2013.5.3

フォトエッセー ムギセンノウとデンドロビューム

mugisenno mugi_tubomi

 3年前に初めて苗をいただき、それ以来、毎年種をとり、育てているムギセンノウ(アグロステンマ)。茎も葉っぱも細く、楚々としてとても繊細に見えるが、実は、背丈は1mほどにもなり、激しい風雨にも結構強く、花は10センチ以上の大輪で、とても見応えがある。花が咲き始める前までは、何の変哲もない大きな雑草のようで、花の美しさを知っている今でさえ、今年は外れ年なのかな、などと、ほとんど期待もせず開花時期を迎えるのだが、莟が少しずつ膨らみはじめ、花びらがまるで蒔絵のようにくるくる巻き状態になって(右の写真中央)、もうまもなく開花するという頃になると、花のまわりの空気感が一変する。質のよい紙でよられたこよりのようにまっすぐにピンとのびた細長い茎の先端に、突然立ち現れる凛々しい5弁の紫桃赤色の大輪を見ていると、思わずこちらの背筋もすくっとのびる。逞しさをうちに秘めた美しさが醸し出す、とても魅力的な花だ。

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 蘭の花は植木鉢で数種類育てているが、デンドロビウムは可愛らしくて大好きだ。何といっても、花びらの柔らかな色合いの美しさ。今年も、満開の時期を迎え、もう2週間ほども、連日楽しんでいる(左の写真)。15年以上前、妹が母の誕生日に贈ってきたのが最初だが、その後、数年間は育て方が分からず、全くの放置状態で、美しく咲き始めたのはここ6、7年のことだ(初年度をのぞき)。ほとんど死滅状態だったのに、よくここまで蘇ったものだと、植物の生命力の強さに今更ながら感動してしまう。右の写真は3年前のデンドロビウムだ。 こうやって比べてみると、花の形状がずいぶんと変化しているのが分かる。 3年前のものは、花びらがベルのようにふっくらとしていて、とても愛らしいが、今年のものは花びらの淵のフリルも強まり、花弁も大きく、ずいぶん豪華になっている。一度咲いた茎(デンドロビウムの茎はびっくりするほど太い。ここに栄養を蓄えているのである。)にはもう花は咲かず、春先に芽吹く新しい茎に莟を付けていくので、花の形状も毎年同じような生長を遂げていきそうなものだが、これらの写真から察するに、花びらも少しずつ成長(変容)しているようだ。ふっくらした可愛らしいベルの花が見たくなった。花の季節が終わったら、久しぶりに株分けをして、新しい小さな株を育てようかな、などと思っている。