2013.10.06

フォトエッセー 雨蛙

kaeru1  先日、朝、草木に水をやっていたら、玄関先の植木鉢に雨蛙を発見した。ずいぶん前に、庭先で土色のツチガエルをよく見かけたが、雨蛙に出会うのははじめてだ。鮮やかな緑色が小さな蛙の形を浮き彫りにしている。まるで雨宿りでもしているかのように、体と同じくらいの葉っぱを傘代わりにして(実は日よけ?)その下の葉っぱにお腹をペッタリとくっつけて、両手足を大きく広げて少し緊張気味に座っている。あまりの可愛らしさに、すぐにカメラを取りに戻り、間近でパチパチと何度もシャッターを切った。突然の異常事態に危険を感じているのだろう、喉だけを大きくピクつかせて、微動だにしない。無防備すぎる姿に可哀想になる。しばし眺めたあと、そっとその場を離れた。夕方、また覗いてみると・・・何と同じ葉っぱの上に全く同じ姿で佇んでいる。あれからずっと眠っているのかな? 蛙が夜行性とは聞いたことないよね・・・などと思いながら、おせっかいにも「お水あげるね。」と如雨露で水をかけてあげたが、まったく動かない。さすがに少し心配になり、あれこれ要らぬことを考える・・・こんな時期にこんなところに迷い込んでしまったのも異常気象のせい? 明くる朝、見に行ったらいなくなっていた。ちなみに、この観葉植物は「金のなる木」。葉っぱの大きさは3cmほど。


kaeru3  いつもと同じように、朝、草花に水をやっていたら、玄関先で突然、何かが飛び跳ね、側面のレンガに張り付いた。何と先日の雨蛙だった。「えっ、戻って来たの?」と驚きながら、植物たちに水をやり終えて、また戻ってきてみるといなくなっている。しばらく近くを探していると・・・「金のなる木」のすぐそばのベゴニアの大きな葉っぱの窪みに体をすっぽり埋めて、ちょこんと座っている。 座り心地がよくて安心しきっているのだろうか、それでも前足を引っ込めているせいか、この前よりも一回り小さくなったように見え、顔の表情も心なしか元気がない。ちょっと心配になりながらも、その表情がとても可愛らしくて、思わず笑ってしまった。小さな再会に嬉しくなり、またカメラをカシャカシャいわせながら、何度もシャッターを切る。この日も夕方までずっと同じ体勢で座っていたが、翌朝にはいなくなっていた。きっと何処かを元気に飛び跳ねながら、長い舌をチュルッと出しては小さな虫たちを捕獲し、逞しく生きているのだろうな。今度はいつ、どこで会えるだろう。その日を楽しみにしている。