
一番 特徴的なのは、手鍵盤だけしかないのにペダル鍵盤も演奏しているような重厚なベース音がベースパートだけに付加さ れるという機能です。 低音部の30鍵分の音域で、どんな和音を押しても、必ずその最低音だけに16フィートの低音が付加されて出ますので、賛美歌の4声部を弾きますとベースのパートだけが16フィートの低音が重なって、曲全体が厚みを増すのです。(この機能はペダル鍵盤付の機種には装備しておりませんが、ご希望でしたらオプション追加可能です)
2番目の特色 オルガンの基音というべきプリンシパルのストップが3オクターヴ用意されていることです。教会オルガンらしい豊かなオルガン音はこの
プリンシパルの響きがどのくらい充実しているかによって決まるといっていいほどオルガンにとって大切なストップです。
Prinzipal 8’, Oktav 4’, Super oktav 2’この3ストップをこのオルガンには用意しました。(小型のオルガンには普通3オクターヴも プリンシパルは付きません)
3番目の特色 ミクスチャーのストップも付きました。明るく輝く倍音管です。パイプオルガン的な明るく力強い響の源泉というべき音色をもっています。結婚マーチやクリスマスの「もろ人こぞりて」のような喜びにみちた曲想には欠かすことの出来ないものです。
4番目の特色 強く明るい音ばかりがオルガンの音ではありません。繊細な弦楽器系の弱音ストップも付けてあります。ガンバ、セレステの2つの弦楽器系ストップの音色は大変優美なものです。 どちらも弦楽器系の細い弱い音なのですが、意図的に少しだけ調律をずらせてありまして、2つのストップを同時に鳴らしますと春霞を思わせる穏やかな音のバイブレーションが発生して天の声を意味するセレステの独特の優しい音色が醸し出されます。
5番目の特色 柔らかく素朴な音色のフルートのストップも2オクターヴ用意して、静かな前奏曲に合った奏楽音が響きます。
6番目の特色 鍵盤楽器の命である鍵盤そのもの。材質がすべて木製であることです。大量生産のプラスチック製のものとは比較にならない質感、手触りの良さを実感して戴けること受け合いです。白鍵には黒檀材を使用し、黒鍵には楓材を使用しております(したがって、よく見かける普通の鍵盤とは黒白逆の色合いに見えます)。 これはチェンバロやパイプオルガンでは普通のことですが、電子オルガンとしては異例のことと存じます。木製の鍵盤の寿命の長さは、多くの歴史的木造建築や美術品、バロック時代のパイプオルガンなどですでに証明ずみのことと思います。
また鍵盤を離して戻るときのもどり方が特徴的です。これは他のどのメーカーにも無い方法ですが、バネを使わず重力バランスで戻る方法なのでタッチが自然で、長時間練習にも疲れを感じさせないものです。これもパイプオルガンやチェンバロとよく似ています。岡野オルガンが弾き味と頑丈さを大切にしている楽器であることの一番の証明であると考えております。
7番目の特色 「音が楽器の上方向に出る」電子オルガンといいますと、普通、音の出口は演奏者の膝元に出ると想像されるかも知れません。しかし、岡野オルガンは礼拝堂で賛美のために用いられることを目的に設計製作しているものですので、礼拝出席者によく聞こえることを第一義に考えます。
楽器の上方向に音が放たれますと、真上の天井に音が反射して、後ろの席に座っている人にもオルガンの音がよく聞こえるという長所が生まれます。このことは、私共開業以来35年の経験で実証ずみのことです。
自然楽器でアナログではない楽器というものは存在いたしませんが、近年の電子技術の発達によりデイジタル回路を用いたオルガンというものが一般的に多く見られるようになってきました。これはあくまで好みの問題ですから事の善し悪しを論評する意思はありません。
電子楽器であっても、アナログ技術で作る楽器には作る人間の感性が求められますし、経験や勘による判断で音作りが為されるものですからどうしても大量生産に向きません。その点、デイジタル技術を応用したコンピューターオルガンというものは誰が作っても同じものが出来、量産に向くということでほとんどのメーカーがアナログをやめてデイジタルに走ったというのがここ35年位の経過だと思います。生産の効率を最重視した経済効率最優先の企業が迷わずこの方式に乗り換えたのはある意味で当然のことでした。
しかし、この方式による楽器は、自然楽器の持つ微妙な味とか時間の経過によってほんの少し音色に変化が出る、といった、数値で計ることの出来ない個々の微妙な味というものを切り捨ててしまったもので、なにか現代の偏差値教育の在り方と共通する発想上の問題点がありそうに思えてなりません。
私は日本の教会用のオルガンに合う優美な音、量感あふれる響きをもった楽器の質感はやはりアナログオルガンでなければ出ない味というものがあると思っております。
デイジタルには中間的な数値というのがありません。0か1かという2者択一を恐ろしいスピードで選択し、棒グラフの形で原音の波形になるべく近い波形を再生するという発想で音を出しております。したがって、非常に割り切りのよいすっきりしたクリアーな印象の音がすることは確かです。ちょうどCDを聞いているような音と申せばいいと思います。
しかし、なにか物足りない、なにか違う、聞いていてどうも疲れる、という現象が少なからず報告されるという点でもCDと似ています。
つまり、はっきりとではないけれどLPレコードで聞くと聞こえた音がCDではなぜか聞こえてこない、高い音域が何となく金属的である、LPレコードだといくら長時間聞いていても疲れることはないのにCDだとなぜか疲れるという現象が報告される裏にはやはりデイジタルの持つ特異な何かが作用していると考えるのが自然でしょう。
この特異な何かとは数値化、細分化された「不連続の」「部分」をつなぎ合わせて再合成するという方式からくるつなぎ目のノイズによるものと思います。ワープロの文字が少しギザギザの刺があるのと似ています。棒グラフの階段状の形を思い浮かべてみて下さい。1本の棒と隣の棒の間は90度の角度で落差があり、この落差は自然音には無いスイッチングノイズ、”矩形波の高調波”と呼ばれる刺激音を生みます。人間の耳に聞き分けられる音ではないのですが神経には作用しているということなのでしょう。
アナログの良さはこの反対だとお考え下さればよろしいと思いましたので敢えて申し添えました。
つまり、アナログ方式は、音を連続のものとして発音し(当り前ですが)、ここまで申し上げて思い出しました、発音も連続なら鳴り終わりも連続なのです。
デイジタルオルガンは音の立ち上がりにずいぶん気を使って、本物の楽器の音を録音し、その立ち上がり方をコピーすることで原音に近い音を出そうとしているのですが、困ったことに音の鳴りやむときの状態まではコピーしないでいるのではないでしょうか。そのことはデイジタルオルガンを弾いて見ると、鍵盤を離した瞬間に、鍵盤の離しかたとは関係なく一瞬変な音が残るので分かります。
なぜ残るかと申しますと、電気的に一瞬音を残す遅延回路が組み込まれているからです。これは、音を一瞬残すようにしないと、プッツンと音が途切れてしまって、とてもギクシャクした音楽に聞こえてしまうからです。つまり、記憶されたデータを呼び出すという形式で音を出しておりますため、鍵盤を離した瞬間にデータが無くなるという事態が起こり、この突然のデータ喪失は音としてはプツンと途切れたという感じになってしまうからです。
これを目立たなくするために、エコー回路を付加してデータが無くなったあとにも少し音が残るように工夫?されているのでしょうが、かなり人工的な音の残り方をして、いかにも電気臭い印象になってしまいます。
そして、この変な音の残り方が、演奏の方法と鍵盤タッチに悪影響を与えてしまうのだと思います。つまり、鍵盤を離しても前の音が少し残っているのでは次の音に移ることに抵抗を覚えるでしょうし、敢えてこれを無視して次々と弾いて行くと、すべての音の鳴り始めに前の音の響き残りが重なって音楽の輪郭をぼやけさせてしまうのだと思います。これではオルガン音楽で特に重要とされるレガート奏法とアーテイキユレーション奏法は困難です。
岡野オルガンのアナログ方式ではこんなことは起こりません。あくまで自然楽器の発想で音を出すことに専念していますから、音の鳴り出しと鳴り止みが自然で、レガート奏法で弾けばレガートに聞こえますしアーテイキユレーション奏法にもきちんと対応して、1音1音が明確に鳴り出し、鍵盤を離した瞬間に笛が鳴り止むように音が鳴り止みます。
こんなことは楽器なら当り前のことではないかと思われるかもしれませんが、デイジタル楽器にこの性質があるかどうか、お試しになってみると分かると思います。
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作った本人が申すことですから、このオルガンにはさらにこんないいところがあるということを考えていますとキリがないものですのでこのくらいにいたします。
いずれにいたしましても教会音楽のオルガンは長い年月の使用に耐える強靭さをもち、かつ飽きの来ない上質の楽器をお備えになるのがいいと思います。岡野オルガンをお選びくださった方は、何年経っても毎日のようにオルガンをお弾きになる方が大多数です。
毎日弾いても何回弾いても飽きないのは”基本的オルガン音の充実”した”弾くのが楽しい”楽器であることを証しするものではないかと考えます。ずっとそんな楽器であり続けることのできるように精進して参りたいと思っております。
通常契約時に半金、納品時に残金の2回払でお願いしておりますが、それ以外の方法もご相談下されば調整いたします。
ご不明の点など何なりとお尋ねください。
ここまで読んで下さった奏楽の同労者にエールを送ります。
Soli Deo Gloria
岡野オルガン工房