2013.2.11

フォトエッセー 観葉植物

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 植物の名称は分からないけれど、生き生きと蔓を伸ばして生長する観葉植物。寒さに強いということで、1シーズン前、雪の降る氷点下の日も外に出しっぱなしにしていたら、すっかり霜にやられて枯れてしまったので、この冬は、夜、玄関内に取り込んでいる。いつものように、植木鉢を外に出そうとしたある日のこと、鉢の下に、1mmほどの黒い粒が10個程もパラパラと落ちている。「これは何、フン? 何か害虫がいるのかな。きっとナメクジが潜んでいるんだ! (でもナメクジにしては、ヌメヌメの糸がないなぁと思いつつ)」(ナメクジは、昼間、土の中に隠れていて、夜になるとこっそりと地上に出て来ては、葉っぱや花を食いちぎり、ヌメヌメの糸だけを残して、またこっそりと土の中に姿を隠す、とても厄介な虫なのだ。)早速、ナメクジ退治の「ナメゴン」を植木鉢にパラパラと撒き、翌日、様子を見に行くと・・・同様にコロコロと黒い粒が散乱している。いったい何だろう? 虫がいるなら、保護色になってカムフラージュしているはず・・・と、一生懸命に目を凝らして探すが、いくら見ても何も見つからない。3、4日、この状況を繰り返したある日、ある部分だけ、妙に葉っぱが少なくなっている。「あッ、そうだ!」と枝に注目して探し始めたところ・・・突然、ブヨンとした感触があった。ほんとうに枝そのものの幼虫。葉っぱをかき分けて、ピンセットで外そうとすると、私も枝なんだからと言わんばかりにくっついたまま、なかなか離れようとしない。「ここにいてはダメなの。」と、非情にも取り除き、他も丁寧にチェックしていったところ、あと一カ所、枝まがいがぴったりとくっついていた。これも取り除き、これで一件落着、と思った瞬間、あっ、失敗。この芸術作品を写真に撮るのを忘れた!と、天才的なカムフラージュ状態を再現しようとするが、とても無理だった。しかも、ピンセットで刺激されて怒ってしまったのか、頭から牙のような、角のようなものが飛び出ている(右上の写真)。生き残るための生命体の精巧さに久しぶりに感じ入った次第である。

 可愛い花を切り花にして、トイレに飾っていたら、ある日突然、4羽の蝶が舞っていた、という信じられない笑い話を、以前聞いたことがあるが、この2つの幼虫が成虫になったら、いったい何色の蝶々になっていたのだろう。可憐に舞う蝶々を美しいと愛でる一方で、都合のよい非情を改めて思う。