2018.1.8

年始のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。

 2018年が始まりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。今日は成人の日。全国的に天気が悪かったようですが、こちらも残念ながら朝からずっと雨が降り続いていました。華やかな晴れ着を着て(東京や横浜では、購入した着物や貸衣装が届かないという、とても許しがたいハプニングが起こったようですが)、懐かしい友と久しぶりに会う、このような愛でたい日はやはり雲のない青空が広がっていてほしいものでした。ともあれ大人への仲間入りをする多くの若者たちが、これから先、自分の人生を精いっぱいに生きていけますように。心からエールを送りたいと思います。


 ところで、正月三が日もとうに過ぎてしまいましたが、みなさま、お正月はゆっくりと過ごされましたか。こちらは元日は終日曇りで、あまりきれいな初日を見ることは出来ませんでしたが、とても暖かな3日間で、初参りも元日早々にすませることが出来ました。今回はまた新たな神社を訪れたのですが、知られた神社だけに人が結構多かったものの、お正月ならではの風流さは感じられず、あまりにも殺風景な光景にちょっとがっかりしました。


  九州北部豪雨から1月5日でちょうど半年。犠牲者の方は福岡、大分両県で40名、行方不明者は2名、約1300名の方が今も仮設住宅での仮住まいを続けられているといいます。信じられない数の流木が住宅や田畑を覆い尽くしたあの凄まじい光景(映像でしか知りませんが)は、とても現実ごととは思えないほど痛ましいものでしたが、近年、このような想定外の被害が全国各地で次々に起こり、新たな大災害の影に隠れて今なお多くの方々が不自由な生活を強いられているという現実にも心を留めておかなければ、と改めて思います。けれどもこのような大惨事は今後ますます規模を大きくして起こりうるという不測かつ確実な事象を前に、ただただ恐怖の念と無力感を覚えるばかりです。

 各自治体や企業などでは、巨大防波堤を作ったり、想定される地震に対応できる耐震技術を研究したり、さまざまな対策が講じられているようですが、とても太刀打ちできない自然を相手に何よりも大切なことは「人間は自然の一部であり、自然と共に生きている」という謙虚な視点にまず立って、よりよい選択を模索していくことではないでしょうか。

 自然は文明社会に対し、容赦なく理不尽な猛威を振るう一方で、素晴らしい恵みを沢山もたらし続けてくれています。四方を海で囲まれた日本列島こそ、その恵みは計り知れず、四季の移ろいは私たちの情緒を豊かに育み、海や山や川からは四季折々、数え切れないほど多くの実りをいただいています。有機水銀で汚染された水俣の海も大地震による放射能で汚染された福島の海も、その数年後には海の生態系が見事に復活し、生命に満ちあふれた豊穣な海が戻ってきたといいます。日常生活を突然奪われただけでなく、不当な差別や風評被害に遭うなど、その地の人々が受けた被害の大きさは計り知れませんが、自然の逞しい蘇生力は絶望のただ中にいる人々を静かに勇気付け、生きる力や希望を取り戻してくれたとも聞きます。

 海底を幾つものプレートが重なり合い、地震や津波、火山噴火や火砕流など自然の脅威と常に隣り合わせであり続ける日本。だからこそ日本はその地勢を活かした独自の視点に立って、自然が人間社会との共存を受け入れてくれる道を模索するべきではないでしょうか。台風の脅威に常にさらされてきた沖縄の島では、豪雨や強風や高波などを力でせき止めるのではなく、逆に障害となる物を出来る限り取り除いて、エネルギーの流れ道を幾つか残すことで、衝撃を緩和させながら建物の崩壊を防ぐという古来の知恵が紹介される番組を、もうずいぶん前に見たことがあります。東北の三陸の人々は、たびたび大津波や飢饉などの脅威にさらされながらも、その地を決して離れることなく、過酷な自然と折り合いを付けながら、豊かな海の幸、山の幸を有り難く享受して生きてきたという記事も、以前新聞で読みました。常に自然と対峙して生きて来られたこれらの方々の英知はとても貴重で、自然災害に翻弄され続けている今という激動の時代だからこそ、ますます大切にされるべき財産だと思います。

 日本を取り巻く国際情勢はとても複雑で、近年、ますます緊迫の度を深めています。その安心、安全のために、力による平和がますます推し進められようとしている今、日本の未来にとってよりよい選択とは何なのか、すべての人々が自分の立ち位置で、真剣に考えていくことが何より求められているのではないでしょうか。一人一人の切なる想いや願いが日本をより柔軟にし賢くし、それはきっと豊かな社会へと繋がっていくに違いありません。私にはあまりにも難しすぎて、よく分かりません。けれども常に創造の源であり、希望の種であり続ける「自然」(それは同時に人間にとって脅威の対象でもあるのですが)が、もっともっと尊重され大切にされる社会であってほしい、そして国の安心、安全対策が一部の見えない犠牲の上で正当化されない社会であってほしいと心から願っています。

 多くの災難に見舞われ続けた「平成」という時代。その締めくくりの年がどうか平穏無事な一年でありますように。

 私自身も一日一日を大切にして、充実した一年を送ることができればと思っています。そしてみなさまの心に響く作品を、少しでも多くお届けすることができればと思います。変わらず小さなサイトですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


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お互いによい一年となるよう、がんばりましょう!