フォトエッセー 夏の名残

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 暑い夏もようやく峠を越え、時折吹く秋風がひんやりと心地よい季節が到来した。去年のように凄まじい猛暑日の更新はなかったものの、今年の夏も本当に暑かった。朝夕よろよろしながら庭の手入れを続けた。そして草花も野菜も何とか無事に夏を乗り切った。大トマトは重たく房になって真っ赤に実り、酸味と甘みがしっかり詰まった美味しさをしばし食卓にもたらしてくれた(収穫量はまあまあだった)。ミニトマトはツルが上にいくにつれ、どんどん小さく硬くなっていったが、サラダにきれいな彩りだけは添え続けてくれた。収穫を終え、根っこをすべて引き抜いたのはもう2週間ほども前の話だ。ところが南の菜園のキュウリは疲れを知らず、今も元気にツルを延ばし続けている。黄色の可愛らしい花が沢山咲き、それに小さな実を付け始める様子を期待して見るのも束の間、いつの間にか枯れていく姿に何度もがっかりしながら、もうダメだねと諦めていると、あっ、キュウリ発見!ということが幾度か繰り返された。この気まぐれな生長振りは、暑さに疲れ、ただ黙々と庭仕事をこなす私の小さなカンフル剤ともなり、心和むひとときをもたらしてくれた。そして今、これまでで最高のトゲトゲキュウリが実っている! ツルには黄色の花がなお咲き続け、小さな実が少しずつ膨らんでいる。夏の名残を惜しむかのようなこのキュウリの活躍振りを、これからしばしの間、少しの期待を抱きながら見守っていたい。