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エントリーNo.072
茨木からの刺客

漫才/ドラえもん
土屋:茨木からの刺客です。よろしくお願いします。

土方:お前ドラえもんって知ってるか?

土屋:ああ、あの過去と未来がむちゃくちゃになってて、時間軸に喧嘩売ってるみたいな?

土方:そうそう。あれ面白いよな。

土屋:うん、まず特徴的なキャラがいいよね。
   まずドラえもんの主人公、ドラリオンね。

土方:タイトルでドラえもんって出てんのに何でそんなサーカスみたいな名前にしちゃうんだよ!?
   ドラえもんの主人公はドラえーもん小暮閣下だよ!

土屋:そうだそうだ!それだとタイトルがドラえもんでも違和感ないしな!
   で、ドラえもんのもう1人の主人公が、ドラえーもん小暮閣下に泣きついてばかりのノービンタくんね。
   ビンタをしたことがないという心優しき少年ノービンタくん。

土方:いや、ビンタの有無で優しさ量れねえよ!?媚び太くんな!閣下に媚びまくる少年媚び太くん!
   というか人の風呂覗くような罪人が心優しくあるか!

土屋:媚び太くんだったか。まあ確かに本当に優しかったらそもそも人に泣きついたりせずに全ての痛みを自分1人で受け止めるぐらいするだろうしな。
   他には媚び太くんをいじめるジェイソンな。

土方:そんなやつにいじめられたら死んじまうだろ!
   ジェイソンじゃなくてジャアイイヤンな!

土屋:あとお金持ちでいっつも自慢してるフクラハギ夫な。

土方:部位が違うだろ!ジョウワンニトウキン夫な!

土屋:あと媚び太君が心寄せてる子で、媚び太君にお風呂覗かれる石塚さん、通称「石ちゃん」ね。

土方:だったら覗かねえし心寄らねえよ!
   石塚さんじゃなくて四十肩ちゃんな!

土屋:あとはとにかく出番の多い出杉君ね。

土方:出杉くんじゃなくてスギちゃんな!テレビに出すぎではあるけどよ!
   というかお前間違いすぎだ!全然ドラえもんのこと知らねえだろ!?

土屋:うーん、秘密道具なら自信あるんだけどな。

土方:じゃあ言ってみろよ。

土屋:まずは「どこでもドヤッ」ね。どこでもドヤ顔を決めることができる屈強な精神を得られる道具。

土方:そんな道具いらねえよ!何の解決にもなんねえ!
   それ多分「どこでもドヤッ」じゃなくて「鈍行で戻るわ」だな!
   道具も全部間違って覚えてんじゃねえのか!?どんどん言ってみろ!

土屋:「タケコンピューター」!

土方:「高え子豚」な!

土屋:「掃除向けスープ」!

土方:「氷漬けプール」な!

土屋:「ガリバー豚汁」!

土方:「きゃりぱーみゅんぱみゅ」な!

土屋:「タイム慢心」!

土方:「タイ米」な!
   というかお前全然知らねえじゃねえか!

土屋:あれ?おかしいな。

土方:お前全然知らなそうだからどんな話があるか話してやるよ。

土屋:あ、じゃあついでにオープニングの歌から始めてよ。あれ好きなんだよね。

土方:♪空を自由に飛びたいなー (はい、ナイフー)
    アンアンアン、死んだら飛べるね、ドラえーもんー

土屋:やっぱり夢がある良い歌だよなー。

土方:まずは媚び太くんが家に帰ってくるとこから始まるんだよな。
   「ただいまー!閣下ー!閣下ー!・・・閣下がいらっしゃらないぞ!?・・・電話しよう・・・」
   プルルルルプルルルル
   「もしもし媚び太です閣下フゥー!閣下フゥー!媚び太です閣下フゥー!」

土屋:媚びのプロだ!こんな媚びられたら閣下も気分いいだろうな。

土方:「媚び太か。どうしたのだ?」
   「閣下フゥー!さっき野球やってきたんですよ閣下フゥー!
    で僕がミスっちゃって閣下フゥー!負けそうになったんですけど閣下フゥー!何とか勝てたんですよ閣下フゥー閣下フゥー!
    で試合終了後に皆に謝ってたんですけど閣下フゥー閣下フゥー閣下フゥー閣下フゥー!
    ジャアイイヤンのやつ、『試合には勝ったんだ閣下フゥー!じゃあいいやん閣下フゥー閣下フゥー!』って言ってきたん閣下フゥー!ですよ!
    僕がミスしたのを謝ってるのに、そんな心の広さ見せられたら惨めでしょうがない閣下フゥー!これ閣下フゥーいじめ閣下フゥー閣下フゥーでしょ!?」

土屋:邪魔にならないよう適所に閣下フゥーを入れてくる技術、さすが媚びのプロだな!

土方:「ふむ、ちょっと話が聞き取りづらくて分からなかったな。」

土屋:聞き取りづらくなる要素なかったよ!?閣下耳悪いのかな。

土方:「とりあえず帰るから後でもう1回話してくれ。」
   テテテテッテテー!『鈍行で戻るわ!』
   「これがあれば鈍行の電車に乗ることができるのである。要チャージなのである。」

土屋:閣下便利なもの持ってるな!未来ではそんな便利なものまであるのか・・・

土方:駅から帰る途中に四十肩ちゃんに会う閣下。
   「四十肩ちゃんではないか。」
   「あ、閣下!ちょっと悩みがあるの。最近肩が上がらないの。どうにかならないかしら?」

土屋:小学生らしい悩みだなぁ。

土方:テテテテッテテー!『高え子豚!』
   「まあ落ち込んでないでとりあえず食べろ食べろ。」

土屋:さすが閣下!しっかりと的確に問題解決する道具出してくれるな!

土方:帰る途中にスギちゃんに会う閣下。
   「スギちゃんではないか。今流行りのあれをやってくれぬか?」
   「今以上それ以上だぜぇ?ワインレッドだろぅ?」

土屋:出た!勢いの衰えることの知らないギャグ!

土方:「そんなことより閣下、服装のせいで寒いぜぇ?何とかならないかだぜぇ?」
   テテテテッテテー!『氷漬けプール!』
   「これに入れば服装の寒さもギャグの寒さも水の寒さが吹き飛ばしてくれるぞ。」
   「ありがとうだぜぇ。」

土屋:ギャグの寒さまで気遣ってくれるなんてさすが閣下だ。

土方:帰る途中にジョウワンニトウキン夫に会う閣下。
   「ジョウワンニトウキン夫じゃないか。」
   「閣下!ちょっと聞いてよ!僕の財力を活かしていつも皆に自慢してるんだけどどうも皆の食い付きが悪いんだ!
    あいつら、僕が極上のプロテインを見せびらかしてるのに見向きもしないんだよ!酷いでしょ!?
    何か自慢できるもの出してよ!有名人のそっくりさんとか出してよ!」

土屋:有名人のそっくりさんに会ったなんて言った日にはもう学校のヒーローだもんな。

土方:テテテテッテテー!『きゃりぱーみゅんぴゃっ・・・』
   テテテテッテテー!『きゃりぴゃっ・・・』
   テテテテッテテー!『ぴゃっ・・・』
   テテテテッテテー!『高え子豚!』
   「まあ落ち込んでないでとりあえず食べろ食べろ。」

土屋:さすが閣下、やっぱり的確だなぁ。

土方:閣下が家に帰ってきて話しかける媚び太くん。
   「おかえり閣下フゥー!略してお閣下フゥー!
    ささ、閣下の大好きな相撲混ぜご飯に相撲の生姜焼きに相撲のたたきに、たくさん用意できてますよ閣下フゥー!」
   「いらぬ。」

土屋:ええ!?相撲好きならこの上なく喜びそうなメニューなのに!?さては閣下、相撲好きじゃないな!?

土方:「ああ、そうだ閣下フゥー!聞いてよ閣下フゥー!閣下フゥー!
    今日閣下フゥー!野球の閣下フゥー!閣下フゥー!試合で閣下フゥー!僕がミス閣下フゥー!閣下フゥー!あ閣下ぁぁぁあフゥゥゥー!!!」
   「うるさいぞ!!!」

土屋:ええ!?怒る要素あった!?

土方:「か、かか、閣下フゥー!お、落ち付、落ち閣下フゥー!」
   「人に頼るでない!罰としてお前にはこうだ!」
   テテテテッテテー!『タイ米』!
   「ゆ、夕食のお米が見る見るタイ米に・・・あんまりだー!うわーん閣下フゥー!」

土屋:夕食のお米がタイ米なんて、これ以上ショックなこと無いよ!?軽く2年は引きずるよ!?

土方:で、たまたま仕掛けていた隠しカメラによってそれを見た農家の人が憤怒して、閣下が暗殺されて終了。

土屋:いやー、面白いなー。さすが長くテレビでやってるだけのことはあるよね。長くやることを見越してしっかり作ってるよね。
   あとドラえもんって映画も面白いよね。媚び太くんと四十肩ちゃんの未来の結婚を描いた「ドラえもん 媚び太の結構全裸」とか。

土方:いや、何でだよ!?何でそうなるんだよ!?媚び太くんが結婚するのは四十肩ちゃんじゃなくてジャアイイヤンの妹のチャイコフスキーちゃんだろ!
   もうお前全然ドラえもんのこと知らねえじゃねえか!

土屋:うーん、ドラえもんじゃなくてヒレカツ大百科のことならよく知ってるんだけどなー。

土方:いや、何だよそれ!
   フジッコ・の・おまめさん先生の作品のことを言ってんならそれ、「ヒレカツ大百科」じゃなくて「フィレオフィッシュじゃないバーガー」だろ!
   もういい加減にしろ!

2人:どうもありがとうございました。













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エントリーNo.013
月影連盟

進研ジミ漫画講座
進研ジミ4月号付属マンガ
―中学生活を充実させるために!―



よぉ、みんな! オレ、宮本タカシ、15歳! そう、君達と同じ、中学3年生さ!
オレは今、山ヶ丘中学校で、野球部のキャプテンをやっているんだ! 青春真っ盛り!
だけど一つ心配なのは、勉強が苦手なこと。この前の中間試験なんて、78点なんて点数取っちゃったよ。とほほー

「コラータカシー! サボらないっ!」

コイツは、幼馴染の本条優子。俺達野球部のマネージャー!
オレと違って勉強が出来るし、しかも可愛いんだ! 才色兼備!
でも、何で優子は勉強出来るんだろう。俺達と同じ時間に練習を始め、同じ時間に帰宅するのに。

オレは、思い切って優子に聞いてみた。すると、こんな返答が返ってきた。

「あたしはね、これ! 進研ジミやってるんだ!」

なんだって、優子はジミをやっていたのか! 俺もとってみようかな!
家に帰ってお母さんに頼んでみることにしよう!

  母「あらタカシお帰りなさい。そうだ、ジミの宣伝広告が入ってたわよ」
タカシ「ホント!? グッドタイミング! かーさん、オレ、ジミやりたいんだ!」
  母「またそんなこと言って。どーせ付録目的なんでしょー?」
タカシ「違うんだ! ジミは違うんだ!」
  母「分かったわよ仕方ないわねー」

早速ジミが届いた! へぇー、こんなに色々と付録が付いてるんだ! 早速やってみよう!

1時間後
ふぅー疲れたー。あれぇ!? もう1時間も経ってる! 凄く集中できた!
とりあえず、明日の授業の予習は完璧だ!

――歴史の授業中

先生「じゃぁ、宮本、答えてみろ!」
タカシ「はい、満州事変は1931年です!」
クラスメイト「すっげぇぇ!!」

以前ならこんな余裕なかったのに、ジミってすげぇや!
次は、期末テスト対策をやろう!

――期末中
タカシ「(あ、これ、ジミでやった問題だ! スラスラ解ける!)」

――期末終了
先生「今回のトップは2名! 宮本と本条だ! よく頑張った!」
タカシ「ジミの成果出たーッ!!」

期末終了後に弁当食べながら談笑してるクラスメイトの女子「宮本君って、最近変わったよねぇ!」
                           「部活も勉強も手抜き無しって感じでカッコイイ!」


オレは、このジミのお陰で、勉強もクラストップ、野球の引退試合ではサヨナラ満塁ホームラン!
目標にしていた高校への推薦入学も決まり、優子との仲も急接近で、いい事尽くしさ!
皆も一緒に、進研ジミやろうぜ!!



 * * *





朝倉:イけっ!! そこでイけっ!! あー何やってんだよー!! そこでイかねぇといつイくんだよー!!

安田:……おいこら、朝倉君。応接室で官能小説読みながら主人公に感情移入しすぎてる朝倉君。
   まだイってないところ悪いが、そろそろ私の存在に気付いてくれないか。

朝倉:げぇっ!! 朝倉さん!! いつからそこに!?

安田:「今日は体力温存してるからいつもよりイけるんじゃないかー!」とか叫んでたとこからだよ。
   外から聞いてたらワンセグでサッカーでも見てんのかと思ったわ。
   ところで早速なんだが、今日は君をしばき倒しにきた。

朝倉:ひぇー! まだ数回しか会ったことの無いおっさんからしばき倒されるー!
   なんで僕がしばかれるんですか!?

安田:いや、君も社会人ならば薄々感付いているだろう。

朝倉:んー……そうですねぇ、心当たりがあることと云えば、
   朝倉さんの毛根が死にかけてるのを見て、はて毛根は土葬か火葬かという疑問が脳裏を掠めたくらいで……

安田:そんなスラップスティックな妄想すんなよ! せめて「応接室で官能小説読んでたから」くらい言えや!
   まったく、ジミだよ、ジミ。進研ジミ。君はあれの漫画担当だったね?
   あの漫画ねぇ、ちょっとクレームとか多くてね、上層部も頭を抱えてるんだよ。

朝倉:あぁ、例の漫画。何か問題でも?

安田:問題も問題、問題まみれだよ。単刀直入に云うと、変化が無いんだな。
   毎回毎回同じ展開、こんなのでジミに学生が「うわっ進研ジミとって俺もリア充になりたい」とか考えると思うか?
   最近の学生は漫画をよく見て目が肥えてるからな、あんなんじゃダメだよ。

朝倉:確かに。これは根本的に改正する必要がありますよね。

安田:改正に当たってなんだが、あまり無茶苦茶にしすぎると、読者はジミのマンガだと云う事を忘れてしまう。
   そこでの注意点だが、なるべく現実味のあるオリジナリティを出すんだ。

朝倉:ほう、現実味のあるオリジナリティ。具体的には?

安田:そうだな、まずは主人公だ。宮本タカシというありきたりな名前、山ヶ丘中学校というありきたりな学校名、
   そして一番問題なのは、野球部という球技系部活に所属していることだ。こんなのばっかじゃダサすぎる。
   期待できそうなサスペンスの主演が船越英一郎や名取裕子だと死ぬほどガッカリするのと一緒だ。

朝倉:確かにそうですよね、ちょっと変則的なのでいきましょう。

安田:そして問題はここ、幼馴染の美人女子が居ることだ。
   どいつもこいつも幼馴染が居やがって、舐めとんのかわれ。
   俺にも幼馴染が3人いるけどな、デブと、異臭と、水商売やわ。

朝倉:最悪なラインナップじゃないですか。
   でも確かに、美人の幼馴染なんてなかなかいないですよね。

安田:いいか、筋書きはこうだ。
   主人公は廃れた中学校に通うオタクのデブ。変な名前。臭い。勉強も、運動も出来ず、ただ暗い日々を送っている。
   休み時間は寝たフリだ。他人の会話が全て自分の悪口に聞こえる自意識過剰。
   その割りには自己顕示欲が強く、学校に侵入してきて好きな子を人質にとったテロリストを、
   武器も使わずジャッキーチェンばりのアクションでしとめるストーリーを考える誇大妄想狂。
   友達もおらず、話しかけても無視される辛く厳しい毎日。
   学級活動の「二人組作ってー」が言葉の暴力に感じられる。

朝倉:そんなダメな奴おるけども!

安田:しかし、ここでストーリーに起伏をつけるんだ。
   そんな彼でも、話しかけると反応が返ってくる女子がいた。
   俺「ねぇ、名前なんて云うの?」
   女「ここは、きょうしつです」 
   俺「次の授業の教室分かる?」
   女「ここは、きょうしつです」

朝倉:RPGの村人Aじゃないですか!

安田:現代の若者が過敏に反応しそうなゲームの要素を取り加えておくんだ。続き行くぞ。
   クラスメイトにも無視され、途方に暮れた彼がふと騒がしい教室内を見渡すと、
   彼を無視したリア充のバカヤロー共が、食わず嫌い王決定戦で盛り上がっていた。
   ここでバラエティの要素も盛り込むわけだな。

朝倉:教室で何やってんだよ!!

安田:「僕の4品は、ひじき、カボチャ、ゴボウ、モヤシだよ」
   「なんだ、その地味な4品は。ん? 地味? ジミ? そうだ、進研ジミで勉強しよう!」
   ―進研ジミ付属マンガ4月号:師走の風邪ほど辛いものはない―

朝倉:どういう導入なんですかそれは!! タイトルも無関係じゃないですか!!

安田:もう一つ案がある。これは、"健全な男子中学生が主人公"という部分を根本的に変えたストーリーだ。
   「俺は関西草本組々長の息子、草本狂一郎や。俺に喧嘩売ったらうちの親父が黙っとらへんで」

朝倉:倫理的に問題ありじゃないですか!! ジミをVシネ化しないでください!!

安田:「俺は大抵のことは出来るが勉強だけはイマイチでな。
    じゃけぇ今日は、組のおじさんと一緒にアタッシュケース持って職員室に乗り込むところや」

朝倉:うぉい賄賂じゃねぇか!! 今んとこヤクザの教本みたいな予感しかしない!!

安田:「廊下を歩いていると、校庭に迷い犬を発見した。可愛いな。俺、犬大好き。ペロペロ」

朝倉:いきなり何やってんだよ!! そういうギャップ要素いらねぇわ!!

安田:「草本狂一郎は学校でも札付きのワルだった。
    国語の教科書に載ってる作者像をタモリみたいにしたり、
    リスニングテストの最中に校歌を大声で歌ったり、
    とんでもないことには、他人の上靴の中に、ただただ画びょうを突き刺しておく始末で……」

朝倉:すげぇ陰険なワルだな!

安田:口癖は「足の裏に丸い跡付いたやろ! がはははは!」である。

朝倉:地味すぎるわ!! 最初の威厳はどうしたんだよ!!

安田:そう、狂一郎はとても地味なワルだったのである。ん? 地味? ジミ? そうだ、進研ジミで勉強しよう!
   ―進研ジミ付属マンガ:エロサイト見てたら親戚が全員入ってきた―

朝倉:もういいですってその展開は! しかもタイトル最悪じゃねぇか!!

安田:今月号は、狂一郎が家庭科の先生に恋に落ちてしまい、悪道から足を洗うところがポイントだ。

朝倉:「ポイントだ」じゃねぇよ!! 週刊連載の全然おもんない恋愛小説か!!
   ちょっと、本気で考える気あります?
   このままやと「ベタすぎるわボケ」ってレビュー書かれそうなあの漫画出しますよ。

安田:ちょっとそれは勘弁してよー。レビュアー怖いよー。
   もう仕方ない、こうなったら短編を作るしかないな。

朝倉:短編、ですか?

安田:そう、短編。何せ、今までのマンガは長すぎたんだ。ありきたりな展開が豊富すぎる。
   だから毎回、マンネリ化をしていくのだ。ここで一発、あっさりとしたマンガを出すことによって、
   「お、違う感じも出来るやん」とかの感想が得られるのだ。 

朝倉:無駄に説得力のある意見だ。死ねばいいのに。

安田:よし、一つこんなのはどうだろう。
   「俺は吉田ダイスケ。勉強も運動もばっちりで、幼馴染と付き合ってるし先週童貞も卒業したぜ!! 完」

朝倉:最低限ジミを宣伝しましょう! それだと「リア充爆発しろ!」ってクレームがきます!

安田:この星新一ばりの見事なショートショートでジミはその年の漫画賞を総なめだな。

朝倉:まさか星新一もこんなクソみてぇな例えに登場してるとは思わないだろう。

安田:これでもダメか……それではやはり、最初のマンガの逆を行くと云うのはどうだろうか。

朝倉:逆、といいますと?

安田:現在の展開がありきたりなら、その発想を全て覆せば、目新しいものが出来るではないか。

朝倉:なんて当たり前の事を平然と語ってるんだこの人は。もう1回死ねばいいのに。

安田:原点に戻ってやり直しだな。まずは序盤、78点で落ち込むシーン。
   78点で落ち込む奴なんかは、そういない。エリートだけだ。
   ここは極端に低い点数で、読者に親近感を沸かせるようにしないと。

朝倉:ふむふむ。

安田:更に、ここで幼馴染が登場するわけだが、さっきも言った通り、そんなにいっぱい幼馴染はいない。
   だから、例えば偶然部活、それも文化部で一緒だったとかの設定にして、
   ブサイクで、変な趣味を持った秀才にするんだ。主人公が嫌いで、しかも臭い。
   ポケットから常に何かがはみ出ている。

朝倉:安田さんは何かジミのキャラに怨念でもあるんですか?

安田:そして次に重要なのは、家族構成だ。毎回毎回、主人公の家庭にお父さんが出てこない。
   教育に無関心な父親が増えていることは紛れもない。
   だが父親の存在感を消すのはやめてくれ!!
   いいじゃないか、教育に無関心だって。
   こちとら一銭にもならない仕事でストレス抱えながら日々過ごしてるんだよ!
   「お茶入れて」って言っても誰も聞いてくれないし、
   ちょっと女子社員のお尻を触っただけで民事訴訟だ。
   それでも僕はやってない! それでも僕はやってない!
   いや、やったんやけどな。

朝倉:何の話だよ!! ほんでやってんのかよ!! 存在感消されても仕方ねぇだろ!!

安田:そしてその次、ジミに関して語り合った後、なぜ家にジミの宣伝やらDMが届いているのか。ここが問題だ。
   そうだなぁ……ここは、お父さんが会社の帰りに、
   道端で寂しそうに泣いていたジミのDMを拾って帰ったというストーリーにしよう。

朝倉:なるほど、教育に関心を持った父を描くと同時に、捨てDMを育てる感動ストーリーにするわけですね、バーカ

安田:これでジミとの出逢いは完璧だ。しかし、教材の到着が早すぎる。んなすぐ来るわけがない。
   ラーメン屋でラーメン注文して、数分で来るか? それと一緒だ。

朝倉:ラーメンは大抵すぐ来ますから。安田さんって比喩が出来ない人ですね。

安田:ここは、うっかり者のお父さんが、電話するのを忘れてたということにしよう。

朝倉:もうなんでもいいです。

安田:そして極めつけは、試験にジミの問題が出るということだ。
   ジミの問題が出なくて、現実を突きつけられた主人公が遁世して庵を結ぶまでを描く一種の青春悲喜劇。これ面白いんじゃないか!?

朝倉:太宰治賞にでも応募してろよ。つまるところ、安田さんは結局ジミ否定をしたいんですね?

安田:そうではない。現実の厳しさを教えようとしているのだ。

朝倉:現実の厳しさに重点に置くなら間違いなくこのマンガはクソ以下になりますよ。

安田:なんだね、君はさっきから偉そうに! そんなに偉そうにしてるとしばき倒すぞ!

朝倉:本来の目的に帰結したじゃないですか。って言うか、これ以上やってても埒が明きそうにないんで、
   私のほうで適当に作り直しておきますよ。

安田:そうかい? ならば期待しているよ!
   それでは、頑張ってくれたまえ、私は女子社員のお尻を触ってくるとしよう!
   それでも僕はやってない! それでも僕はやってない! ガハハハハハ!!


(ガチャ)


朝倉:何だあのオッサン……
   邪魔者はいなくなったけど、一人で考えるって言ったってな……
   責任は全部あのおっさんになすり付けることにして、さっきの案を適当にまとめてみるか。





 * * *





進研ジミ5月号付属マンガ
―エロサイトを見てたら偶然師走の風邪にかかった親戚が全員入ってくる事ほど辛いものはない―





よぉ、みんな! オレ、丸の内ゴンザレス、15歳! そう、君達と同じ、中学3年生さ! パクリ乙!!
オレは今、片桐はいり第五中学校で、放送部の下っ端をやっているんだ! 声量真っ盛り!
だけど一つ心配なのは、勉強が苦手なこと。この前の中間試験なんて、4点なんて点数取っちゃったよ。
だからなんやねん! 関係ないやろ! 世の中勉強が全てとちゃうやろ!
俺は勉強は出来んけど、頭はええねん! 推理力とかあるし、瞬発力もめっちゃあんねん!


「今日の給食は、ミジンコのソテー、ミカヅキモのムニエル、アメーバの天ぷら……コラーゴンザレスー! サボらないっ!」

コイツは、幼馴染でも同じクラスでもなく、たまたま部活で出会っただけの、デブで臭いマッチョマリモ・マドレーヌ花子。
愛称は「マママ花子」だ。狂気さえ感じるだろう?
ポケットからはテトラポットだったりパイプ椅子だったり、色んなものがはみでていることで有名なんだ。
微生物が大好き、俺達放送部のキャプテン気取り!
オレと違って勉強が出来るけど、顔がただただ残念なんだ!!
でも、何で花子は勉強出来るんだろう。俺と同じ時間にウンコに行き、俺と同じ体脂肪率を叩き出してるというのに。

オレは、思い切って花子に聞いてみた! すると、こんな返答が返ってきた。

「給食終了後、バスケ部は職員室前に集合してください」

無視されたー!!

でもオレは諦めず、花子の私物をあさってみた。すると、こんなものが出てきた!
「微生物大百科:進研ジミ監修」
うわー、こんなんあるんやー。へぇ、ディプロガスターってかっこええ微生物もおるんや。
って、そんなこと言ってる場合じゃない!
花子はジミをやっていたのか! オレもとってみようかな!
家に帰ってお父さん、いや、お義父さんに頼んでみることにしよう!

「ゴンザレスお帰り、さっき道端で泣いてたジミのDM拾ってきたよ、しかしラーメンってすぐ出てこなくてムカつくな」
「お義父さん、オレ、ジミやりたいんだ!」
「ただいまって言わんかこの義理の息子ー!!」
「怒られたー! めっちゃ怒られたー! しかもしっかり『義理』ってつけられたー! ただいまー!」
「ジミをとりたい? はいはい分かった分かった、そのうち電話しとくわ。
 それでも僕はやってない! それでも僕はやってない! ガハハハハ!!」

期末試験が終わり、学年末試験が近づいてきた冬頃、やっとこさジミが届いた!
義父さんもうちょっと早く電話しようよ!
早速やってみよう!

――30分後
あ、これ、期末試験で出た問題や! 先生に解説されたからスラスラ解ける! 驚くほど嬉しくねー!!」
でも、明日の授業の予習は完璧だ!

――次の日、歴史の授業中

先生「じゃぁゴンザレス、大政奉還を行ったのは誰か答えてみろ!」
ゴン「はい、ディプロガスターです!」
先生「なんだそれは、アホか」
ゴン「おいコラ!! 俺に喧嘩売ったら義理のお父さんが黙ってへんで!!」

廊下に立たされた上に5時間も説教されてしまった。

さぁ、気を取り直して、学年末試験の予想問題をやろう! そんな時にこれ、ジミマスター!
ジミマスターとは、ゲームをしながら勉強が出来るという優れもの! 早速やってみよう!
ピコンピコン……へぇ〜小野妹子って男やったんや……だから正岡子規の正面向いてる写真が無いんか……勉強なるわぁ……

ガラガラガラ

義父「こら義理の息子ゴンザレス! 勉強もしないでゲームなんかして!」
ゴン「違うんだよ義父さん! これは、ゲームしながら勉強できる優れものなんだ!」
義父「ほぉ、面白そうじゃないか! ちょっと貸してみなさい!
   へぇ、墾田永年私財法ってのがいるんや。美人なんかな?」
ゴン「義父さん、多分それは人じゃなくて法律かなんかだよ! そして持っていかないでー!」

取られた。仕方ないので苦肉の策で微生物の勉強やって試験を迎えよう。


――学年末中
ゴン「あ、これ、ジミでやったことない問題や! そう、何故なら微生物の勉強しかやっていないのだから!
   というわけで全く解けねぇや! 仕方ないから微生物のうんちくでも書いて提出しようかね諸君!!」
先生「こらゴンザレス!! 試験中に大声を出すな!!」

――学年末終了
先生「今回のトップは、マママ花子だ! よく頑張った! そして最下位はゴンザレス! 1点だ!」
ゴン「皆の前で点数発表されたー! しかもジミやる前より下がってるー!」

学年末終了後に食わず嫌い王決定戦で盛り上がってる村人「ゴンザレス君って、アホだよねぇ!」
                          「部活も勉強もどうでもいいじゃんって感じでダサいよね! しかも臭い!」
                          「あなたの嫌いなものはヒジキだ!」
                          「参りましたー!」
                          「ここは きょうしつです」
                          「こうていに いぬが まよいこんだそうですよ」


オレはこのジミの責任で、勉強もクラス最下位、花子のポケットからはみ出た竹串で目をやられ、
休み時間にトイレから帰ってくるとオレの席にヤンキーが座っていたので廊下を彷徨い歩き、
学級活動の時間に先生が「はい二人組作ってー」と阿呆なことを言い出したので寝たふりをしていると、
ギャルから「あいつ友達いないから寝たふりしてるよーww」とか言われて先生と二人組を組まされ、
それでもオレには部活がある、部活に青春をかけるんだと息巻いていたところ、
放送部での最後の放送内容が「パンツ落とした人は職員室まで」
なぜか花子と俺の仲も急接近してしまい、もう死んでしまいたい! 進研ジミなんてやめちまえお前ら!!!













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エントリーNo.020
生涯探究

雑/ツッコミという名の業
下村:どうも生涯探究です。よろしくお願いします。


庄野:よろしくお願いします。


下村:いやぁ、それにしても今日もお客さんが綺麗な人が多いですねぇ。


庄野:ん?らしくねぇなぁ。お前がそんなテンプレートなツカミを行うなんて。


下村:端からべっぴんさんべっぴんさん、一つ飛ばして便秘さん。


庄野:いや失礼and失礼だよ!一つ飛ばしたはおろか、便秘さんって!!


下村:・・・庄野さんも便秘?


庄野:なんでだよ!なんであの人も俺も便秘なんだよ!!・・・いやあの人便秘かなんて分かんねぇよ!


下村:いやさ、なんか庄野さんのツッコミがさ、出しきれてないっていうかキレがない気がしてさ。


庄野:お前さっきっから何様だよ。それじゃあ聞いてみようか!
   さっき便秘だって言われた方!俺のツッコミどうでしたか?


中島誠之助:いやぁ、更年期障害かな。自分の体もいい仕事してませんねぇ。


庄野:俺らを鑑定する気ないなら骨董屋帰ってくれ。
   そして下村、なぜさっきのべっぴんさんのくだりでその列選んだ。


下村:とにかく、今の庄野さんのツッコミなら別に自分がやったとしても
   全然行ける気がするんですよ。


庄野:ほう?じゃあ下村が俺以上のツッコミをやると。


下村:そう、さらに真のツッコミはボケなんて要りません。
   行動1つでツッコミが出来るものです。


庄野:さらりと今までの自分の立ち位置否定すんなよ。


下村:というわけで今からマジックをやろうと思います。


庄野:マジックでツッコミってどういうことだよ。


下村:まずここに手錠があります。庄野さん僕に手錠をかけてください。


庄野:はい。(手錠ガチャッ)


下村:そこは、どうな容疑で逮捕されたかボケるところだろー!(両手でバシーン)


庄野:痛っ!!


下村:どうですか威力満点のツッコミでしょ!


庄野:金属のせいだわ!!拘束具がまさかの武器と化したわ!!


下村:しかし、僕にも、金属の痛みが…、ツッコミはボケの痛みを感じないといけないんです。
   この方法なら、それを体現できるんですよ。


庄野:単なるバカだよ。


下村:じゃあ次にこの鎖で腕と脚のまわりを縛ってください。


庄野:おうおう、まぁこの形になってしまったらツッコミは出来なくなるよなぁ。


下村:ところがどっこいー!(フライングボディプレ)


庄野:(スルー)


(びたーん)


庄野:それはツッコミとはいわねぇ。


下村:なんでですか!全身全霊をもって返したんですよ!(うねうね)
   これをツッコミを言わずしてなんと心得るんですか?


庄野:単なるバカだよ。
   そういうのは体で示すな!全身全霊で体預けられても困るわ!
   ツッコミの種類だって切り返しの仕方とかあるだろもっと!!


下村:では私はこのボックスに入ります。
   庄野さんはボックスのカギをかけたら側面の穴に剣を刺してください。(うねうね)


庄野:ああ、そういうマジックか。(バタン!…ガチャ)
   よーし刺すぞー!(剣を刺す)


下村:痛いわー!(剣戻る)


庄野:わっあぶなっ!いや剣刺さないとマジック成立しないやつでしょ!完全に失敗じゃねえかこれ!


下村:しかし、よくよく考えてください。
   今庄野さんが刺した剣、僕はいったいどういう方法で返したんですかねぇ?


庄野:え?


下村:(デデーン!)どうですか、まさかの切り返し!


庄野:マジックの内容じゃなくてツッコミの切り返しを何とかしろっての!!


下村:じゃあいま戻した剣が庄野さんを切れば綺麗なダブルミーニングに


庄野:綺麗さの代償としてグロテスクな光景を晒したくないわ!


中島:(3800円と書かれたフリップを挙げる)


庄野:まさかの鑑定結果でた!!そしてなんだろうこの微妙な金額!!


中島:いやぁいい仕事してますねぇ。


庄野:あ、はい、名台詞ありがとうございます・・・でもすごくもやもやしてる・・・


(中島がおもむろに自分の顔をつかむと覆面が剥がれる)


一同:!?


(正体は下村)


庄野:・・・は?


下村:いやぁいい仕事でしたよ!庄野さん!


庄野:・
   ・
   ・
   いやいや、状況がつかめない!!
   下村!いつの間にお前がやってたのが脱出マジックになってんだよ!


下村:? 脱出マジック?私はスタートからここにいましたよ。


庄野:は?じ、じゃあ箱の中にいる下村は。


下村:誠之助さん。


中島(箱の中):いやぁ、私、いい仕事してますねぇ。


庄野:いやいや、うそでしょ!!御年75ですよ!!


下村:これが僕のツッコミの力です。


庄野:いやいやとんでもねぇよこれ!誠之助さんの能力鑑定しようよ!!
   なにこのポテンシャル!


中島:ちょっといいですか?


庄野:ん?どうしたんですか?


中島:1週間ぶりにお通じが。


庄野:・・・本当に便秘だったんかい!!このタイミングでそんなポテンシャル発揮されても!!
   早くトイレ行きましょう!!(ガチャガチャ)くっそ!この鍵、南京錠だった!鍵、鍵はどこ!?
   誠之助さん大丈夫ですか?


中島:来てます!来てます!


下村:(\100万円)


庄野:下村ァ!微妙なMr.マリックさんの物まね仕込んでんじゃねぇぞ!
   とにかく我慢して…


中島:Help! I need somebody
   Help! Not just anybody
   Help! You know I need someone Heeelp!


庄野:ビートルズはこんな時の為にこの曲作ったわけじゃねぇよ!


下村:もうこれは「開運」ではなく「快ウン」ではないでしょうか?


庄野:やかましい!!


中島:あっ。


庄野:・・・まさか。


中島:いやぁ私の体も、いい仕事してますねぇ!!


観客:


庄野:


下村:やってしまった(20円)







庄野:(冒頭で一つ飛ばした席に座る)


一同:(観客席に座った!?)


庄野:どうすんだよこれ。


下村:うーん・・・(下村座席袖のレバーを引っ張る)


(舞台上を水が流れていく)


中島:うぉぉ?!なんだなんだ!?(流される箱)Heeelp!!


下村:水に流しました。色んな意味で。これが僕のツッコミの力です。


庄野:このネタ水に流してぇ・・・













F−4
エントリーNo.010
百鬼夜行

がっかりクリスマス
太郎「こんな世界、滅びてしまえばいい。」

ママ「うわぁ、我が子とは思えぬ暴言。」

太郎「ママなんて地獄の業火に焼かれちまえ。」

ママ「太郎!それ以上暴言をはくようなら乳首をひねりちぎるわよ!」

太郎「ひどい!年に1度のクリスマスを台無しにされた上に乳首をひねりちぎられるなんて!」

ママ「もう。太郎ったらさっきからそればっかり。まったく、何がそんなに不満なのさ。」

太郎「だからプレゼントだよ、プレゼント!クリスマスのプレゼント!」

ママ「何さ!ママ、ちゃんと買ってきたじゃないさ!」

太郎「ちゃんと買ってきたってこれか!」

和牛「モー。」

ママ「これよ。」

太郎「僕の求めてたものと違う!なんだよこれ!」

ママ「和牛よ。」

太郎「知ってたうえでか!ちくしょう!」

和牛「モォモォ、落ち着くんだモー。」

太郎「うっせ!黙れ和牛!なんでこんなもん買ってきたんだよー・・・。」

ママ「そりゃああなたがこの頃、気の狂ったように「和牛が欲しい、和牛が欲しい・・・」って虚ろな目をしてつぶやいていたから・・・。」

太郎「プレステ3だよ!」

ママ「え・・・?」

太郎「僕が欲しがってたのは和牛じゃないやい!プレステ3だい!」

ママ「ば、馬鹿な・・・。」

太郎「どんな聞き間違いだよ!1文字もあってないじゃないか!」

ママ「とほほー。」

太郎「とほほじゃないよ!反省の色なしか!」

和牛「まったく、ママンはうっかり屋さんだモー。」

太郎「うっせ!黙れ和牛!なんなんだよ!」

ママ「でもさ、プレステ3と和牛って似てね?」

太郎「どこがだよ!共通点0だよ!」

ママ「だって黒いし。」

太郎「たしかに黒いけど!この牛もプレステ3も黒いけど!」

和牛「僕は黒毛和牛だモー。」

太郎「うっせ!しゃべんな和牛!」

ママ「それに大きいし熱も発してるよ。」

太郎「そうだけども!ていうかママ、プレステ3について結構詳しいんじゃん!
なんでそれで間違えるかなぁ。」

ママ「ほら、ママもアレだから。痴呆だから。」

太郎「悲しいよ!悲しい事実だよ!」

和牛「僕の脳も若干スポンジ気味だモー!」

太郎「お前、市場に出回っちゃいけないタイプのアレじゃねえか!焼却処分されろ!」

和牛「嘘だモー!牛ジョークだモー!ウッシッシ!」

太郎「鼻輪引きちぎるぞこの野郎!」

ママ「まぁまぁ。落ち着きなさいよ。ね、いいもんでしょ?和牛も。」

太郎「なにまとめにはいってるんだよ!腑に落ちない!大体、和牛じゃゲームできないじゃん!」

ママ「プレステ3で出てるゲームなんて屁みたいなのしかないわよ?」

太郎「謝れ!世界のソニーに謝れ!」

ママ「それに和牛でゲームができないって決め付けんじゃないよ。鼻毛野郎が。」

太郎「えっ、ゲームできんの?和牛で?そんなわけないじゃん!てか鼻毛野郎言うな。親のくせに。」

ママ「ね?できるもんね?和牛もゲームできるもんね?」

和牛「ええっ!?・・・で、できるモー・・・。」

太郎「言わされてる感丸出しじゃないか!和牛無理すんなよ!」

和牛「・・・できるモーッ!」

太郎「うわ決意を固めやがった。なにその根拠のない自信。」

ママ「よっしゃよっしゃ。じゃあ早速和牛を使ってゲームしましょ。
さぁ和牛。あんた何ゲームができんのさ。」

和牛「ウモゥ・・・。困ったモゥ。」

太郎「できないんだろー?引っ込め和牛!」

和牛「なっ!?できるモー!馬鹿にするなモー!」

太郎「じゃあ早くやれよー。」

ママ「そうよ早くしなさいよー。」

和牛「じゃあクイズやるモー。牛クイズゲームやるモー。」

太郎「えー、クイズかよー。凄くつまらなそう。」

和牛「では問題だモー。僕の胃はいくつあるでしょうだモー?」

ママ「えー、むずいわね。ママわかんない。」

太郎「ママは知識が乏しいなぁ。牛の胃袋は4つに別れているのだよ。答えは4つだ!」

和牛「外れだモー。」

太郎「えー、なんでだよ!僕、動物辞典でみたぞ!」

和牛「僕は病気で胃を摘出したから正解は1つだモー。」

太郎「物悲しいよ!知らないよそんな悲しいエピソード!」

和牛「おかげでいつもウンチが真緑色だモー。」

太郎「食った草消化しきれてないんじゃん!獣医いけよもう!」

ママ「うわぁ、ひっかけ問題かぁ。難度高っ!」

太郎「ひっかけとかそういうレベルじゃないよ!もうなにこの親!?」

ママ「なにさ。なんか文句ある?」

太郎「ありありだよ!うわーん!俄然プレステ3がないことが恨めしいよー!」

ママ「くっくっくっ。まさか和牛でできるゲーム、牛クイズだけだとお思いなわけ?」

太郎「なんだよぅ、まだなんかあんのかよぅ。もう余計な期待はさせないでよ。どうせ裏切られるんだから。」

ママ「そんな男運のないOLみたいなこと言いなさんな。実はね、この牛でアクションゲームもできるのよ!ね?和牛?」

和牛「う、うへぇっ!?・・・で、できるモー・・・。」

太郎「もういいよ和牛!どうせできないんだろ!?もう無理にママに合わせんなよ!」

和牛「・・・・・僕にできないことはないモーッ!」

太郎「なにその大いなる決意!もう逆にかっこいいわ!」

ママ「ね、和牛、やったげなさい!闘牛ゲームやったげなさい!」

太郎「ちょ、なんだよ闘牛ゲームって!」

ママ「いまから和牛があんためがけてものすごい勢いでぶつかってくるから。避けなさいよ。」

太郎「すこぶる嫌だよ!!もうゲームって言うより普通に闘牛じゃん!」

ママ「失礼ね。これはWiiを超える、体感型アクションゲームよ!ね?和牛?」

和牛「そ、そうだモー!!」

太郎「いいように言いすぎだろ!!当たったら死ぬって!僕は子供だぞ!?」

ママ「なぁに、死にやしないわよ。腸くらいは出るだろうけど。」

太郎「瀕死じゃん!腸出るんなら駄目じゃん!!」

和牛「じゃあ、いくモー!!」

太郎「なに臨戦態勢に入ってんだよ!!誰もやるなんか言ってねえぞ!」

和牛「ちなみに難易度はVeryHardだモー。」

太郎「明らかに初プレイには適さないモードじゃん!!わ、わかった、もういいからストップ!!ストップストップ!!」

ママ「・・・え、なに?」

太郎「わかったよ!もうプレステ3欲しいとか言わないから!止めてくれよう!」

ママ「えぇ〜・・・。どんだけやりたくないんだよ・・・。必死じゃんこの息子・・・。」

和牛「興醒めだモー・・・。」

太郎「いやこんなんやりたがるやつ誰もいないって!」

ママ「あーあ、腸出す息子をスナップ写真に収めたかった・・・。」

太郎「黒いスナップだな!もう止めてくれよママ。もう僕、欲しい欲しい言わないよ。」

ママ「そう。なら和牛と仲良くできる?家族としてやっていける?」

太郎「う、うん。できるかわかんないけどやってみるよ。」

和牛「ゥモ〜ウ!!じゃあ太郎君、改めてよろしくだモ〜ゥ!」

太郎「うん、よろしく和牛!」

ママ「うふふふ、駄目よ太郎。これからはちゃんとパパって呼ばないと。」

太郎「・・・・・・・・え?」

和牛「よし、じゃあ一緒にお風呂入るモーゥ!太郎君、いや、太郎!」

ママ「うふふふ、やだ、あなたったら。」

太郎「・・・・・・こんな世界、滅びてしまえばいい。」














F−5
エントリーNo.030
有機丸アポロ

生涯粘液宣言
遠山:どうも、有機丸アポロです。よろしくお願いします。

出雲:こんにちは、有機丸アポロの出雲です。
   知っての通り自転車屋の甥です。

遠山:知らねえよ。お前の親族関係はみんな知らねえよ。

出雲:そして彼が遠山。見ての通り自転車です。

遠山:どう見えてんだよ。俺二足歩行してんじゃん、スタンドとかに支えられてないじゃん。

出雲:そんなわけで、ボケの出雲とツッコミの自転車で有機丸アポロでーす!

遠山:何だツッコミの自転車って。ただの危険運転じゃねぇか、しょっぴかれるわ。
   そういうのいいからちゃんと漫才やろうぜ。人間同士で漫才やろうぜ。

出雲:オッケー、じゃあ最近あった話なんだけどさ。俺の中学からの友達が逮捕されちゃってさ。

遠山: 暗 い 暗 い 暗 い 暗 い 暗 い ! ! !
   ちょっと待って、それは触れらんないヤツじゃないかなー!?ナイーヴな話題じゃないかなー!?

出雲:犬小屋泥棒で逮捕されちゃってさ。

遠山:罪状知らねえよ! またトリッキーなターゲットだな!?

出雲:じゃあ俺が今から友達やるから、お前犬小屋の持ち主やって。

遠山:できるか!何でお前の友達の過ちを漫才コントでお届けしなきゃならんのだ!

出雲:「いやー、入学式緊張するなー。あ、はじめまして。へー、出雲君って言うんだー」

遠山:どっから始めてんだ!何で出会いから紐解いてんだ!

出雲:「うん、うんそう。俺も生まれ変わるならフランス人がいい」

遠山:何の話で仲を深めてんだ!!
   流石にそのテーマで話題広げらんないからさ、もっとポップな話してくれよ。

出雲:ポップか……あのねー☆ おともだちがおまわりさんにねー☆

遠山:言い方ポップにしろって意味じゃねえよ! 内容のヒリヒリ感は一向に改善されてねぇよ!

出雲:ブタバコにぶちこまれて拘留中なのらー☆

遠山:肝心の部分がブラックなままぶつけられた! 苦笑いしか出来やしねえ!
   頼むから明るい話をしてくれよ、俺のテンション沈みーニョだよ。

出雲:沈みーニョ……あ、そうだ! 俺お前に頼みたいことがあったんだ!

遠山:どっから思い出してんだ! 俺のツッコミが何を導き出したんだ!

出雲:頼みと一緒に恨みもあるんだけど。

遠山:しまっといてくんねえかな!? ネガティブな話はしまっといてくんねえかな!?
   わかったよ、じゃあその頼みってのを言えよ。俺に出来る範囲なら聞いてやるから。

出雲:マジで!? ありがとう、お前のそういうところが恨めしいよ!

遠山:何でだよ! 恨みを前面に出すなや、いいから頼みとやらをぶちまけろや!

出雲:ああ、じゃあお願いしたいんだけどさ、お前に粘液塗ったくっていい?

遠山:……………ん?

出雲:お前に、粘液をデッキブラシで塗ったくっていい?

遠山:……………。

   ん  ん  !  !  ?

出雲:お前に、人体に触れると腫れ上がる粘液をデッキブラシで塗ったくっていい?

遠山:ちょっとずつ要求エスカレートさせてんじゃねぇよ!!
   ちょっと待って、何その頼み!! 1つ1つの単語が意味わかんない!!
   とりあえず何が一番意味わかんないかって、この話を沈みーニョで思い出したことが意味わかんない!!

出雲:遠山、ダメ元で頼む。触れると腫れる粘液をデッキブラシで塗ったくっていい?

遠山:ダメだよ! ダメ元ってわかってるなら諦めとけよ、どうせダメだよ!

出雲:ダメかー、だったらすっぱり諦めるわ。
   どうも皆さん、改めまして有機丸アポロです! ボケとチャリのコンビです!

遠山:そんな容易く切り替えられんの!? 情緒がおかしい!

出雲:そう言えば皆さん知ってます? ドラえもんの声優が変わったらしいですよ?

遠山:話題が古ぃよ! もう10年くらい経ってんだよ、最近の子供大山のぶ代知らねえんだよ!

出雲:何で声優変わったんだっけ? 大山のぶ代が犬小屋盗んで逮捕されたんだっけ?

遠山:それお前の友達だよ! のぶ代に変な前科をつけるな!

出雲:ててててってて〜♪
   「看守から盗んだ牢屋の鍵〜!(だみ声)」

遠山:何のぶ代に脱獄させようとしてんだ! のぶ代はどこまでいっても清廉潔白だよ!
   そんなんはどうでもいいんだよ、粘液の話だよ! それを流して先には進めねえよ!

出雲:……ねん、えき……? 悪い……言ってる意味が皆目見当つかないんだけど……。

遠山:ふざけんなよ!? 何勝手に記憶から消してんだ、ネタは上がってんだから白状しろや!

出雲:……もう、隠し通せないか……。

遠山:すんなり自供したなオイ。刑事ドラマだったら一番チョロいタイプの犯人じゃん。

出雲:流石遠山……見事な誘導尋問だったよ……。

遠山:お前が勝手に誘われて導かれたんだよ。いいから吐けや、この謎の粘液事件の真相を。

出雲:謎の粘液じゃねぇよ、触れたら腫れる粘液だよ。

遠山:どこ生真面目になってんだ!それを知っても謎は謎のままだよ!

出雲:あと勘違いしてほしくないんだけど、お前が思ってる3倍は腫れ上がるからね。

遠山:知らねえし!!そこ別に掘り下げるつもり毛頭ありゃしねえし!!

出雲:いや、3倍じゃ大きすぎるか……2倍ではないし……2.7倍から2.8倍前後……?

遠山:こだわりを見せんな!!いいから理由を白状しろっつーの!!

出雲:……り、ゆう……?すまん遠山、そんないきなり中国人の話をされても……。

遠山:お前ちょくちょく記憶喪失になるな!?持病か何かか!
   だから、お前が俺に触れたら腫れ上がる粘液を塗ったくろうとしてる理由だよ!!

出雲:「デッキブラシで」が抜けてる。

遠山:こだわんなっつーの!!早く言ってくれよ、こんなにストレス溜まんの受験戦争以来だよ!!

出雲:……知り合いに、触れると腫れる粘液を貰ったんだよ……。

遠山:うん、さっぱりわからん!解決パートに入ったのに全然真相が見えてこない!

出雲:ドラム缶3つ分貰ったんだよ……。

遠山:もはや在庫処分じゃねぇか!!そんな劇薬クーリングオフしとけよ!

出雲:そんな粘液を貰ったら、誰かに塗ったくりたくなるのが人の性だろ……。

遠山:人はそんな悲しいケダモノじゃねえよ。どんな本能秘めてんだよ。

出雲:もう塗ったくりたくて塗ったくりたくて……。
   友達の面会中、ずっと「塗ったくりたい」としか言えなかった……。

遠山:犬小屋泥棒に何伝えてんだ!塀の外で何があったってビビるだろ!

出雲:だから頼む、塗ったくらせてくれ! デッキブラシで、力を込めて、ガッシガッシと!

遠山:許可出来るか!! 擬音が痛々しいんだよ!

出雲:もちろんアフターケアはちゃんとするから!
   全身が腫れ上がった後、デッキブラシでムヒを塗ったくるから!

遠山:ケアになってねぇよ! 効果あるかもわかんないし、なんでいちいちデッキブラシを使うんだよ!

出雲:いや、だって素手で触ると腫れ上がるし……。

遠山:それを俺は素肌に塗られるんですけど!? それに加えてデッキブラシのダメージも加わるんですけど!?

出雲:大丈夫大丈夫、人体に傷を負わせないタイプのデッキブラシ使うから。

遠山:それで頷ける奴ぁいねぇからな!? そのアピールポイントにはそそられねぇからな!?

出雲:遠山、勘違いしてほしくないんだけど……最近のデッキブラシは、お前が思ってる3倍は痛くない!

遠山:何なんだその勘違いしてほしくないシリーズ!何のプライドだ!

出雲:いや、3倍は少ないな……4倍ほどでもない……4.25倍……?

遠山:小数点もいいんだよ!!何を勘違いシリーズとニコイチにしてんだ!
   そもそも誰だよそんな劇薬くれた知り合い! そのA級戦犯!

出雲:みんなご存知、盛田のおっちゃんだよ。

遠山:どこの誰だよ!! 知っての通りとかみんなご存知とか、どんだけ身内の知名度を過信してんだ!

出雲:知らない? 阿佐ヶ谷の隅っこで「盛田サイクル」経営してるおっちゃん。

遠山:あ、まさか自転車屋の叔父さん!? ツカミで言ってた自転車屋!? そんなところにヒントが!

出雲:定休日の火曜の午前は駅前をサドル持ってウロウロしてるでお馴染みの。

遠山:変質者じゃん! 近所の小学生に変なあだ名付けられるタイプの変態おじさんじゃん!

出雲:「マウンテン?」って言うとサドル掲げて「バイク!」って返してくれるよ。

遠山:なんだそのルール! うわ、でも小学生には人気出そう!

出雲:若い頃、少女漫画家のヒモだったらしいよ。

遠山:知らねえよ、これ以上おっちゃんに詳しくなりたくねぇよ!

出雲:昔は柳沢のおっちゃんだったんだけど、盛田家に婿入りしたから……。

遠山:やめろぉーっ!!これ以上俺の記憶中枢を盛田のおっちゃんで犯すなぁーっ!!
   おっちゃんの詳細は不本意ながらわかったけど、そのおっちゃんが何で劇薬寄越したんだよ!

出雲:ああ、その話を語るには、先週の火曜まで遡らなくちゃなホワホワホワホワ〜ン。

遠山:あれ、過去編始まる感じ!? 猛烈な時間の無駄の気配がする!

出雲:「うん、ブラジル人もいいけど、やっぱりフランス人が一番かな……」

遠山:過去に行き過ぎ!!お前それ犬小屋泥棒との出会いじゃねぇか!!

出雲:「そんなことより出雲君。僕はね、将来犬小屋を盗みたいんだ」

遠山:犯罪の兆候が見えてる!こう言い出した時点で縁を切れ!

出雲:そして時は経ち、先週の火曜日。

遠山:だいぶはしょった!最初からここに辿り着いてくれれば良かったのに!

出雲:「うえーん! 友達が逮捕されちゃったよー!」

遠山:どんな導入だ!!結局犬小屋泥棒がしゃしゃり出んのかよ!

出雲:「遠山の誕生日に何か送りたいって話を友達にしたら、
    『よっしゃ僕が調達してきてやる』って言っていなくなって、結果的に捕まっちゃったよー!」

遠山:え、ことの発端俺だったの!? 俺への善意が全ての始まりだったの!?

出雲:「それもこれも遠山に誕生日があるせいだ……恨めしい……!! 八つ裂きにしてやる……!!」

遠山:恨みそんな理由かよ! 俺無関係だよ、そもそも犬小屋欲してねぇよ! マンション住まいだよ!

出雲:「うえーんうえーん、悲しいよー恨めしいよーひととよー」
   「おいおい、何泣いとんねん。マキの漫画ボロカスに言うた時もそんな泣かんかったで」

遠山:誰か来た! 誰だかはわかるけど誰か来た!

出雲:「まいど! 今日は火曜やから、駅前をサドル持ってウロウロしとった盛田のおっちゃんやで!」

遠山:でしょうね!!

出雲:「も、盛田サイクルのファンタジスタ・盛田のおっちゃん! マウンテン?」
   「バイク!(すっ)」

遠山:俺は何を見せられてるの!? 俺には何もわからない、茶番劇しかここには無い!

出雲:「マウンテン?」
   「バイク!(すっ)」
   「バイク?」
   「ロード9月号発売中!(すっ)」
   「えへへへへ……」
   「いひひひひ……」

遠山:ヘラヘラしてんじゃねぇよ! 意味不明の合言葉連ねてヘラヘラしてんじゃねえよ!

出雲:「それより聞いとったで。ワカメちゃんの声優が変わってヘコんどるらしいな」

遠山:全然聞いてねぇ! そんでもってまた話題が古ぃよ!

出雲:「何で変わったんやっけ、大山のぶ代に鍵を盗まれた責任を取ったんやっけ?」

遠山:看守じゃねぇか! お前声優業界をどんだけ汚れた世界だと思ってんだ!!

出雲:「そんなお前を元気づけるためにこれをあげるさかいに!」(ゴソゴソ)

遠山:何か出そうとしてる!何かはわかるけど何か出そうとしてる!

出雲:ててててってて〜♪
   『触れたら腫れる粘液の詰まったドラム缶』〜!!(ちょっと高い声)」

遠山:ついに出てきた! 全ての元凶が水田わさびっぽく出てきた!

出雲:「どうや、凄いやろ!今日は特別に3本くれたる!」

遠山:おっちゃんはドラム缶3本どうやって持ち歩いてたんだ?片手サドルで塞がってんだろ。

出雲:「この粘液はな、自転車にこすりつけるとピッカピカになるんやで!」

遠山:あ、正規の使い方があるんだ!? ただ嫌がらせのためだけの毒薬じゃないんだ!?

出雲:「そのかわり、人に塗ったくると腫れ上がるから絶対塗ったくったらアカンで?」

遠山:ちゃんと注意もしてくれてる!ゴメン盛田のおっちゃん、俺おっちゃんのこともっとクソだと思ってた!

出雲:「ありがとう盛田のおっちゃん! 俺、この粘液をデッキブラシで相方に塗ったくるよ!」

遠山:何でだよ!! 本来の使用法を守れよ、説明書理解出来る大人だろうが!!

出雲:「おお、その意気やで!」

遠山:クソが! 盛田のおっちゃんのクソが! 見直すんじゃなかった!!

出雲:「本当にありがとうおっちゃん!マウンテン?」
   「バイク!(すっ)」
   「ママ?」
   「チャリ!(すっ)」
   「えへへへへ……」
   「いひひひひ……」

遠山:ヘラヘラすんなってだから!駅前で何やってんだお前ら!!

出雲:こうして、2人は朝まで笑いあったそうな……。

遠山:終わった!!ただアホが笑いあって終わった!!

出雲:今の回想を踏まえた上で頼む! 触れたら腫れる粘液をタワシで塗ったくらせてくれ!

遠山:より痛くなってんじゃねぇか! 絶対嫌だよ、嫌さが格段に跳ね上がったよ!

出雲:お前に塗ったくれないなら、俺は粘液を何に塗ったくればいいんだ!

遠山:自転車に塗れや!! 正規の使い方通り自転車に塗れや!!

出雲:いや、だからお前という自転車に塗ろうと……。

遠山:俺自転車じゃねぇよ!! 最序盤でツッコんだけど俺は自転車じゃねぇよ!!

出雲:まあまあ、そんなにチリンチリン言うなよ。

遠山:ブーブー言ってんだよ! 俺の口にベルとか付いてねえだろ!

出雲:ブーブー……!? お前、まさか自転車じゃなくて自動車だったのか!?

遠山:もうええわぁぁぁ―――――――っ!! お前はどんだけ俺という人間を理解してねぇんだぁぁぁ―――――っ!!
   人を散々車両扱いしやがって! じゃあ舞台で自転車としゃべくってるお前はなんだ!! シュールなピン芸人か!!
   とにかく粘液は断固拒否だかんなーっ!! 俺の美肌にデッキブラシは触れさせねぇかんなーっ!!

出雲:そんな……こんだけ頼んでも塗ったくらせてくれないとか、お前には人の心が無いのか……。

遠山:こういう時だけ人扱いかよ! お前には人としての常識が無いだろ!
   あとずっと気になってたんだけど「塗ったくる」って言い方やめろ!! 塗りたくれ!!

出雲:そんなに怒るなよ……怒られすぎて俺のテンション沈みーニョだよ……。

遠山:引っ張り出してくんな!沈みーニョは記憶の海に沈めとけ!

出雲:わかったよ、お前に粘液塗ったくらない!二度と自転車にも乗らない!

遠山:後者は望んでねぇよ。まぁ、わかってくれたなら良かったよ……。

出雲:だから粘液ドラム缶3つ分は、お前の誕生日にプレゼントするよ。

遠山:いいかげんにしろ!!!

2人:どうもありがとうございました。













F−6
エントリーNo.092
シアンビッツ

コント/しあわせのカタチ
ふあんふあんふあんふあん… (パトカーのサイレン)



日下部:―――ここが現場か。
    土曜の夜の繁華街、ということは大方酔っ払いの暴力沙汰か、もしくはプロ団体の方の暴力沙汰だと思うんだよなぁ…。
    あーあーやだやだ…そういう常識の通用しない人の相手って…。

    警視庁の日下部です。こちらの店舗から110番へ通報がありましたので、ちょっと立ち入らせていただきます。



???:いいからさっさと放せ!警察が来る前に逃げねえとまずいんだ!!



日下部:……騒ぎがあったのはこちらの部屋で間違いありませんね?
    では、皆さん少し下がっていてください。



 バンッ(勢いよくドアを開ける)



日下部:警察だ!大人しくお縄に…





   扉を開けると、


   亀甲縛りにされてる全裸の中年オヤジが激昂し、


   本革製のボンデージを纏った女王様が泣きじゃくる


   摩訶不思議アドベンチャーな光景が私の眼前に飛び込んできた





日下部:お縄に……ついて…るな。

オヤジ(上村):あ、オマエ!本当に警察呼びやがったな!?

女王様(樋口):だって……だってぇぇ……えぐえぐ。

日下部:…………俺には状況がさっぱりわからねえ。
    えーっと……私、警視庁の日下部と言います。すみませんが、どちらでもいいから何が起こったか説明してくれませんか?

オヤジ:おうこの警察の下っ端野郎!コイt

日下部:醜いし汚いしめんどくさそうなんで出来れば女性のアナタに……えーと、お名前伺ってもよろしいですか?

女王様:…………ルクレツィア。

日下部:あ、源氏名じゃなくて。本名でお願いします。

女王様:ご、ごめんなさい!…樋口莉沙です。

日下部:樋口さん。何があったか、わかる範囲を教えてくれますか?

女王様:聞いてくださいよぉ刑事さぁん…。この人がね、この人が……アタシにヤラシイことしてきたの!

日下部:いやそれはお互い様だと思いますが…。というか、風俗店でヤラシイもなにもあったもんじゃ…

女王様:違うんですよ……う、ウチは脱いでもランジェリーまでって決まってるのにこの人はすっぱ

日下部:あー!もういいです!わかりました!
    なんとなく完璧に事態が把握できましたから!
    要するにサービスには含まれていない行為を無理強いされたんですね?

女王様:そーそー!まさにその通り!

日下部:場所が場所だからなんか説得力に欠けるけど、常識外れのエロ親父、ってことですね…?

女王様:そうよそうよ!フーゾクにもルールはあるのよ!

日下部:でも樋口さん、失礼な話ですがこの程度ですと起訴はおろか、慰謝料すら大した額は望めないかと…

女王様:そんなぁ・・・刑事さんおねがぁい……無料サービス券あげるからぁ……(うるうる)

日下部:いや、私はこういう娯楽はあまり…

女王様:12枚綴りでどぉ?

日下部:か、回数を多くされても……

女王様:たっぷり90分コース。

日下部:あ……う……

女王様:おさわりオッケー。

日下部:よし、もう少し本件について捜査しましょう。

女王様:やたー。

日下部:くれぐれも、この事は内密にお願いしますね。

女王様:はぁい。

オヤジ:かーっ、これだから若いもんは……。すーぐ女だの夜遊びだのに現抜かしやがって。

日下部:「若いもん」を「年寄り」に変えてそっくりその言葉お返ししますよ。

オヤジ:なぁにぃ?けっ、警察官の制服着られたくらいで青二才が正義を気取りおって。
    些細な案件でもいちいちどっちが正義だか悪だかはっきり区別しようとする生真面目な輩ほど
    「弱者=被害者」という先入観を持って捜査するから真実が捻じ曲げられるんだよ。

日下部:そういう言い訳じみた説教は署でゆっくり聞きますから今は黙っててくださいねー。
    大体ね、娘ほどの年の女性相手に猥褻行為だなんて恥ずかしくないんですか?
    このドMで露出狂のロリコンめ!ローリーコン!ローリ−コン!

女王様:キャー、刑事さんカッコイー。

オヤジ:キサマ…私を誰だと思って言ってんだ?

日下部:あー、ひょっとして飲んでらっしゃる?
    どおりで発言がしっちゃかめっちゃかなわけだ。

オヤジ:飲んでねえよ!俺はシラフだ!

日下部:じゃあまーとりあえず、身分証明として免許証拝見させてもらいますね。
    その状態じゃ自分で出せそうにないんで、ちょっと鞄失礼します。

オヤジ:あ、コラ!

日下部:どれどれ…………携帯電話、タバコ、ライター……家の鍵と車の鍵……システム手帳に警察手帳……お、あったあった財布財布





    警察手帳??!!

オヤジ:やっと気づいたかこのバカタレが。

女王様:え…何?どーゆーこと?

日下部:え、えええええっと……ちち、ち、ちなみに……おおお、お名前の、方…は……

オヤジ:上村進哉だ。警視総監の名前も顔も忘れたのか無礼者。

日下部:け!けーしそ…



    も、申し訳ございませんでしたぁ!!どうか数々の非礼をお許しくださいませ!

総監(オヤジ):素直で結構。面を上げい。

日下部:ははー。

女王様:え?けーしそーかんってそんな偉いの…?

日下部:当たり前です!日本の警察界のトップですよ!?オネエ界におけるカルーセル麻紀みたいなもんです!

女王様:ごめん、その例えピンとこない。

総監 :その通り。私は日本の警察を統べる者だ。
    故に此れしきの些細な事で怒るほど私の器は小さくない。安心したまえ。

日下部:おお、ありがたきお言葉!

総監 :「エロ親父」だとか「ドMで露出狂のロリコン」だなんて全く、まーーーーったく気にしていないからな。

日下部:は、はは……。

女王様:あれ……なんか立場が逆転しちゃってるのは気のせい……?

総監 :そういえば君、君は先程市民から賄賂をもらっていなかったかね?

日下部:や、やだなぁ総監……あんなものもう返しましたよ……。

総監 :そうかそうか。じゃあその制服の右ポケットの中身を見せたまえ。

日下部:え……。

総監 :ほら、ちょっと見えてるその黒地にピンク色で印字された紙を見せたまえ。

日下部:……すみませんでした!

総監 :警察官たるものが嘘はいかんなぁ嘘は。これは罰として没収しよう。

日下部:ホントは自分が使いたいだけのクセに……。

総監 :ん?そういえば「この事は内密にお願いしますね。」とのことだったかな?
    では約束どおりこの件は内密に処理するとしよう、警察官僚の間で。

日下部:そんな殺生な!!お慈悲を!どうか私にお慈悲を!

総監 :というのは冗談だよ冗談。そんなみっともなく懇願するでない。

日下部:ははー。

総監 :で、先程は何についての話だったかな?
    中華そばの県民1人あたりの消費量1位は山形県って話だったか?

日下部:違いますよ総監!あ、あの……たった今通報があった件のですね…事実確認をですね…

総監 :日下部君……だったね? 今日は静かな夜だと思わんかね?

日下部:はい?

総監 :何も事件なんて起きていない、とても平和な夜だと思いたまえ。

女王様:このオッサン何言ってんの…?

日下部:そ……そうですね!今日はとっても平穏な一日でした!
    でも総監、今回の通報や私の出動は警視庁の方にばっちり記録されてますが…

総監 :私を誰だと思っている?面倒な手続き無しに鶴の一声でそんな記録全て帳消しにできるのだぞ。

日下部:さっすが総監!よっ、特権階級!

女王様:ちょ、ちょっと待ってよ!アタシへのわいせつなんとか罪はどうなるの!?
    事件は消せてもアタシの心の傷までは消えないのよ!?
    いくらアタシが男の裸に慣れてるとはいえ、あんなカゲキでハレンチな

総監 :黙れ女。これ以上歯向かうつもりならこの店ごと風俗営業法違反で取り締まるぞ。

日下部:そうですよ!国家権力に抗うなんて身の程を知りなさい!

女王様:そ、そんな……刑事さんまで……。

総監 :ふむ、さりとて私も鬼ではない。善良な市民の前では仏の顔も見せねばな。

女王様:え……まさか…!

総監 :いくら欲しい?ん?10か?20か?
    カリブ海より広い良心とマリアナ海溝より深い慈愛で50までなら快く示談に応じようではないか。

女王様:……。

日下部:ほら、せっかく総監が示談金を支払って和解してくれるとおっしゃってるんですよ。
    滅多にない機会なんですから応じるのが身のためですよ!

総監 :おいおい日下部君、「滅多にない」は失礼じゃないかね?

日下部:あーっとこれは失言でした!申し訳ございません!

総監 :苦しゅうないぞ。君はなかなか従順で素直ないい部下だね。嫌いではないぞ。

日下部:ありがとうございますっ!!

女王様:…………。

総監 :さて、答えはまだかね?それとも何かな?お金はいらないから誠意を見せて欲しいいのかな?

日下部:では私が総監に代わって陳謝いたしましょう。申し訳ございませんでしたぁ!!(全力で土下座)

総監 :おいおい日下部君、目下の者が謝ってもそれでは意味ないじゃないか。あっはっは。

日下部:あーっとこれは失礼しました!申し訳ございません!

総監 :苦しゅうないぞ。君はなかなか上司思いで献身的ないい部下だね。そういうの好きだぞ。わっはっは。

日下部:ありがとうございますっ!!

女王様:…………。

総監 :君ね……いつまでも黙ってるんならもう私は帰らせてもらうよ?

日下部:そうですよ!被害者だというなら何か弁明してみてくださいよ!

女王様:ちょ……



    調子に乗ってんじゃないわよこのデコスケェ!!

 ビシィッ! (鞭で総監を叩く)

総監 :ひぃー!

日下部:?!

女王様:たーかがブタのくせに飼い主に向かってまぁ好き放題言ってくれたじゃないの。え?

総監 :す、すみませんでしたルクレツィア様……私は今心の底から猛省しております。

女王様:自省だけじゃ足りないわ。出来損ないの家畜はアタシがもう一度みっちり躾し直してあげるから感謝しなさい。

 ビシ! ビシッ ビシィッ!

総監 :あ、あっ!あうぅ!私は悪い子です。私は飼い主に背く悪い家畜ですー!

女王様:ほらほらもっと惨めに喚きなさい!叫びなさい!泣きなさい!!

日下部:……そうだ、この人の本職を忘れてた。俺がこの部屋に来るまでの2人の関係を忘れてた。

総監 :うぅ……も、もう女王様を貶めようだなんて浅ましい考え、二度としません……。

日下部:そ、総監?総監ですよね……?あのー……国家権力、だったんですよね……?

総監 :み、見るな……見るな日下部君……わ、私を……見ないでくれたまえ!

日下部:あ…はい……じゃ、じゃあ、私はこのへんでおいとましますんで、あとはお二人で楽しんで

女王様:待ちなさい。

日下部:は、はい!

女王様:刑事さん、アナタもさっきは善良な市民に向かって随分な口利いてくれたじゃない?

日下部:あ、あれ……そうでしたっけ……?ワタシ、ズット、敬語、使ッテマシタヨ。

女王様:アタシ罵るのは好きだけど罵られるのはだいっきらいなのよねー。
    「国家権力に抗うなんて……」なんだっけ?もう一度大きな声で言ってくれる?

日下部:こ、国家権力に抗うなんて……なんて……エクセレエェーント!

女王様:はいダメー。

 ぴしっ!ぴしっ!

日下部:いたっ!制服の上からはやめて!破れる、破れる!

女王様:安心して。初めてだからやさしめにしてあげたわ。

日下部:や、服の上からでも結構皮膚にキタんですけど!
    もっと思いやりを持って引っぱたいてくれますかね!?

女王様:え?ムチじゃなくて槍で叩かれるのが好きなの?うわカゲキ…。

日下部:もう平成25年だっていうのになんつー古典的な聞き間違いしてるんですか!!

    おーいてぇ……。もう勝手に事実確認始めますよ?

総監 :お、おい貴様、上司を疑ってるのか!?

日下部:いやーなんかもう総監には何言われてもですねー。説得力がですねー。

総監 :貴様ぁ…言わせておけば好き勝手罵詈雑言言い散らかしおって!
    署に戻ったら貴様を全裸にしてパトカーの上に磔にしてそのまま他の警察官にパトロールさせ

女王様:あーもううるさい!

 ビシィッ!

総監 :あひぃん!!

女王様:いくら野良犬でも出来の悪い部下が暴言吐いたからってすぐ噛みつかないの!
    これだから学習能力のないバカなペットを持つと困るのよ。

総監 :ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
    ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
    ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……

日下部:え……えーっと、まずは時間からお尋ねしますね。被害に会われたのは何時ごろですか?

女王様:え〜…ルクレツィアわかんなぁい…。

日下部:アンタスイッチON/OFFの切り替え早いな!
    だいたいでいいですよ、何時頃とか、何時から何時の間とか。

女王様:だってぇ〜…ここ時計とかないし〜…。

日下部:あーはいはい。通報があったのが午後10時半なんで、じゃあ午後10時20分ということにしときましょうか。
    続いて、あなたが総監にどのようなことをされたのか詳細に教えてください。

女王様:え、相姦にどのようなって……

日下部:脳内は切り替わってなかった!!「そうかん」は行為じゃなくて人です、人。

女王様:ソーカンって誰ぇ?

日下部:え……誰って、今ここにいるこのお方が

女王様:あぁ、このピッグ・ダディのこと?

日下部:え、いや……こちらにお座りになってる男性が

女王様:変態戦士亀甲マンって言った方がわかりやすい?

日下部:あ、だからお隣にいるこの

女王様:この「ぽっちゃりロースのはげちらかし風荒縄締めハム Sサイズのソーセージ添え」よね?

日下部:…………ええ、その方です。

総監 :ああ!貴様今認めたな!私が恰幅がいいショートヘアーのアソコが大きくないっぽい男と認めたな!

女王様:アタシの許可なく口開くなっつったでしょ!!

 ビシィッ!

総監 :にゃうっ!

女王様:見苦しいから素直にデブでハゲと短小と認めなさい。

総監 :そうブヒ…私はデブでハゲと短小のみじめなブタですブヒィ…。

日下部:……その情けないセリフを言った方が総監です。一応私の上司です。

女王様:え〜っ!そうなの?ごめんなさ〜い初めて知った〜。

日下部:一回紹介しましたから!カルーセル麻紀に例えて説明したから!
    貴方スイッチOFFの時もなかなかにサディスティックですね…。

女王様:そうかなぁ〜?

日下部:ああ、もういいです。そのぽんわかしたゆるふわ系のノリ疲れました。
    で、具体的にはどんなハレンチな行為をされたんですか?この際しっかり聞きますよ。

総監 :貴様いつの間にそんな私に敵意を抱くような発言をするようになった!?
    このことは来月の役員会議の議題にさせてもらうぞ!

日下部:あ、う……。

女王様:(生温かい目で総監を見つめる)

総監 :だ、だいたいだな!貴様は今日私を初めて会った時からぞんざいに扱いおってだな!
    そのくせ上司とわかった途端態度を翻すなんて最低の人間だと思わぬかね!?
    相手に合わせて態度を変えているとそのうち全員から嫌われるぞ!!

日下部:や、それって私だけじゃ…

女王様:(冷ややかな目で総監を見下す)

総監 :ひ、人を叩いたり縛ったりして、挙句弄んで苛めて辱めて、あまつさえお金までとろうだなんて
    なんて汚く歪んだ仕事なんだ!鬼畜!悪女!人でなし!

日下部:あのー、総監?だんだんと矛先がずれてるような。

女王様:くふっ…(目つきそのままに軽く嘲笑)

総監 :そ、それに……

女王様:その程度の稚拙な暴言でアタシを怒らせてもっといじめられようっていうの?
    そんな浅はかな考えみえみえなのよバァーカ。

総監 :あっ…!
    わ、私、冷たい目で蔑まれるのも嫌いじゃないですよ!

女王様:あ、そう。じゃあもうアンタには目線もやらないわね。

総監 :そ、そんなぁ……。

日下部:あー……この場合自分はどうしてたらいいんすかね?

女王様:刑事さ〜ん、あの人恐い事言って脅してくるぅ〜…。

日下部:アナタが言うか!!よくもまあこんな綺麗に役が切り替えられるもんだ……。

女王様:で、なにについてだっけ?アイスの県民1人当たりの消費量最下位は実は沖縄県って話だっけー?

日下部:違います!!なんでみんな県別の消費量の話をしたがるんですか!!
    その……何をされて通報に至ったかですよ。総監に何をされたか。

女王様:え〜…そんなぁ……花も恥じらう乙女の口からはとてもとても言えないよぉ……。

日下部:ええ、アナタのような臆面もなく男性を甚振る人と比べられることを屈辱に思って恥じらうでしょうね。
    だけど、そこをなんとかお願いします。ていうかもう何もなくてもここまできたら捏造してください。

総監 :捏造って貴様な

女王様:でもぉ……アタシ口下手だから上手く説明できないしぃ……。

日下部:や、十分饒舌ですよ。アナタスイッチ入れたら鼓膜を指で撫でるようないい喋り方してますよ。

総監 :おい待て私を置

女王様:じゃ、じゃあ……口じゃ伝えられる自信ないから実際に演じてみてもいい〜…?

日下部:もうアナタが引っ込み思案なのか大胆不敵なのかわからないです…。
    いいですよ、これも捜査の一環ですし。必要なら相手役にもなりましょうか。

総監 :あのー…無視し

女王様:え、えっと〜…………
    じゃあまず下半身すっぽんぽんになって四つん這いになってください。

日下部:ふぬぁあ!? え、私もしかしてヤラれる側の役ですか!?

総監 :放置プレイも悪くないなぁ…

女王様:だってぇ……アタシが再現でも被害者だったら二重苦だしぃ〜……
    被害者だからこそ何をされたか克明に思い出せるしぃ〜……
    事件に沿って本格的に演じた方がリアリティあるしぃ〜……

日下部:えっと……だったら別に被害者役は総監でもいいんじゃないですかね?
    そっちの方がより再現率高いですし。ねえ総監?

総監 :ぬあー……

女王様:あらら、もぬけの殻ですねぇ〜。

日下部:あぁ……申し訳ないです総監。せっかくお役に立てる時が来たと思ったのに……。

女王様:じゃ、っつーことで再現よろしくね、刑事さん♪

日下部:ノリノリじゃないか!ノリノリじゃないか!





日下部:ぬ……脱ぎました……。

女王様:よくできました〜。うわぁ思ったより…………うん。

日下部:「思ったより」なんですか!?こっちも曝け出してるんですからハッキリお願いします!!

女王様:じゃあ四つん這いになって力抜いてくださいねぇ……。

 スチャッ(女王様、右手人差し指にゴムを装着)

日下部:何填めました!?ねえ今何か填めましたよね!?

女王様:最初はチクっとしますけど、我慢してくださいねぇ〜。すぐ気持ちよくなりますから……。

日下部:え……ウソ……

    ひぎゃああああああああああああああああああああああああ







 (ずぷずぷ)







日下部:ハァ……ハァ……ハァハァ……ぅ!…ハァ……

女王様:あのぅ〜……上手く伝わりましたぁ〜?

日下部:ええもう十二分に!!!!
    ハァ……わ、わかりましたよ……たしかに……これをされたら…ハァ…きついですね……。

女王様:え?別にこれはされてないけど。

日下部:おいいいいいいいいい!!!!
    返して!!私の純潔でノーマルで男だった体返してくださいよ!!

女王様:そんなこと言われてもぉ……喪失しちゃったモノは返ってこないからぁ…(中指と人差し指からゴムを外す)

日下部:なんか増えてるううう!!知らぬ間に装着してた指増えてたしいいいいいい!!!

女王様:仕方ないなぁ……アタシがヤラれたこと、今から再現する?

日下部:結構です!!もう私の体力と精力が持ちません!

女王様:あら、若いのにもう疲れたの?だらしない男ね。

日下部:1ワットの節電にもならないんで、こまめにスイッチ切ったり入れたりしないでください。

    あー……どうしようかなぁもう……。
    総監があーなっちゃった以上、今更通報がなかったことには出来ないし……。

女王様:あ、そうだ!みんな幸せになれるいいこと思いついた!

日下部:え?本当ですか!?





―――警視庁 廊下

総監 :久しぶりだねぇ日下部巡査部長。

日下部:これは、上村警視総監!お疲れ様です!

総監 :うむ、御苦労。

日下部:聞くところによると、総監が先の昇進会議で私を巡査部長に推してくださったらしいのですが…

総監 :その通りだ。君の最近の頑張りは昇進に値するからな。

日下部:ありがとうございますっ!!

総監 :その調子でこれからも精進したまえ。ハッハッハ。

日下部:はい!推薦してくださった総監のためにも全力を尽くします!



―――警視庁 警視総監室

バタン…

総監 :ふぅ…





女王様:どこ行ってたの?予定の時刻より4分遅刻よ。

総監 :すみません、ちょっと話込んでて……

女王様:問答無用!!

 ビシィッ! ビシィッ!

総監 :あふん!ありがとうございます女王様!

女王様:職場ではその名で呼ぶなって言ったでしょ!このバカ!

 ビシィッ!

総監 :あぁっ!ごめんなさい秘書さん!





「し、しあわせだなぁ」













F−7
エントリーNo.004
天体観測

漫才〜インフルエンザ
 翔:はいどーも! 天体観測ですー! 道産子漫才師として頑張りますー!

ミヤ:いきなりなんですけど、先日具合悪くなりまして。結果的にインフルエンザでした

 翔:あらあら。気をつけてよ! 体調管理はしっかりした方がいいよ!

ミヤ:おかげですっかり太ってしまいましたよ

 翔:普通逆じゃね? 思いっきり痩せるのが普通じゃね?

ミヤ:インフルエンザ以前に比べて30キロ増量しました

 翔:尋常じゃないくらい太ったな! 実験にでも失敗したのかよ! っていうかそんな風には見えないんだけど……?

ミヤ:私、着痩せするタイプですからね

 翔:すげぇな、お前! 30キロ増量を隠せるのかよ! で、インフルエンザは大丈夫だったんですか?

ミヤ:あぁ。インフルエンザのモンゴル型でした

 翔:ねぇよ、そんなの! 香港型とかなら聞いたことあるけど!

ミヤ:3日間ぐらいずっと布団から出られませんでしたドスコイ

 翔:おい語尾! モンゴル型ってそういう事なの!?

ミヤ:いきなり40℃近くまで熱が上がって死ぬかと思いましたハッケヨイ

 翔:一癖も二癖もあるな! 会話に集中できないよ!

ミヤ:まぁ、今はすっかり治ってピンピンしてるんですけどねノコッタノコッタ

 翔:せめて語尾統一してくれや! 本当に治ってるのか!? 副作用的な何かを感じるんだが!

ミヤ:体調が辛くて辛くて大変だからちゃんと病院に行きましたもん

 翔:まぁ、早く治したいですもんね。あと語尾が元に戻って良かったです

ミヤ:病院行くなんて久しぶりでしたごる

 翔:さっきの語尾と合わせてモンゴルになってる!  

ミヤ:せっかくなんでオープンカーで病院に行きました

 翔:インフルエンザなのに!? 何がせっかくなんだろうか!?

ミヤ:水着で運転しましたけどね

 翔:インフルエンザなのに!? ウルトラスーパーペチャパイなのに!?

ミヤ:ミヤちゃん張り手ー!!

 翔:ぐへあっ!! こんなとこにもモンゴル型の影響が……

ミヤ:ちなみに張り手のダメージを少しでも減らすために先ほど手袋を装着しました

 翔:何その優しさ!

ミヤ:で、病院に着いたんですけど受付の人がおすもうさんみたいな女性でした

 翔:失礼だろ!

ミヤ:ちゃんとその人に保険証と診察券と塩を投げておきました

 翔:受付の人、おすもうさんじゃないから! ただの太ったおばさんだから!

ミヤ:病院ってどうしてあんなに待ち時間があるんでしょうかね。退屈でしょうがありませんでしたよ

 翔:あぁ、わかるわかる。平気で2時間ぐらい待つこともあるもんな

ミヤ:あまりにも暇なんでちゃんこ鍋作ってしまいましたよ

 翔:病院で料理してるんじゃねぇ! 

ミヤ:でも持ってきた塩を投げつけてしまったので味がありませんでした

 翔:その為に塩を持ってきていたの!? 随分と用意がいいな!

ミヤ:その後診察室に呼ばれたんでお医者さんにも振舞ったんですけどね

 翔:いいよ、そんなことしないで。ちゃんとインフルエンザ治してもらえよ

ミヤ:お医者さんに怒られてしまいましたよ。「鍋に味が無いぞ! それとインフルエンザなのに病院に水着で来るな!」って

 翔:怒る順序間違ってないかな!? 先に水着で病院に来たことを叱責してくれよ! ついでに頭の検査もしてやってくれよ!

ミヤ:それでお薬を貰ったんですけど、粉末状の薬だったんですよ

 翔:粉末かぁ。苦かったりして飲み辛いんだよなぁ

ミヤ:独特の味だったんで鍋に入れてみました

 翔:ちゃんと薬飲めよ! なにダシを取ろうとしてるんだよ!

ミヤ:お医者さんも大変満足していました

 翔:医者ー! 食ってるんじゃねぇ!! ちゃんと患者の病気を治してよ! ついでに豊胸手術もしてあげてよ!

ミヤ:ミヤちゃん上手投げー!!

 翔:ぎゃあああああああ! 

ミヤ:インフルエンザのおかげで技が増えまして。ちなみに上手投げのダメージを少しでも減らすために先ほど舞台にマットを敷いときました

 翔:再びの優しさ! ……あいてててて……ということは結局、薬は鍋に入れたものしか飲んでないんですか?

ミヤ:いや、お医者さんが看護婦さんにもおすそ分けしていたら私の飲む分が無くなってしまいました

 翔:バカじゃないの!

ミヤ:ということで病院を追い出されまして

 翔:結局、薬を飲んでないじゃない! つまりまだ完治してないかもしれないの!?

ミヤ:そんなことないよ! ご飯もいっぱい食べれるし、まわしを取るのも上手くなったし、土俵際は粘り強くなったし!

 翔:力士に特化してるじゃねぇか! 角界にデビューでもする気かよ!

ミヤ:ただ今回病気して気がついたことがある! 水分補給は大切!

 翔:おっ、今日初めてまともな発言をしたな。その通り。高熱で汗がたくさん出るからね

ミヤ:私も鍋の汁ばっかり飲んでましたよ

 翔:水分のチョイスゥ! っていうか作り直してるんじゃねぇよ!

ミヤ:でも私は料理があまり上手じゃないのかもしれない。また味が無かったんだよね

 翔:またかよ。ちゃんと塩入れたのか?

ミヤ:塩は枕元に現れた透けてるおすもうさんらしき人に投げつけてしまったので底を尽きました

 翔:熱のせいで変なモノ見え始めたんじゃないの!? 幻覚かな! それとも幽霊かな!

ミヤ:私の勘だと舞の海だと思います

 翔:絶対違う! オレの全財産賭けてもいい! 絶対に「技のデパート」の舞の海ではない!

ミヤ:後はとにかく暖かくして寝る事。これも大切だと思ったね

 翔:そうそう。布団何枚も重ねていっぱい汗を出したほうがいいです

ミヤ:でもさ、一人暮らしをしていると布団って何枚も無いのが困るよね。現に家は1枚しかないし

 翔:あぁ、それは言えるね。じゃあミヤは今回布団1枚で乗り切ったんだ?

ミヤ:いや、枕元に現れた透けてるおすもうさんが反撃でボディプレスしてきたので暖かかったです

 翔:思わぬ副産物! まさか布団代わりになるとはな!

ミヤ:ありがとう。武蔵丸

 翔:舞の海じゃなかったのかよ! 

ミヤ:でも、そもそも私の住んでる家はすきま風とかも入ってくるしインフルエンザに向いてない家だわ!

 翔:インフルエンザに向いてる家なんて無いけどな!

ミヤ:もう引っ越す! インフルエンザもモンゴルも無縁の場所に引っ越す!

 翔:元からモンゴルとは無縁だったけどな! でも急に引っ越すなんて大丈夫か? 金もかかるぞ?

ミヤ:大丈夫。テントで生活して、季節が変わったら移動するから

 翔:お前それ遊牧民じゃねぇか! 定住地を持たないで季節ごとにテント移動する遊牧民じゃねぇか! やっぱモンゴルかよ!

ミヤ:本当は最初から引っ越すなんて考えてません。ウソです。ウソ八百です。モンゴル800です

 翔:黙ってろ! このペチャパイ娘が!

ミヤ:ミヤちゃんドロップキックー!

 翔:それ、モンゴル関係な……ぎゃー!!

ミヤ:(飛びながら)ありがとうございましたー! ちなみにダメージを強く与えるために厚底ブーツを履いていますー!

 翔:(飛ばされながら)ぎゃああああああああー! 今までで1番痛いー! ていうか優しさどこいったのー!













F−8
エントリーNo.050
ENDGREEN

漫才/神・誘拐・遺言
武田:どうも、よろしくお願いします。
   まず最初に自己紹介しますと僕が武田完で隣にいるのが三浦碧。
   二人合わせてENDGREENです。よろしくお願いします。

三浦:ねえ、ねえ完君、完君。話があるんだけどさ! 私、女子が憧れる女子になりたいんだ。だから、神様になりたい!

武田:碧ちゃん、ちょっと待とうか。「だから」一つでは支えきれない論理の飛躍が見られたんだけれど。
   神様っていうのは代打の神様みたいな愛称としての神様でいいのかな?

三浦:違うよ。ちゃんと神社に祀られるような神様になりたいの! そうしてお参りに来た女の子に憧れてもらいたいの。
   で、どうやったら神様になれるか完君に教えてほしいんだ!

武田:碧ちゃん、僕に求められても答えは出せないよ。……そもそも、神様になれると思ってるの?

三浦:うん! だって八百万の神っていうぐらいだから、私にもなれそうな神様だって絶対あるはずだもん。それに今ならチャンスでしょ!

武田:時期によって難易度は変動しないと思うよ。

三浦:神様の数は八百万……。これって、団塊の世代と同じ数なんだよ! これからは世代交代が本格的になってくるじゃない!

武田:関係性が迷子になってるよ。僕も神様には明くないんで推測になってしまういけれど、団塊の世代と違って定年退職って概念がないからね。

三浦:でも、団塊の世代と同じ数なんだよ!

武田:碧ちゃん、数が一緒なら行動を共にするってルールはないからね。もし、そのルールが適用されたとしたらだから。

三浦:それにテクノロジーの発展によって従来の神様がカバーできない分野だって次々出てきてるんだよ!
   たとえばスマホとか昔はなかった技術にも神様は必要でしょ? ……そうだ、私、スマホの神様になる!

武田:碧ちゃん。志望神が固まったところ申し訳ないけれど、スマホ自体が通信とか電化製品の神様の管轄だと思うよ。

三浦:だったらiPhoneの神様になる!

武田:碧ちゃん、細分化すればいいって問題ではないよ。お参りに行く人だってキャリアごとのきめ細やかな対応は求めていないと思うし。

三浦:じゃあ、iPhoneが壊れた人はどこにお参りに行けばいいのよ!?

武田:神に頼らず、素直に、ソフトバンクショップないしauショップに行ってもらおうか。
   そもそも、iPhoneの神様が単独のポストで存在したところでも、多分もうジョブズが就任してると思うよ。

三浦:じゃあ、iPhone5sの神様になる!

武田:碧ちゃん、いくらなんでも細分化が著しすぎるよ。

三浦:そうだね……。スマホよりもっと最先端のテクノロジーを見つけなきゃ……。
   決めた! 私、リニューアルしておいしくなったって評判のミスタードーナツで使われてる油の神様をやる!

武田:細分化しすぎて肉眼で確認できないレベルになってるよ。……ドーナツでも、ミスタードーナツでもなく、ミスタードーナツで使う油の神様?
   それに、iPhoneに端を発した最新のテクノロジーで探っていたはずなのになんで外食産業の企業努力に行きつくわけ?

三浦:だって、神様になろうと思ったら隙間産業を目指すしかないじゃない!

武田:だからってドーナツに使う油は隙間というかただのヒビだよ。

三浦:でも、いいの! もうすぐ団塊の世代のポストが空くから!
   そうしたら私、憧れていた神様になるの!

武田:そうなの? じゃあ、質問するけれど碧ちゃんのなりたい神様ってなんの神様なの?

三浦:クリスピークリームドーナツで使われてる油の神様!

武田:よもや、すでにそこまで細分化が激しいとは思いもよらなかったよ。
   碧ちゃん、神様になりたいって言われてもわからないからさ。もっと現実的になりたいものってないの?

三浦:そうだなあ……。私、優しい女性になりたいな!

武田:優しい女性?

三浦:そう、優しい女性! つまり女優になりたいの!

武田:碧ちゃん、日本語を日本語で直訳しちゃったね。なりたいのは優しい女性でしょ? それで、具体的にどういう優しさを持った女性になりたいの?

三浦:ニートの子供を持つけれど、なにも言わずにパラサイトさせる。そんな女性になりたい! 
   働かなくても許してお小遣いをあげるなんてこれは無償の愛以外の何物でもないでしょ!

武田:碧ちゃん。厳しさのない愛は愛とは呼ばないよ。

三浦:この願いを叶えるために早く子供が欲しいなって思ってるんだ。

武田:碧ちゃん。碧ちゃんの歪んだ愛情のために子供の人生を犠牲にしないでよ。

三浦:だから誘拐犯になろうと思うんだ!

武田:碧ちゃん。会話のキャッチボールで消える魔球投げないでよ。誘拐?

三浦:だって早く子供が欲しいんだもん!

武田:その思考回路は繋げられるほど「だって」ひとつに万能性はないよ。
   子供が欲しいんなら自己努力で何とかならない?

三浦:完君はわかってないなあ。私は今すぐ欲しいの! 早くても十ヶ月かかるなんて、そんなに待ってたらでも飽きちゃうじゃない!

武田:たかだか十ヶ月で冷める情熱しか持てないのなら子供を欲しがらないでよ。

三浦:それで、誘拐したいんだけれど、上手くできるか不安なんだよね。これから子供に声をかける練習をするから間違ってるところがあったら教えてね。

武田:まず、子供が欲しいから誘拐するって入口が間違ってるよ。こんな非人道的な漫才認めないからね。

三浦:「大変だよ! お姉ちゃんはお母さんの友達なの! お姉ちゃんの車で病院まで行こう!」……どうかな?

武田:合ってるよ。ただ、合っているからこそ間違っているよ。このパラドックス、古代ギリシャなら哲学がひとつ生まれるよ。ダメだから誘拐なんてしたら。

三浦:あーあ。じゃあ、優しい女性になるのは無理か。

武田:そもそも、優しい女性になるための第一歩が誘拐の時点で間違ってるからね。他になにかやりたいことはないの?

三浦:そうだなあ……。私、シュウカツがしたい!

武田:碧ちゃん。まさか漫才中に解散を切り出されるとは思わなかったよ。

三浦:今、ブームだもんね!

武田:別に流行に乗りたくてやっているわけじゃないよ。そんなミーハーな気分でするものじゃないから就職活動って。

三浦:完君、勘違いしてる! 私が言ってるのはそっちじゃなくて、終わる活動って書くほうの終活よ!

武田:ああ、そっちなんだ。……どのみちミーハー気分でやるものじゃないよ。切実なものだからね。

三浦:「終活」つまり「終身雇用させもらえる会社に入るための活動」がしたい!

武田:だとしたら結局は就職活動だね。このご時世に終身雇用を望んでいるだけ若干切実さは増したけれど就職活動だね。

三浦:じゃあ、「終生変わらぬ愛を誓って永久就職をするための活動」だっけ?

武田:だとしたら婚活だね。
   そうじゃなくて、「終活」っていうのは生前中から自分の死後のために準備しておくことを言うんだよ。

三浦:そうなんだ……。私それやってみたい!

武田:さっきも言ったけれど、そういう軽いノリでやるものじゃないよ。
   どうしてもやりたいんだったら本が出てるからそういうのを参考にしたらいいんじゃない?

三浦:知ってる! 「DETAH NOTE」ね!

武田:雰囲気はあってるんだけどなあ……。嫌でしょ、自分の死後のメッセージを「DEATH NOTE」に託すのって。「エンディングノート」ね。

三浦:とにかくそれを読めば終活がわかるんだね。お金がないから古本屋さんを探してみるね!

武田:一項目も埋められずに挫折しない限り、個人情報の塊だからそうそう出回らないと思うけれど頑張ってね。
   そもそも、終活ってなにをすればいいか理解してるの?

三浦:殺されたときに血で犯人の名前を残せばいいんでしょ。

武田:だとしたらダイイング・メッセージだね。
   確かに殺されるんだったらぜひとも残していただきたいものだけれども。
   そうじゃなくて、葬儀やお墓の手配や遺産相続をまとめたり家族やお世話になった人へのメッセージを残すの。

三浦:それを殺されたときに血で書き残せばいいのね。

武田:碧ちゃん。殺されるっていう前提覆そうか。あと、そんなに長々メッセージ書けるなら救急車呼ぼう。

三浦:だって、せっかく血が出るんだから有効活用しないと!

武田:有効活用した結果、すべてが無に帰すよ。

三浦:そのメッセージを残すのが「エンディング・ノート」でしょ?

武田:そんな限定的な使い方は想定されていないよ。
   さっき碧ちゃん古本屋で「エンディング・ノート」を探すって言ってたけれど、
   古本屋に置いてあるとしたら大事な証拠物件が流出しちゃってるからね。日本警察はそんな杜撰じゃないよ。
   それにそもそも血が出るかは殺され方によるよ。

三浦:そっか。じゃあ、完君! 私を殺す時は刺して殺してね!

武田:野球をするとき以外で碧ちゃんを刺したり殺したりする機会はないけれどね。

三浦:ソフトボールはしてくれないの!?

武田:お望みとあらば。……そうじゃなくて、ベッドの上で安らかに亡くなった前提で話を進めよう。

三浦:じゃあ、私が死んじゃった後に伝えたいメッセージを考えたから読むね。

武田:わかったよ。

三浦:「みんなへ。今までありがとう。みんなに支えてもらって私の人生は幸せでした。
    さよならは辛いけれど、どうか悲しまないでください。死後はクリスピークリームドーナツの油の神として祀られますから安心してね」

武田:碧ちゃん、その願いに固執するのやめようか。没後にそんなこと言われたら、せっかくの悲しみが行方不明になってしまうからね。

三浦:「みんなへ。今までありがとう。みんなに支えてもらって私の人生は幸せでした。
    そして、理子。ごめんね、実はあなたは私の娘ではないの。誘拐した子供なの」

武田:碧ちゃん、その願いこそ今すぐ捨て去ろうか。

三浦:「それはさておき、どうか悲しまないでください。死後はクリスピークリームドーナツの油の神として祀られますから安心してね」

武田:碧ちゃん、出生にまつわる衝撃の告白をさてでおかないでよ。
   それに、それだけの悪事を働いたら神様になんてなれないと思うよ。

三浦:「出雲大社に祀られているからぜひ会いにきてね」

武田:碧ちゃん、隙間産業の分際で大国主と肩を並べようとしないでよ。
   碧ちゃんの希望は一回忘れよう。忘れた上で、遺された人へのメッセージを伝えよう。

三浦:「みんなへ。今までありがとう。みんなに支えてもらって私の人生は幸せでした。
    私の最後のお願いを聴いてください。できることなら病院ではなく自宅の畳の上で死にたいです」

武田:碧ちゃん。一足遅い。それは生前に伝えよう。没後にお願いするならお墓とかにしよう。

三浦:「お墓はいりません。葬儀にも出さなくていいので自宅の畳の上でずっと寝かせてください」

武田:畳への執着心がすごいね。叶えたいのは山々だけれど、そうしたら僕たちが捕まるから。畳は諦めよう。

三浦:「お墓はいりません。葬儀にも出さなくていいので、人気のない山の中に穴を掘って遺棄してください」

武田:碧ちゃん、そうなってくると犯行計画書だよ。なんでそんなにお墓が嫌なのかな?

三浦:だって、お墓とかお葬式とかお金がかかるでしょ? 遺されたみんなのためを思ってのことだよ!

武田:碧ちゃん、思いやりの精神はありがたいけれどそのせいで僕らが罪を被るはめになるよ。
   ちゃんとお墓は建てよう。建てた上でメッセージを残そう。

三浦:「お墓はもう建ててあります。そして、あなたが好き。ずっと一緒にいたい。
    生きているときはもちろん死んでからもずっとずっと一緒に。だから、私と一緒のお墓に入りましょう」

武田:碧ちゃん、「終生変わらぬ愛を誓って永久就職するための活動」になってるよ。

三浦:ほら、やっぱり面と向かって言うと照れちゃうからさ……。

武田:それこそ生前に伝えようよ。没後に愛を知らされて遺された方の身にもなってよ。
   そうじゃなくて、終活なんだからもっと財産とかそういうことを書こうよ。

三浦:「私にとっての財産はお金でも宝石でもなく、あなたと過ごしたかけがえのない日々です。
    そんなかけがえのない日々をこれからもずっと続けていきたい。私と一緒のお墓に入りましょう」

武田:また「終生変わらぬ愛を誓って永久就職するための活動」になってるよ。
   そうじゃなくて、財産について書こうよ。

三浦:「武田完」

武田:急になに? 僕の名前なんか書いて。

三浦:ほら、完君にはお世話になった大切な人だからね。
   完君と過ごした日々、完君とやった漫才、完君がくれた全部が私にとってなによりも大切な財産なんだよ。だから完君の名前をね……。

武田:碧ちゃん……。

三浦:完君の名前を血文字で書くんだ!

武田:当局はダイイングメッセージとしてしか受け取ってくれないよ。いい加減にしようか。

二人:ありがとうございました。














F−9
エントリーNo.068
QQQ

虚人
Q1:おい!!

Q2:・・・・・・。

Q1:何やってんだよおい!!

Q2:?

Q1:危ないだろそんな無防備で歩いてちゃ!!

Q2:何してんですか?

Q1:見りゃ分かるだろ。死んだフリだよ!!

Q2:死んだ・・・フリ?

Q1:そうだよ!!こう仰向けになってジーっと目閉じてなきゃやられちゃうだろ!?

Q2:えっ そうなんですか?

Q1:そうだよ!!

Q2:そうなんですか・・・。

Q1:・・・・・・。

Q2:・・・・・・。

Q1:・・・・・・。

Q2:・・・それじゃ!!

Q1:何でそうなるんだよ。危ないじゃんかだから!!

Q2:いや僕そういうのだいしょぶなんで。

Q1:何なの?どっから湧いてくんだよその自信は。死にたいのかよお前!?

Q2:そもそも生まれてないんで。

Q1:・・・・・・。

Q2:・・・それじゃ!!

Q1:いやいやいやいやいやいや

Q2:何ですか?

Q1:何言ってんの?

Q2:何がですか?

Q1:何がですかも何も・・・ピンピンしてるじゃん。

Q2:え・・・そう見えます?そう見えちゃってます!?

Q1:何でそんな嬉しそうなんだよ気持ちわりぃな!!

Q2:何かそう言ってもらえると何ていうか生き生きして来るっていうか・・・生き生きしがいが出て来るんですよね。

Q1:当たり前だろ生きてんだから。何?お前はそんなしょうもない嘘ついてまでそっち行きたいってのか!?

Q2:・・・嘘じゃないですよ!!あ、まぁ嘘ついてるっちゃそうなんですけど。
   あぁまあでも・・・裏を返せば嘘つけてるって事だし・・・良いのか。
   そういった意味では胸を張っても良いのかもしれない・・・そうだ!!きっとそうだ!!

Q1:・・・・・・。

Q2:そうだ!!これからも・・・胸張って生き生きと生きたフリをして行こう!!

Q1:・・・・・・。

Q2:そう!!生き生きと!生めかしく!生々しすぎるほどに!!

Q1:待て待て待て待て

Q2:例え生乾きであれど!!

Q1:いやだからどこ行こうとしてんだよ!!ていうかもう・・・これ以上仰向けの人に追いかけさせないでぇ!?

Q2:!?

Q1:もう岩とかモロだから!背中に!ダイレクトに来るから!いろんなアレが!!

Q2:・・・ぁあ何かすいません。

Q1:動きたくないのだから。なぜならもう死んでいるのだから。死んでいる者として生きているのだから。

Q2:さっきからアレなんですけど・・・ホントに死んだフリしてるんですか?

Q1:見りゃ分かんじゃん。

Q2:・・・・・・ぜんっぜん死んでるように見えないですよ?

Q1:良いんだよ別に。その場さえ凌げりゃOKなんだから。

Q2:死体っていうより・・・素材っぽいです。

Q1:は?

Q2:美味しいいただかれちゃいそうな感じっていうか・・・。
   誰かにくわえられたまま引きずって行かれそうなオーラが半端ないんですよね。

Q1:願ったり叶ったりじゃんかよ。完璧に死んだフリ出来てるって事だろ。

Q2:死んじゃいますよ多分。本末転倒じゃないですか。

Q1:何なんだよ!!お前こそさぁ何だよさっきの!!
   生めかしく生まれてませんみたいな訳分かんねえ言い訳して人様の忠告はスルーしやがって!!

Q2:・・・いやいやいやあなたのフリなんかに比べたら断然僕の方が上手くやってますって!!

Q1:だから死んだフリしなきゃ危ないって何回も言ってんじゃんか!!

Q2:だからやってるんですよ!!

Q1:何をだよ!!

Q2:生きているフリですよ!!

Q1:何なんだよだからそれは!!

Q2:アレですよ?僕と自然に会話しちゃってる時点でもうあなた騙されてるんですよ!?

Q1:どういう事だよ!

Q2:こうやって僕と自然に会話しちゃってる時点でもうあなた騙されてるんですよ?

Q1:何で2回も・・・何だよ急に怖い怖い怖い

Q2:僕は生まれてないんです。

Q1:生まれて・・・ない?

Q2:フリなんですよ全部。全然そう見えないでしょ?なぜなら僕の擬態が上手いから。

Q1:嘘だろ・・・。

Q2:もういいですかね?

Q1:嘘なんだろ?

Q2:嘘じゃないんです。

Q1:嘘だ!!

Q2:嘘じゃない!!

Q1:嘘だって!!

Q2:待てよ?

Q1:?

Q2:ということは・・・同時に嘘を貫き通してる事になる。つまり・・・そういう意味では嘘を付いている・・・!?

Q1:え、嘘なの!?

Q2:あぁいやいや嘘じゃないです。まぁ嘘っちゃ嘘なんですけども。

Q1:どっちなんだよ・・・どっちなんだよ!!

Q2:ダブルミーニング!!ダブルミーニング!!

Q1:何なんだよもう!!お前何なんだよもう・・・。

Q2:とにかくねぇあなたの死んだフリなんかと僕の生きているフリを一緒にしないでもらいたい!!

Q1:なっ・・・お前人の死んだフリ馬鹿にすんなよな!!

Q2:だって目閉じて横たわってるだけでしょ!?オッサンかっ!!

Q1:うるせぇよ!!悪かったなオッサンで!!

Q2:オリジナリティの欠片も無いじゃないですか!!

Q1:要らないんだよそもそも!!相手を騙すのが目的なんだから!!
   騙してるんならそっちだって同じ穴のムジナだろ。

Q2:こっちは今まさに騙してますけどね。
   いいですねぇそっちの人は・・・寝れて食えてヤれて死ねるワケですから。

Q1:みんなそうだろ。

Q2:こっちなんて毎日食ったつもりで寝たフリこいて毎晩エアセックスですよ。

Q1:何だその暮らし!!虚無感の塊じゃねぇか!!

Q2:いつになったら本番を迎えられるんですか・・・一体あと何回エア童貞のノルマを減らしゃ良いんですか!?

Q1:エア童貞って何だよ!!つーかそもそも一度捨てたら無くなるもんだろ。

Q2:えっ そうなんですか?それはまだ習ってない・・・。

Q1:ふつう習わねえんだよ。

Q2:ただ、そんな貴重なものを捨てるなんて・・・ものすごくとんでもないような気がする!!

Q1:・・・捨てたくても捨てられない人だって大勢いるんだけどな。

Q2:え?捨てるのが嫌なら転売すれば良いのに・・・。

Q1:そんな簡単に取り外しできるもんじゃねぇから!!

Q2:え!?いつかこの世のありとあらゆる童貞を買い占めようと心に決めていたのに・・・

Q1:お前童貞のこと何だと思ってんの!?謝れよ全ての童貞に!!
   何なんだよその大きいんだか小さいんだか良く分からない夢は!!

Q2:何でそんなムキになるんですか!?知らないですよ!!

Q1:いや察してよ・・・察してよそこは。

Q2:何なんすか意味分かんないですよ・・・。

Q1:・・・散々訳分かんないこと喋り倒して来てよく言えるな!?

Q2:・・・ぁあ何かすいません。

Q1:なんかもう埒あかないから説明しろ!!全部!!

Q2:えぇ!?

Q1:全部事情説明してもらわない限りどこにも行かせないからなッ!!

Q2:だからさっき話したじゃないですか・・・。

Q1:ほら早く!!

Q2:・・・・・・もうこれ以上は・・・限界かな。

Q1:よし。聞かしてもらおうか

Q2:嘘に嘘を重ね続けるのには正直疲れてたんですよね・・・これでやっと解放される。

Q1:えっ何そんな重々しいのこれからの話って。

Q2:そう、あれは僕がまだマイナス十七歳だった頃でした・・・。

Q1:・・・・・・。

Q2:この世に生まれて来る日に胸膨らませ−2999年が来るのを待ちわびていたんです。

Q1:・・・・・・・・・。

Q2:早く生まれたかったんですよね・・・若かったんです。本来ならちゃんとマイナス十七年経てば、
   精子卵子さんと提携を結んで晴れて母体入りが出来たんですけどね!!

Q1:・ ・ ・ ・ ・。

Q2:背伸びしてたんです。背伸び背伸び繰り返し見栄張って嘘ついてサバ読んで・・・不正入界。

Q1:・  ・  ・  ・  ・

Q2:不正入界成功、ふらふら生きてるフリして楽しんたフリしてたんですよ・・・・・・。

Q1:・・・聞かなきゃよかった。

Q2:でももう満足です。ニセ札作っていろんなとこ行きましたから。

Q1:聞き捨てならないな。

Q2:ありがとうございました・・・まさか僕なんかに説教してくれる人がいるなんて思いませんでした。

Q1:・・・・・・。

Q2:そろそろ帰ります。また会えたらいいですね・・・。

Q1:あ、ゴメン聞いてなかった

Q2:それじゃ!!

Q1:あ、危ないッ!!

Q2:!?

( バ キ ュ ー ー ー ー ー ン ! ! ! ! )

Q1:ほら言わんこっちゃない・・・!!おい大丈夫か!?おい!!

Q2:・・・・・・。

Q1:・・・・・・。

Q2:あ、僕こういうのだいしょぶなんで。

Q1:何なの?














F−10
エントリーNo.001
リーベルパウンド

漫才/篭人
古城:どうもリーベルパウンドと申します。

   いやぁ、俺ねぇ熱血高校教師になって引きこもりの生徒を説得するのに憧れてるわけ。



氷谷:じゃあ、僕はどこかしらの女の子と結婚して、子供を作り、立派な引きこもりに育て上げますんで。



古城:いや、ここでお前がやれよ!そんで立派な引きこもりって言葉なんなんだよ。



氷谷:その間に古城さんは教員免許をとって下さい。



古城:何年計画だよ!そこまでリアルな話はしてないから。もう俺26だしね。



氷谷:でも、結婚するにしてもどうすればいいですかね。

   僕25だから年齢でダメとかはあんまり無いと思うんですけど出会いが無いですし。



古城:俺の話どうなったんだよ!

   まぁ、それについては合コンとかで知り合えばいいんじゃない?



氷谷:合コンですか。でも、合コンってやっぱ初めて会う人が多くて緊張しそう。



古城:いやいやそこが醍醐味なわけじゃん。



氷谷:それなんで両親を連れてきてもいいですか。



古城:保護者同伴の合コンって!気を使うわ!



氷谷:でも、ウチのお父さん50だけどなんだかんだでモテるんで一番かわいい女の子お持ち帰りしそう。



古城:妻がいるのにお持ち帰りとかチャレンジャーが過ぎる!



氷谷:次の日に母に袋にされて、それで最終的にお袋にされて。



古城:お袋って!浮気出来ないように去勢されてんじゃねえか!怖っ!!

   そんなカマにされそうだと思うなら連れてくのやめとけよ。



氷谷:それでなんやかんやで合コンして結婚までたどり着くじゃないですか。次は出産ですよね。

   ここは引きこもりらしく母親の身体の中に30年は留まっていて欲しい。



古城:もう生まれる前から!?そんなにいたら母胎が危ないわ!



氷谷:190センチぐらいで産まれてきて。



古城:フィジカルほぼ完成されてんじゃねえか!



氷谷:あと双子だと古城さんも2回説得出来て嬉しいんじゃないかなと思います。



古城:俺の事考える前に母胎の事を考えて!

   190センチの子供が二人まとめて産まれて来るとか悪夢だわ!



氷谷:それで僕の子供がすくすく育って高校に行って引きこもるようになります。

   そこで古城さんの出番です。お願いします。



古城:その頃には俺の熱確実に冷めてるわ!



氷谷:まぁ、50年後くらいなんで。



古城:50年後って定年じゃねぇかよ!俺76歳だぞ!?

教員免許を取る意味もゼロじゃねぇか!



氷谷:それで古城さんが引きこもりになった僕の子供を救うんです。

   でも、古城さんの事だからドアをコンコンっとしただけでウチの子供が出てきちゃうかもしれないですね。



古城:それはそれで面白くねぇよ!



氷谷:遠くで耳クソをほじるだけで引きこもりが出てきそう。



古城:最早やる気ゼロじゃねえかよ!それでも出て来るのかよ。



氷谷:ウチの子供が古城さんの耳クソと共に出て来るなんて…光栄の極みです。



古城:…どこに有り難がる要素があるんだよ!

   っていうかそんな簡単に出て来られたら困るって。こちとら結果より過程が大事なんだよ!



氷谷:過程が大事って!ウチの家庭の方は大事じゃないんですか!



古城:やかましいわ!



氷谷:息子が引きこもってるんですよ!



古城:お前が勝手に息子を引きこもりにしようとしたんだろうが!

   いいよ!引きこもりになったら最終的に説得してやるから!行ってやるよ!76歳のジジイがよぉ!



氷谷:それはそれは助かります。その時は是非お迎えに上がります。



古城:車かなんかで?



氷谷:いや、僕がおんぶして行きます。



古城:無理すんなよ!お前そん時75歳だぞ!



氷谷:それで家についてお茶を一杯入れてもてなしてね。



古城:まぁ、それは有り難いけど。



氷谷:その内昔話に花が咲いたりなんかして。

   それで古城さんがもう時間だからそろそろ…とか言って帰っちゃうというね。



古城:説得はどうした!昔話しただけで終わっちゃったよ!



氷谷:そしてとうとう説得の時が来るわけですよ。



古城:ホントは今この場でやりたいんだけどな!この場で!



氷谷:僕が「どうして引きこもりになってしまったんだろう…小さい頃はあんなに可愛く明るかったのに。」って言って。



古城:まず小さい頃がねぇよ!190センチで産まれて来てんだろ!?



氷谷:古城さんが俺がなんとかしてやるよって言って。

   それで古城さんがウチの息子にどうして引きこもったのか聞くんですよね。



古城:やっぱ原因を究明しないと何を言えばいいのかわからないしね。

   大抵は学校でいじめられたとかそういう事だと思うんだけど。



氷谷:靴に画鋲を入れられたとか。



古城:あー。よくあるやつね。



氷谷:それは全く気にならなかったんだけど、画鋲に気付いた時にガビョーンって驚いたら周りのみんなドン引きされて心が折れたとか。



古城:理由くっだらねぇな!どういうメンタルをしてんだよ!

   あとは野球部のエースだったんだけど肩を壊して…とかね。



氷谷:そこに古城さんがパーンと昔話を語るわけですね。

   でも、昔話が面白くて側に居た僕が食いついちゃって結局立ち話もなんだからって茶の間で話してしちゃったり。

   それで古城さんがもう帰る時間だ。って言ってそのまま帰っちゃうんですけどね。そこに僕がお土産を渡して。



古城:また帰るのかよ!説得しろよ俺!



氷谷:持たせたお土産で古城さんがお腹壊しちゃったりなんかして1ケ月位延び延びになってね。



古城:俺になんてもん食わそうとしてんだよ!ダラダラやってんじゃねえぞ!



氷谷:で、また次の日色々言って、身体壊した僕の子供を古城さんが説得するわけですよ。

   僕の子供は巨大ヤドカリの殻の中に住んでてそこに古城さんが来て。



古城:住処のミステリアス感がえげつねぇわ!



氷谷:その年に僕の父が素手で退治したヤドカリってことで。



古城:どういうことだよ!巨大ヤドカリを退治した100歳のオカマジジイってワケわかんねぇよ!



氷谷:さぁ、今まさに殻に籠ってる息子に鶴の一声を。どうぞ!



古城:やかましいわ!じゃあ「お前はこのままやめたら一生後悔するぞ!」これで。



氷谷:あぁ…素晴らしい。もう世界中の引きこもりが一気に出てきそう。



古城:そんな大層なものではないけどな!



氷谷:で、しばらくすると以前より筋骨隆々になった僕の息子が出てくるわけです。



古城:ガッツリ鍛えてる!!身体壊した引きこもりがガッツリ鍛えて来るなんて予想外過ぎるわ!



氷谷:天井というかヤドカリの殻を突き破って出て来るんですけど。



古城:それ引きこもりの出方じゃねぇわ!気力体力が酷く充実してやがる!



氷谷:そこに俺のお父さんがやって来て、筋骨隆々になった息子を見て「あら、またいい男になったんじゃなーい」って。



古城:カマになったお前の親父邪魔だわ!

   

氷谷:それでもう1人説得して貰って。



古城:だからなんで双子の予定なんだよ!二人も一度に引きこもったら面倒だろって!



氷谷:それで古城さんに説得された二人からプレゼントという事で50キロのダンベルを2つプレゼント。



古城:76のジジイにはまさに荷が重いわ!持って帰れねぇよ!



氷谷:「あら、持てないの?それなら古城ちゃんと一緒にお持ち帰りしてあげちゃう。」

   そう言って軽々と古城さんとダンベルを持ち上げて…。



古城:どうあがいても絶望じゃねえか!

   俺も酷い目遭わされそうだしお前のライフプランもめちゃくちゃになるから説得はもういいよ。



氷谷:このままやめたら一生後悔しますよ!



古城:やった方が後悔するわ!いい加減にしろ。














F−11
エントリーNo.076
フランスパン

コント/卒業式の日に告白を
クミ:はぁ、卒業式も終わっちゃったなぁ・・・。都会の大学に進学するし、これで皆ともお別れかぁ・・・

(クミから離れた所に制服姿の森本と渡瀬がいる)

渡瀬:森本、俺今からクミに告白してくるよ

森本:行ってこい、お前ならきっと上手くいくさ

渡瀬:あぁ、行ってくるぜ

クミ:何もすることも無いし、帰ろ・・・

渡瀬:クミ、ちょっといいか

クミ:あ、渡瀬君。どうしたの?

渡瀬:俺・・・クミのことが好きなんだ。付き合ってくれ!

クミ:・・・ごめんなさい、あなたとは付き合えない

渡瀬:そ、そうか・・・

森本:何でなんだよー!何で付き合わないんだよー!

クミ:森本君見てたの!?

渡瀬:森本、お前は出てくるなよ。これは俺とクミの問題なんだから

森本:僕、渡瀬がクミのことずっと好きなの知ってたから裏で色々とやってたんだよ!

渡瀬:色々って、何をやったんだよ?

森本:デマを流したんだよ

クミ:デマって、一体何を流したのよ?

森本:これは周知の事実だが、クミは言わば美人で、この学校のビヨンセ的存在だ

渡瀬:それ言うならマドンナだろ

森本:クミに悪いイメージを付ける為に、この学校の生徒がよく見てる掲示板にクミがコンビニで万引きしている合成写真をアップしたり

クミ:何アップしてんのよ!?

森本:大丈夫、顔はクミで体はちゃんとビヨンセだよ

クミ:何でビヨンセにするの!?私と体全然違うよ!

渡瀬:おいおい、俺のことを思ってクミから他の男を遠ざけようという気持ちは分かるけどさぁ・・・

森本:あと、クミが『ハゲの校長と援助交際してる』というデマを流したんだ

クミ:ええっ!?

渡瀬:森本!それはやりすぎだろ!

森本:そうすれば皆確実にクミを遠ざけると思ったからな

クミ:渡瀬君ひどい!

森本:僕もちょっとやり過ぎた感は確かにあったよ。ごめん

クミ:森本君、その情報誰から知ったのよ!

森本:誰から聞いたってこれは僕が流したデマなんだから聞くも何も

クミ:もう一回聞くよ。私が『ハゲの校長と援助交際してる』事実を誰から聞いたの?

森本:ん?ん?・・・・・・んんっ!?

渡瀬:ええっ!?クミ、マジで校長と援助交際してたのかよ!?

クミ:うん。私、校長のハゲ頭を見てたら逆レイプ願望が湧いてきちゃってね

渡瀬:何でそんな願望湧いちゃうんだよ!

森本:マジかよ、校長と援助交際してたのかよ・・・

渡瀬:森本もビックリしたよな

森本:おう、だって校長と援助交際してたのがまさか僕だけじゃないなんて

渡瀬:ちょっと待てー!?お、お前も校長と援助交際してたの!?

森本:そうだよ!だからあの援助交際のデマはクミに他の男を近付けさせないデマであると同時に、校長を他の人に取られない為に流したデマなんだよ!

渡瀬:その結果デマに使った女と援助交際してるけどな!しかし、まさか校長が生徒二人にお金渡して肉体関係を持っていたなんて・・・

クミ:あ、こっちは私が校長にお金あげてるんだけど

渡瀬:ええーー!?クミがあげてんのー!?普通女子高生の方が貰う側だろ!?

クミ:まぁ、逆レイプさせてもらってますし、私結構収入あるから

渡瀬:おいおい、収入って何かヤバいバイトしてるんじゃないだろうな

クミ:私、援助交際で二股してるから、もう一人の方からお金貰ってるの

渡瀬:ええーー!?二股なのー!?しかもそっちも援助交際って相手はどんな奴だよ?

クミ:ビヨンセ

渡瀬:ビヨンセ!?ビヨンセと援助交際してんの!?

クミ:うん、来日する度抱かれてる。それで多額のお金を貰ってる

森本:やっぱりこの学校のビヨンセ的存在だったね

渡瀬:ある意味な!しかし今日だけで幾つも驚きの事実が発覚してるんだが

森本:そうだな。まさか援助交際でお金を払っているのが僕だけじゃないなんて

渡瀬:お前もかよ!?お前は校長から貰った金を渡して誰かを抱いてんのか!?

森本:そうだよ。渡瀬の母さん抱いてるんだけど

渡瀬:ええーー!?あ、あの親父に先立だれてシングルマザーの和子を!?

森本:抱かせてもらってます

渡瀬:マジかよ!

森本:全然気付かなかったのか?

渡瀬:いや、半年前から総菜屋のパートタイマーに行かなくなったから何かあるとは思ってたよ。収入源お前かよ!

森本:だってさぁ、和子はエロいんだよ。和子の和子な部分がグッショグショでもう和子なんだぜ

渡瀬:和子和子うるせえな!

森本:和子って言うな!お母さんって呼んであげろよ!

渡瀬:普段は呼んでんだよ!!お前が和子って言ってるからそう言ってるんだろ!

クミ:ちょっと渡瀬君、お父さんだってこう言ってるんだし和子呼ばわりは良くないよ

渡瀬:俺は父親と思ってないからなー!!
   もう何なんだよこの援助交際の金の流れ!ビヨンセがクミに、クミが校長に、校長が森本に、森本が母さんにって驚く所が多すぎるよ!!
   俺の母親が同級生に抱かれ、援助交際に関わってるのがビヨンセ以外知り合いだし、そもそもの流れがビヨンセから始まってるし、
   まさかクミと森本の二人が援助交際で二股でバイセクシャルだったとはな!!

森本:援助交際で二股でバイセクシャルなのは二人だけじゃないよ!校長もだよ!

渡瀬:確かにそうだな!しかも校長の場合はそれに加えて生徒に手を出してるから更に酷えよ!

クミ:あの、渡瀬君。私、更にもう一つ言わなきゃいけないことがあるんだけど

渡瀬:まだ何か言うことがあるのかよ?これに匹敵するようなヤバいことじゃないだろうな

クミ:私、実は未来からやって来たの

森本:ええーー!?

渡瀬:クミ、この流れで頭おかしくなったのか?

クミ:おかしくなってないよ。これは本当のことだよ。気付かなかった?

渡瀬:確かに、明らかに日本人の顔立ちなのに『クミ・サルタラマッキア』の時点で何かあるとは思ってたよ

クミ:サルタラマッキアは仮名よ。未来からやって来たのは、正しい歴史にする為。だから私はビヨンセに抱かれたの

渡瀬:正しい歴史にするのに何でビヨンセに抱かれるんだよ

クミ:そうしないと、お金が無いから校長を抱けない、つまり校長も森本君を抱けない
   だから森本君が渡瀬君のお母さんを抱けないから、渡瀬君のお母さんがムラムラしてきて渡瀬君を逆レイプします

渡瀬:俺逆レイプされるの!?和子は実の母親だぞ!

クミ:本当は血は繋がってないんだけどね。それでまず私はビヨンセのコンサーt

渡瀬:ちょっと待てー!?俺母親と血縁無いの!?

クミ:お父さんとしか血縁ないみたいだよ。どうやらお父さんの連れ子だよ

渡瀬:確かに、母親との年齢差が15歳の時点で何かあるとは思ってたよ
   ひょっとしたら14歳の母的なことがあったんじゃないかと淡い期待を抱いたこともあったよ!
   でもなぁ、マジで繋がってないのかよ!

クミ:渡瀬君、血縁が無いと分かってたら逆レイプされたくなった?

渡瀬:されたくねえよ!母親との距離感が分かんなくなるだろ!もう何なんだよ俺の家庭は・・・

森本:渡瀬、凄く言いにくいんだが、僕からも更にもう一つ言わなきゃいけないことがあるんだけど

渡瀬:まだ何か言うことがあるのかよ・・・。もう流石にこれ以上の告白はないだろ

森本:僕は明日の誕生日で18歳になるから和子と籍を入れようと思ってる

渡瀬:俺の家庭をぶっ壊すなーー!!籍入れるとかどういうことだよ!俺どうしたらいいんだよ!

森本:まず僕をお父さんと呼ぼうか

渡瀬:お前をお父さんと呼べるか!

森本:呼んでくれよ渡瀬!あ、息子になるから渡瀬じゃなくてお前も森本だったな

渡瀬:俺森本になんねえからな!認めねえからな!

クミ:でもお父さんがちゃんと結婚してくれなきゃ困るのは渡瀬君だよ

渡瀬:クミ、コイツなんて父親じゃねえよ!

クミ:だって私にとってもお父さんだもの

渡瀬:私にとってもお父さ・・・・・・え?

森本:ど、どういうことだ?

クミ:私は、森本君と和子さんの娘のクミよ

渡瀬:・・・・・・えーーーーー!!?

森本:マジで!?ということは僕の娘なのか!?

クミ:そうだよお父さん。私は20年後から来たの

森本:む、娘・・・うっ・・・グスッ、グスッ・・・

クミ:ちょっとお父さん泣かないでよ

森本:まさか近いうちに和子がゴム無しでヤらせてくれるとは・・・

渡瀬:何に感動してんだよ!そんな理由で泣いてんじゃねえよ!泣きたいのはこっちだよ!
   お前が母さんと結婚して、しかもその間に産まれるのがクミだなんて、それじゃあクミは妹じゃねえか!

森本:じゃあどっちみちこの告白ダメだったな

クミ:あ、私そろそろあっちの時間軸で上京しないといけないから行くね。お父さん、お兄ちゃん、行ってきまーす!

(クミ、立ち去る)

森本:いってらっしゃーい!

渡瀬:血が繋がってないのに妹だなんてー!!こんな失恋あるかーー!!

森本:クミ行っちゃったな。しかし、失恋というのは辛いよな我が息子よ

渡瀬:親父面すんじゃねえよ!俺ずっと好きだったんだぞ・・・

森本:実は、お前に言わなきゃいけないことを一つ思い出したんだ

渡瀬:まだ何かあるのかよ!?どんだけ俺を驚かすつもりだよ!?

森本:父さん、単位が足りなくてもう一度高3をやることになったんだ。驚いたか?

渡瀬:告白の内容が今までに比べたらショボくて逆に驚いたよ!!