
「大きな古時計」 作詞・作曲 ヘンリー・C・ワーク(Henry
Clay Work)1876年
日本語訳詞 保富康午 原曲名:「Grandfather's
Clock」(おじいさんの時計)
作曲者のワークは1832年の生まれで、「夢路より」などを作曲したフォスターより6歳年下です。
フォスターと同じように多数の歌曲を作曲をしましたが、日本で知られているのはこの曲と、
《東京節》の原曲になったといわれる「ジョージア行進曲」ぐらいでしょうか?
その中でも、この「大きな古時計」は時代を越えて人々を魅了する不思議な力を持っています。
それには理由がありました。作曲家のインスピレーションを掻き立てる様なお話があったのです。
イギリス旅行中だったワークは、ジョージホテルというホテルに宿泊します。
このホテルのロビーには古い大きな時計がありましたが、不思議なことに全く動いていません。
そこで彼ははホテルの主人にこのことを問いただしたのですが、主人が言うには、
この時計は動かないまま置いておくことになっているのだと言うのです。
その理由とは:
ジョージホテルは、かつてジェンキンズという二人の兄弟によって経営されていました。
ホテルのロビーにある例の古い大きな時計はジェンキンズ兄弟のお兄さんが生まれた日に購入されたものでした。
歌の中にもあるように、その後何十年という間この時計はジェンキンズ兄弟の人生を見守ってきまたが、
二人もついに年をとりこの世を去る時がきました。最初に亡くなったのは弟のジェンキンズさんでした。
すると、それまで正確に時を刻み続けていたこの時計が急に遅れるようになったというのです!
そして弟が亡くなってから約1年後、今度はお兄さんのジェンキンズさんが亡くなりました。
すると今度は、この時計が完全に止まってしまったのです。しかもなんと!
止まった時刻は11時5分;兄のジェンキンズさんがちょうど息を引き取った時間だったというのです!
このミステリックな出来事があって以来、人々はこの時計を止まったまま置いておくことにしました。
ワークはこの話を聞いてとても感銘したのでしょうね!早速この話に基づいて歌を作ろうと、
夜も寝ずに作曲したということです。
アメリカに帰ったワークは、1876年にこの曲を発表したところ、大ヒットしたのでした。
日本では1962年に「NHKみんなのうた」で立川清登の歌で放送され、親しまれるようになりました。
日本語訳を作った保富康午(ほとみ こうご)さんは、構成作家として主にテレビ関係の仕事に携わった
方ですが、原曲の歌詞をある程度忠実に日本語にして下さっていて、良い訳だと思います。
ただ、聞くところによると、この方こそなんとあの「おふくろさん騒動」の張本人だとか?
ただし、お二人とももうお亡くなりになったので、あとは森進一さんにお任せしたらいいでしょう。
ところで、時計が動いていた年数は、原曲では90年になっていますが、
保富さんはこれを100年に変えてしまったので、曲の中に出てくる「おじいさん」は、
日本では10年長生きしたことになりますね。長寿国ニッポンですから、まあいいか???
参考のため原語の4番まである詞をお知らせしておきます:
1.
私のおじいさんの時計は棚にには大きすぎる
そこで、90年の間床に置いてあった
それはおじいさんの背よりずっと大きい時計だった
だけど重さはおじいさんの体重と同じだった
彼が生まれた日の朝に買ってきたのだった
それからはいつも彼の宝物であり誇りだった
だけど突然止まってもう二度と動かなくなってしまった
おじいさんが死んだ時から…
90年間休まずに
チクタクチクタク
彼の人生を秒読みしながら
チクタクチクタク
だけど突然止まってもう二度と動かなくなってしまった
おじいさんが死んだ時から
2.
少年時代に彼は時計を見ながら長い時を過ごした
子供の頃も大人になってからのことも時計は知っているようだ
悲しいことも、楽しいことも分かち合ってきた
彼がドアから入ってきたときは24回も鐘を鳴らした
はつらつとしてきれいな花嫁と一緒に!
だけど突然止まってもう二度と動かなくなってしまった
おじいさんが死んだ時から…
(繰り返し)
3.
私のおじいさんは「こんなやつを雇えればなあ」と言っていた
これほど誠実な召使いはいないと思うよ:
一刻も無駄にはしないし、望みは一つしかない
毎週の終わりにネジを巻いてほしいだけ
自分の場所を守って(身分をわきまえて)顔をしかめたりしない
両脇に手をぶらぶらさせるようなことも決してない
だけど突然止まってもう二度と動かなくなってしまった
おじいさんが死んだ時から…
(繰り返し)
4.
時計は真夜中に警鐘を鳴らした
何年も鳴らしていなかった警鐘だった
我々は彼の魂が飛び立つことを知った
彼が旅立つときがおとずれたことを
時計は静かに、やさしいチャイムで時を刻んだ
我々が静かに彼の周りに集まった時に
だけど突然止まってもう二度と動かなくなってしまった
おじいさんが死んだ時から…
(繰り返し)
1.
My grandfather's clock
was too large for the shelf,
So it stood ninety years on the floor;
It was taller
by half than the old man himself,
Though it weighed not a pennyweight more.
It
was bought on the morn of the day that he was born,
And was always his treasure
and pride.
But it stopp'd short, Never to go again,
When the old man died..
Ninety years without slumbering
Tick,
tock, tick, tock,
His life seconds numbering,
Tick, tock, tick, tock
It
stopp'd short, Never to go again
When the old man died.
2.
Many hours had he
spent while a boy;
And in childhood and manhood the clock seemed to know,
And
to share both his grief and his joy.
For it struck twenty-four when he entered
the door,
With a blooming and beautiful bride.
But it stopp'd short, Never
to go again,
When the old man died..
(Refrain)
3.
My grandfather said,
that of those he could hire,
Not a servant so faithful he found:
For it
wasted no time, and had but one desire,
At the close of each week to be wound.
And
it kept in its place, not a frown upon its face,
And its hands never hung
by its side;
But it stopp'd short, Never to go again,
When the old man
died..
(Refrain)
4.
It rang an alarm in
the dead of the night,
And alarm that for years had been dumb;
And we
know that his spirit was pluming its flight,
That his hour of departure had
come.
Still the clock kept the time, with a soft muffled chime,
As we
silently stood by his side;
But it stopp'd short, Never to go again,
When
the old man died..
(Refrain)
原曲:1876年アメリカ、日本語訳:1962年「NHKみんなのうた」