2015.8.17

ご挨拶 戦後70年に思う

 暑い毎日が続いておりますが、みなさんお変わりなくお過ごしでしょうか。今年の夏も全国各地、厳しい暑さに見舞われているようですが、こちらも先日まで、連日猛暑の日々が続いていました。けれども、暦の上では立秋も過ぎ、昼間の長さが次第に短くなってきていることを実感する今日この頃です。蝉の鳴き声の中に、つくつく法師が混じり始め、トンボやコオロギの姿も見られるようになりました。夜になると、ひんやりとした心地よい風が部屋を通り抜け、その風に混じって、秋の虫たちの鳴き声も聴こえ始めました。いつの間にか、もう秋ですね。
 一昨日は終戦記念日。今年は戦後70年の節目ということで、戦争関連の報道にかなり熱が入っているのを感じています。さまざまな映像や新たな事実に触れたり、70年もの長きに渡り、戦争の記憶に苦しんで来られた方々の切実な心の声を聞くにつけ、この戦争によって310万人もの尊い命が失われてしまったというとてつもなく悲しい事実に、改めて平和であることの尊さ、有り難さを感じています。
 今、安倍政権では「積極的平和主義」のもと、これまでの歴代政権が慎重に取り扱ってきたさまざまな事案を次々に覆しています。安全保障関連法案が衆院を通過し、参院で審議され始めたり、武器の輸出規制が緩められて、官民あげて輸出への取り組みが本格化し始めたり、防衛庁は大学等の研究者に研究費の支給を公募し始めました。戦後、日本が平和憲法のもと、地道に歩んできた平和への道を脅かしかねない取り組みに、私は強い危惧の念を覚えています。
 2011年3月11日、東日本大震災によって引きおこされた福島第一原子力発電所のメルトダウンは、あたりに多大な放射能汚染を引き起こしました。ちょうど2年前、東京オリンピック・パラリンピック招致のセレモニーで安倍首相が「すべてコントロールされている。」と堂々と宣言した汚染水問題は未だ収束する目処も立たず、膨大な放射能のゴミは、落ち着く先も見えないままどんどん増え続けています。にも関わらず、8月11日には、鹿児島県民の半数以上の反対を押し切って、九州電力川内原発が再稼働し始めました。
 3.11の余震と思われるような地震が今も東日本を中心に続き、火山の爆発も全国で頻発しています。天変地異が年々激しさを増し、今後、南海トラフや関東直下型地震など大規模な地震が危惧される中にあってもなお、政府による原発の位置づけは「ベースロード電源」だそうで、安全神話の延長が未だ続いています。国民の節電意識は高まり、代換エネルギーへの取り組みも盛んになり、今夏の電力供給は需要を十分上回る結果を出したなど、原発に頼らない道がどんどん模索されているにも関わらず、その動向を無視した政府の対応に、私は疑問を感じずにはいられません。
 結局、これら2つにおける政府の対応はどちらも、目先の「経済的潤い」を最重要課題に掲げている結果なのでしょう。それはあまりに無責任で、とても危うい道なのではないでしょうか。
 先月お亡くなりになった鶴見俊輔さんが生涯を通して実践された反戦、平和運動への強い原動力は「自分が戦争で殺されたくない、そして人を殺したくない。」という人間として至極まっとうな願いだったと言います。それは未来永劫、すべての人間の願いなのではないでしょうか。
 私は時々、文明発祥の地である四大文明のことを思います。あれほど高度な文明を築く素晴らしい能力を持ちながら、それらの地域の現状を思うとき、大きな遺憾の念とともに文明というものの危うさを感じずにはいられません。戦争という行為がいかに愚行であることか、それは歴史が証明しています。
 真の強さとは豊かさとは何なのか、今こそ、私たち一人一人がそのことに真剣に向き合わなければなりません。日本の先人たちが地道な努力を重ねて一歩一歩築きあげて来た世界からの厚い信頼は、今も世界各国で活躍なさっている多くの日本人に引き継がれており、私たちはその恩恵をたくさん享受しています。そのことに心から感謝し、その事実を決して無にすることがないよう、みんなで平和への道を希求していけたらほんとうに素晴らしいと思います。



フォトエッセー 夏の風物詩

(左)梅の土用干し初日 (右)最終日(3日後)

ume_1st ume_3rd

 今年、北部九州は昨年より8日遅れの7月29日にようやく梅雨が明けた。けれども実際には、もう少し早く夏は訪れていて、降水確率ゼロと予報された24日に、早速、土用干しを行った。昨年、一昨年と、赤紫蘇があまりよくなくて(見た目にはきれいだったのだが)、白梅酢(梅を塩漬けにして出る水)からきれいな紅梅酢(この中に梅を漬けて紅く染める)が出来なかったが、今年はとても鮮やかな赤に染まり、順調な滑り出しだ。あとは太陽の力を借りて、更に美味しく仕上がるのを待つばかりとなった。1日目、2日目と終日、強い日差しに照らされたお陰で、梅はどんどん柔らかさを増していった。最終日の午後、空はあいにくどんよりと雲に覆われ、雨もぱらつき始めたので、予定よりも半日早く切り上げて終了した。本当は、もう少し水分が抜けた方が望ましいようなのだが、仕方ない。森のイスキアを主催されている(美味しいおむすびを握られることで有名な)佐藤初女さんは10日ほども干し続けるということだが、私にはそこまでの根気はない。(旨みが一層深まるのだろうなぁと思いつつ、それでも10日も干したら、すっかり干上がってしまいそうで、試す勇気もない。)
 ともあれ、3日間、まずまずの天気に恵まれ、とてもよい梅干しが出来上がった。日の光を受けてぷあぷあになった大梅を、紅梅酢が入った大きなガラス瓶に1つ1つ丁寧に入れるたびに、梅はしっとりとした鮮やかな紅を取り戻した。(近年、作り方を参考にさせていただいている藤巻あつこさんは、梅と紅梅酢を別々に保存することを推奨されている。)瓶にラベルを張って、作業終了。夏の大仕事(?)を無事に終えた安堵感に胸をなで下ろした。


(左)赤く色づき始めたトマト (右)トマト初収穫

tomato_red tomato_get

 梅雨末期の大雨にも負けず、トマトは順調に赤く熟していった。そして、7月中旬、待ちに待った初収穫。熟したトマトが緑に映えて、とても真っ赤に見えたので「いざ、採り時!」とばかり、張り切って収穫したのだが、手にとってみると、まだ少し堅く、色も赤みが足らず、ちょっと早すぎた感じで、がっかりした。驚くほど甘い・・・にはほど遠かったが、酸味もしっかりあり、みずみずしくて、トマト本来の味がする。7月下旬に梅雨が明けて、本格的な夏が到来してからは、要らない水分も抜けてきたのか、トマトは少しずつ甘みを増し、最近はとても美味しい。今までに20個ほど収穫したが、まだまだ花は咲き続けており、これからもしばらく収穫が続きそうで、とても楽しみだ。台風シーズンはまだまだ続くが、無事に乗り切ってほしい。