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The Monochrome Set/Westminster Affair/1988 Cherry Red Records ACME 17 CD



シーン2、テイク5、イタリアン・レストランにて。時刻は午後9時ごろ。あたりはかなり慌ただしい。栗色のジャケットを着たウェイターたちはキアンティ(赤ワイン)の酒瓶、グリッシーニ(イタリア風の棒状の乾パン)のバスケット、空のワイン・グラスのトレイ、食器をガチャガチャいわせながら、愛想よくテーブルの間を行き交っている。オリーヴ・オイルできらきら光るスパゲティの一盛りを空のプレートに載せている。‘アクション!’ その巨体によってデッキ・チェアの布は危険に垂れ下がり、巨匠は前のめりになった。彼は薄暗い部屋の隅を血走った目で殺人的に睨みつけた。そこでは2人の照明係が電球を取り替えるために悪戦苦闘していた。もう電球が吹っ飛んだのは4回目だ。ライトがつくと、巨大なコショウ入れを振り回す1人のウェイターが、セット中央近くのテーブルに近づく。そこにはあるカップルが黙りこくって座っている。彼は30代前半で髪は短く、左側に拳銃のふくらみが見えるレザー・ジャケットを着ている。彼女は長い赤毛で深紅の口紅、それにサングラスをかけている。彼女は神経質そうに見える。しかしそれは見当違いだ。彼女は単にまたセリフを忘れただけだった。

ウェイター:「(思い出させるように)もしかしてデザートでも?ご令嬢」

彼:「(きっぱりと)いや、勘定してくれ。(彼女に向かって)ここを出た方がよさそうだ。大英博物館かエジプト式のクラブか2100 hoursか。どうするかい?」

(彼女はいぶかしげに彼を見る)

彼:「あ、忘れてた。君は英語を話さないんだ」


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