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REVIEW G

GREENSLADE / Greenslade

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元COLOSSEUMのデイヴ・グリーンスレイドが中心となって結成されたツイン・キーボード、ギターレスの4人組GREENSLADEの1973年1st。ロジャー・ディーンによる淡いグリーンを基調にしたジャケットがステキです。ロックン・ロールやブルーズをベースに変拍子やメロトロンのソロをフックに個性的に迫る序盤は、左右のオルガンの絡みつくような展開が少なくおとなしい感じ。ところが、ユニークなメロディの歌モノ#3,#4を挟んだ後半は怒涛のプログレッシブ・ワールド。左右オルガンのアレンジが絶妙な上、メロトロンやモジュレーションをかけたベースソロで起伏ある展開を見せるインスト#5。ダーティなオルガンが引き摺るようなヘヴィ・グルーヴをもたらす右CHと、白玉のメロトロンが緊迫感を煽る左CHの対比が見事な#6。ミステリアスなピアノに導かれる序盤からメロトロンとオルガンが分厚く立ち込める中盤、エレピやオルガンのソロが舞い踊る終盤とカラフルに迫る#7。やはりこの辺が一番の聴き物でしょう。KING CRIMSONの3rdで叩いてたドラムのアンディ・マカラクもステディ且つテクニカルなプレイでサウンドを支えてます。Greenslade

GREENSLADE / Bedside Manners Are Extra

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GREENSLADEの1973年2nd。全6曲で歌モノ/インストが半々。歌モノ#1,#3#,5では美しいメロディを軸にヒネリや変拍子、ソロ・パートがアクセントに。インスト#2,#4,#6はタイトなアンサンブルとカラフルな鍵盤群が圧巻です。#1はバラード・タイプのPOPな曲調ながら、シンセやメロトロンがアクセントとなり、歪ませたエレピがドリーミングなフレーズでソロを奏でます。#2はメロトロンが霧のように埋め尽くすイントロから、オルガン主導の3連系ハード・ロックなインストに。終盤の左右CHで追いかけっこのようにメロディックなフレーズを応酬するダブル・オルガンとバックで神々しく鳴り響くメロトロンが高揚感抜群でトリ肌モンです!#5はエレピ主導による変拍子の歌モノ。ジャジーなムードの中上手くは無いが囁くようなVoがイイ味出してます。ダーティなエレピがクールなフレーズを連発して活躍。ジャズやブルースのフィーリングをセンス良く配したフックのあるハード・ロックが、カラフルなキーボードを中心にタイトな演奏で楽しめる1枚です。 Bedside Manners Are Extra

GENTLE GIANT / Three Friends

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英国の超絶変態プログレ・バンドGENTLE GIANTの1972年3rd。3人の友人が大人になって別々の道を歩む・・・というストーリーのコンセプト作品。印象的なリフレインが各種楽器で目まぐるしく奏でられる重厚でスリリングなインストパートと、ソフトなヴォーカルや完璧なコーラスからなる歌パートのコントラストにハッとする#1から、早くも微細にメロディが編みこまれた独自の世界が展開されてます。#2では、やまびこのような左右ヴォーカルとハイを抑えたエレピが弾むように、それでいて淡々と進行する静かな前半から打って変わってメロトロン&ピアノによるミステリアスな後半が、流転する3人の人生を予見するような雰囲気を感じさせます。そして、ヴァイオリンがアクセントとなっている#4は後半のギター、オルガン、ブラス等によるヘヴィなユニゾン・リフからインテンスな弾きまくりギター・ソロへの怒涛の展開がこれまた熱いです。続く#5はパーカッシブなオルガンと軽快なヴァイオリンがリード。ユーモラスなメロディによるアンサンブルも挿入されていますが、実はメロディと音色が複雑に絡み合う多層構造なんですね。そしてメドレー的に#6になだれ込み、突如シンフォニックにオルガンが鳴り響き大団円を迎えます。Three Friends

GENTLE GIANT / Octopus

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ロジャー・ディーンによる幻想的なジャケットが美しいGENTLE GIANTの1972年4th。
多彩なアイディアをヴァイオリンや菅、ヴィブラフォンまで加えた様々な楽器音による演奏で緻密に紡いだ唯一無二のサウンドが、時代を超えて常に新鮮な驚きを与える名盤です。メインのメロディやリフを中心に組み立てられた”普通の”ロックとは対極に位置するそのスタンスこそが、まさにプログレッシブ。そんな複雑な音楽性でありながら、サクッと各曲4分程度で収めつつ、意外にキャッチーなコーラスとタイトな演奏で一気に聴かせてしまうハイセンスな30数分。
掴み所が無さそうで、食べてみたらプリプリした食感にハマってしまうタイトル通りタコのようなアルバムです。

Octopus

GRACIOUS / Gracious!

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英国のプログレ・バンドGRACIOUSの1970年1st。繊細なハープシコードやオルガンによるクラシカル風味とヘヴィなギター、ハモンド、リズム隊が織り成すオリジナリティ抜群のサウンド。2で見られるフォークなタッチも英国らしさを漂わせてます。17分近い長尺の5では冒頭にベートーヴェンの「月光」を配し美しいコーラスを持つおとなしい展開から一転、ヘヴィ&不条理リフと歪んだエレピによるインプロヴィゼーションの後、天から降り注ぐようなメロトロンが混沌の中にあって一瞬の清涼感をもたらしてくれます。グレイシャス!

GRACIOUS / This is ... Gracious!!

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英国のプログレッシブ・ロック・バンドGRACIOUSの1971年2nd。軋んだメロトロンとオルガンがブルーズ・ロック由来のギター・リフとともにヘヴィなグルーヴを生むb)、メロディアスなフォークに霧のようなメロトロンがかぶさるc)、ボーカル・ハーモニーと静かなオルガンを中心に希望的なムードで美しいクライマックスを迎えるd)といった多彩な表情を見せる21分超の組曲#1。ファンキーなギターのリフとカッティングにダーティなメロトロン、ホンキー・トンク風ピアノが絡み、キャッチーかつクールに展開するサイケ・ロック#2。深遠なメロトロンと英国的な翳りを感じさせるセンチメンタルなボーカル・メロディが良い感じの#3。メロトロンのリフとギターのカッティングがリードするアップテンポのインストゥルメンタル・パートと、ピアノの伴奏に乗ってゆったり進行するボーカル・パートを対比させた#4。ウエスト・コースト風(?)な軽いムードに深みのあるメロトロンが加わり、ユニークなハード・ポップに仕上がった#5。と、全編でメロトロンが大活躍。1stでのクラシカルな要素やヘヴィなタテ乗りに変わり、ベースがランニングするグルーヴィな乗りやメロトロンを効果的に使用した独自のハード・ロックっぽさで、よりオリジナル且つメインストリームなテイストが濃くなってます。ジャケット・アートはロジャー・ディーン。This is ... Gracious!!

GILGAMESH / Gilgamesh

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後にHATFIELD AND THE NORTHとの混成バンドNATIONAL HEALTHに発展するGILGAMESHの1975年作。アラン・ゴウエン(Key)を中心にジャズ方面のメンツで構成された為か、音使いや延々と続くアドリブがジャケットのPOPなイメージとは裏腹に難解。しかし、そこはデイヴ・スチュワートのプロデュース力でロックな耳にも耐えうる大衆性を確保。エレピとアコギによる美しいメロディにまろやかなムーグが絡む#4、フィル・リー(G)による優しいアコギのソロ#6などでホッとする瞬間もあり、難解なジャズ・ロックに対峙する聴き手の集中力を保ってくれてます。各パートのプレイが上手過ぎて逆にクールに過ぎ去っていく中・長尺曲#1,#5では困惑する場面もあったりするが、8分弱の#7は別。比較的明快な変拍子メイン・テーマとアドリブ・パートの線引きがはっきりしており、スリリングな演奏を余裕で楽しめます。終盤のアマンダ・パーソンズ(Vo)によるコーラス部での音の質感はHATFIELDやNATIONAL HEALTHそのものです。Gilgamesh

GNIDROLOG / In Spite of Harry's Toe-nail

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GNIDROLOGの1972年1st。エキセントリックなヴォーカルとそれを軸にした、時に不条理的展開を見せる硬質なインスト部隊の演奏。まるでVAN DER GRAAF GENERATORのようだが、VDGGにおけるフリーキーなサックス・ソロのような突き抜けたアバンギャルド性はそれ程でも無く、もっとクールに統制されてます。#1の後半"Skull"冒頭のフルートの繊細なフレージングを活かした素直な叙情性や#2での弦を交えた端正な暗黒叙情に、周到に計算された理性を感じさせます。一方計算された混沌で異彩を放つのがアルバム中盤戦。静かに奏でられる不穏なモチーフがやがてバンドとして増幅され、神経を逆撫でするかのようなリフレインに発展し、それにビザールなヴォーカル・ラインが絡みつく#3。アコギと管弦楽をバックにした田園フォークからハード・ロックに発展し、さらにねじれた不条理パートへと予測不可能な展開をみせる#4。この辺りには既に孤高の香りすら漂いますね。奇妙なフォーク・ナンバー小品#5を挟んでの組曲形式のラスト#6では、ブルーズ・ロック由来のインプロビゼーションを繰り広げ、意外とストレートに締めてます。In Spite of Harry's Toe-nail

GNIDROLOG / Lady Lake

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GNIDROLOGの1972年2nd。個性的なヴォーカル・メロディを中心に紡がれる暗鬱シンフォ路線はそのままに、整理されたアレンジを施すことによってドラマ性が大いに向上。インストパートにメリハリが付けられ、歌パートと合わせて楽曲としての完成度をアップさせています。#1のサビはロックの持つカタルシスを感じさせるほどだし、叙情的な#2ではサックスのバッキングがヴォーカルと絶妙のマッチングを見せています。美しくも寂寥感漂うフォーク・チューンの#3に続くタイトル曲#4では冒頭から3分が不条理系インストパート。その後のヴォーカルパートも不穏なムードで進み、サックスによるダークでヘヴィなリフレインで幕を下ろします。#5では再びピアノの端正なバッキングに乗せたメロディアスな楽曲を配し、ラストの#6は一転してお待ちかね屈折路線。サックスがリードする不条理イントロとバッキングに、ヴォーカルやベース、ギター、オーボエが有機的に絡み、執拗に繰り返すリフレインが幻惑感をもたらします。そして狂気のようなラスト・・・ジャケットのインパクトともども完璧なアルバムです。Lady Lake

GENESIS / Nursery Cryme

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英国の叙情派プログレGENESISの1971年3rd。このアルバムよりフィル・コリンズ(Dr)、スティーブ・ハケット(G)が加入。ピーター・ガブリエル(Vo)、トニー・バンクス(Key)、マイク・ラザフォード(B)による”クラシック”メンバーが揃いました。不気味なジャケット・アートが象徴する寓話的世界観の中、演劇的ともいえるドラマティックなフックが計算されつくして配置されており、聴いていて自然にグイグイ引き込まれてしまいます。 ハード・ロック的カッコ良さもある#1、美しいコーラスと終盤のメロトロンが感動のハーモニーを奏でる#4、が好きです。#3や#5のひねくれたPOP感も英国っぽくって良いです。これらアクの強い名曲達を主張し合ってケンカする事無く、品良く締めている#2と#6の小品が又最高。各曲の出来、曲順、全てが最高の名盤です。 Nursery Cryme

GENESIS / Foxtrot

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GENESISの1972年4th。KING CRIMSONから譲られたメロトロンが鳴り響く#1。キャッチーな中にも英国的な捻りを効かせた#2。叙情性とスリルを併せ持つ演劇的な展開の#3。中間部のオルガンとメロトロンによる叙情的なリフ、オルガンの分散和音フレーズによるソロなどトニー・バンクス(Key)節が爆発した#4。スティーヴ・ハケット(G)のアコギがクラシカルな叙情を湛えた小品#5。そして、7部からなる組曲構成の#6では緩急・静動を巧みなアレンジとボーカル・パフォーマンスで表現し22分超のドラマを紡いでいます。内省的でこぢんまりとしたスケール感の中にも豊富なアイディアとピーター・ゲイブリエル(Vo)の圧倒的な存在感により独特のムードを醸成している、ゲイブリエル期GENESISの代表作です。Foxtrot

GENESIS / Selling England by the Pound

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GENESISの1973年6th。前作までの寓話的ファンタジー色は薄れ、よりシンフォニック&テクニカル路線に転換。それを顕著に表すのがトニー・バンクス(Key)による鍵盤パートの充実。スティーブ・ハケット(G)のファズ・ギターも影を潜め、#7前半のセンシティブなアルペジオや#3で聴かれるマイルドなトーンのソロに象徴されるように清廉な叙情性を増量。その結果、適度にテクニカル&スリリングでメロディック&ドラマティックな傑作となった。長尺曲とボーカル主体のコンパクトな楽曲を交互に織り交ぜた展開で各々の曲調をより際立たせているアルバムの構成も見事。アルバムのハイライトは#7の6分過ぎからの7拍子プログレッシブ・ワールド。トニー・バンクスがシンセ中心にメロトロンをジワジワ絡めたり、印象的なリフレインを連発させたりと大活躍。この余韻を引き摺りつつ#1のメロディをリプライズさせてアルバムを締めくくる#8が効いてます。Selling England by the Pound

GENESIS / The Lamb Lies Down on Broadway

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GENESISの7th。前作で見せた各メンバーによる演奏技術の向上はフロントマン ピーター・ゲイブリエル(Vo)の焦りを招き、彼主導のコンセプト・アルバム制作のきっかけとなった。しかしその結果、ストーリーを描き切る事でさらにプレイ面の充実を証明することになってしまうのだから皮肉なものです。物語はゲイブリエル作による奇妙な現代的ファンタジー。古典寓話の色合いが強かったこれまでとは違う題材への取組みが、クールな質感の音像となって表現されています。クライマックスは印象的なオルガンのリフがフェードインしてくるDISC 1 #5と3部構成のDISC 2 #7。どちらもポルタメントが気持ち良いトニー・バンクスのシンセ・ソロでは前作でも見せた規則性ある反復フレージングに表情が加わり、さらに味わい深いものになっています。又、DISC 1 #5終盤のバンド全体の息の合ったアッチェレランドが主人公の追い詰められた心象を表現しきっています。トニー・バンクスの見せ場DISC 2 #10の弾きまくりもナイス。同じモチーフの明暗バージョンとしてDISC 1 #1とDISC 2 #9を鏡のように配するアルバム構成も素晴らしい。勿論、DISC 1 #8,#10,#11、DISC 2 #3,#5のように叙情性も適度に配置されてます。 眩惑のブロードウェイ

GENESIS / A Trick of the Tail

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フロントマン ピーター・ゲイブリエル脱退の穴をフィル・コリンズ(Dr/Vo)が見事に埋めた新生GENESISの1976年8th。全体的にゲイブリエルのアクが抜けて洗練された雰囲気の好盤に仕上がってます。ゲイブリエル在籍最後の作品となった前作The Lamb Lies Down On Broadwayにおいて、ゲイブリエル着想による難解なストーリーを音像化してきた実績を経てバンドの演奏はよりタイト且つスケールも大きくなっています。タイトル通り火山のように熱い7拍子の鬼気迫る展開とシンフォニックなメインリフの対比がクールな#1やドッシリしたリズムが印象的な#3等の新機軸に加え、スティーブ・ハケット(G)の繊細なアルペジオが美しい#2やピアノとメロトロンが醸しだす#4の叙情性等、従来の魅力も継続。#5の歌パートのアレンジや#6のサビ、#7全体にPOPな要素の萌芽も感じられ、後にメガヒット・バンドへと化ける過程が垣間見れます。A Trick Of The Tail

GENESIS / Wind & Wuthering

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GENESISの1977年9th。意地を見せ付けた前作に感じられた硬さが抜け、本来の英国叙情をアップデートさせた形でキーボード大増量のシンフォニック・サウンドによって具現化。シンセのテーマ・メロディから始まり、フィル・コリンズ(Dr)のドラム中心にドラマティックかつダイナミックに展開する#1。歌メロ部分は翳りを伴った叙情を漂わせながら、インストパートではトニー・バンクス(Key)が鍵盤群を駆使した怒涛のシンフォニック攻撃で壮大に迫る#2。キャッチーなバラード#3。トニー・バンクス得意のシンセによる反復フレーズも聴かれるスペイシーで爽快なインストゥルメンタル小曲#4。ちょっとした変拍子を交え、3連中心に緩急と静動でダイナミズムを生み出す#5。イントロ部でのスティーヴ・ハケット(G)が奏でるクラシック・ギターの美しい詩情に続き、霧のように敷き詰められたストリングスがリスナーを英国叙情に耽溺させる#6。そして#7〜#9のメドレーが終盤のハイライト。静かな#7に続きバンドが一体となってタイトかつシンフォニックに迫るインストゥルメンタル#8。アルバム冒頭でも登場したメイン・テーマを盛り込み、スケールの大きい圧巻のシンセ・ソロが高揚感をもたらしています。そしてフィナーレに相応しく壮大に締めるバラード#10。とにかく全編トニー・バンクスの見せ場。スタインウェイ、アープ、ハモンド・オルガン、メロトロン、ローランド・シンセ、フェンダー・ローズと鍵盤大集合で使い放題使っております。機材の発達をいち早く応用し、楽曲や場面に応じて音色を使い分けるセンスも素晴らしいです。音色のバリエーションは豊かなんですが、トーンやムードは統一されているんですよね。静寂の嵐

I GIGANTI / Terra in Bocca

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イタリアの4人組プログレッシブ・ロック・バンド I GIGANTIの1971年作。マフィアを題材としたコンセプト・アルバムとなっており、ラジオ局で放送禁止になるほどの大胆な歌詞は実際に獄中の受刑者に取材して得られた素材を元にしたものという気合の入りよう。場面に応じた複数のシンガーの起用、ナレーションや効果音、各曲が繋がった構成、など後世のロック・バンドが踏襲するコンセプト・アルバムの様式が既に70年代初頭のイタリアで完成していた事に驚きます。妖しくもジャジーなピアノや叙情的メロディを聴かせるエレキ・ギターによる、壮大な序曲的インストゥルメンタル・チューン#1。アコギの3フィンガーに乗った哀愁のテーマ・メロディ(後に#5冒頭や#7、#8終盤など各所にムードを換えて登場)が提示される#2。軽快なアコギに乗ったほのぼのとした明るい地中海風パートから、低音ボーカル・パートを挟み、左右からメロトロンとピアノが押し寄せるドラマティックなサビに発展する#3。アカペラの多層コーラスを冒頭に配し、左右交互にボーカルがやり取りする演劇的パートや軋んだメロトロンのリードするインスト・パートがスリリングな#4。穏やかな中に叙情を潜ませたサイケな地中海風ポップスが、突如強烈な電子音で掻き消される#5。メロウなパートと激しいパートが行き来するキャッチーな#6。3拍子でクールな序盤、激しく盛り上がるサビ、静かなパートの随所でメロトロンが幽玄な彩を加える#7。曲間でテープの走行エラーのような効果音で演奏が一瞬途切れ、混沌としたインスト・パートへ展開。ピアノとメロトロンをバックにしてのイタリア語のボーカル・メロディが哀愁を増幅する静かな序盤から、歌い上げるサビに発展する#8。男女の会話シーンから、ピアノを中心にメロトロンやオルガンを加えたインストゥルメンタルに移行する#9。モジュレーションを掛けたエレピをバックに浮遊感あるボーカルが乗る小品#10。#2のアコギをバックにしたテーマがリプライズし、激しく盛り上がるサビを頂点に厳かなオルガンで静かに締めくくる#11。楽曲それぞれに起伏とドラマが内包されており、先の予測できない展開が聴き手の集中力を持続させます。しかし、特に難しい事をやっているわけでは無く、#5のサイケなメロディ感覚や#8サビ後に配された軽快なロックン・ロールのパートなどに垣間見られる60年代にビート・ロックを演っていた出自から来るおおらかさと、メロディアスなイタリア語歌唱の存在もあって非常に聴き易いです。Terra in Bocca

GIRL / Sheer Greed

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英国のヘヴィ・メタル・バンドGIRLの1980年1st。NWOBHMの波に乗り日本でも音楽誌で紹介されると、フィリップ・ルイス(Vo)やフィル・コリン(G)のメイクを施したグラムっぽいルックスの良さで一躍大人気に。フィリップの若さに任せたヘタウマ・ボーカル、フィルの高速マシンガン・ピッキングによるギター・ソロをフィーチャー、メタル然とした怒涛の6弦開放Eの3連刻みリフがカッコ良い永遠のマイ・アンセム#1を始め佳曲揃い。屈折した翳りとミステリアスなムードでGIRLらしい個性を発揮した#2、#4、#10。シンプルなリフとキャッチーなメロディ・ラインの#3、#6、#11、#12やKISSのカヴァー#7では妖しくもPOPなグラム風テイストも漂わせています。ルート音+5度のパワーコード中心の安直なリフを元に曲を構成する同時期の並みのバンドとは一線を画した個性的な曲づくりと屈折したムードで音楽性も高く、メインソングライターのフィルが後にDEF LEPPARDで大成功を掴むのも納得です。フィリップはTORMEなどを経てアメリカに移りL.A. GUNSを結成します。 Sheer Greed

GIRL / Wasted Youth

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GIRLの1982年2nd。ジャケ写真が男っぽくなった。中身も前作のグラム?っぽい要素が無くなり、よりストレートでハードな音楽性に。なかなか良いのにあまり評価されなかった。ルックスが災いしたか?そしてバンドはあえなく解散に。

Wasted Youth

GIRL / Killing Time

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1998年に突如商品化されたGIRLの未発表曲集。何でこんな時期に?たぶんオレを含め5人くらいしか買ってないはずだ。昔GIRLが来日した頃FMでライブを放送していてエア・チェック(死語だな)したテープに入っていた#4「WHITE PROPHET」が大好きで、ようやくCDで聴けると思って買いました。ちょっと大人しい演奏になってるな。ライブではフィルの鬼気迫る早弾きがメチャカッコ良かったんだが。

キリング・タイム

GLORY / 2 Forgive is 2 Forget

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1991年スウェーデンのHMバンドGRORYの2nd。EUROPEのフォロワー。と一言で片付けるには惜しいくらい良い曲もあるよ。#1とか。Gはかなりのハイテク野郎。スウィープ・タッピングとかフラッシーなソロが満載。Voはジョーイ・テンペストをちょいハスキーにした感じ。

トゥ・フォギヴ・イズ・トゥ・フォゲット

GAMMA RAY / Heading for Tomorrow

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HELLOWEENを辞めたカイ・ハンセンのプロジェクトGAMMA RAY。いわゆるひとつのジャーマン・メタル。

ヘディング・フォー・トゥモロウ

GARY MOORE / Back on the Streets

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THIN LIZZYの名盤「BLACK ROSE」でGARY MOOREを知りレコード買いました。GARY MOOREの1975年ソロ。#1〜#3のリジィ風ナンバー。#4,#5のプログレッシブなフュージョン・ナンバー。そして、ゲイリーの泣きのギターが堪能できる超名曲#8と充実した内容。全編弾きまくってます。

バック・オン・ザ・ストリーツ

G-FORCE / G-Force

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ゲイリー・ムーア(G/Vo)がTHIN LIZZY脱退後に結成したハード・ロック・バンドG-FORCEの1980年唯一作。ハード・ロック然としたカッコ良いリフとキャッチーなサビを持つ代表曲#1は、当時BURRN!誌のラジオCMで使用されていました。ソロのフレーズはジョン・サイクスやジョン・ノーラムら、ゲイリーを師と仰ぐ連中が散々パクってますね。続く#2は、ライブでのソロ・タイムでもお馴染みメチャ弾き無伴奏ギター・ソロからドライヴィンなロックン・ロールになだれ込むメドレー。と序盤からパワー全開のところを、ソロでは得意の6連上昇フレーズも飛び出すパワー・バラード#3、ストリングスも交えたコンテンポラリーなコード進行を持つ美しいバラード#4でクール・ダウン。続く中盤戦、クレイジーなギター・ソロが炸裂する#5、ストリングス・セクションによるデコレイトとドラマティックに構築されたギター・ソロが印象的なマイナー・キーの#6はハード・ポップ路線。さらにポップな、ギター・ソロのハーモニーが美しい#7、サックス・ソロをフィーチャーした#8を挟みラストは、またもやドライヴィンなロックン・ロール#9で締め。ゲイリー・ムーアの全カタログ中最もメタリックなギター・トーンと最もポップなメロディが楽しめるハード・ロック作品です。あり得ない程にツブれてコンプレッションの掛かったギター・トーンは多分ライン録りによるものと思われます。G-FORCE

GARY MOORE / Corridors of Power

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1982年のGARY MOORE最高傑作。一般人にもゲイリーの名前が浸透するという信じがたい現象が起こりました。高校の文化祭で必ずゲイリーの曲が演奏されてました。オレもやったなー。そして初来日コンサートにも行ったなぁ。オープニングはドン・エイリーのシンセによるイントロから耳をつんざくゲイリーのGフレーズが登場!そしてそのまま#6になだれ込むっていう状況が昨日のことのように思い出せるな。

コリドーズ・オブ・パワー

GARY MOORE / After the War

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1989年のGARY MOOREによるHR最後の作品。コージー・パウエルがDr叩いてます。当時流行したLED ZEPPELINのクローン・バンドをおちょくった#5でオジー・オズボーンがVoで参加。#10はTHIN LIZZYの「BLACK ROSE」を想起させるアイリッシュ・フレイバーたっぷりの曲。#3なんてBLUE MURDERの曲みたい。っていうかジョン・サイクスがマネっこしたわけで。サイクスもゲイリー先生の弟子だからな。

アフター・ザ・ウォー

GERARD / Gerard

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1983年頃NOVELAのKey永川敏郎がノヴェラ在籍中にレコーディングしたプロジェクト・バンドGERARDの1st。G・VoはGacktとの活動で御殿を建てたといわれる茶々丸こと藤村幸宏だ。テクニカルで耽美な大作志向のプログレをやっている。Voの歌いまわしは日本のバンド特有のオカマっぽさもあり、合わない人には難しいだろう。

ジェラルド

GERARD / Empty Lie, Empty Dream

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GERARDの1985年2nd。全体的に聴きやすくなって独特な明るめ?のプログレになった。変拍子・テクニカル・変態・POPな#7が好きです。ついついハミングしたくなります。永川はもっと複雑な曲をやっていきたかったらしくバンドは分裂し活動休止してしまう。

虚実の城

GERARD / Irony of Fate

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GERARDの1991年3rd。永川と藤村以外のメンツを一新。#2,#6に藤村が作曲で関与していることから完全に双頭バンドの体をなしている。Voも若干男っぽくなって、人前で聴いても白い目で見られなくて済みそうだ。既に1987年に結成されていた藤村の”プログレ・スーパー・バンド”VIENNAにも通ずるハード路線も見られ、なかなか良いですよ。BはそのVIENNAにも参加する永井敏己。

アイロニー・オブ・フェイト

GERARD(TOSHIO EGAWA) / Save Knight by the Night

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1994年。ソロ名義の作品。

永川俊郎&ジェラルド/天使が舞い降りた夜

THE GATHERING / Mandylion

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ギター×2とキーボードを含むオランダの6人組ゴシック・メタル・バンドTHE GATHERINGの1995年3rd。
それまではデス・メタルだったが、このアルバムからシンガーが女性のアネク・ヴァン・ガースヴァーゲン(Vo)に変わり音楽性もゴシック・メタルに変化。古代帝国の女帝がピラミッドの頂上から民に向かって演説しているかのような威厳に満ちた、それでいて女性らしく伸びやかで透明感のあるアネク嬢の歌声は、バックの荘厳な演奏とあいまって一種独特なムードを演出しています。サウンドのカギは#1の歌メロで使用されているドリアン・モードに代表されるモード(旋法)。モードの使用による神秘的なメロディの導入が同系統のバンドと一線を画す最大の要因と言えるでしょう。いきなりこのジャンルを極めたアルバム。ゴシック・メタルを追求するなら前述の#1、緩急の使い分けが見事な#2、サビの感動的な歌唱が胸に突き刺さりそうな#3、クリーンなギターによる寂寥感と荘厳なリフがもたらすヘヴィネスとの起伏が素晴らしい#4は必聴。惚れました。Mandylion

THE GATHERING / Nighttime Birds

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THE GATHERINGの1997年4th。よりゴシック色を強めメロディアスになった。なんか普通のゴシック・メタル・バンドって感じ。

Nighttime Birds

THE GATHERING / How to Measure a Planet?

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THE GATHERINGの1998年5th。突如エレクトロニック&ノイジー&実験的路線が出現。メタル度はだんだん減少もアネクの歌はますます絶好調。

How to Measure a Planet?

THE GATHERING / Superheat-A Live Album-

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THE GATHERING 1999年のライブ。ライブでも上手いアネク。すばらしい。動画mpegファイルのオマケ付き。

Superheat

THE GATHERING / If Then Else

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THE GATHERINGの2000年6th。フレンチホルン、弦等をゲストに招きつつゴシック・メタルとエレクトロニック・トリップ系の融合を進めたアルバム。無機質なローファイ・ドラム・ループにからむオーガニックなアネクの歌もGOOD。全体的なメロディの質感が3rdに通じるモーダルな感じでオレ的には又別の頂点を極めたか、っていう印象の好盤。デジパック内側のノラ猫と遊ぶアネクの写真もヨーロッパ的な雰囲気でいい感じ。

If_Then_Else

THE GATHERING / Black Light District

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2002年に自身のレーベルから出したEP。ここに来てさらにアンビエント感増量で次回作の予告編のような感じ。

Black Light District

THE GATHERING / Souvenirs

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THE GATHERINGの2003年7thフル。もはやゴシック”メタル”では無くなってしまって一抹の寂しさも覚えるが、アネクの表現力と静かな中に胸を締め付けるような切ないメロディが麻薬のようなトリップ感をもたらすアルバム。形式としての”プログレ”をやっているバンドは世の中に多数あれど、彼らのように真の意味でプログレッシブでありつづけるバンドは貴重だ。 Souvenirs

THE GATHERING / Sleepy Buildings

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2003年8月オランダでのセミ・アコースティック・ライブを収録した2004年作。デビュー作から「If Then Else」までのCENTURY MEDIA期作品からの楽曲をセミ・アコ・アレンジで演奏。いわゆる契約消化作だろう。シンプルな演奏だからこそ光るメロディ・センスとアネクの珠玉の歌唱が楽しめます。

 

Sleepy Buildings - A Semi Acoustic Evening

THE GATHERING / Home

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THE GATHERINGの2006年8th。アネク在籍ラスト・アルバム。ゴシック・メタルからアンビエント方面へ徐々にサウンドを変化させてきた彼らの到達点。思えばアネクの歌は時代を問わず最高だった。MANDYLIONに始まるゴシックの頃は女帝のような威厳と格調に満ちた歌いっぷりで。そしてこのHOMEを含む近作では母性をも感じさせる慈愛に満ちた優しくなめらかなテイストも漂わせて。表現力では当代No.1だと思います、個人的に。3,4,7あたりを聴いてるとうっとりします。 全体のサウンドもゴシック期から持っていたクールな物悲しさをエレクトロニックな装飾を使用してシンプルに、それでいてより深く表現できており、アネクの今の歌唱とも相性抜群。なお、アネクは新バンド「agua de annique」を結成。Home

THE GATHERING / A Noise Severe

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2007年3月のチリ公演の模様を収録した2枚組ライブ、2007年作。
全体的にオーディエンスの歓声が大きめにミックスされており盛り上がりが凄まじい。
オープニングから物凄い事になっています。バンドのプレイは一部で危ない部分もあるが、それを補って余りあるアネクの艶のある歌唱が素晴らしいです。セット・リストも新旧の名曲を上手く並べ、さながらアネク時代の総集編の様相。やはり、というべきかLeavesやEleanor, Strange Machinesといった曲ではイントロからオーディエンスが爆発。その熱さ加減たるや聴いてるこっちも通勤中に電車車中でガッツポーズをしそうになるくらいだ。 A Noise Severe

THE GATHERING / The West Pole

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THE GATHERINGの2009年9th。2007年に歌姫 アネク嬢の脱退がアナウンスされた時は正直GATHERINGも終わったと思ったが、やってくれました。ノルウェー人の女性ヴォーカリストSilje Wergelandが新加入。デス・メタル〜ゴシック・メタル〜エレクトロニカと変遷し、オーガニックで普遍的なロックに辿り着いたアネク在籍ラスト作となった前作Home の音楽性そのままに、アネク同様にクリア且つ滑らかに歌いこなす力量で不安を一掃。素晴らしい出来映えとなりました。ゲストで#6にオランダのアマチュア・シンガーAnne van den Hoogen嬢が天使のような歌声を、#8ではオランダのゴシック・メタルバンドSTREAM OF PASSIONのシンガーMarcela Bovio嬢が負けじと透明感ある伸びやかな歌唱を聴かせています。これらゲスト陣の参加が、アルバムのアクセントともなっています。特に#6は、ダブル・トラッキングされたウィスパー気味のヴォーカルが時にユニゾンで浮遊感を、そして時にハーモニーで美しく迫る英国トラッド風な新機軸で、エンジェリック女性ヴォーカル・ファン必聴。The West Pole





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