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REVIEW P

PAATOS / Timeloss

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LANDBERKのメンバーを中心に結成されたスウェーデンの実験的プログレッシブ・ロック・バンドPAATOSの2002年1st。ジャズにも精通した各パートのメンバーが織り成す音楽は既に独自のカラーを確立。基本的には鬱な感じのメロディーにウィスパー気味の女性Voが乗る歌中心ではあるが、時に手数王なDrやレトロな音色のGやエレピ、そしてメロトロンが絡むことでオーガニックな質感を持つ不思議なサウンドとなっている。冷ややかな感触の中にも炭火のような暖かさを感じるような・・・。VoのPetronellaとダンナ兼DrのHuxfluxの間に生まれた子供さんTéaに捧げた#3が彼らの魅力を端的に表している名曲。寂しく悲しい感じながらも最後はジーンとくるメロディに感動して暖かくなってしまうんです。 Timeloss

PAATOS / Kallocain

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PAATOSの2004年2nd。基本路線はそのままながら前作では実験的要素に過ぎなかったエレクトロニック・ループ素材も自然に取り込み「無機的」から「有機的」までの振幅を増すことでさらなる進化に成功。POPな#3ではそのループにさりげなく変拍子をも盛り込み独特のフックを生んでいる。彼らの場合、こうした技をセンス良く溶け込ませるのが非常に巧みで感心してしまう。例えば#8では3拍子系のリフで耳を慣れせといて歌が入ると4拍子になっているというような。曲も概ねコンパクトで聴き易いです。まずはコレから試してみては?DVD付きもあります。

Kallocain

PAATOS / Silence of Another Kind

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PAATOSの2006年3rd。のっけから変拍子入りヘヴィ・グルーヴ・ナンバー#1でグイグイ引き込まれます。ノイズをも曲の一部に取り込むセンス、1番と2番のサビ部分でのハモリのニュアンスの違い等相変わらず巧み!それにしてもDrがカッコいい。ドラム・パートをこんなに聴き込むのは久々です。それも単にフレーズだけじゃなく音色もいい。一瞬カーディガンズ?と思っちゃうひねくれPOPな#7でもロックなドラムが爆発!実はこういうロックな部分も彼らの魅力の一つなんです。同時代に生きてて本当に良かった。

Silence of Another Kind

PAATOS / Sensors

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2007年発売のライヴ、限定500枚のアナログ・ヴィニール盤。Bのステファンが経営するレコード店のレーベルMellotronenよりリリース。ライヴなので当たり前だが、オーバーダブ無しのシンプルなアンサンブルが奏功。このバンドにしか出せない独特の寂寥感がスタジオ・ヴァージョンを遥かに凌ぐ勢いで迫ってきます。見開きダブル・ジャケット仕様で7曲収録。
Side A / Happiness ,Your Misery , Gasoline , Téa
Side B / Hypnotique , Absinth Minded , Sensor

PAATOS / Breathing

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スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドPAATOSの4thアルバムBreathing。白夜を思わせる醒めた高揚感とメロトロンが絡むサビのメランコリックな叙情が交錯する#1。マイナー調なのにPetronellaの歌唱が炭火のような温かさをもたらす#2。穏やかなフォークから、サビとインスト・パートでは一転して悲哀に転ずる#3。Petronellaの澄んだ美声が楽しめるPAATOSらしいメランコリック・チューン#4。ピアノ、管、スキャット、チェロなどが断片的なフレーズを絡ませるインスト小品#5。Ricardの鮮烈なドラミングをフィーチュアした新機軸のプログレッシブ・チューン#6。ミステリアスなインスト・パートを内包したメランコリックなタイトル・ナンバー#7。物悲しいフレーズを奏でるアンビエントなピアノを中心としたサウンドスケープをバックに、スウェーデン語で切々と歌われる#8。意外性のある洒落たコード進行に乗って、瑞々しいメロディが次々に展開していく#9。オルゴールの小品#10。Petronellaがチェロでもがんばる、#2同様にマイナーな中に温かみを感じさせる#11。PAATOSが時折聴かせるスピード感のあるカッコ良いナンバー#12。長いブランクで心配された音楽性の変化もさほど無く、それどころかバンドが影響を受けたPORTISHEADやBJORKなどのテイストをメランコリックな世界に巧みに消化・昇華したお馴染みのPAATOSらしさに、#6や#9など新たなテイストも加えた会心作ですねこれは。悲哀の中の醒めた感触(あるいはその逆も)とでも表現したらよいのか、彼らにしか成し得ない独特の個性にますます磨きの掛かったアルバムです。美声ボーカル・ファン、女性ボーカル・ファン必聴作。 Breathing

PINK FLOYD / Meddle

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PINK FLOYDの1971年6th。70年代の人気プロレスラー アブドラ・ザ・ブッチャーのテーマ・ソングになった邦題「吹けよ風、呼べよ嵐」の#1は、オルガンやスライド・ギターをSE的にうまく使った勇壮なインスト。英国的な翳りを帯びたアコースティックな#2、サイケ感覚漂うリフが軽いトリップを誘うフォーク#3、デヴィッド・ギルモア(G)の洒落たギター・ワークとリチャード・ライト(Key)のリラックスしたピアノ・ソロがPOPな小品#4、犬の鳴き声とブルージーなアコギによる不思議なコラボ#5ときて、アナログ時代はB面を占めた#6は23分超の大作。サイケやブルーズ色を仄かに残したムーディなアンサンブルをバックに、うっすらとハーモニーを付けたボーカル・ラインが淡々とした叙情を紡いで行きます。軽く歪んだオルガンの反復コード・カッティングに乗る奔放なギター・ソロに続く中間部では、曲タイトル通りの幽玄かつ壮大なSEが登場。スタジオワークに凝り、実験色を強めて行く過程を象徴してます。Meddle

PINK FLOYD / The Dark Side of the Moon

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邦題「狂気」が言い得て妙なPINK FLOYDの1973年8th。鼓動のSEがオープニングとエンディングに配され、各曲が微妙にクロスフェードしながら繋がったアルバム構成、大胆にベル音をあしらった#4、サンプラーが無い時代にレジの音を録音したテープの切り貼りで組み立てた#5のリズム、といった部分の実験的な要素と、ゲスト女性ボーカルによるソウルフルなゴスペル風スキャットやコーラス、キャッチーなボーカル・メロディがもたらすポピュラー音楽としての分かり易さが高次元で融合。それでいて、リラックスしたムードのヒット・シングル#7やスペイシーな#8などのゆったりとしたテイストがリスナーのイマジネーションを刺激するプログレッシブな精神性も。シド・バレットの暗喩とされた「月の暗い面」を日常の狂気という より普遍的なテーマに昇華させ、耳障りの良いポップスの意匠をまとった楽曲を実験的なSEで繋ぎトータル・コンセプト・アルバムとして完成させた、音楽性・商業性を両立した20世紀のロック史に刻まれた金字塔です。The Dark Side of the Moon

PINK FLOYD / Wish You Were Here

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PINK FLOYDの1975年作。ドラッグ中毒でバンドを去ったオリジナル・メンバーのシド・バレットに捧げたという#1,#5は同時に前作の大成功に戸惑う自分達の心情を吐露したものなのか?デイブ・ギルモアのブルージーなギターが冴える退廃的雰囲気のムーディな名曲。むせび泣くダブル・チョーキング、アナログ・シンセのまろやかな音色、バッキング・コーラス・・・。ずっと聴いていたい感じです。シンセやオルガンを効果的に使用した#2、ロイ・ハーパーがゲストVoのブルージーな#3、アコギもうまい#4など穴が無い名盤。Wish You Were Here

PRETTY THINGS / S.F.Sorrow

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ブリティッシュ・ビートバンドPRETTY THINGSの1968年4th。ビートルズのサージェント・ペパーズ以降の時代を反映したサウンドは一言で言えばビート・サイケになるんでしょうが、 アコギとコーラス・ワークによる極彩色サイケ・ポップの#1に突如メロトロンが登場したり、ファズ・ギターによるリフの質感が元祖ヘヴィ・メタルな#12など、ハード・ロックやプログレ黎明期の英国ロック・シーンの混沌としたムードを体現するがごとく様々な音楽的要素が原初的な姿でゴッタ煮のように盛り込まれています。長くても3分台にまとめられたコンパクトな楽曲群は、どこを切ってもキャッチーでイカすメロディとセンスの宝庫。色んな方向に拡散しながらも、メロディアスなコーラス・ハーモニーの存在がサウンドの統一感をキープしてます。音の定位やスカスカなサウンドに時代を感じさせもしますが、単純にカッコ良いんでCMやドラマで使われたら絶対ヒットすると思いますね。PRETTY THINGS / S.F.Sorrow

PRETTY THINGS / Parachute

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ヒプノシスによるジャケットが美しい英国サイケデリック・ポップバンドPRETTY THINGSの5th。 ブリティッシュ・ビートをベースに、メロトロンや美しいコーラス・ハーモニーを効果的に使って幅広い曲想をカバーしてます。ドラマティックに紡がれるメドレー形式の#4〜#6、ギターとベースのユニゾン・リフにサビのメロディがカッコ良い#7、黒っぽいグルーヴにファズ・ギターのリフがクールな#8、哀愁を感じさせるムーディな#9、シャープナインスのリフがこれまたクールな#10、サビがキャッチーな#11、アルバムを締めくくるカラフルなバラード#13等々全曲穴無し。 Parachute

THE PARLOUR BAND / Is a Friend?

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英国のロック・バンドTHE PARLOUR BANDの1972年唯一作。基本フォーク・ロックで、マイルドなリードボーカルと美しいハーモニーを中心にオルガンや時にハード・エッジなギターも絡め、アメリカンほど爽やかには抜け切らない英国らしく少々くぐもった独特な優しいサウンドを展開してます。ほとんどが3〜5分台のコンパクトな楽曲で、一部に女性コーラスを使用したりとメジャー志向も感じられますが、冒頭の寂寥感たっぷりなエレピから紡がれる7分超の大作#10にみられる場面転換や哀愁のサビなどは時代を反映したアーティスティックな路線でバンドの力量を思い知らされます。Is a Friend? 暮れなずむ夢

THE PENTANGLE / The Pentangle

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ブルーズ寄りなバート・ヤンシュ(G)、トラッド寄りのジョン・レンボーン(G)というギターの名手のデュオから発展したフォーク・ロック・バンドPENTANGLEの1st。リズム・セクションはダニー・トンプソン(B)、テリー・コックス(Dr)というジャズ畑の2人。そして紅一点ジャッキー・マクシー(Vo)のクリア・ヴォイスが乗るという構成で、トラッド、ジャズ、ブルーズが渾然一体となった独自のフォークを展開してます。#2ではテリーのブラシによるドラミング、#4ではダニーのソロ・タイムとジャジーなインプロビゼーションも多く、単なるフォークとは一線を画した緊張感あるアンサンブルが特徴となっています。The Pentangle

THE PENTANGLE / Basket of Light

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孤高のフォーク・ロック・バンドPENTANGLEの1969年3rd。BBC-1のTVドラマ主題歌にもなったという5+7拍子に乗ったジャジーでスタイリッシュな#1。ジャッキー・マクシー(Vo)の美声をフィーチャーしたトラッド風な#2はジョン・レンボーン(G)のシタールとテリー・コックス(Dr)のグロッケンスピルがエキゾチックかつお伽噺のような独特なムードを醸し出しています。ジョン・レンボーンの朴訥とした歌唱がメインのブルージーな#3。混声ハーモニーによる厳かなムードの#4。バート・ヤンシュ(G)がリード・ボーカルを取るスタイリッシュでカッコ良いフォーク・ロック#5。グロッケンスピル、パーカッション、精緻にアレンジされた2本のギターによる伴奏にジャッキーの透明感ある歌声が物語を紡ぐ#6。ジャッキーが中音域で歌うPOPな中にもジャジーかつブルージーなテイストを忍ばせたキャッチーな#7。バート・ヤンシュがサセックス州の子供から教わったというフォーク・ソングでジャッキーの澄んだ高音が素晴らしい#8。シタールとバンジョーを取り入れた土の薫り漂う#9。等々、PENTANGLE特有のジャズやブルーズのハイブリッド型フォーク・ロックが、それぞれの要素の融合をさらに進ませる事によって非常にキャッチーな仕上がりとなっています。Basket of Light

PÄR LINDH PROJECT / Veni,Vidi,Vicil

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スウェーデンの鍵盤プログレ野郎パル・リンダーの2001年作。ユリウス・カエサルが三頭政治の一角ポンペイウスに勝利した後、小アジアのポントスの反乱を速攻で治めた様子を元老院に報告したときの最初の文言「来た 見た 勝った」のラテン語がタイトルです。最近『ローマ人の物語』読んでてちょうどこの辺の話だったので、長々と書いてしまった。チャーチ・オルガン、ハモンド、ピアノ、シンセを縦横無尽に暴れさせたシンフォ。女性Voはもうちょい空間処理してウェットにして欲しかった。そしたらドラマティックな#4あたりがマイ・アンセムになってたかも?

幻想のノスタルジア

PENDRAGON / The Window of Life

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英国ポンプ・ロック・バンドPENDRAGONの1993年作。PINK FLOYD+GENESISのような?#1に若干の苦笑も禁じ得ないが全編メロディアスなシンフォニック・サウンドが堪能できます。デジタル・シンセのキラキラした音色が90年代という時代を感じさせる。

The Window of Life

PREMIATA FORNERIA MARCONI / Storia Di Un Minuto

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イタリアの5人組プログレッシブ・ロック・バンド PREMIATA FORNERIA MARCONIの1972年1st。イントロの#1のムードを引き継ぎ静かな叙情を湛えて始まる#2。静かなボーカル・パートと交互に訪れるインスト・パートでは一転して静から動へ変化、メロトロンの白玉をバックにズ太いシンセのリフレインがドラマティックに鳴り響きます。 #3は、後の世界デビューとなったマンティコア盤にも収録された洗練されたバージョンと違い、もっと勢いと迫力を感じさせる生々しい演奏が聴き所。賑やかなロック・パートと繊細なパートの落差が魅力です。アコギとフルートによるバッキングに語りかけるようなジェントルなボーカルが乗る、どこか郷愁を誘う静かな叙情チューン#4。時折登場するチェンバロの厳かなオブリガードが典雅な彩を加えています。#4のテーマをオルガンとヴァイオリンで優雅に引き継ぐインストゥメンタル・チューン#5は、間髪置かずにピアノを中心とした3連アップテンポの怒涛のアンサンブルへ、さらにメロトロンにヴァイオリンを交えてのシンフォニックなパートを経て、ジャジーなパートへと目まぐるしく展開。終盤のインプロビゼーション・パートでは、フルートを中心に#3のメロディがエレピで挿入されたりと即興での非凡な力量を見せ付けます。ヘヴィなリフを序盤と終盤に配し、中間部には叙情的なボーカル・パートとアコギ・ソロを挿入した#6。クラシカルかつフォークなメロディを、圧倒的なテクニックと表現力で奏でるフランコ・ムッシーダ(G/Vo)のプレイが圧巻。フォーキーで静かなボーカル・パートと、ブラス・セクションを中心に迫力あるインスト・パートからなる#7。デビュー作にして、ロック/フォーク/ジャズ/クラシックを消化した幅広い音楽性と確かなテクニック、静と動を活かしたドラマティックな構成力、等既にワールド・クラスの実力を感じさせる驚異のアルバムです。Storia Di Un Minuto

PREMIATA FORNERIA MARCONI / Per Un Amico

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イタリアン・プログレッシブ・ロックの至宝PREMIATA FORNERIA MARCONIの1972年2ndアルバムPer Un Amico。感動のメロディを奏でるシンセとそれを支えるメロトロンの幽玄なトーンでお馴染みの、ファンタジックな代表曲#1。静かなボーカルから徐々に盛り上がるパートの叙情が胸を締め付けます。ドライヴするギター、ハイハットのカウント、アヴァンギャルドなピアノ、そして舞い踊るヴァイオリン、と各パートがクールに絡み合うジャズ・ロックのインストゥルメンタル#2。中間部の牧歌的なマーチで見せるユーモラスな表情も魅力です。フルートを中心に叙情を漂わせるイントロから、なんとなく英国のCARAVANあたりを思わせる洒落ていてメロディアスなボーカル・パートに移行する#3。インスト・パートはヴァイオリンのインプロビゼーションから爽快なアコギのコード・カッティングを経て、シンセのファンファーレへとシンフォニックに展開。アコギをバックに清涼感あるボーカルが乗るキャッチーなフォーク#4。シンセがリードする神秘的なムードのインスト・パートでは、ハープのシャワーが心地良いです。フラビオ・プレモーリ(Key)の独演会と化す、シンセのシンフォニック・パート〜ピアノ・ソロの豪快さと繊細さの対比も素晴らしいアクセントになっています。明るいムードの中に神秘性を帯びたボーカル・パートと、ヘヴィで屈折気味のインスト・パートが融合した#5。後にELPのレーベル マンティコアからリリースされる世界デビュー盤の元ネタではありますが、素朴なプロデュースとイタリア語の響きが彼らの魅力をより忠実に表現していると思いますね。Per Un Amico

PREMIATA FORNERIA MARCONI / Photos of Ghosts

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イタリアのプログレ・バンドPFMの1973年国際デビュー作。KING CRIMSONのピート・シンフィールドが英詩を提供。動と静の対比が見事で幻想的な風景が目に浮かぶような#1、ゴキゲンなプログレッシブ・ブギー?の#2、アコギとフルートが素敵な#5・・。多くの人がここからイタリアンの泥沼にハマっていくんでしょう。Photos of Ghosts

PREMIATA FORNERIA MARCONI / L'Isola di NIENTE

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イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドPREMIATA FORNERIA MARCONIの4thアルバムL'Isola di Niente(邦題 甦る世界)。混声合唱団の厳かなクワイヤをイントロに配し、フランコ・ムッシーダ(G)によるメタリックなエッジのギター・リフを前面に押し出してヘヴィに迫る#1。中間部では優しくのどかな情景をシンフォニックに挿入し、ヘヴィなパートとの対比で互いの印象を強くしています。フォーク・タッチの静とマウロ・パガーニ(Vln/Fl)のフルートやファヴィオ・プレモーリ(Key)のアコーディオンによるジャジーなソロ・パートの動による起伏を軸に展開する開放的なシンフォ#2。シンセの印象的なリフレイン〜フルート・ソロ〜ギターとピアノの複雑なパッセージのユニゾンなど、明るいムードのキャッチーなシンフォニック・ロックに技巧を織り交ぜた#3。アコギのアルペジオと繊細なボーカルを中心にした牧歌的なフォーク#4。まろやかな音色のシンセやメロトロン、フルートの優美なデコレーションが素敵です。エレピやフルートのソロをフィーチュアしたクールなジャズ・ロックから、穏やかなシンフォニック・ロックに展開するインストゥルメンタル#5。フロント3人を中心としたテクニカルなアンサンブルがもたらすカタルシスと、優しいメロディ志向が高度に共存。楽曲中及びアルバム通してのダイナミズムが見事な名盤です。 甦る世界

PAIN OF SALVATION / The Perfect Element, part I

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スウェーデンのプログレッシブ・メタル・バンド PAIN OF SALVATIONの2000年3rdアルバム The Perfect Element, part I は、児童虐待や青年時代の葛藤などをテーマとしたコンセプト・アルバム。ヘヴィでダーク、怒りを感じさせるヴァースから、突然超メロディアス&メロウなサビに展開する#1。時にソウルフルなシャウトを交え、明暗を描く#2。終盤、印象的なボーカル・メロディがピアノでリフレインされ、聴き手の心に深く染み渡ります。#2のラストからクロスフェードする悲しみに満ちたアルペジオのリフをベースに、苦悩を映した慟哭のサビに展開する#3。ハンマーノイズの要素を強調することで寂寥感を表現したエレピによるリフが印象的な#4。ストリング・セクションがバンド・サウンドに溶け込んだ後半がメロディアスで美しい。タッピングによるメカニカルな変拍子リフと、メロウなボーカル・パートでのオーガニックな情感を対比させた#5。疾走パターンに変化したリズム隊をバックに#3のサビがリプライズで登場し、テーマの関連性を示唆します。時折ヘヴィな装飾を盛り込んだ、ピアノをバックにした繊細なバラードの前半から、5拍子でのエキゾチックなリフでリズム・コンシャスな後半に展開する#6。終盤にはストリングスとクワイヤで感動的なメロディがリフレインされます。アコギやフレットレス・ベース、ピアノによる伴奏に清廉なボーカルが乗るメロウな#7。チョーキングでシタールのような効果を出すギターが奏でるエスニックなメロディが深遠なムードと相まって、神秘性とトリップ感を生むヘヴィな叙事詩的ナンバー#8。#4のリフ(今回はギターでプレイ)とサビがリプライズ、キャッチーとも言えるメロディアスなプログレッシブ・メタルに仕上った#9。7拍子のクリーンなアルペジオによる静かな前半から、#6終盤で提示されたメロディがリプライズし盛り上がりを見せる後半に移行する#10。パッド系シンセの白玉をバックに、ギターがルバートで切ないメロディを奏でるインスト小品#11。7拍子のリフから始まり、重層的に様々なパートが織り込まれて壮大なフィナーレを飾る#12。アルバム全体を覆うダークな色彩、ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)による様々に声を使い分けてのボーカル、意表を突いた楽曲展開によって重いテーマを見事に表現。数種の印象的なテーマ・メロディを楽曲間でリプライズさせるアルバム構成の妙、必然性ある自然な変拍子、楽曲展開やインストゥルメンタル・パートにおけるコード進行などにインテリジェンスを感じさせます。The Perfect Element, part I

PAIN OF SALVATION / Remedy Lane

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スウェーデンのプログレッシブ・メタル・バンド PAIN OF SALVATIONの2002年4thアルバム。パッド系シンセの静かな序盤から苦悩を感じさせるヘヴィなパートに移行する、アルバムのイントロダクション的なナンバー#1。ダークでヘヴィな音像をバックに、ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)がエモーショナルに歌い、弾く印象的なメロディが耳から離れない#2。ギターとピアノがユニゾンで奏でる5拍子の精神分裂気味メロディのリフを軸に展開する#3。突如メロディアスになるサビにおけるピアノやギターのミュート・フレーズも5拍子の周到さ。様々な表情を見せる歌唱が演出する叙情パートや爽快なパートを内包しつつ、キャッチーなサビ以外は基本的に7拍子で進行する#4。クリーンなアルペジオをバックにしたマイルドな前半から、後半は激しさも加えた歌唱に展開する#5。枯れたトーンのギターによって提示された悲痛なテーマ・メロディを徐々に力強く発展させていく#6。16分音符の2拍目にアクセントを持ってくる特異なリフで耳を釘付けにし、その後リズムもキーも全く違うブリッジ・パートを挿入し意外な展開を見せるプログレッシブ・チューン#7。エスニックなフレーバーをまぶしたフォークロア風ナンバー#8。クリーンなエレキによるクラシック・ギターのようなフレージングが叙情を運ぶ前半、アルペジオがウラ打ちのリズム・トリックを使用している後半とギターがメインのインストゥルメンタル#9。#1の右チャンネルにかすかに聴こえていたシンセのシーケンス・フレーズを発展させたようなインストゥルメンタル#10。心地良い3拍子に乗せて歌唱パート中心に進行する、キャッチーな中にも深遠なムードの#11。ギター・ソロがエモーショナル。抑えた歌唱が胸を打つ、メロディアスな感動の叙情バラード#12。変拍子も交えて淡々と時にプリミティブな激情も迸らせるヴァースと、メランコリックなサビを対比させながら壮大に紡がれた10分近くの大曲#13。ダークなムードや時折見せるアグレッションはヘヴィ・メタルのそれでありながら、実の所はディストーション・ギターも控え目だし、充分にテクニカルでありながらサーカスのようなこれ見よがしの超絶アンサンブルに頼る事も無い。所々に仕掛けたリズムのトリックや予想不可能な意外な展開などで音楽的深みとインテリジェンスを醸し出す、どちらかというと王道プログレッシブ・ロックに近づいた作風。そんな事もあって、同郷の現代プログレの旗手FLOWER KINGSのロイネ・ストルトとダニエル・ギルデンロウの交流も進んで行ったんでしょうか。ダニエル・ギルデンロウは作詞作曲、アートワーク、個人的なものに基づいた重いコンセプト、ミックスにプロデュース、と全てにその才能を発揮しております。Remedy Lane

PAIN OF SALVATION / Be

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ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)率いるスウェーデンのプログレッシブ・メタル・バンドPAIN OF SALVATIONの5thアルバム。現代の天地創造の物語とダニエルが言うコンセプト・アルバムとなっており、男女による何やら哲学的な問答の#1から緊張感あるインストゥルメンタルに乗って年代と総人口数と思しき数が淡々とアナウンスされる#2に至るオープニングの段階で既に引き込まれていきます。続く#3はパーカッションを活かしたトライバルなムードを漂わせたダークなフォークロア風チューン。リズムのトリッキーな仕掛けが耳から離れません。雨のSEに続きピアノの美しくも沈鬱なソロにストリングが絡み、シンフォニックに発展していくインストゥルメンタル#4。フレットレス・ベースが深遠なうねりを醸成する思索的な序盤から、タテ乗りのハードなパートに展開する#5。再びフォークロア風な#5。男女のセリフで綴る#6。そしてアルバムのハイライトでもある、3部構成のプログレッシブ・チューン#7へ。ミュージカルのような芝居がかったダニエルの歌唱、QUEENのようなコーラスに管弦楽を交えた国籍不明のシンフォニックなオーケストレーションでドラマティックに展開。ファンから電話録音で公募した神に対するメッセージをピアノやアコギ、フルート等によるヒーリング・ミュージックに乗せた#8。一転して、前半のリフと苦悩するボーカルによるヘヴィネスから、オーケストレーションによる神秘的パートの後半に移行する#9。ストリングスも交えてヘヴィに進行するミディアム・テンポのパートに、#2のスリリングなパートを交えたプログレッシブ・チューン#10。クリーンなギターのアルペジオを中心にピアノや管弦が絡み、やがて劇的に盛り上がるインスト#11。荘厳なチャーチ・オルガンをバックに祈りにも似た歌唱が切迫感をつのらせる#12。雫が滴るようなピアノと管弦によるバックにダニエル渾身の歌唱が乗るヘヴィなバラード#13。本アルバム中ほとんど唯一のギター・ソロがエモーショナル。トライバルなリズムとフォークロアがリプライズする#14。エンディングと隠しトラックが用意された#15。曲中や曲間に何がしかの仕掛けが施されており、1曲だけサクッと聴くという行為を許さないトータル・アルバム。#6や#8など、もはや楽曲とは言えないようなセリフ・パートを効果的に配し劇的に場面転換していく為、常に知的好奇心を刺激され一気に聴けます。ブックレットに掲載された謎めいた写真を眺めながら、イマジネーションを働かせて聴いてみてください。 Be

PAIN OF SALVATION / Scarsick

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スウェーデンのプログレッシブ・メタル・バンドPAIN OF SALVATIONの6thアルバムScarsick。3rdアルバムにしてプログレ・メタルの名盤The Perfect Element PartIの続編、待望のPartIIということらしいです。また、クリストファー・ギルデンロウが脱退、ベースはダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)が兼任しています。といいつつ何ですが、ダニエルの才能の赴くまま自由にプログレッシブな作品を連発する彼らに、もはやプログレ・メタルなどという狭隘なレッテルは失礼かも。演劇のようですらあった前作Beの衝撃は凄まじく、本アルバムも全ての音や展開に何か意味があると思い慎重に聴き入っていると、冒頭2曲もヘヴィなエッジが復活したギターやここのところの彼らの引き出しの一つでもあるフォークロア風味に耳が行って、問題のラップ調ボーカルもすんなり入ってくるから不思議です。並みのメタル・バンドなら違和感を感じるところなんでしょうが。そしてダニエルの子供さんの声を使用した#3。愛らしい赤ん坊の声と物悲しいピアノのメロディの対比がドラマを感じさせます。続いてポップな#4、ディスコ・ビートを取り入れた#5と、誰も予想しなかった展開で度肝を抜かれます。にしても、バンジョー(それとも又もやマンドーラ?)の響きが新鮮なスパイスとなった#4や7拍子のダークなプログレ・パートを盛り込んだ#5など、単純に見せかけて実は丹念に作り込まれた所にインテリジェンスが滲み出ています。そんな裏読み無しでも#5のソウルフルな歌唱とか、ダニエルって本当に音楽が好きなんだなと思わせる本気度が素晴らしい。とここまでが、Side1とのクレジット。勿論CDなのですが、音楽的コンセプトに基づいたものとのこと。こういった細部への拘りも彼ら・・・というかダニエルらしいですね。確かにSIDE2冒頭となる#6はこれまでの破天荒路線から、一転してシリアスな思索路線。劇的に盛り上がる部分からの叙情的な展開が美しいです。エフェクトを掛けたギターのリフにヴォコーダーから始まるクールな#7は、静から動へ幅広いレンジで聴かせるダニエルのボーカルが印象的なナンバー。左右で微妙にフレーズのタイミングを変えたギター・リフがトリップ感を誘い、ミステリアスなヴァースと中間部のメロディアスなフォークロア風歌メロが対になった#8。1コードに乗った熱病にうなされているかのような序盤から、サビでようやく開放感を味わえる緊張感に満ちた#9。そしていよいよオーラスの#10は10分超のエピカルなナンバー。ムーディな序盤から壮大なサビまで丹念に描かれています。 Scarsick

PAIN OF SALVATION / Road Salt One

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スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドPAIN OF SALVATIONの2010年7thアルバムRoad Salt One。ブルーズ・ロック風な#1,#2、ドラマティックで悲痛なバラード#3、シンプルなオルガンの白玉をバックにトライバルなムードのボーカルとコーラスで構成された#4、アコースティック・ブルーズ・チューン#5、音楽的な懐の深さを感じさせる、レトロでヨーロピアンな風情漂う哀愁のワルツ#6。と、ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)の情感豊かなボーカルをフィーチュアした楽曲が続く前半戦。ここで一旦アナログ・レコード・プレイヤーの針が上がる音が入るので、ここまでが"A面"ということなのだろう。従来からのファンを試すかのような前半戦に対して、後半は幾分プログレッシブ。静動の起伏を持ったミステリアスなサウンドに屈折した歌唱が乗る#7。くすんだエレピが主導する中間パートを持つ、ジャムから発展したようなハード・ロック#8。アルバム中随一のキャッチーなハード・ロック#9。軽く歪んだエレピによる沈み込んだパートと埃っぽいギターのリフを対比させた#10。深遠なコーラスとツインリードのハーモニーが加わり独特なプログレッシブ風味を醸し出しています。またもや古いエレピの音色が印象的なバラード#11。メロトロンっぽいクワイヤとストリングスがレトロなムードを増強。ペダル・トーンにモーダルなメロディを被せ、エスニックで混沌としたなムードに仕上げたPAIN OF SALVATIONらしいプログレッシブ・チューン#12。これまでの緻密に作りこまれた先進的なサウンドから一転して、70年代風ロックやブルーズ・ロックを下敷きにしたような生々しい作風が衝撃。メンバーのポートレイトを使用したジャケット・アートワーク、アナログ盤のトラッキング・ノイズの挿入、空間系エフェクトのフィーリング、レトロなエレピ/ドラム/ギターなど楽器音、等々、細部にも"70年代風"が貫かれており、作品としての統一性を醸成。人生における様々な"道"をテーマにした2部作の1枚目ということで、2枚目のRoad Salt TwoはOneの前半路線なのか後半路線なのか、それとも予想もつかない新機軸を提示してくるのか。 Road Salt One

PAIN OF SALVATION / Road Salt Two

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スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドPAIN OF SALVATIONの2011年8thアルバムRoad Salt Two。リフ中心のオールド・スクールなブルーズ・ロック/ハード・ロックのスタイルを取り入れた#2,#3,#11、マンドーラなど民族楽器を導入したフォーキーな#4,#5,#9、意表を突くレトロ風味のワルツ#6、そこにダークでドラマティックな要素を持った#10や7拍子のリフがリードする#13などのプログレッシブ・チューンが絡む構成は、#8の最後と#9の最初に挿入されたアナログ・レコード風スクラッチ・ノイズのエフェクトと合わせて、前作Road Salt One同様のスタイルでシリーズ通じての統一感を醸成。ただ、ハード・ロックにエスニックな要素をLED ZEPPELIN並みのセンスで融合した#2の練りこみ具合、オリエンタルなムードのアルバム・テーマ#1とエンディング・チューン#14を配した構成などを見ると、単なる続編というよりはより完成度を高めた単独作と捉えても良さそう。このあたりは2作の制作において方向性を突き詰める中で、ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)の豊富なアイディアが整理された結果と言えるんではないでしょうか。初期の頃のプログレ・メタル然としたテクニカルなインスト・パートやアグレッションは影を潜めましたが、雄大なフォークロア#5、ブレイク・ビーツとフォークが溶け合った#8などの郷愁を誘うメロディは絶品だし、様々なスタイルの楽曲を巧みに繋げたアルバム構成で約60分の音楽の旅に浸れる所が素晴らしい。多分この路線は今回で終了し、次作ではより音楽性を広げた新しいPAIN OF SALVATIONを見せてくれるだろう。 Road Salt Two

PORCUPINE TREE / Signify

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スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの1996年4th。イントロ的な#1に続き、単音のハード・ロック風リフが延々と繰り返す緊張感の中、シンセによる上物がミステリアスなデコレーションを施すインスト#2。静かな序盤からサビではクールな激情に発展する、ダークな叙情チューン#3。SE的小品#4。コンテンポラリーなフォークといった趣にミステリアスなテイストを加味した#5。#5のムードを引き継ぎ、ベースとパーカッションによるグルーヴと鍵盤やギターのサウンドスケープによって起伏を生み出す#6。モーダルなボーカル・メロディに緊張感漂う序盤と、メロウなサビを対比させた#7。パーカッションとまろやかな笛のメロディがもたらすエキゾチックなムードから、シンセのミニマルなリフとドラムのビートが加わり、スペイシーなトリップ・ミュージックに発展するインスト#8。アコギのカッティングにエフェクト処理されたボーカル、スライド・ギターと多層コーラスでマイルドかつサイケなムードを醸し出す#9。ベースの2小節パターン・リフに、ギター、シンセ、ピアノ、その他様々なエフェクトが加わり浮遊するトリップ・インスト#10。白玉中心のパッド系シンセとコーラスが寄せては返し、霧のように立ち込める#11。ゆったりとした7拍子にメロウなサビのボーカル・パートを配し浮遊する#12。歌モノは基本的にキャッチーなメロディアス・パートを持ちつつも、アンビエントな装飾による思索的なムードが加わることで決して安っぽくならず、インテリジェンスと気品を保っているところが英国らしくて良いです。全体的にトリップ感抜群のインストゥルメンタルの比重が高く、深遠でダークなPINK FLOYDとでもいった感じ。Signify

PORCUPINE TREE / Stupid Dream

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スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの1999年5th。ストリングスとアコギをバックにしたメロディアスなボーカル・パート、スライド・ギターのスペイシーなオブリガードにPINK FLOYDの影がちらつく#1。終盤には、ヘヴィなリフ・パートから抑えたトーンのギター・ソロへ至る部分や謎の番号を繰り返す管制塔風なナレーションSEまでPORCUPINE TREEらしいインテリジェンスな深みも。アコギとピアノのシンプルなバッキングに、グランジ風(?)なギター・リフとスペイシーなスライド・ギターがアクセントとなったキャッチーな#2。#2と#4を繋ぐSEインスト#3に続く#4はアコギのカッティングがリードするメロディアスなフォーク・ナンバー。グロッケンのようなキラキラした音が印象的です。ベースのグルーヴィなリフに、長三度と短三度のアルペジオを交互に繰り返すピアノが乗り不安定なトリップ感を醸し出す#5。心象風景を映したかのようなSEを交えた沈鬱なヴァースから、深遠なストリングスをバックに盛り上がるサビへと展開する#6。インスト・パートでは静かな部分のフルートと激しく盛り上がる後半のサックスでテオ・トラヴイスが客演しております。軽快なリズム・パターンとアコギのカッティングにメロトロンも加わり優しく進行するフォークに、ハード・ロック的なエッジを持ったパートを内包した#7。神秘的で妖しいムードの序盤から、いつの間にかコーラス・ハーモニーの美しいフォークへとドラマティックに移行する#8。アコギのカッティングとスライド・ギターのオブリガードをバックに優しいボーカルが乗る爽やかなフォーク#9。アコギのメイン・テーマ・メロディにピアノやストリングスが絡み、トレモロを効かせたギターと深みのあるストリングスで神秘的に浮遊するサビに展開するダークなバラード#10。カリギュラ等で知られるイタリア人映画監督ティント・ブラスの名を冠したインストゥルメンタル・ナンバー#11。女性による妙なイントネーションの日本語ナレーションとヘヴィなギター・リフがクールにキマってます。ピアノとリズム隊のシンプルな演奏に美しくも儚げなボーカル・メロディが乗る#12。ポジティブで開放的なムードを持つアルバム序盤#1〜#4や、メロディアスな中にも英国的な深みを感じさせるフォーク#7,#9あたりはメインストリームでも勝負できそうな取っ付き易さで、実験的要素が強かった前作からの変貌に驚きますが、トリップ感漂う5#や#11に代表される音響的仕掛けが全曲のそこかしこに施されており、結局何をやってもPORCUPINE TREEらしい印象を残す歌モノ路線への転換作。Stupid Dream

PORCUPINE TREE / Lightbulb Sun

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英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの2000年7th。アコギのカッティングがリードするフォークに、控え目ながらも浮遊感をもたらす鍵盤群の装飾とヘヴィなギターのアクセントによるPORCUPINE TREEらしい個性が付加された#1。
くすんだピアノの弾き出す妖しいワルツに乗って、レトロで不気味なファンタジーを描いた#2。GENESIS風コーラスとオートハープの音色が良い感じです。一転して、パーカッション等エスニックな装飾を印象的に活用したキャッチーな#3。暗鬱なメイン・テーマのリフレインから、メロディアスかつウォームな叙情を醸すサビに展開する#4。アコギやバンジョーの響きがトラッド風にも感じられる神秘的なフォークの前半と、フェンダー・ローズが浮遊する思索パートの後半から成る#5。アコギやスライド・ギターのシンプルな演奏にストリングスを加え、ハートウォーミングに仕上がったフォーク小品#6。3小節パターンによってズレる錯覚を引き起こす中間部のリフにインテリジェンスを感じさせる、クールな思索プログレ#7。バックのアコギのカッティングに対するモーダルなボーカル・ラインが、独創的なメロディを生み出すフォーク#8。トレモロを掛けたエレピとギター、冷え冷えと漂うシンセ・パッドが醸し出すアンビエントな空間に鬱なボーカルが乗る#9。ストリングスを加えてシンフォニックに盛り上がるも、ここは「シンフォニックなプログレはあまり聴かなかった」スティーヴン・ウィルソンらしく、仰々しいというよりは端整なテイスト。後半のインスト・パートではヘヴィなギター・リフに音響効果を交えた、得意の不条理トリップ空間が爆発する13分超の大作。クリーンなギターの単音リフにアコギ、ストリングス・セクションをバックに、抑えたトーンのボーカルが淡々と流れる耽美なバラード#10。全曲が歌モノとなり取っ付き易さを増すと共に、各曲のキャラも際立って来ました。異色なテイストの#2や#3などには、スティーヴン・ウィルソンの引き出しの多さに驚嘆の念を抱くほどです。キャッチーなんですが、思索的インテリジェンスと仄かな叙情を忘れない英国らしさも健在しております。Lightbulb Sun

PORCUPINE TREE / In Absentia

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PORCUPINE TREEの2002年7thアルバムIn Absentia。新加入ギャヴィン・ハリソン(Dr)が叩き出す雷鳴の如きドラムと、スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)がOPETH作品のプロデュース・ワークから影響を受けたこと明白なヘヴィなギター・リフが完全にシンクロ。この、メガトン級パンチを無慈悲に繰り出す凶暴なイントロと、間髪置かずして始まるクリーンなメジャー7thコードに乗って浮遊する超キャッチーな歌唱パートとのギャップが快感な#1。サビのコーラスがまた美しい。#1との落差を強調するアコースティックで内省的な佇まいから、力強いエレキによるカッティングを交え、トリップ感を含んだロックに展開する#2。バンジョーのソロにおけるエキゾチックなテイストも印象に残るフックとなっています。アコギのアルペジオをベースにした神秘的な#3。7拍子のクールなリフから叙情的なサビに移行する#4。シンセのサウンドスケープとローファイなエレクトロニック・ビートがリードする神秘的な#5。中間部ではまたしてもヘヴィなギター・リフが登場。激しいリフで押し捲るヘヴィ・メタリックなインストゥルメンタル・ナンバー#6。スライド・ギターがたゆたう気だるいムードから広がりのあるサビに展開するサイケな#7。冷気を帯びたストリングス・セクションとうねるベース・ラインという対象的な要素が同居した#8。マシンのような単調なリズムに乗せて、ミステリアスなムードのエフェクト・ヴォイスがトリップ感をもたらす#9。 エレピとアコギによるリフを、多層コーラスのオーガニックな叙情が包み込む#10。ベースのリフに乗せてクールに展開する中、ヘヴィなギター・リフがアクセントとなった#11。端整なピアノとストリングスがリードする、神々しさすら感じさせるバラード#12。メロディアスな作風は前2作の流れを引き継ぎ、そこに破壊力抜群のヘヴィネスが加わることで、従来からの暗い叙情や静かな神秘性との振れ幅が大増量。各楽曲中あるいはアルバム通しての起伏がより表情豊かになった代表作です。In Absentia

PORCUPINE TREE / Deadwing

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スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの8thアルバムDeadwing。テクノ風シンセのシーケンス・パターンにハード・エッジなギター・リフが乗って疾走する#1。中間部にメロディアスなパートと若干の思索パートを盛り込み、展開の妙を見せるPORCUPINE TREEならではの楽曲。音の間を活かした70年代ロック風ギター・リフがグルーヴィな#2。サビでは超ド級ヘヴィ・リフとギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルなドラミングが絶妙にシンクロしています。 もはやお家芸とも言える、清廉なメロディのボーカル・チューン#3。リチャード・バルビエリ(Key)の白玉シンセとスティーヴンの囁くような歌唱が爽やかさを演出。ベースのリフがリードするファンキーさの中に、屈折した音響効果をスパイスに加えた#4。繰り返されるギターのアルペジオが誘発するトリップ感を軸に、霧のようなシンセやヘヴィなリフ・パートを加え、起伏を生み出す思索路線12分超の#5。 リズム・ボックスの無機的シンプル・ビートに、アコギの優しいカッティングやメロトロンによる足踏みオルガンやクワイヤの有機的なサウンドが乗った不思議なムードの#6。 ダークでトリッキーなリズムをベースにした歌唱パート、ヘヴィなギター・リフ、センチメンタルでメロディアスなサビと、バラバラになりそうな要素が奇跡の融合を果たした#7。4拍子+5拍子のクールな歌唱パートからサイケなブリッジを経て、メロディアスなサビに展開する#8。終盤での叙情から激情への移行が感動的です。レコードのスクラッチ・ノイズのSEから始まる、スペイシーかつサイケなムードのトリップ・チューン#9。様々な音楽的バックボーンを随所に垣間見せながら、最終的にはPORCUPINE TREEのスタイルとして纏め上げてしまう貫禄の1枚。#1,#4の変態的なギター・ソロでエイドリアン・ブリュー、#1,#3,#5のバッキング・ボーカルでOPETHのミカエル・オーカーフェルトが客演しています。(ミカエルは#5で渋いフレージングの2ndギター・ソロも) デッドウィング

PORCUPINE TREE / Fear of a Blank Planet

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スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの9thアルバムFear of a Blank Planet。引きこもりの少年を題材としたコンセプト・アルバムということで、その少年のものだろうか、パソコンのキーを叩く音で始まる#1。ズ太いギターのリフも飛び出すアップテンポだがダークなサウンドに、スティーヴンのエフェクトで加工した無表情のボーカルが乗るノリの良いオープニング・チューン。リチャード・バルビエリ(Key)の冷ややかな感触のストリングス系シンセが、サビでバンド・サウンドに広がりをもたらしています。モジュレーションを掛けたエレピが幽玄なムードを醸し出す、暗鬱フォーク#2。繊細なサビは極上の美しさ。続く#3は17分超のハイライト・チューン。パーカッシブなドラム・パターンとシンセのサウンドスケープをバックにボーカルが綴られる序盤。やがて普通のリズム・パターンとなり、ギター・ソロを経由して4拍子のバックに5拍子パターンのギター・リフがポリリズム的に絡んで進行するトリッキーなインスト部から豪放なサビに移行する中間部。ギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルかつステディなフィル・インが、アンサンブルの舵取りを果たしているようです。ここのサビと不条理ヘヴィ・リフ、本アルバムで最も(且つ唯一)アドレナリンが噴出する部分ですね。終盤はスロー・テンポにシフト・チェンジして再びダークにクール・ダウン。タイトル通りセンチメンタルなピアノがリードする端整な#4。ダークな中に、普遍的な美しさを持つサビメロを内包する得意のパターンです。沈痛なボーカル・パート、霧のような多層白玉シンセ、突如現れる凶暴なギター・リフ、と曲中で様々な表情を見せる#5。フィルターの掛かったシンセのシーケンスをベースにやがて中近東ムードのストリングス・セクションが被さり、妖しくエキゾチックなムードでアルバムを締めくくる#6。メタリックさと叙情がもたらすコントラストが明快だった前作と比べると、やや平坦な第一印象ではありますが、先の読めない展開の妙や実は複雑なリズムのアイディアなどマニアックな仕掛けが多数盛り込まれています。RUSHのアレックス・ライフソンが#3でギター・ソロを客演、元HATFIELD AND THE NORTHのデイヴ・スチュワートも参加、と人脈的にも意外な広がりを見せています。Fear of a Blank Planet

THE PROVENANCE / Still at Arms Length

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スウェーデンのプログレッシブ・デス・メタル・バンドTHE PROVENANCEの2003年2nd。音使いが練りこまれたヘヴィなリフ、デス声、オルガン、女性Vo、フルートが渾然一体となりヘヴィで混沌としつつ時折メランコリックにもなる完全にオリジナルな世界を構築。Still at Arms Length

PRETTY MAIDS / Jump the Gun

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デンマークのHMバンドPRETTY MAIDSの1990年作。アメリカ市場でのマネージメントが同じだったことから元DEEP PURPLEのロジャー・グローバーがプロデュース。レコーディング中に交通事故で入院したドラマーに代わりイアン・ペイスが#5でDrをプレイ。このバンドは特に花形プレイヤーが居るわけでもないので、ミディアム・テンポ中心の地味な作風だとちょっとツライかな。#9みたいな曲がもうちょい多ければなー。

Jump the Gun

PRETTY MAIDS / Sin-Decade

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PRETTY MAIDSの1991年作。前作が地味だっただけに、熱い#1のオープニングで「やればできるじゃないか」と見直したが・・・。#4とかも良いんだが、全体としては決定的に何かが足りないような気がする。

SIN‐DECADE

PROVIDENCE / And I'll Recite on Old Myth From

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日本のプログレ・バンドPROVIDENCEの1990年作。ジャズを通過したことが明らかな独創性あふれるメロディ満載の変態プログレ。女性Voはじめ各メンバーのテクも申し分無くクオリティは最高レベル。日本に生まれてなかったら、きっと大成功していたことだろう。長尺、変拍子、Gソロ、Bソロ入りの#1から既にクライマックス。全部で50分超で収録曲4曲!というのもイイ感じだ。

伝説を語りて

PAGENT / 螺鈿幻想

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大阪は心斎橋の傘屋の息子、元フロマージュのギタリスト中嶋一晃(夜来香〜浪漫座)のバンドPAGENTの1986年1st。新宿ガーデン・シェッドの店長もコーラスで参加してます。GENESISからの影響か?音像と共に独特の歌詞世界がすごいです。女性Voの歌唱力・表現力が抜群。後にVoがリメイクされる世紀の名曲#2「ヴェクサシオン」の歌唱に怜悧な凄みを感じます。

螺鈿幻想

PAGENT / 仮面の笑顔

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同タイトルのCDが今出ているようだが収録曲が違うようなので記載します。「人形地獄」、POPな「真夏の夜の夢」、Voパートをリメイクした「ヴェクサシオン」、ジャジーな「仮面の笑顔」、カッコ良い「奈落の舞踏会」、「蜘蛛の館」の6曲。「ヴェクサシオン」はこっちのバージョンが好きです。

仮面の笑顔

PAGENT / 夢の報酬

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PAGENTの1989年作。中嶋が抜け、ドラマティックな要素が減退。全曲がVo永井のペンによるもの。

夢の報酬





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