審査は終了しました。








J−1
エントリーNo.085
比梅津よろしかば

学校
わーー、遅刻だーーー!!!





…目を開き、時計を見た。

うん、8時20分。間違いなく遅刻だ。

学校は8時30分から始まる。朝礼が8時30分に始まって、授業が8時35分から始まる。

今から急いで支度をしたところで、家を出るのが8時28分ぐらいにはなってしまうだろう。

そんなことをしている間に、8時25分。このまま走って、やっとギリ間に合うぐらいだ。



…まぁ、グズグズしてても仕方ない。行こう。

学校に着くころには、1時間目の授業も始まってしまいそうだ。

まぁいいや、行ってきまーすっと…





ドアを開くと



そこには



学 校 が あ っ た





いやいやいや。意味が分からない。

学校は僕の家から歩いて8分、走って4分。駅から徒歩1分のところにあるはずでしょ。

こんなところに学校が移動したら電車で通学する生徒が困るでしょ。

あと、その場所には本来クリーニング屋があるでしょ。

クリーニング頼みたい近所のお母さん方が困るでしょ。



…有り得ない事態に対し、思いのほか冷静に感想を述べる僕。

だが次の瞬間、僕の想像を超えることが起こった。





凸<オハヨウゴザイマス!





ガ、ガッコウガシャベッター。



…想像を超えながらも、思いのほか冷静でいられたのは、

「放送室から流れた音声なのだろう」と思い込めなくもないからかな。

放送室に誰かいるのかな。この声だと、名前は知らないけどよく見かける角刈りの先生、あたりかな。




は。

そうだ、僕、遅刻しそうなんだった。

せっかく学校の側から来てくれたんだった、これ以上ないチャンスじゃないか。

さぁ、教室へ急ごう!

えーっと現在…





凸<ハチジサンジュウゴフン!ハチジサンジュウゴフン!キンコンカンコン!




8時35分…って、うわああああああ!

目の前に学校が現れたことに感心していたら、いつの間にか朝礼が終わって授業の時間になっていた!!

んでもって、また学校が何か喋った!

そこはせめてキンコンカンコンだけ言ってくれれば違和感が最小限で済んだのに!

取ってつけたようなキンコンカンコンは余計に違和感が増すだけだよ!!

学校がわざわざ「学校でーすwww」ってアピールしてるようなものだよ!!



…まぁ、落ち着け。

この際、遅刻になってしまうのは仕方ない。

指導部の部屋に行って、入室許可証を貰いに行こう。

えーっと、指導部の部屋は校門から入って…





凸<ァシドウブシツ、ホンジツヘイサシテオリェス!





京急か。

いや、ツッコミたいことはめっちゃ溜まってるんだけども。

ひとまず、喋り方と最後の1.5文字くらいが気になったからそうツッコんだまでだよ。

え、指導部室閉まってるの。なんでなんでなんで。

学校が移動しちゃった影響?

学校が何か喋り始めちゃった影響?

まぁ、よく分からないけども…

…仕方ない、じゃあとりあえず教室行ってみるか。

ってか、この状況じゃちゃんと授業とかやってるのかも分からないし。

そういやさっきから、ウチの生徒1人も見てないし。

夢か何かか…?まぁ、いいや。

とにかく教室へ急ごう。





凸<ィィィイイイイラッシャイァセーーーー!!!





居酒屋か。

学校が生徒に向かって「いらっしゃいませ」て。それも威勢の良い声で。

…さて、上履きに





凸<ォォォォォオオオノミモノナンニシマッカーーー!!!





だから居酒屋か。

学校だろ。僕を接客してるんじゃないよ。僕を教育しろよ。

「遅刻するんじゃありません」とか言ってくれた方がまだ助かるよ。





凸<・・・ソッカ。





「そっか」…じゃ、ねえよおおおおおおおおおお!!!!!

僕の独り言に返答してくるんじゃねえよ!!ビックリするだろ!!

あと僕もう校舎内に入ってるから、学校が喋ってるっていうより本格的に校内放送が聞こえてるって感じだよ!!

学校と喋るっていうとんでもない体験をしたと思ったら、校内放送と対話するっていう少しだけ現実味のある体験に置き換わったということで、

そのー…あのー…あーもう、自分でも何言ってるのか分からない!!



いや、でも何かこう、あるじゃん!

「せ、生徒が中に入ってくるゥゥゥウウウ!」

みたいなエロい奴、なんかこう、インターネットとか見てるとあるじゃん!!

それ系のやつ思い出しちゃったよ!何考えてるんだよ僕は!!





凸<インターネット、トッネータンイ、タンイ、タンイィィィィィッィィィ!?





…ダメだ、これは何かもう、考えてはいけない!!!

何となく言葉を逆から読んだらいかにも学校チックな言葉が出てきたとか、それを何故学校が口に出してるのかとか、そういうのを考えてはいけない!!!



そうだ、教室へ急ごう!

階段を登ろう!

階段…



階段…の途中にある窓から見える景色が、何かいつもと違う…



あーーーー、今更になって学校がここにあることに違和感出てきたぁぁぁ!!

いつもこの窓から見える裏山が無いし!!

階段を登りきったところにある窓から、家が目の前に見えるし!!

近くを走っている電車の「ガタンwwwガタンゴトーンwww」って音が無いし!!

ってか、驚くほど校内で生徒とか教師とか見かけないし!!

あーもうコレ、本当に僕の教室にも誰もいないんじゃないか!?



…着いた。まぁ、一応入るか。

(ガラガラガラ)遅刻してすみませーん。






     クラスメイト16「やあ」             クラスメイト5「やあ」
             クラスメイト4「やあ」
   クラスメイト15「やあ」          クラスメイト6「やあ」
     クラスメイト2「やあ」     クラスメイト7「やあ」   クラスメイト3「やあ」
       クラスメイト9「やあ」      
クラスメイト11「やあ」              クラスメイト12「やあ」        
                 クラスメイト1「やあ」        
     クラスメイト18「やあ」  クラスメイト17「やあ」      クラスメイト10「やあ」
                             クラスメイト8「やあ」          
      クラスメイト14「やあ」           
    クラスメイト13「やあ」             クラスメイト20「やあ」       
                     クラスメイト19「やあ」         





教師「お、お前遅かったじゃないかー。早く席着けー。」





全   員   出   席



意  外  と  普  通







凸<オワリダヨ
予選41位(2次予選敗退)
FAN 槍沢 ゆーた 銀沙灘 ザブ 星野
67 62 70 62 35 88
合計:366点(減点18点)

・最後の最後によぅ。点数つけにくいネタを…
○全   員   出   席



 意  外  と  普  通
・結局学校がどのようになってるのか、よくわからず多少モヤモヤした部分がありました。若干描写があったから逆に気になったのかな…。

 特異な設定にもかかわらずどこか冷静なモノローグですごく雰囲気はよかったんですが、結局プロローグだけで終わったようで物足りないです。
 オチもスカシの笑いというよりも本当に肩透かしで終わってしまったようで……。
 このオチにするのなら、学校の中での変な展開や風景を増やして、
 「校舎に入っただけでこうだと教室は一体どうなっているんだ!? そしてクラスメイトはどうなっているんだ!?」って緊張を煽ってほしいです。
 インターネットのくだりのバカさや「京急か」の間違った冷静さが面白かったのでもっと学校と会話させてもよかったと思います。

凸が学校ってのがバカバカしくてよかったですね。時間あったらもっと練れたんだろうなと思うともったいない。
世にも奇妙な設定と行間を広く使った表現、
型破りなスタイルで読んでいて楽しかったです。
しかし悲しいかな、出オチ気味なネタになってしまいました。
焦点が「遅刻確定と思いきや家の目の前に学校があったこと」なので、
学校の中に入ってしまうとこれが終わってしまうんですよね。
それで学校が喋るという設定が新たに加わったわけですが、
この喋る学校のキャラクターが最後まで掴めませんでした。
何がしたかったのか、どういう意思があるのか。
このあたりの掘り下げが甘かったと思います。

設定だけで終わってしまった印象でした。
印象に残しそうな所でほとんど外してしまった印象でした。
個人的に「やぁ」の所だけでした。

いやあ……すごくおもしろかったです。
学校が家の前まで移動してきているという異常な状況に加え、ツッコミの言葉も非常におもしろいものがありました。
勢いがあってテンションの高い文章だったため、非常に笑いやすく楽しいネタに仕上がっていました。
『学校がわざわざ「学校でーすwww」ってアピールしてるようなものだよ!!』という台詞はかなり噴き出しました。
それまでずっと異常な状況を描いてきただけに、オチが「普通」で終わってしまったのがやや残念でした。