SAPPORO 駅裏8号倉庫

 

 

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      旧札幌拓殖倉庫    

 

 

 

 

 

 

 

 

「場所が無い」
ないなんて言えなくなった。

 

DIGGER 5月号(第7号)で、フリースペース探しの難しさを語ってくれた(下記参照)劇団53荘の植田さんがついにスペースを獲得。7月末には事実上使用開始され、8月に正式オープンの運びとなる予定。
 場所は北6条西1丁目拓植倉庫。国鉄の線路の北側。当初、倉庫以外の使用は無理ということでつぶれた話が複活。来年の11月まで(国鉄の高架工事までということ)という期限付きで、フリースペースとしての使用が認められた。
 はじめに、「劇団53荘」「劇団極」「貫索舎」「おしばいぐるうぷ」の4劇団を中心にけいこ場、芝居公演場として使う予定だったが、維持費もバカにならないので、広く「地元」の人のために解放、フルに使って、札幌を面白くしようじゃないかという事になり、映画、音楽関係者を合めて、10人程の運営委員会をつくり、活動にはいることになった。
 現在のところ、ただの倉庫なので、ただの倉庫でもいいイベントから使いはじめて、8月にオープニング企画を立て、オ一プンする。
 芝居、映画、音楽をはじめ、ギャラリー、ガレージセール、朝市など、いろいろと利用法が考えられる。フルに使って、期限が来た時に次のステップとなり得るようにというのが運営委員会の方針。改装に多額の資金が必要なので賛助金を求めているが、詳細はパンフレット発行の予定なのでその上で。
 とにもかくにも念願のフリースペースが期限つきではあるが実現した。場所も決して悪くない。この場所を遠いと思う奴は、テメエの部屋で口をあけてテレビを見ていて、そのうち鉄砲でもかついでどこか行けばいい。それはともかく、今まで、面白い事や、たいした事が少なかった札幌。「場所がない」という理由が使えなくなってしまったわけで、どうなりますやら。がんばりましょう。

        ( COOKIN' GUMBO Vol.1 から 転載 )

 

 

 

 

DIGGER Vol.8 1981.4.25

 

フリースペースが欲しいヨ

 

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  植田研一氏:劇団53荘代表

 

  ○○会館や××会館よりもひと回り小さいキボでイベントをやりたい。ってときに、どうも札幌には“コレッ”ていうスペースがない。確かに、4プラ7Fホール・北12条文化芸術センター・澄川めるへん館、とかあげることはできるけれど、「完全な貸ホール体制でない」とか「客足ののびにくい場所にある」なんかで、みんなイマイチって感じを持っていると思う。ライブハウスにしても、D’ALLは高くなって使いにくいらしいし、ニワトリは遠いとか云いだせば状況はおんなじ。
 見たいものを見ようという貧欲な観客が少いせいもたしかにあるけれど−−−−都心に貸ホール型のフリースペースがあると最高だよね。実にかなりの昔から、そういうものを考えてチャレンジした人は多く、失敗談はずいぶん耳にするけれど、未だ実現していないのが現状。
 さて、今回御登場ねがった『劇団53荘』の植田氏は、この札幌中央区フリースペース問題にごく最近挑戦なさってて、(ま、今のところ探しているという段階だそうだけど)札幌の最も新しい「小ホール状況」その巌しさ、ムツかしさだけどもとっても切実な必要性、を確認しちゃいながら、読考の方々の協力を乞つ、という意味でよんで見ていただきたい。


○どういう訳で場所探しをはじめられたんですか?

●え-、今年の3月頃に劇団53荘としての旗揚げ公演を予定していたんですけどね。どういうスペースで公演しようか思案してた訳ですよ。で、ケイコ場兼客を入れて公演もできるような場所を探しはじめた−−という訳なんですよね。
で、一番最初に東映ホール(南2西5)で芝居うてないかと話をしに行った訳。何日間か貸してくれって。ところが映画会社ってのは客が入んなくても映画をまわし続けることに固執するっていうかな・・・例え1日に50人しか入らなくても、それでいいんだみたいな。それをあえて芝居だとか落語だとかに切り換えていくと、まずダメっていう答えしか返ってこない。だからまあ、映画以外のものに貸す以上、貸館になる訳だから、それなりの料金をいただきたい、と。で1日10万という金を言ってきた訳。

○ちよっと高いですね。

●そう。3日で30万なんて、僕らにはとうていムリだからね。

○大谷会館(南4西1)がわりと安い方で3万ちょっと、道新ホール(大通り西3)が5万強ですし、ちよっとしたイベントのために気軽に使うには料金的にキツい。

●そうなんだよね。だから東映の話はほとんどムリ。で、そこがダメんなって、さあどうしようってことになって、そこから発想がかなり飛躍するんだけども。そうやって単発的に場所を借りて公演やっても多額の金がかかるんであればね、いっそのこと自分達で持った方がいいんじゃないかと。ま、とにかく最初はケイコ場みたいなものを探そうと。そこで芝居ができれば非常に理想的だと。そこから始まって探しだしたんだけど。最初は足で歩いて「どっかいいとこないか」ってやってたんだけど、やつぱりラチがあかなくて。
 じゃ、いっそ不動産屋行ってね、そういうスペースがあるかどうか聞いた方が早いんじゃないか、専門家だからって。それで、行って、4、5件かな・・・あたっていくうちに駅裏の倉庫がでてきた訳。45坪の。そごう裏の。あの場所見た時には、こりゃちょっとデカすぎてね、ちょっと俺達じゃ手に負えない、と。だけども捨てるには惜しい。場所的にもいいし、何とかできないもんか。しかも2年後には取り壊されるそうだしと。そこで、いろんな人に話をもってってみた訳ね。芝居関係の人ばかりじゃなくビーチフラッシュの浜田さんなんかにもね。そして、ライブだとか映画だとか多目的に使えるものとして、各方面から金やら協力やらしあう様な話になつて。で−-、家賃は1ヵ月16万位だったのかな。

○そりゃ絶対安いですよ。日割りすりゃ5千円ですもの。

●だから最初はとにかく「自由に使ってかまわないから、やってくれ」ということだったからね、大乗りにのってやりはじめた訳。ところが、実際に「正式にお借りしたいんです」と言ってみたら、ちょっと待ってくれ、と。聞くところによるとそこで芝居をやりたいということなんで、ちょっと話を聞きたい。で、1年に1回や2回の公演であればね、黙認という形でいいんだろうけど、月に10日間もねズツと何やかにややってるような具合だと、明らかに小劇場に見られると。で、まああそこは営業用の倉庫であるからね、倉庫以外用に貸しちゃいけない。そういう法律があって、海運局の方にヤバイ。そこで、そういう企画はやめてくれ。ケイコ場だけだったらいいけど、と云われた訳。

○他の都市だと倉庫使ってやってる所ありますよね。京都の拾得だとか、小樽の海猫屋とかやってるでしよう。だから、どうなんでしょうね、あの辺との兼ね合いで言えば。

●小樽の場合になるとね、あれは倉庫でないのね、ただの建物なのね。倉庫の登録には入ってないらしい。個人の持ち物になってて。ただ、駅裏の倉庫の場合、会社としては登録を消すことはしたくないという訳ね。で、そこがダメになって、一挙に話は面白くなくなるんですが--(笑)。場所があって初めて出てきた企画だからね、レンタルスペース風にしようっていうのは。で、せっかく「やる」って人が何人か集った訳だから、企画だけ残しといてどっかの場所をみつけて考えましょう、ということで今動いてるんだけど。

○けっこう歩かれたそうですね。

●歩いた歩いた。物だけでもね、いくつ見たかな、1つ、2つ・・・7ヵ所位見たのかな。だいたい中央区はまんべんなく。消去法でここにこういう建物ある、と。市街図かなんか広げてね。円を書く訳、こっちからここまでの円のなかに無いかと、不動産屋に行って見せてね、あたる訳。で、中央区にはそういう建物がナイ、中央区といっても川の向こうの東の方だとか、苗穂だとかなるとあるんだけど。で一番近かったのが北3条東3丁目の倉庫ね、でもね、近いことは近いけど、地の利がもひとつですよね。創成川こえて東の方には行かないみたいなイメージがあるでしよう。

○結局ね、東京にしても小劇場というのはすごく便利なところにはないんでしょう。札幌で言えば中央区のとまん中にある様な劇場ってのはナイ訳だから。やっぱり、中央に全部集まっているという札幌の構造の問題になりますね。だから別個に、いろんな物が集まっている地域ってのが他に要るんだな。で、連動して何かやっていく、と。あそこに行けば面白いものがある、みたいな。

●だから北3東3の話にしても、劇場だけじゃダメなの。ってのは貸スタジオだとか喫茶店だとかケイコ場だとか、いろんな物つけ加えないと人ってのは集まらないだろうし定着しないだろう。ただ、そうなると資金的にも莫大になってくるしね。

○一大プロジェクトになっちやう。

●それはね、つまいr事業なんですよ。とても“芝居をやりたい”って発想ではなくなってしまって。ただ、それの方が劇場ひとつだけよりもいろんな生き道はあるでしようね。人なんてのは勝手なもんで、そういう場所ができれば、なんとなくついてくるみたいなの、あるでしよう。

○多分野をかかえこんでハデにぶちあげて、引きつけないといけない(笑)。下手すると裏参道になっちゃう(笑)。しかし、仮にその場所だとバスセンターから客は来るんでしょうかね。

●いや、人ってのはバスセンターからは来ないと思う。道庁の通りをずっと歩いてくるんじゃないかな。

○そうですね。地下鉄駅から来るなら、例えば文化芸術センターも澄川めるへん館も歩くのはしんどといった程ではない。

●だから、地下鉄ってのは意外とじゃましてるっていうか・・・まん中に集めるのを強化してる(笑)。地下鉄できる前の昔の札幌って、もう少し拡がりあったよね。−−今の話の場所は、昔電車が走ってた通りでね。もし、いまだにあの通りに電車走ってたらだよ、あそこで絶対やれるハズなの。

○豊平なんかにも、可能性がでてきた。

●そういう拡がりがあったのに、地下鉄できたおかげで逆にダメになった。

○たしかに地下鉄の方がラクチンだよね。「楽なぶんだけバカですサッポロ」になる。で、そっちの倉庫の話はボシャッたんですか?

●いや、可能性は残ってるんだけど、さっき言ったようにリスク大きいんで今一歩ふみきれないでいるのね。で、話変わって、札幌の某会員制クラブのビルにね、新しくホールを作るっていう計画があるって話を聞いてね、そこへでかけていった訳。まあ、そこは東京から、わりと大きめなショーや劇団を呼ぶという企画なんだけれども、もしホールを作ることになったらあいている日にね、地元劇団なんかがやるのはいいんじゃないかという話だったのね。そこで、地下の駐車場を改造していったいどのくらい金がかかるか、てのをそちらの方が見積った結果ね、2億円かかると。

○えー。それは完全にいわゆる劇場としての装備をぴっちり作るっていう計算でしようね。

●そうらしいんだよね。で、これじゃとてもホールは作れないってことになって、その話はとりあえずなくなった。

○もっとラフに作って、つまりその分いろんな使用方法が拡がるとも云えると思うし、安くあがるんじゃないかなー。

●もちろん、僕らがやるとしたらね、最低の設備−何よりもまずトイレね。それからパイプ椅子、簡単なステージというか台ね、そして最低の音響設備、映画なんかのためのね。それらコミで300万。ライブ用のPAなんか借りることにしてさ。

○ケタが違いますね。

●まあ、その某会員制クラブの駐車場をそのまま使って芝居やらしてくれないかという話も、一応してあるけどね。ぼくらとは目的もちがうから、どうしてもマルのひとつふたつは増えちゃうんだろうね。
 ま、何だかんだいっても、いい場所がでてこないと話にならない。不動産屋はあたるだけあ
たったんで、不動産屋には出ていない物件をみつけなくちゃね。大屋が忘れちゃってほっぼらかしてるとか、そういうの。

○しかし、話がずれますが、劇団53荘の活動としての公演が、場所がみつかるまでいつまでも始まらないってのもマズイですね。

●その点についちゃ考えてるんだけどね、旭川とか小榑でやろうかとかね。

○じゃ札幌ってよっぽどダメなんですかね。やる場所も全然ないのかな。地元の劇団の旗揚げも札幌じゃできないなんて(笑)。

●4プラホールを、もし、わりとかたくなに拒否するとしたら、そういうところもあるよね。

○札幌でやってもらいたいけどなあ。 

 

植田氏が代表を務める、劇団53荘は、1981年旗揚げ。86年12月の第2期8号倉庫の終了とともに解散。

 

 

 


駅裏8号倉庫    ( 9×16.2m)

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場 所

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