Kaspar Hauser

「カスパル・ハウザー」

彼は一文無しでみずぼらしい身なりのまま
ニュルンベルクでみつかった
何もわからず 言葉も話せない
その素性は全くわからない

人々は驚いて彼を眺めまわした
その謎めきに惹かれて
人々にとって彼は半分けもののようなもの
そして道化師のようなもの

カスパル・ハウザー 彼はそう呼ばれた
カスパル・ハウザー 言葉もわからない
その左手には心覚えを持っていたというのに
彼の秘密はずっと謎のまま

彼は少しずつ教育を受けた
だがひとは疑いを持ち始めた
彼は自分で言っているよりももっと物事をよく理解しているのではないかと
だから彼を警戒するようになった

もしかしたら彼は王子で
王位を騙し取られたのではないか
偶然逃げ出す事ができたけれども
すでに死んだものと思われていたのではないかと

ある日 カスパル・ハウザーは戻ってきた
胸をナイフで一突きにされて
彼は死んだ――それまでもそうだったように、たった一人で
どうして?どんな風に?誰にもわからないまま

カスパル・ハウザー 彼はそう呼ばれた
カスパル・ハウザー 言葉もわからない
その左手には心覚えを持っていたというのに
彼の秘密はずっと謎のまま

(原詩・
Bernd Meinunger


"er"は「えぁ」と発音するのだ、という事がよくわかる歌詞ですね。
さすがヴォルフ様、ネイティブの発音です。

じゃなくて。

この曲も、歌詞の内容の割に随分と爽やかな曲調で。
ヴォルフ様作曲!でございますな。

カスパー・ハウザーという人は、結局謎の人のまま亡くなってしまったんですね。
色々な説があって、どれが真実なのやらわからない、と。

「謎のカスパール・ハウザー」(種村季弘)、を読みますと、かなり詳しく解説されてます。
結局、王子であったのかもしれない、でも森番の子だった可能性もある、稀代のペテン師だったのかも。
監禁されていたのは数週間で、その間に薬物などで記憶や様々な機能を失わされた。
…などという推測も成り立つそうで。
彼の秘密はずっと謎のまま。