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Anne Briggs/Anne Briggs/1971 Topic 12T 207



アン・ブリッグスをレコーディング・スタジオの中に入れるのは、野生の鳥をかごの中におびき寄せるようなものだ。彼女を窮屈なところに閉じ込めても、彼女はくつろげないだろう。森と同様、壁も彼女にふさわしくなく、彼女はどこかに落ち着くよりも放浪する方が合っている。これが彼女がフォーク・ソング・リヴァイヴァルの中で最も高く評価されるシンガーの一人にもかかわらず、めったにレコードで聞くことができない理由だ。ほとんど学生だった彼女はEP、The Hazards of Love(TOP 94)を制作した。The Iron Muse(12T 86)という産業ソングを集めたアルバムではすばらしいシンガーたちと一緒に参加した。The Bird in the Bush(12T 135)ではフランキー・アームストロングとともに彼女は魅惑的な歌を披露してくれた。今まではだいたいこんなところだが、ここに彼女は自分自身のファーストLPを届けてくれた。多くの人々はこういうだろう。‘ようこそ、アン。私たちはずっとこれを待っていたよ’と。

Blackwaterside: イングランドのシンガーならこれをThe False Young Manで知っている者もいるだろう。これは半ダースほどの他の歌に使われたヴァースを寄せ集めたうちのひとつだ。このやり方は19世紀後半にロンドンのブロードサイド印刷業者、サザークのヘンリー・サッチによって出版された時のものだ。アンのヴァージョンはアイルランドの旅人メアリー・ドーランをBBCアーカイヴが録音したことによって広まった。アンは自分の伴奏はスタン・エリソンのヴァージョンに基づくといっている。

The snow it melts the soonest: これは北東部の歌の草分け的コレクター、石鹸製造人、快活で過激なアジテーターのトーマス・ダブルデイのおかげだ。彼は1821年頃、ブラックウッド(William Blackwood:1776-1834 スコットランドの出版人、出版社のことか?)の日曜版に提供した。彼はメロディをニューカッスルのストリート・シンガーから教わった。Northumbrian Minstrelsy(1882、改訂1965)の中で曲はMy love is newly listedとして載せられている。

Willie o Winsbury: イングランドのシンガーはこれをJohnny BarbaryあるいはTom the Barberと呼んだが、サマセット(イングランド南西部)からアバディーン(スコットランド北東部)までその際立つ特徴としては、誘惑された少女の父親、ここでは王だが、彼が相手の若い男を見て全てを許すというものだ。西部地方(サウザンプトンとセヴァーン河口を結んだ線の西)のヴァージョンを出版したセシル・シャープはこの‘気だてのよさ’をカットしたが、あいまいな動機だ。ちなみにこのバラッドはチャイルド100番。ジョン・モイニハンはブズーキで伴奏をつけている。

Go your way: アン・ブリッグス自身がこれを書いた。‘私は人のことを十分に理解していなかったから。’ 彼女はいっている。もっともな理由だ。

Thorneymoor Woods: アンの生まれ故郷、ノッティンガムシア州東部の町、ニューアーク近隣から収集された。Thornehagh Moor平原は800エーカーの自然森林地帯だったが、18世紀の終わりに囲い込まれ大部分は整地された。その横暴によって地元民は昔から続いていた生活の糧であったウサギ、シカの狩猟を禁じられてしまった。狩猟番人とのゲリラ戦遂行は何10年も続いた。このバラッドはその凄まじい日々からのものだ。アンはクリフ・ゴッドボールドから教わった。

The Cuckoo: 両義にとれる鳥。春を祝うのと妻の不義の前触れだ。カッコーは英語による典型的な抒情ソングのヒーローだ。ここでは他の歌のスコアの中に活気を与えるのと同じように、流動的なヴァースで成り立っている。どういうわけかこの歌はスコットランドではあまり好まれていないが、イングランド、アイルランド、アメリカの高地では全ての詞が共通している例のひとつ。アンのヴァージョンはいくつかのアイリッシュ・ヴァージョンのうちのひとつ。

Reynardine: 魅力的な名前、魅力的なヒーローのことだ。もしかすると彼はアイルランドのアウトローだったのかもしれない。この歌はアイルランドでもイングランドでも広く行き渡っていて、何年もブロードサイドに載せられてきたのでずっと生き長らえてきた。このヴァージョンの詞と曲は、アイルランド産のものから私が当てはめた。ある人はこの歌を狼男に関するものと考えている。私はそれには懐疑的だ。

Young Tambling: フランシス・J・チャイルドのEnglish and Scottish Popular BalladsではTam Linとしてよく知られている。これは伝承から抜け落ちてしまったと考えられていたが、最近になって大部分は断片的ではあるが、多くのヴァージョンが地方のシンガー、とりわけスコットランドのジプシーの中から姿を現している。私はこれを最近のコレクションとチャイルドの両方からつなぎ合わせた。メロディはジプシーの一人が使っていたものを引用した。多くの者が英語物語詩の中でこれをベストだと考えている。

Living by the water: アン・ブリッグスのオリジナル作品。もしGo your wayを書いた理由が、彼女がある人のことを十分に理解していなかったからだとすれば、これは彼女が彼のことを全く理解していなかったからということになるだろう。

Maa bonny lad: ノーサンブリア人の漁業一門のメンバー、リチャード・ランシマン・テリー卿と、一人の航海はやし歌のすばらしいコレクターが、この歌を幼少の記憶から掘り起こし、W. G. ホイッテカーに提供し、彼が1922年に出版したNorth Countrie Ballads, Songs and Pipe Tunesに載せた。歌の中に出てくる‘keel’は平底の石炭船ではなく、遠洋漁業用の船で通常タイン川(イングランド北部を東流して北海に注ぐ)と関連している。

A. L. Lloyd



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