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Fairport Convention/Unhalfbricking/2003 Universal Island Records Ltd.IMCD293/063 596-2



フェアポートの3枚目は、判読できないタイトルが使われた。これはバンドのギグへの行き帰り、ヴァンでの移動中にサンディが考え出したおかしな言葉遊びだった。しかしこのタイトル自体は的外れで、重要なのはもちろん音楽そのものだ。前作、前々作同様これも様々なスタイルが詰まっている。いくらかこの頃は統一されてきてるけど。レコードの制作過程で、さらに技術が磨き上げられた結果、ここでは以前ほど広範囲じゃなくなって、作者はほぼリチャード、サンディ、ディランの3人に絞られている。

しかし重要なのは伝承曲A Sailor's Lifeだろうね。今では伝説だけど、当時はまだ未知のジャンルだったブリティッシュ・フォーク・ロックあるいはエレクトリック・フォークの中での大胆な試みだった。フェアポートのA Sailor's Lifeの詞は全て、英アジア系シンガーの最も聡明で雄弁なシーラ・チャンドラーによるものだ。この曲は時代を超えてワールドミュージックの先駆的作品となった。”英フォークの枠組にインド音階を使用する”って意味でね。まずギターとヴァイオリンがある音階を奏でて、音を上下させる。これはうまくいったよ。でバンドがその周りを埋めていくんだ。サンディは渦巻くような声で歌う。この曲は2000年間のインド音楽の縮図だね。ある決まった音階で、二つか三つの音を全くの即興でやるインドのヴェーダ期(B.C.1500-500頃)の歌唱から来ているんだ。全て一発録りだよ。

僕らは全てのフォーク・ミュージックが一つの持続低音と、共通のルーツを持っている事を発見したよ。例えば、ヴァイオリンの奏法はインドの吹奏楽器シェナイ(?)を思い起こさせるような繰り返しの持続低音を持っているし、アイルランドのショーン(オーボエの前身)も遠い親戚だ。全てはつながってるってね。ここでのゲスト、フィドラーのデイヴ・スウォーブリックが最も影響力を持っている。今じゃ信じられないかもしれないけど、彼はここでは単なるセッション・ミュージシャンとして招かれたんだ。Si Tu Dois Partirの彼の陽気なヴァイオリンは、気がふれたような伝染性を持つ不可欠な要素だね。これはディランのフランス語によるカヴァーで、トップ・オブ・ザ・ポップスの楽屋に僕達が一瞬だけ入ることのできたヒット曲だ。

前作での一曲と言えば、リチャードの永遠の名曲Meet On The Ledgeだったけど、ここでの一曲と言えば、サンディのWho Knows Where The Time Goesという事になるね。様々な伝承歌含む残りの曲は―不安、不正、伝説、祝い全てが混在している―新旧一緒に脇を固めているよ。全体として(僕らはよく言われるのだけど)、それらが完璧に同居しているんだけど、それは計算というより多分幸運だったって事だ。果たして幸運なのかな?

偶然であれ、運命であれ、ジャケットにあるフェンスに囲まれた5人のメンバーは皆、奇跡的にそれぞれフェンスの枠に収まっていて、それはこの“恵まれた一団”の証拠にもなっているように思えるね。

アシュリー・ハッチングス 2002


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