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指揮:ゲオルグ・ショルティ
パリ・オペラ座管弦楽団、パリ・オペラ座合唱団
出演者:ホセ・ファン・ダム、ルチア・ポップ、グンドゥラ・ヤノヴィッツ、ガブリエル・バキエ、フレデリカ・フォン・シュターデ、クルト・モル
制作:1980年
プロレスでは、第1試合、第2試合などの前座試合は、
あまり派手な試合をしてはいけないという暗黙のルールがある。
今はそれほど厳しくないようだが、
一昔前なら、大技を使ってはいけないなどといった
細かな決まりがあり、それに反すると鉄拳制裁されたようだ。
これは、後に出てくる先輩レスラーの試合を、
よりすばらしく魅せるためのトリックというか、
要するに、目立った試合を先にしてしまうと、
メインの盛り上がりが欠けてしまうからである。
だから、レスラーの上下ランクが絶対的な秩序であり、
もしルールをやぶるようなことがあれば、
その選手は干されたり、
場合によっては選手生命まで絶たれてしまう。
これに対し漫才などのお笑いの世界では、
前座や取り(最も芸の優れた者として、最後に出演すること)
といった出番順はあるものの、
そこで行われる漫才は前座でも目立ってよいし、
先輩よりも笑いをとって大いにかまわない。
ツービートが寄席で、
取りをつとめる星セント・ルイスより常に笑いをとって
のし上がったのは有名な話だ。
オペラの世界は、お笑いに似ている。
パリ・オペラ座《フィガロの結婚》のDVDのなかで、
フレデリカ・フォン・シュターデ(ケルビーノ)が、
それを証拠づけている。
スザンナとアルマヴィーヴァ伯爵婦人という主役級を前にして、
ケルビーノが「恋とはどんなものかしら」を歌ったあとの、
鳴り止まんばかりの拍手とブラヴォー。
最後まで、スザンナと伯爵婦人は
これと同等の歓声を得ることはなかったのである。
シビアな実力主義の世界と、素直な(遠慮のない?)観客の反応。
これから羽ばたくであろう、
新たなスターの出現をDVDのなかで再認するのか、
また、完全に食われたスザンナと伯爵婦人の側に立って、
星セント・ルイスの気持ちに浸るのか、観る側の自由だ。
これがプロレスの世界だと、
フレデリカ・フォン・シュターデは長州力に殺されていただろう……。

星セント・ルイス

フレデリカ・フォン・シュターデ

プロレス至近距離の真実

フレデリカ・フォン・シュターデ/アクロス・ユア・ドリームス〜シュターデ・シングズ・ブルー...

■(DVD)TOKON
V SPECIAL DVD Vol.4「長 州 力」
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