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The Stranglers/The Raven/2001 EMI Records Ltd. TOCP-53278



‘The Raven’はストラングラーズのメンバーたち全てにとって誇るべきアルバムだ。実際、他のアルバムに関して、彼らはいくつかの曲については曖昧な印象しか持っていないが、The Ravenについてはそのようなことはない。JJバーネル(ベーシスト)は説明する。“Black and Whiteは1枚目と2枚目のアルバムに比べてかなりの音楽的冒険だったけど、オレたちは芸術性にこだわるあまりすごく荒涼な雰囲気にしてしまったんだ。その点The Ravenはずっとうまくいったし、ずっと聴きやすいアルバムだ。Black and Whiteはハードなアルバムだからね。” 一方、ジェット(ブラック:ドラマー)もつけ加える。“オレたちがこのアルバムの制作をスタートさせた時は全くの未知数だったから、あれを完成させた時の満足感はよく覚えているね。すごく楽しんで作ったアルバムだったし、とてつもない領域に達したと思う。オレたちがウェンブリー・スタジアムで最初にあのアルバムをプレイした時のものすごい高揚感はよく覚えているから、完全にあの時の記事を引用することができるね。初めて新聞で大きな称賛を受けたんだ。”

イタリアで書かれフランスでレコーディングされたアルバムには、いくつかのトラックで長いインストゥルメンタルのイントロが採用され、ストラングラーズというよりもプログレッシヴ・ロックであったが、それは功を奏していた。

ザ・ストラングラーズはUKでのThe Ravenツアーをウェンブリーでザ・フーのサポート・アクトによって開始した。それは前年に音楽プレスにおいてストラングラーズに対し、決して好意を持っていないことを示していたピート・タウンゼンドにとって、屈辱的なことだったに違いない。グループは文字通り花火を連続爆破させ、それは暴動を引き起こすことになり、ザ・フーは地元の警察によって自らのセットで通常の花火装置を使うことを禁じられてしまった。The Ravenはあらゆる国々のチャートを駆け上り大成功を収めたが、誤植によってチャート・ナンバー・ワンを逃してしまった。その代わりにザ・ポリスのRegatta De Blancが1位となってしまった。さらに奇妙な事実としては、ザ・ポリスのアルバムRegatta De Blancはまだリリース待ちの状態だったことだ!

アルバムからのファースト・シングルはDuchessだったが、これは全く妥当だった。完璧なポップ・シングルであり、今日に至るまで私のお気に入りの1枚だ。がっかりだったのは14位までしか上がらなかったことであるが・・・。このシングルのプロモーション・ビデオがかなり笑えるものだった。聖歌隊に扮したストラングラーズとワゴン1台分の金持ちの若者(ヤッピー)が登場する(訳注:教会と上流階級をバカにしたかなりヤバいビデオだった)。ジェットはいう。“もちろんビデオはBBCから総スカンを食ったな。オレたちはあとからクリフ・リチャードみたいなのじゃないとTop of the Pops(テレビ音楽番組)に出られないといわれたね。ホントかどうか知らないけどよ!” 事実、キャリー・オン・フィルム(セックスや下ねたを盛り込んだどたばた喜劇)まがいのくだらないフィルムは、メディアから全面的にこき下ろされることになった。

JJは回想する。“オレがアルバムの名付け親だった。カラス(raven)ってのは北欧神話の中でまさに権威のシンボルだったんだ。神の中でも最高だったOdin王は、2羽のカラスを飼っていた。彼らは王の目の役割を持っていた。彼らは世界中に飛び立って行って、戻ってくると王に見てきたことを報告する。それがこのアルバム全体のテーマなんだ。The Ravenは飛行のシンボルだ。なぜならヴァイキングたちは新しい土地を発見するために船の上でカラスを使っていたからだ。” The Ravenの初回20,000枚プレスは、3Dジャケットが使用されていた。それは常にこちらをカラスが睨みつけているような、かなり気味の悪いスリーヴだった。一方、裏ジャケットではヴァイキング船に乗ったグループが写っていた。これは実際はケント州ラムズゲート近くのコンクリート・ブロックで組み立てられたもので、ジェットが幼い頃最初に見たものだった。

アルバム中の1曲、MeninblackはUFOに乗ったエイリアンを題材としていた。そのサウンドは超常的で奇妙な雰囲気を持っていたが、これは間違いなくグループの未来を示していた。また歌の内容は食人慣習(カニバリズム)を扱ったものだ(詞:人間の肉は豚の味だ、ヒヒヒ〜)。これについてJJは説明している。“オレにとってカニバリズムってのは性欲をかきたてるものだ。オレがほんの小さなガキだった頃、オレは女の足に興味を持つようになったんだ。オレはそれを食いたいと思ったね。みんなと同じようにさ(訳注:少数派だと思う)。難破した人の興味深い話を読んだことがあるんだけど、人々は共食いを始めるんだ。聞いたところでは、人間の肉はちょっと豚みたいな味がするらしくて、これはいいコンセプトだと思ったしちょっとエロティック・ファンタジーでもあった。それ以上のものはなかったね。まあ、一言付け加えるならさ。”

The Ravenは今なお何度も何度もくり返しプレイされるほど、ひときわすぐれたアルバムだ。グループの次のアルバムができるまでに、Odinはたしかに過去の人物となり、エイリアンの侵略は実在の性欲マシンとなった・・・・・

Alan Parker(The Gimmick)


“私がもらったベスト・アドバイスは、何もいうことがないのなら口を閉じてろってことだ。”


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