
「夏の思い出」 作詞 江間 章子 作曲 中田
喜直
詞を漢字入りで載せておきます:
夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬 遠い空
霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小径
水芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている水のほとり
石楠花色に たそがれる
はるかな尾瀬 遠い空
夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬 野の旅よ
花のなかに そよそよと
ゆれゆれる 浮き島よ
水芭蕉の花が 匂っている
夢みて匂っている水のほとり
まなこつぶれば なつかしい
はるかな尾瀬 遠い空
尾瀬ヶ原は福島県、群馬県、新潟県にまたがる日本最大の湿原地帯です。
作詞の江間章子さんは、もともと新潟県出身ですが、尾瀬には行ったことが無かったそうです。
戦争で荒廃した当時の日本に、夢と希望にあふれた曲を作ろうという番組担当者の
働きかけに動かされて想像の世界で作詞したのだそうです。
これは、「花の街」の時と同じですね。
江間章子さんは、子供の頃岩手県で過ごしたそうで、夏でも水芭蕉が見られたとのことで、
水芭蕉といえば、夏、と思い込んでいましたが、尾瀬で水芭蕉が咲くのは実際には5月末ごろで、
本当は、尾瀬の夏には合わないのだそうです。実際に尾瀬に行ったことが無いから…ですね。
ところが、作曲の中田喜直さんも同様に尾瀬に行ったことが無かったのだそうです。
それで、尾瀬に行ったことがあるお母様の意見を聞いて曲を完成させたとのことです。
こうしてみると確かに、この曲にはどこか「遠く」というイメージが強く感じられますね。
知らない世界のことを心に思い浮かべながらファンタジーを繰り広げていったお二人の、
「思い」が尾瀬にまで届け…とでも言いたいような!
皆さんの声も雲の中に溶け込んでいって尾瀬まで届くと良いですね。
尚、この歌が有名になってからというもの、尾瀬に人間がたくさん入るようになり、
自然破壊が進んだという皮肉な現実もあったのだそうです。
昭和24年(1949年)6月13日NHKラジオ歌謡で放送(歌:石井好子)