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Sandy Denny/Like An Old Fashioned Waltz/2005 Universal Island Records Ltd. IMCD315/982 802-3



“僕にとって最高の曲のうちのいくつかがサンディのものだ―
何曲かは戦後書かれた中で最高のうちに入るね”
リチャード・トンプソン

サンディ・デニーは60年代後半のブリティッシュ‘フォークロック’シーンから現れた最高のシンガーソングライターの一人だった。その短いレコーディング・キャリアの中でサンディは、自らのトラディショナル・フォーク、フォークロックそしてオリジナル・ソングのブレンドを情熱的に探求した。サンディ・デニーは少女時代から荘厳で感情豊かな歌唱スタイルを持っていた。それは愛の成就がなされなかった歌を歌う時に常に最高の表現力を保持していた。1978年4月、サンディが階段から落ちて死ぬまで、彼女のレコーディング・キャリアはほとんど10年にも満たなかった。存命中のサンディの音楽はそれにふさわしい称賛を受けなかったが、25年以上を経て、彼女の名声はどんどんと大きくなっていった。最近のインタビューでピート・タウンゼンドは彼女のことを、“完璧なブリティッシュ・フォークの声”と評した。今日に至るまで、彼女の注目すべき音楽はエルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、リチャード・トンプソン、ナンシー・グリフィス、ジュディ・コリンズそしてケイト・ブッシュらによって高く評価されている。

アレクサンドラ・エレーネ・マクリーン・デニーは1947年1月6日、ロンドン南西のウィンブルドンで生まれた。彼女は早い時期からピアノとギターを始め、学校の聖歌隊で歌い始めた。看護の勉強をするかたわら、彼女は南、西ロンドンのフォーク・クラブに出演するようになった。中心地でのサンディの初期の音楽的キャリアはめまぐるしく展開していたようだ。たちまちのうちに彼女はフォーク・シーンの大物、アレックス・キャンベル、ジョニー・シルヴォとともにレコーディングを経験した。その数ヶ月内にデイヴ・カズンズと出会っていた彼女はストローブスに加入し、彼らとともにコペンハーゲンで1枚のアルバムを録音した。1968年5月、サンディはデビュー間もないフェアポート・コンヴェンションのオーディションを受けた―今思えば、グループのメンバーたちがサンディのオーディションを受けたようなものかもしれない。

1973年5月上旬、サンディはA&Mレコーズのロサンゼルスのスタジオで、3枚目のソロ・アルバムのレコーディングにとりかかった。セッションは続いて慣れ親しんだ(ロンドン、チェルシーの)サウンド・テクニクス・スタジオで仲間とともに夏の終わりまで続けられた。再びトレヴァー・ルーカスがプロデューサーの座につき、サポート・ミュージシャンとして親しい友人たちを呼んだ。ロンドンの最高のジャズ・ミュージシャンであるアラン・スキッドモア、ディズ・ディズレィ、ペンタングルのダニー・トンプソン、そしてフェアポートとフォザリンゲイの過去の仲間たちだった。Like An Old Fashioned Waltzは美しいアルバムとなり、晩夏の内省的なロマンチシズムをいっぱいにたたえていた。メロディ・メーカーに載ったカール・ダラスの記事によれば、これはパフォーマー、ライターとしての彼女の才能が具現化されたアルバムだった。サンディのオリジナル・ソングの数々は、ロマンス、遠い記憶と喪失、そして孤独を語りかけていた―それは今の世の中がないがしろにしてしまったものと我々を再びつなぎとめてくれるものだった。モジョ誌でジム・アーヴィンは‘Like An Old Fashioned Waltz’は、“ノスタルジアを吹き込み、我々の過去への窓口となるレコード”だと指摘した。彼女の父親のレコード・コレクションから2曲が収録されていた―ジ・インクスポッツのWhispering Grassとファッツ・ウォーラーのUntil The Real Thing Comes Alongだ。“私はロマンチックな歌が好きね。心底ロマンチックな人間みたいね・・・もしかすると私たちにロマンチックな感情が必要な時代なのかもしれないわね。”

最も英国的特徴を持ち、忘れることのできない女性シンガーの一人だったサンディ・デニーは、どきっとするような美しい声を持っていた。この3枚目のソロ・アルバムで、サンディはソングライターとしての自覚を強めていった。Like An Old Fashioned Waltzの穏やかで強く胸を刺すオリジナル・ソングは哀調の傑作群だ。アルバムのベスト・ソング群のいくつか―SoloFriendsそして重厚なオーケストラ入りのCarnival含む―は、内省的で自伝的なムードを打ち出している。ヴォーカル面でアルバムは美しく装飾された歌唱をとらえ、繊細な変化と感情的なニュアンスを存分にとらえている。レコーディングとアレンジメントは、スタジオの中で度々繰り返されたサンディの神経質さを示す逸話にそぐわないかのような大きな自信をのぞかせている。壮麗なSoloから―オープニングにふさわしい見事な選択だ―夢のように美しいラストのNo Endまであっという間に過ぎ去っていくLike An Old Fashioned Waltzは、彼女のアーチストとしての全盛期を見事にとらえている。ボーナス・トラックのNo Endはサンディ最高のパフォーマンスを示した1曲に違いないだろう。

今回のLike An Old Fashioned Waltzのリマスターにあたって、我々は2つのオルタナティヴ・テイクを追加した。サンディの最も美しいホーム・デモと、1974年2月にロサンゼルスのトルバドールで、フェアポート・コンヴェンションとともに録音されたタイトル・トラックの未発表ライヴ・ヴァージョンだ。このアルバムのリリース後、まもなくサンディはフェアポートに復帰することになった。その時のメンバーには彼女の夫、トレヴァー・ルーカスとフォザリンゲイで一緒だったジェリー・ドナヒューがいた。バンドにはアルバム、Rising For The Moonのレコーディングと半年間のワールド・ツアーが待っていた(訳注:その一環として来日公演が実現した)。

デヴィッド・サフ 2005年1月




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