ・ロック・バンドSPOCK'S BEARDの1996年2nd。日本人キーボーディスト奥本亮が参加、オルガンとメロトロンをプレイ。ライブでのニール・モーズ(Key/Vo)の負担を軽減すると共に表現力もアップ。日本版ボーナス・トラック#8のオルガン・ソロでの個性的なフレージングは本編でも随所に聴かれます。奇妙でシンフォニックなSPOCK'S BEARDワールドを展開する#1は、何とジョージ・ハリスンのカヴァー。原曲を知らなかったので、クレジットをちゃんと読むまではオリジナルだと思ってました。場面転換がミュージカル風な#2もまさしく彼ら独特の世界。古めかしいトーンのメロトロンが良い味を出しています。テーマフレーズが、瑞々しいピアノ、シンセと曲中に様々な表情で引き継がれ、キャッチーな歌メロとともに展開していく#3。クラシカルなタッチにコンテンポラリーなセンスをまぶしたアコギのソロ#4は楽器と作曲クレジットからすると、ニール・モーズ(Key/Vo)によるものでしょうか。落ち着いた叙情と流麗な演奏が素晴らしい小曲です。オルガンがリードする序盤から、爽快でポジティブなムードの歌パート、フレットレス・ベースが浮遊する静かなパートを経てシンフォニックな広がりを見せる#5。アコギをバックにした内省的な歌モノが、バンド演奏が加わる事でスケール感を増す#6。随所にユニゾンやハーモニーにる印象的なメロディのフックを配し、何となくレトロなムードで16分超を紡ぎあげていく#7。1stアルバムで見せた演劇的スタイルのSPOCK'S BEARDらしい楽曲展開がますます増量、独特のスタイルが確立されたアルバムです。Beware of Darkness

SAVATAGE / Gutter Ballet

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ジョン・オリヴァー(Vo/Key)、クリス・オリヴァー(G)を中心としたアメリカのヘヴィ・メタル・バンドSAVATAGEの1989年6th。ピアノをフィーチャーしての大仰な展開が早くもアルバムのハイライトとなっている#2、クリスの滑らかなフレージングが堪能できるインストゥルメンタル#3、パワーバラード#4、静と動の対比でダイナミズムを醸し出す#7、ピアノのバラードからヘヴィに移行する#9など、ドラマティックな要素でアメリカのバンドでありながらヨーロッパのバンドのような湿り気が。パワフルさや表現力など巧さやレンジに欠けるジョンのボーカルではありますが、その不器用さが前述の#2では逆に魂の慟哭となってリスナーの心を震わせます。また、トラッド風エキゾチックなムードのアコギのインスト#5、タッピング奏法やディミニッシュ・スケールを使用した#6などではクリスのギター・ヒーロー然としたプレイも。ソリッドなリフをメインとしたメタル・チューン#1,#6,#8といった王道路線の楽曲にも、どことなく欧風メロディアスな要素が感じられます。Gutter Ballet

SAVATAGE / Streets a Rock Opera

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ジョン・オリヴァ(Vo/Key)とクリス・オリヴァ(G)の兄弟を中心としたアメリカのヘヴィ・メタル・バンドSAVATAGEの1991年6th。前作収録の名曲Gutter Balletで発揮したドラマティックな手法をアルバム全体に拡張。DTジーザスなるストリート出身のロック・スターを主人公とした物語を綴ったコンセプト・アルバム。厳かな少年クワイヤに不穏なチャイムのメロディがオーバーラップ、邪悪なリフが壮大な物語のオープニングを告げる#1。ストリートの雑踏SEから、カッコ良い単音リフとシンセ・ストリングスの装飾でスケールの大きな展開を見せる#2。物悲しいピアノにギターのパワー・コードが絡むドラマティックな伴奏に、ジョンの壮絶なシャウトが乗るパワー・バラード#3。ソリッドなリフにセブンスを交え、コードDでの開放的で爽快なサビに展開するハード・ロック#4。ジョンがピアノの伴奏をバックに優しくそして激しく歌うバラード・ナンバー#5。ザクザクしたリフに乗ったポジティブなムードのアメリカン・ハード・ロック#6。一転してアップ・テンポのシャッフルにチェンジ。若干邪悪なムードのリフが場面転換を告げる#7。転調に合わせたクリスのギター・ソロがスリルを増強しています。沈んだ歌声とパワフルな歌唱で悲痛な心情を表現したパワー・バラード#8。シンセ・ストリングが絡みドラマティックな展開を見せます。ミステリアスなギターのアルペジオがリードする#9。アコギをバックに切々と歌う序盤からドラムのビートとともにハードなパートに移行する#10。クリーンなギターのアルペジオを冒頭に配したヘヴィなハード・ロック#11。ピアノをバックにした独唱からバンド・インし、ポジティブなメロディのパワー・バラードに発展する#12。7拍子パートを含め目まぐるしいリフ展開で構成されたプログレッシブ・メタル・チューン#13。穏やかなピアノと抑えたトーンによるジョンの歌唱に、少年クワイヤが厳かなムードをプラスした#14。パワー・バラードからシンフォニックなハード・ロックに展開する壮大なスケールの#15。ジョンの熱唱とクリスのクラシカルなバッキング・リフで感動的なフィナーレを飾るバラード#16。雑踏のSEやセリフなど、この手の作品ではお馴染みの飛び道具の使用を最小限にとどめ、ジョンのエモーショナルな歌唱を軸に、ヘヴィ・メタリックな動とバラードによる静の楽曲を互い違いに配置しての起伏あるアルバムの流れで物語を描ききった名作。一気に聴けます。Streets:A Rock Opera

SAVATAGE / Edge of Thorns

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SAVATAGEの1993年作。Voがウィーク・ポイントっていうことは彼らも気づいてたんでしょう。選任Voとして歌えるヴォーカリストであるザッカリー・スティーブンスが加入。ジョンが作曲とKeyのプレイのみで参加。立場も準メンバーみたいになっている。このことでバンド・サウンドとしてのクオリティは上がったが、アイデンティティが曖昧になった感も。クリスの流麗なギターがかろうじてSAVATAGEであることを思い出させる。良くも悪くもジョンの声が看板だったんです。そしてこの年10月クリスが交通事故で他界してしまう(R.I.P)。

Edge of Thorns

SYMPHONY X / The Divine Wings of Tragedy

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1996年アメリカのネオクラシカルHMバンドSYMPHONY Xの3rd。GとKeyのバトルやユニゾン・プレイに初期イングヴェイの雰囲気というか上手なシルバー・マウンテンというか、とにかく上手くてカッコ良いネオクラシカルHM。Gのマイケル・ロメオは後年JOHANSSONに参加するくらいだもん。長尺の#4、超長尺の#8ではネオクラに収まらない音楽性とプログレッシブな要素も。#3がサビ中心にめちゃカッコ良い。

The Divine Wings of Tragedy

SYMPHONY X / Paradise Lost

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SYMPHONY Xの2007年7th。プログレッシブかつダークなムードに覆われた楽曲群をヘヴィなリフと超絶技巧ネオクラGが華やかに彩るカッコ良いメタル。変拍子が地味に、それでいながら効果的に使用されている所にこのバンドの・・・っていうかマイケル・ロメオの知性を感じさせる。細部まで練りこまれた長尺曲中心のアルバム構成で何度聴いても飽きがこない。ヘヴィネスとメロウネスのバランス感覚も見事。繊細なピアノがリードする#5なんかもアレンジに隙が見当たらないし。

Paradise Lost

SHADOW GALLERY / Shadow Gallery

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マイク・バーニー主催のプログレ・レーベル「マグナ・カルタ」のMAGELLANに続く第2弾バンドSHADOW GALLERYの1992年1st。それほど複雑な展開は無く曲調はわりとストレートでメロディアスなHR、という所がいかにもアメリカン?。たまにネオクラっぽくなったりするのもデビュー作故の試行錯誤なのか。演奏はまぁまぁ上手くてインスト・パートではHR/HM寄りのテクニカルなギターとアナログ風な太いシンセ音のスリリングなフレーズも聴ける。Drが打ち込み(多分)の為かアンサンブルのダイナミクス面がいまいちだったりする。

Shadow Gallery

SHADOW GALLERY / Carved in Stone

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SHADOW GALLERYの1995年2nd。セカンドG兼KeyとDrの2人が加入し一気に6人編成に。曲間に配された5つの小曲がそれぞれの曲を上手く繋ぐブリッジとなっており全体のムードを統一しているので一気に最後まで聴けてしまう。コンセプト作なんでしょうか?ようやく方向性が定まったのか、歌パートはあくまでもキャッチーだが根はテクニカル・メタルという独自のスタイルを確立。曲の構成も適度に変拍子を交える等練られた跡が見られ、インスト・パートが一段とスリリングに。ギターも弾きまくってます。それでいて歌パートはストレートでメロディアスなので、難しいのが嫌いな人でも全然OK。 Carved in Stone

STYX / Pieces of Eight

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アメリカン・プログレッシブ・ハードSTYXの1978年8th。躍進のきっかけとなったトミー・ショウ(G/Vo)加入から数えて3作目。ジェイムズ・ヤング(G/Vo)の豪快なボーカルとオーディエンス・ノイズが印象的なアリーナ・ロックの#1。作品を出す毎に着実にチャートを上げてきた事による自信に溢れた様子が伺えます。キャッチーな中にもチャーチ・オルガンによる荘厳なパートがもたらす気品が感じられる、デニス・デ・ヤング(Key/Vo)が歌う#2。シンセが活躍するプログレッシブなタッチのフォーク曲#3。トミー・ショウのマイルドな歌唱と若干ラテン風なメロディが不思議な調和を見せています。デニス・デ・ヤングがシンセのオーバーダブで作り上げたインストゥメンタル#4。#4に続きシンセがバッキングをリードする#5は、シンセを中心としたオーケストレーションがコンパクトながらも壮大なエピック・チューン。歪んだオルガンとハード・エッジなギターがリードする、メロディアスでカッコ良いハード・ロック・チューンの#6。ライブでも定番です。デニスの伸びやかなハイトーンが映えるハード・ロック#7。ファンキーなグルーヴのリフを持つ#8。感動的なコーラス・パートを持つ#9。アルバムの余韻を残す、エキゾチックなメロディのアウトロ的なインストゥルメンタル#10。楽曲提供を二分するデニスとトミー。ボーカルを分け合うデニス、トミー、ジェイムズ。ギター・ソロを分け合うトミー、ジェイムズ。と、フロント3人が個性を発揮しつつもSTYXというバンドとして融合、バラエティに富んだ作風ながら芯の通った所を感じさせます。モアイ像のピアスを付けた中年女性、という意味不明なジャケット・アートは勿論ヒプノシス。インパクト勝負で、段々自らのパロディに陥って行き出した頃の作品ですね。 Pieces of Eight

STYX / Cornerstone

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アメリカのプログレッシブなハード・ロック・バンドSTYXの1979年9th。トミー・ショウ(G/Vo)加入後、ヒットチャートにも顔を出すようになったSTYXですが、うっすらとコーラスのかかったエレピの煌びやかな音色とデニス・デ・ヤング(Key/Vo)の優しい歌唱が印象的なバラード#3のシングルで遂に全米No.1に。本アルバムからは他にも#2や#6もシングル・カットされ、いよいよ産業ロックなテイストも増してきました。そんな中ではありますが、#3のギター・ソロでのドラマティックなアレンジや、マンドリンやオートハープなどを使用し、何か郷愁を感じさせる無国籍フォークに仕上げたトミーの曲#5でのアーティスティックな薫り、シングル曲の#6にしてもライブのオープニングにぴったりなアリーナ・ロック・チューンだったりするところに、単なるポップ・バンドとは一線を画すSTYXらしい絶妙なバランス感覚が感じられます。又、#1や#9でのズ太いシンセ・サウンドやジェイムズ・ヤング作のシャープなハード・ロック#8ではギター・シンセが導入されたり、といったプログレッシブな要素がチャッチーな中に垣間見れるのも面白いですね。Cornerstone

STYX / Paradise Theater

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アメリカはシカゴ出身のプログレッシブなハード・ロック・バンドSTYXの1981年10thは、地元シカゴに実在した劇場の栄枯盛衰をテーマにしたコンセプト・アルバム。#1のアルバム・テーマ・メロディから勢い良く繋がった弾けるようなロックンロール・ナンバー#2が、アルバム・ジャケットに描かれたパラダイス・シアター全盛期の賑々しさを象徴しているかのようです。トミー・ショウ(G/Vo)が作曲しボーカルをとるコミカルなリフにヒネリを効かせた展開のポップなナンバー#3。ブラス・セクションを導入したレゲエ風リズムの#4とファンキーな#6。デニス・デ・ヤング(Key/Vo)の甘い歌唱とサビのブ厚いコーラス、メロディアスなギター・ソロ、と全てのパーツが完璧なアルバム・テーマ・チューンの感動的なバラード#5。トミー・ショウ作曲の軽快なフォーク風ナンバー#7。ジェイムス・ヤング(G/Vo)とデニス・デ・ヤング共作のミステリアスな#8。ジェイムス・ヤングのガッツィーなハード・ロック・チューン#9は、マイルドなサックスを交えて終盤徐々にシンフォニックなパートに移行していく様がドラマティックで感傷的です。ここから再びテーマ・メロディが登場しパラダイス・シアターの思い出を振り返る#10とカーテンコールのような#11は、是非アルバム裏ジャケットの廃墟と化したパラダイス・シアターを眺めながら聴いて、郷愁に浸って欲しいところです。#11の場末のバーみたいなホンキー・トンク・ピアノの音色が良い感じなんですよ。Paradise Theater

THE SCREAM / Let It Scream

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THE SCREAMの1991年1st。後年MOTLEY CRUEに加入してバッシングされるVoジョン・コラビと元RACER-XのGブルース・ブイエを中心に結成されたLAメタル・バンド。アメリカンらしくキャッチーでカッコ良くてギターも上手い。各メンバーにもうちょい華があってデビューがもうちょい前ならエラいことになっていただろう。ここでのブルースはRACER-Xのような弾きすぎは抑え、バッキングやキャッチーなソロ作りに注力。しかもそれを余裕たっぷりに楽しんでいるかのようだ。

Let It Scream

THE STORM / Eye of the Storm

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アメリカン産業ロック・バンドTHE STORMの1995年2nd。レコーディングは92年頃されたようだ。元JOURNEYのKey兼Voグレッグ・ローリーを中心に結成。Voは調子が若干悪いスティーブ・ペリーのようなケヴィン・チャルファント。Bのロス・ヴァロリーも元JOURNEY。品質保証付きのAORサウンドです。

Eye Of The Storm

STEVE MORSE / High Tension Wires

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アメリカ人ハイテク・ギタリストにして2007年現在DEEP PURPLEのGでもあるスティーブ・モーズがDIXIE DREGS、KANSASの活動を経て1989年に発表した初ソロ作。全編落ち着いたフュージョン系ギター・インストでケルティックなフレーズも。唯一#8「Tumeni Notes」(誤植じゃないよ)がその名の通りフル・ピッキング早弾きで音をこれでもかと詰め込んだネオ・クラシカル曲で異彩を放っている。ハイ、そうです。これ1曲のために買いました。いやースリリングでカッコ良いです。うっすらかぶさるヴァイオリンもいいですね。

High Tension Wires

STORM / Nordavind

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ノルウェーのヴァイキング・メタル・バンドSTORMの1994年作。勇壮で野蛮な?独特のメタル。曲調はほとんどがちょい遅目のミディアム・テンポで「ダッダ、ダッダ、ダッダ、ダッダ」っていうリズムに蛮族のメロディが乗る感じ。なんでこんなの買ったかと言うと、THE 3RD AND THE MORTALのKARI嬢がVoで一部参加しているからでした。

Nordavind

STARLESS / Silver Wings

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元SCHEHERAZADEの大久保寿太郎(B)を中心に結成されたプログレッシブ・ハード・ロック・バンドSTARLESSの1989年1st。シンフォニックなシンセとハード・エッジな中川隆雄(G)のバッキングが融合、サビの5拍子が印象的なSTARLESSの代表曲でアンコールの定番曲でもある大久保作曲の#1。ディレイを使用したサビのボーカルがカッコ良い#2。妖しいムードの#3。NOVELAの五十嵐久勝がコーラスで参加、中間部に分厚いシンセのソロを挿入した#4。ストレートな美声にウィスパー・ヴォイスやロックな歌唱など宮元佳子(Vo)の様々な魅力が味わえるドラマティックなハード・ロック#5。オールドスクールなギター・リフに乗ったハード・ロックながらシンフォニックなシンセ・ソロが強烈な印象の#6。大阪でギター講師もやっていた中川の繊細なクラシック・ギターをイントロに配したハード・ムード歌謡とでも言うべき#7。シンセのリフが勇壮なライブ終盤の定番#8。等々、基本はハード・ロックですがシンフォニックなシンセのアレンジやドラマティックな楽曲構成にプログレのテイストも。又、ハード・ロックにしては線の細い宮元のボーカルですが、それが逆にSTARLESSの個性になっています。ファンタジックなジャケット・アートはゲーム ファイナル・ファンタジー・シリーズのイラストでお馴染み天野喜孝。NOVELAの平山照継がプロデュースしてます。銀の翼

STARLESS / Unpublished Live Selection

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STARLESSの1991年作。ライブの定番でありながらスタジオ盤に収録されて無い曲が入ってます。新Voの西垣の太い声質はちょっと合ってないと思う。

UNPUBLISHED LIVE SELECTION(紙ジャケット仕様)

STARLESS / Song of Silence

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STARLESSの1992年作。Voが広島は因島出身の峯松真由美にチェンジ。ハイ・トーンをこなしつつ女性らしい優しさも感じさせるこの人の歌が一番好きです。中川のアコギと峯松のVoによる名刺代わりの小曲#2を皮切りに魅力的な歌が堪能できる名盤。勿論インスト陣もますますパワー・アップでドライヴィングHRな#3、変てこプログレッシブPOP曲#7、ドラマティック・プログレ曲#10等で練られたアレンジと充分なテクニックを披露。一方、フォーク?な#5や童話チックな#9では峯松の歌とムーディな雰囲気にウットリします。メロディアスでちょいプログレなHRが好きな人なら買って損はしないでしょう。問題はいつまで普通に売られてるかだけだ。急げ! Song Of Silence

STARLESS / Wish

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STARLESSの1992年作ミニ・アルバム。新たに女性Keyも加わって7人編成の大所帯になった。ライブの定番曲#1,#2,#4を最新メンバーがスタジオ・レコーディング。STARLESS風プログレッシブ面での最高峰#1、様式美面での最高峰#2、ロマンティック面での最高峰#4が1枚に収録されているんだから最高に決まってるじゃないですか。#1は変拍子風なんだけど実は12/8拍子でカウントできるトリッキーな曲。ドラマティックな構成も良いですね。#2では前作から加入のセカンド・ギタリスト原のテクニカルな早弾きが、#4では峯松の歌・中川のメロウなGが聴き所です。

Wish

STARLESS / Story Never Ends

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STARLESSの2007年復活作。何か小じんまりしてのっぺりした感触だなぁ、というのが第一印象。バンドの公式サイトのBBSで見て知ったんだが、ドラムがV−ドラムだったり、基本的にメンバーそれぞれが別の場所でレコーディングしたものをMIXするという制作過程だったりしたのが音として出た結果がコレなんでしょう。サウンドの鍵を握るシンセの音色が全編ダサ過ぎで聴いてられない。Voもな。期待してただけにショックも大きかった。ミューズでやってた未発表曲も入ってないし(MP3お送りしたヤツです>ぷにえさん。/業務連絡終了^^;)。さよならスターレス。 Story Never Ends





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