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 ■外国人観光客 受け入れ

 ~”日本旅!”魅力と安心・安全の周知&観光資源の崩壊防げ~

(1)PROLOG(はじめに)

   外国人観光客の数は、ビザ取得の制限が緩和されたことなどから、中国・韓国の人たちなどアジア諸国を中心に増え続けています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催のころにその数は頂点に達するものと推定されます。          
   こうした中で、世界の政治・経済などの諸情勢に大きな変動がないと仮定しますと、その後は急激な伸びは期待できないものの安定した数で推移するものと期待されています。   

   日本では、各関係機関が観光立国をめざして様々な戦略を立てて、日本の良いところをアピールし、それなりに成果をあげていますが、旅行者がアジア人に偏っている今の状況を一歩前進させて、欧州など世界のもっと多くの国々から観光客を呼び込む工夫をしていかなければならないという課題が残されています。

このため、観光客の動向とニーズを把握し、それによってターゲットを設定し、ターゲットに合わせた様々な戦略を立てて日本観光をアピールしていくことが重要になってきます。

    そこで、外国人観光客の動向からどのような対応が必要かを、私の外国旅行の経験も含めて述べていきます。

 

(2)「今後予想される外国人観光客の動向」

最近の観光客の動向を注視しますと、日本を訪れる観光客は、これまでの団体中心から、仲間や家族などの小グループへとシフトする傾向が一層強くなっています。さらに、一人旅でやってくる人も増える傾向を見せています。
   
   こうした傾向は、観光のメッカ京都をはじめ、長崎など全国各地で同じ傾向がみられています。


  京都・清水寺付近で外国人観光客

   JR札幌駅にある「北海道観光案内所」によりますと、北海道でも同じ傾向で、家族や仲間の小グループで訪れる人の姿が多くなっているということです。


     北海道観光案内所(JR札幌駅)

  案内を受ける外国人観光客のグループ

   こうした観光客の動向から、国をはじめ地方公共団体の観光関係機関、関係団体(観光施設やホテルも含む)は、小グループや一人旅の外国人を主たるターゲットに設定し、外国人観光客が日本国内をスムーズに旅するのに役立つ、新しい情報をきめ細かく、それぞれSNS(HPなど)をはじめ、冊子やDVDなどにまとめ、プロモーション活動の際などあらゆる機会を捉えて、世界各国に的確に発信して行くことが求められます。

   また、世界的にパラリンピック競技の種目などの多彩さや迫力からその盛り上がりも予想され、パラリンピックなどを観戦に来る障害者の人たちの数も増えることが確実です。
   
   特に、障害者については、移動手段である乗り物や道路のバリアフリー化を進め、安心・安全の情報や利用方法をきめ細かく的確に発信することが求められます。

(3)「外国人観光客を増やしてゆくための戦略と観光資源の保護」

  外国人観光客を増やしていくための戦略として次の3点を指摘したいと思います。

1.「日本旅の魅力と楽しみ方の発信」

2.「日本旅のための安心・安全情報の提供」

3.「日本の観光の主役、自然、歴史文化遺産を破壊から守る」

 

1.「日本旅の魅力と楽しみ方の発信」

①主な観光地の魅力と旅する楽しさを紹介

日本の観光の魅力は、世界も名高いシンボルの「富士山」を中心とする「自然遺産」の数々、京都などを中心とする「歴史文化遺産」、健康という点で急速に世界から見直されている食文化」などがあげられます。


●自然遺産

   
   日本には、多くの自然遺産が残されています。
  
   その代表は、何んといっても、シンボルの「富士山」(3776m)。特に、中腹まで白い雪でおおわれた姿は、最も美しく見せ、日本人ばかりでなく、外国人にも感動を与えていますが富士山の魅力はこの一点にとどまりません。場所、時間、シーズン、角度などによってその姿を変えながら、その魅力を発信して、私たちに感動を与えてくれます。


   三保の松原から見た「富士山」

●歴史文化遺産

   日本には、世界に誇る数多くの文化遺産も豊富です。京都・奈良などを中心に、神社仏閣など貴重な文化遺産が「世界遺産」として数多く残されています。


世界遺産「平等院・鳳凰堂」(京都・宇治市)


●無形文化遺産(祭り)


   平成28年12月、全国18府県内の33件の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」が日本の地域文化の多様性を示しているとしてユネスコの「無形文化遺産」に登録されました。これらの「山・鉾・屋台行事」は、関係する各地の人々が伝統を守って継承してきた祭りです。それぞれが継承する中でより地域性にあふれ、様々な工夫が行われ、日本を代表する魅力的な祭りの主役として見直され脚光を浴びました。(そのいくつかを紹介しましょう)


■大分県日田市
  
   大分県日田市(ひたし)では、疫病や風水害を打ち払うとともに安寧を祈願して、300年以上続いている、計9基の「山鉾」が繰り出して毎年7月に、日田の夏の風物詩「日田祇園祭」の「曳山行事」が行われます。


 提灯で飾り付け!日田祇園山鉾 夜の巡行

  「日田祇園祭」は平成30年7月21日(土)・22日(日)開催。祭りの主役、「9基の山鉾」が祭りの前に一斉に勢ぞろいする「日田祇園祭山鉾集団顔見世」は平成30年7月19日(木)です。
  
  ところで、日田市は、江戸時代に幕府の直轄地・いわゆる天領として、政治・経済・文化の中心として栄えました。当時の面影を残す町並みや文化遺産も数多く残されています。


■埼玉県秩父市

   埼玉県秩父市では、京都の祇園祭、飛騨高山祭とともに日本三大曳山祭のひとつ、300年余りの歴史を誇る「秩父夜祭」が行われます。2基の笠鉾、4基の屋台が引き回され、このうち屋台は両側の袖を伸ばして秩父歌舞伎などが披露され、祭りの総決算はスターマインの花火が華々しく打ち上げられます。


    「秩父夜祭」の屋台と花火

   「秩父夜祭」は毎年、12月2日・3日に行われます。

   ところで、「秩父夜祭」は、ルーツが江戸時代中期ということですがその祭りとともに絹織物の市(絹大市)が立ち、秩父の経済を大いに潤したことから、「お蚕祭り」ともよばれるなど人々に愛されて広がりを続け、日本を代表する祭りとなりました。


●日本の夜景


   日本の夜景も多くの人々から感動を呼んでいます。その代表格は、長崎や函館など高台からの港の夜景が抜群です。
 

       「長崎港」

        「函館市」

●新魅力!「リニア中央新幹線」

   さらに、交通関係では、現在の新幹線に続いて、新しい交通システムとして、2027年に開業(東京―名古屋間)が予定されている、次世代の超超高速鉄道・「リニア中央新幹線」が組み込まれるなど、日本の観光にとっても新しい強力な魅力が加わることになります。ちなみに東京(品川)-名古屋間でリニアが営業運転の速度500㎞で走ることになりますと、所要時間が約40分と、現在の新幹線より、1時間近くも短縮できるということです。


   山梨リニア実験線で試験走行

   こうした新しい交通の魅力を加えて、日本旅の楽しさをPRするとともに、やってきた外国人観光客に対しては、最大の武器である日本人でなければできない「おもてなし」で歓迎します。


●新魅力!「外国人のニーズをアップ」

    ただここで気を付けなければならないことは、国々によって、好みに違いがあることです。例えば、中国や韓国などアジア系の人たちと、ヨーロッパ系の人々との旅のニーズに対する価値観が若干違う所があることです。

中国の人々は、赤系の色を多く好む傾向があり、朱色の門や桜などに異常な興味を抱きます。

   京都の「伏見稲荷大社」の朱色の「千本鳥居」くぐりも、ご利益とエキゾチックさを求めて外国人観光客に大変な人気を呼んでいます。


  外国人観光客に人気の「千本鳥居」

   大社によりますと、「千本鳥居」は、鳥居入れ口から奥社奉拝所までありましたが、その後奉納する人たちが多く、今では稲荷山山頂を経て本殿に戻るまでのコースに鳥居が並んでいる状態で、その数は1万3000基になるということです。

   また、紅葉のシーズンも、色合いの鮮やかなを求めて、多くの外国人観光客が訪れます。


  紅葉の色合いが鮮やか!
(京都の寺で)

    勿論、ヨーロッパの人々は、紅葉にも興味を持っていますが、どちらかというと多くの休みを取り海辺でのバカンスを楽しむ一方で、サイクリングやウォーキングなどアウトドアを好みます。

   日本では、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」のサイクリングロードは、島々を結んだルートになっていて変化が面白いうえ、途中の瀬戸内の景観が素晴らしいこと、それにサイクリング用自転車のメンテナンスシステムなどが整っています。さらに、このサイクリングロードを使って国際大会なども行われていることから、海外のサイクリング愛好者からも人気が上昇しています。


  しまなみ海道サイクリングロード


 しまなみ海道では「国際サイクリング大会」も

このように世界各国の人々の習慣によって、旅に対するニーズに大きな違いがあり、日本をPRする際は、あらかじめ各国の人々のニーズを十分リサーチして、それぞれの国のし好に合わせた選択ができる魅力的な旅情報を発信してゆくことが特に重要になります。

それによって日本旅が楽しく良かったという思いを持って、各国に帰ってもらうようにすることが、今後リピーターを増やすことにもなり、持続的に観光客が来てもらえることにもつながっていくことが期待されます。

 

②日本の伝統文化を体験できる情報の提供!

日本を知ってもらうためには体験してもらうことが一番です。日本を体験する最大の武器は、エキゾチックな“日本の伝統文化”です。

   伝統文化には、しなやか文化系では、お茶・お花・盆栽・和服・ごてんまり・俳句、変わったところでは京都の「大原女(おはらめ)体験」などがあり、体育系では武道・空手・相撲・忍者・蹴鞠などがある。さらに伝統芸能・演芸系では、文楽・歌舞伎・義太夫・謡曲・落語などがあります。
   それぞれには、厳しいしきたり(マナー)と歴史があり、希望する体験が比較的手軽にできる「日本の伝統文化体験コーナー」を拡大し、実際に自分で挑戦したり、或いは観戦したりする機会を事業者自らが積極的に作り出すことが求められています。


  「きもの体験」に満足!(京都で)

これらの伝統文化の体験は、日本の特色を生かした形で行われなければ意味がありません。
   例えば、着物を着たいと思っている女性観光客には、日本らしい所、日本庭園などを歩いてもらって思い出を作るアドバイスをすることが大切です。やみくもに着物を着てまち歩きをしてもらうのではなく、着物にマッチした日本らしいロケーションを用意してあげたら、より良い旅の思い出になるに違いありません。


  日本庭園と外国人(京都・円山公園)

   外国人観光客によっては、旅の日程などから、あらかじめ自分に興味を持ったものを体験しようと決めてくる人も多くいます。このため手軽に体験ができるようなコーナーがあることを、地域ごとにまとめて発信することができれば、利用者もいろいろな選択ができるので、より充実した日本旅が楽しめるものと思われます。

 

③日本の新しい分野の強みと魅力を発信

▼漫画・アニメ(アニメーション)

世界各国の若い人たちは日本の漫画・アニメに関心を持っています。こうしたことに楽しめるゾーンの紹介も効果的です。この分野では、新しい動きの発信が重要です。

   特に、2017年は、日本のアニメが東京・浅草の劇場で初めて公開されてから、100周年を迎えました。これまでにデータベースに蓄積された作品は1万1千件を大きく超えています。これを機会に大きく飛躍してほしいと願っています。

   漫画・アニメに関する日本各地で行われるイベントなどの動きについても情報発信が有効です。地方では、有名な漫画家を輩出した高知県、鳥取県、東北地方などで毎年、漫画に関する興味深い企画イベントを行っています。こうした情報を、やみくもに発信するのではなく、世界に発信するやり方を工夫しなければなりません。世界に発信する効果的なあらゆるルートなどを自ら把握して、「行うイベントの内容や魅力など」をわかりやすく発信し、トップを目指しましょう。


▼ミュージカル、音楽ライブ&ダンス

   例えば、フランスのパリでは120年の歴史を誇る世界一有名なキャバレー・「ムーランルージュ」が絶大の人気を集めていました。ドリンクをとりテーブルを囲んで座り、均整の取れた60人のダンサーがきらびやかな衣装を着てステージ上で、様々なプログラムでダイナミックに踊るビッグダンスショーを見るものです。


  ムーランルージュ(フランス・パリ)

   このショーは、場内の撮影が禁止なので写真がなく、とても残念ですが、単に男性に見せるためのものではなく、女性もこれを見てうっとりさせるほどの素晴らしいものです。私はこの人気ショーを見るのに取れた予約時間は、午後11時からでしたが、このショーは、たっぷり時間を取ってダンスステージが続き、観客も満足したようでした。

   ムーランルージュ(MOULIN ROUGE)は、日本語公式サイトも公開されていて、予約もできるようになっていて、PRが充実しています。

   また、クラッシック音楽や教会音楽などが盛んなヨーロッパの国々では、ほとんど毎日のように、地元の演奏家や歌手による比較的安価で、気楽な雰囲気のライブが日中ばかりでなく、観光客が参加できる夜の時間帯にも開催され、チケットがプレイガイドで自由に買い求めることができました。勿論、スペイン(バルセロナ)に行った際も、フラメンコが様々な舞台で夜遅くまで観覧できました。

●今後の課題・・・外国人観光客に夜の時間を楽しんでもらう工夫が必要!

   こうしたことを考えますと、日本でもミュージカルをはじめ、音楽ライブ&ダンス、日本舞踊などの分野で、夜の時間もエンジョーイしたい外国人に、安心して楽しんでもらう積極的な戦略の確立が必要ではないかと思っています。そして確立できたものから世界へ「日本(地域)では、夜も魅力あるショーなどが安価で、安心して楽しめます!」といった情報を様々な手段で発信していくべきと思っており、これを国や業界が後押しして発展させていく必要が望まれます。


▼フェスティバル

    文化・スポーツを問わず外国人でも受け入れられる国際感覚のフェスティバルの発掘も必要です。
   
    北国・札幌では、雪を利用したイベント「さっぽろ雪まつり」が毎年2月に行われます。この祭りは、多くの外国人にも認知されるようになり、外国人も含めて、毎年200万人 前後が訪れるようになりました。2019年には、70回を数えます。

    下記の画像のような有名な建築物や人気映画のものなどを題材に雪像が作られています。


    フランスの「凱旋門」(2017年2月)

   スターウォーズの雪像(2015年2月)

   芸術性のある雪や氷の像の正確精巧さが多くの人々に喜ばれています。作られる像も、国際感覚で選ばれ、訪れる人たちの心をつかみ、感動を与えているようです。
  
   雪まつりは一例ですが今後、ジャンルを問わず、四季の変化や特徴あるその大地を活かした外国人観光客のハートをとらえるフェスティバルの発掘が期待されています。

   日本の強みは、外国を視察し、その土地の人々が注目する源をとらえ、様々な考えをめぐらせることによって必ず出てきます。

  その成功のカギは、そのショーの中で外国人のモチベーションを高めるようないくつかの工夫をし、参加感が感じられるように企画することです。国に全部任せるのではなく、地方自ら、観光団体自ら、世界に向けてその魅力を最大限引き出す企画を立て、積極的に売り込みのための発信をしていきましょう。

 

2.「日本国内を旅する際の安心・安全のきめ細かな情報の提供」

私たちは、外国旅行をする際、不安を感じることがたくさん出てきます。

   私は、外国旅行の経験はそんなに多くありませんが、これまで3回にわたって添乗員なしのグループで、ヨーロッパ5か国を旅しました。その際、各国のおすすめの観光地、飛行機・列車の乗り方、乗車券の購入をはじめ、各歴史文化遺産を見学する際のマナー、デパートでの買い物、レストランでの食事やタクシー乗車の際のチップ料金、トイレの利用法など、様々な経験をしました。

   しかし、これらの件については、出発前に日本で発行される各国旅行の雑誌や各国が発信している観光に関するHPやパンフレットを読んでも、例えば犯罪が起きた時や急病の際の対処法などについての説明が具体的でない不親切なところも多くあり、その都度不安を残したままの出発となりました。

   その結果、外国旅行を通じて感じたことは、各国から出されている安心・安全情報について、私たち日本人から見て不足していることを指摘したいと思います。それを裏返すと、外国人が、日本に来る場合、我々が感じたように、様々な心配があるのです。

こうした状況からみて、日本に多くの外国人に来てもらうためには、国内を旅する際の不安を解消する手立てをすることです。たとえ人で観光する場合でも、安心・安全な環境がどのような形で整っているかを、あらかじめ外国人観光客に的確に知らせていくことが重要だということです。

 ①日本国内を旅する際の「言語」の安心・安全

■空港はじめ、鉄道、バスなど各駅の言語対応は安心安全。  

観光客にとって困るのは、目的の観光地へ行くまでの乗り継ぎなどの不安です。目的地へ向かう経由地の観光案内所や目的地の観光名所に通訳ガイド(通訳可能な外国語と通訳時間)が配置されているかどうかを知らせることも安心材料です。
日本の多くの外国人観光客の案内所では、最低でも、英語、中国語などに対応しています。


  JR札幌駅の外国人観光客専用案内所

日本の観光関係機関は、上記に述べたような情報を各国の観光関係機関、エージェントなどに、書類やHP、最新の情報をSNSなどの伝達手段を使って発信し、よく知ってもらう努力が必要です。

   案内所の通訳ガイドは、単に語学が出るだけでなく、その外国人がどのようなところに行きたいか、何を見たいのかなど、相手のニーズを聞き取り要望にある程度こたえられる観光地のガイドをできる人でなければ、外国人観光客を満足させることができません。

   なぜなら、外国人観光客の中には、どこに行ったらよいか当てもなく来るという人もいるのです。ガイドには、外国人観光客のニーズをキャッチできる技術(センス)が必要になってきます。

 

②交通機関とその利用マナー

■日本の交通機関

航空機、鉄道、バス、地下鉄などが主な交通機関で、利用方法については、世界各国とほぼ同じである。

 

▼日本の鉄道は「改札口」から乗車

列車の乗り方にヨーロッパなどとちょっとした違いがあるのでそれについて詳しく伝える必要があります。

   列車に乗ろうと、目的地へのチケットを買い求めたあと、列車に乗車する際は、日本では必ず「改札口」を通らなければなりません。改札口では、チケットを駅員または自動改札機に通してチェックを受けた後、目的地への列車が入ってくるホームへ行き乗車することになります。ヨーロッパの国の中には、日本のように「改札口」がなく、列車に乗るホームの手前に、チケットに日付を打刻する装置が設置されていて、ここで打刻をして乗車します。この打刻をしないと、罰金を取られることもあるということです。
   
   北海道のJR札幌駅の列車の切符発券所や改札口には、女性の駅員が配置され、臨機応変に動いて、観光客の問い合わせにテキパキと対応し、大変喜ばれています。
   問い合わせは、日本人、外国人問わずで、列車の乗り方、切符の買い方が主ですが観光地への行き方も聞かれることもたびたびあるということです。


客の安心・安全!JR札幌駅の職員(赤の制服)

   また、日本では、列車に乗った後、例え客車番号や指定座席を間違えても、罰金は取られません。正しい番号の席を教えてもらって、旅行を続けられます。このことを「安心・安全」情報として、しっかり伝えておく必要があります。

(私が旅行したヨーロッパのある国では、客車両番号や座席指定番号を間違ったため、実際に罰金を徴収されるのを目撃しました。この人は中国から来た人でしたが、どうして罰金がとられるのか理解できず、乗務員と大げんかの末、そういう規則になっていることに納得し、罰金を払っていました。(この点、日本では、安心・安全ですね!)

▼列車が来るのを待つ時のマナー

ホームで列車待ちのため並んでいるときは列に割り込まないことを徹底的に周知する必要があります。

 

③日本での生活でよく認識しおいてほしいこと。

●「レストラン」での食事の代金

・値段の表示に従って支払い。チップは別に支払わなくてよい。


●「トイレ」の利用

・日本での公衆トイレの利用はすべて無料。レストラン・デパートの利用も、外国と同じです。

・外国人観光客に「トイレのことで、ぜひわかってもらおう!」
   
日本のトイレは、使用する側が操作(使い方)が慣れれば快適になります。しかし多くのトイレの場合、洗浄装置が付いていて操作法が初めて来た人にとっては、「トイレを使用したものの、その後どうしたら汚物を流せるのか」分からないため、時にはトイレの中が水浸しになることもしばしばです。
    
    こうしたことを防ぐためには、観光客があらかじめ日本に来る前に、日本のトイレの使い方のマナーを知らせておかなくてはなりません。観光関係機関・団体がそれぞれが事前にこうしたトイレに関することをVTRなどにまとめて機会あるごとに周知をしていかなければ、こうしたトイレ問題はなくなりません。日本にやってくる以上マナーを守ってもらう、指導を事前に行っておく必要があります。

   (私が旅行したフランスのパリから郊外へ向かう特急列車のトイレで、信じられないことを見てしまいました。
男子が小用を済ませる器で「大」が処理されていたのです。笑い話ですが、「大」は器の中にちゃんと納まっていました!、例えわざとにやったとしてもがっかりです。)


●急病での病院の利用、盗難などの犯罪、事故にあったときどのようにしたらよいかを周知する。
(日本と各国のやり方が大きく違うことがあり、トラブルになりやすいので、旅行前に知ってもらうことが必要です)

■事故や事件などで警察や消防関係への届け出・連絡法の周知。

110番、119番への通報の仕方を分かりやすく伝え、理解して日本に来てもらう。

▽各国の大使館・領事館を通じて病院などを利用するよう周知する。


■急病などで日本の病院を利用した際の医療費についての周知(トラブルが増えています!

   最近の外国人観光客の急増とともに、一番トラブルになっているのが急病などで医療機関を利用した際の医療費の支払いです。外国人には、医療保険が適用されないため医療費が高額になるうえ、治療を受ける際、ことばの行き違いなどから病院側との意思の疎通が十分でなかったことなどによって、トラブルになることが多いそうです。
   このようなトラブルの例を日本に来る前に知ってもらうことが大事です。

   そこで下記の3つの件について事前に整備し、周知する必要があります。

①日本の医療制度について周知し、正しく理解してもらうようにする。

②日本国内の病院すべてで、医療費の支払いをクレジットカードで行えるようにする。

③旅行の際、「海外旅行保険」に加入してもらうよう呼びかける。

   私たち、日本人の多くが海外に出かける場合、旅行保険に加入しますが、日本を訪れる外国人の70%余が保険をかけてきていないということです。不慮の事故にあった場合でも旅行保険は非常に助かります。観光客に海外旅行保険をかけてくるよう周知していきたいところです。こうした点の周知も、日本国内を安心安全に旅行してもらう、アシストになるものと思われます。


        *日本旅行の際には出発前に「海外旅行保険」を掛けましょう!

 

④宿泊施設

   「ホテル・旅館」などの宿泊施設は、利用方法について、言語の心配もなく、支払いなどについても世界共通です。

こうした中で、世界とは習慣の違う入浴問題を解決してゆかなければなりません。また新たな宿泊施設として、2018年からお目見えする民家を活用した「ホテル」も、ホテル不足解消につながるのか注目されます。

 

▼入浴問題を解決しよう!

宿泊施設の件でたびたび論議を呼ぶのが、入浴の問題です。日本人は裸で入浴する習慣があるのに対して、外国人は海水着などをつけて入浴しています。こうした習慣がある中で、日本人の中にも、手術などで肌を見せたくないなどの理由から海水着の着用を希望している人も今後増えることが予想されます。双方のニーズをかなえるには、施設側として整備に多額の資金がかかります。国を挙げて観光立国を目指そうと多くの人々を呼び込もうとしている中で、2020年にはオリンピックも始まり、さらに多くの人が、世界各地からやってきます。

これを前に、双方のニーズがかなえられないか、思い切った取り組みをしていくことが、求められています。

 

▼民家を利用した新しい方式の「宿泊施設」がお目見え!

日本では、一般の住宅を利用した宿泊施設が2018年6月15日からお目見えしました。

  増加する観光客の宿泊施設の確保ということで、いろいろな動きが出てきます。

  この「宿泊施設」は、国が20186月から施行した「民泊新法=住宅宿泊事業法」に基づくもので、一般住宅を宿泊所として人を泊める場合の営業ルールを定める法律に基づく宿泊の仕方について規制する法律です。

  この法律の規制が場当たり的なものであった場合、宿泊施設の位置などによっては、住民とのトラブルが起きる危険性が高まります。
  住民とのトラブルがないよう、また火災などの災害に備えた室内の利用上の安全などに対する厳しい規制がもうけられています。こうした宿泊施設があり、その利用法について、あらかじめ外国人観光客に周知しておく必要があります。


▽「民泊は厳しい運営ルールの設定がカギ!」

新聞によると、“南欧に「反観光」のうねり”という記事が報道され、南欧(スペインなど)で観光客の増加を良いとしない人々の動きも出ているようです。

   街にあふれる外国人への反感や住宅のホテル転用が招く宿泊費の高騰などを理由に、住民らの旅行者排斥を行っているという話も出ています。

   民泊施設では、こうしたトラブルが起きないよう、あらかじめ厳しいルール作りをしておくことが望まれています。

 

⑤自動車運転のルールの違いに注意!

日本では車が左側通行であること、標識の表記が違うことを外国人ドライバーに運転前に知ってもらうようしっかり説明しておくことが大事です。
   外国人ドライバーの事故も多くなってきていて、死亡事故なども起きています。事故が起きた際の対応、つまり事故の原因などを調べる警察やけが人を受け入れる病院などの態勢をしっかりと作っておくことや外国人と意思の疎通を図る、外国人に対応する通訳などの態勢作りも大事になっています。

 

⑥民族・宗教などに関する外国人への配慮

それぞれのお国柄による習慣、つまり食べ物、礼拝など多くの面で対応しなければならないこともあります。外国では、日本のように単一民族ではない国もあり、

「多民族で宗教も違う、習慣が違う、物の利用の仕方も違う」などのという複雑さがあることを認識しなければならない。

礼拝の場所の確保、食事に対する規制、お国柄によって「色」の好みにも大きな違いがあり、こうした相手国の習慣をよく理解して「おもてなし」をすることによって相手側に安心を与えるものと思います。

 

⑦日本人が許さないマナー

▽「乗りものに乗る際の割り込み」

列車に乗るとき、デパートなどで買い物をするときなど、順番を待つ行為のある場所では、割り込みや先乗りなどの行為は、日本では、許されていないことを認識してもらうことが必要です。日本人が一番嫌がる行為である。

▽「外国人添乗員の大声」

ある特定の国の添乗員に限ってのことですがどこの観光地に行っても、また都会の中でも、引率する観光客数が少ないのに、所かまわず絶えず大声を出してガイドをしているケースもあります。大声は何か問題が起きたのかと間違いかねません。大声のたびに何かあったのかと、そちらの方に注意を向けなければならないほどの大声である。特定の国以外の国の添乗員は、ガイド中はほとんど大声を上げることもなく、しなやかに観光ガイドをしているのですが・・・。


3.「日本の観光を守るため、自然、歴史文化遺産を破壊から守る」

日本にやってくる外国人客をさらに増やそうと、国をあげてキャンペーンが行われています。こうした外国人を優先して、「おもてなし」と称して、新たな開発をし、世界遺産や天然記念物など地元の貴重な歴史文化遺産ばかりでなく、自然を破壊する行為が起きないか心配されます。その心配は、すでに起きているところもあります。

   地元の歴史文化、そして自然は、たとえ小人数であっても人が入り、ルートを作り、それを繰り返し続けているうちに、その土地を踏みつけて壊してしまうと元に戻りません。

   その場合は、別なやり方で歴史文化遺産を見せる方法を考えるべきでしょう。大きな財産を失ったことに気づいても後の祭りになってしまいます。

   そのような後悔をしないためには、自然に対する「保護と利用のあり方」を、ことが起こってから決めるのではなく、前もってしっかりと線引きし、きめておくことが大事になります。
   
   外国人(日本人も含む)をこれから長い間続けて来てもらうために、新たな開発など特別なことをするのではなく、今ある遺産を守りながら、観光に携わる観光関係者が、各国によって違う習慣・ニーズ・食事などをきめ細かくキャッチし、さらに日本の習慣も覚えてもらう工夫をして、観光客を迎えるようにしてほしいものです。

 

■ヨーロッパの国々の歴史文化遺産の保護につての考え方

 2010年から2014年にかけて3回にわたってヨーロッパの5か国を旅し、そこで見たこと、感じたことを率直に述べてみたいと思います。
     この旅で、訪問国1つ「チェコ」は、戦火を逃れ、シンボルであるチェコ城をはじめ旧市街地を含む歴史地区がそっくりそのまま当時の様相を現代に伝えることで大きな遺産価値が保たれてきました。


     「プラハ城」(チェコ)

   この歴史地区は、チェコの国民に強く支持され、世界遺産にも指定され、その結果世界中から多くの観光客がやってきて、国の経済を潤わせています。


   歴史地区・旧市街地(チェコ)

一方、隣の国「ポーランド」は、戦火に何度も見舞われ、首都ワルシャワでは、街なかの由緒ある建物など、古くからの文化遺産のほとんどを失いました。
   しかし、ポーランド市民は、古くからの自国の文化遺産をはじめ町並みを取り返そうと立ち上がりました。そして、古い地図をさがし求めて、当時その地域に住んでいた人々の記憶をもとに町並みを見事に復元しました。建物のヒビ割れなども鮮明に復元しているところに歴史を大切にしようという国民性が読み取れます。


  ワルシャワの旧市街(ポーランド)

   国の歴史を風化させてはいけないという、国民のプライドと願いが、国の復元につながったもので、ワルシャワの町並みも「世界遺産」に指定され、世界中の人々から「破壊からの復元された都市」として注目されています。

また、同じポーランドの南部クラクフ市郊外にある「アウシュビッツ強制収容所」も、世界中の150万人もの人々を殺戮するという戦争の悲惨さを忘れてはいけないという施設「博物館」としてそのまま残されていて、重要な役目を果たしています。


  アウシュビッツ強制収容所の資料館

   私たちが訪ねた時も、世界中から、戦争の傷跡をこの目で確かめておこうという人たちが多数見学にやってきていました。特に、若い人たちの姿が目立ちました。

このように、チェコ、ポーランドは、それぞれ町並みの保存の在り方に違いはあるものの、古い町並みや歴史文化的遺産を遺すていく取り組みが進められていることがわかりました。

    この2つの国に加えてフランスやスペイン、ドイツでも見られましたが、これらの3か国では、自動車が増えて交通量が増えているにもかかわらず古からの町並みを守ることを優先して、道路などに手を加えず、町並みをそのままの状態で頑固に利用しているケースが目立ちます。それは、交通を優先して道路をつけてしまうと、自動車の通行には便利にはなりますが、まちの財産である古い町並みが失われ、魅力が失われてしまいます。私たちが旅行をしていて、ここに道路をつければいいのにと感じることがありました。しかし、一度、開発してしまうと元に戻せません。それまでよかった魅力も失ってしまいます。
   訪ねた国々の観光地では、観光バスの乗降のためのスペースが狭いことから、かなり離れた場所で乗降することを余儀なくされるケースが多くみられました。そのたびに、バスの運転手さんからは、申し訳なさそうに応対していました。各国では、このように観光客に不便な場合が多々あっても、「まちの歴史を後世に残そうという取り組み」を重視し、頑なにスペースなどを設けず、自然を保護していこうという強い姿勢をみせていました。

■観光客を受け入れるにあたって観光資源を守る取り組みが重要

日本の市町村に残る「歴史的町並みなど歴史文化遺産」は数多くあり、現状は守られているように見えます。しかし市町村によっては、持っている貴重な遺産の数がわずかなところもあります。これは先人たちが汗水たらして作り上げた歴史文化遺産です。しかし観光客の誘致を優先して、一旦開発を進めますと元も子もなくなってしまいます。

国内では、観光を優先して、すでに痛手を被っている歴史文化遺産も出始めています。雲海の人気スポットの兵庫県朝来市(あさご)の「竹田城跡」では、その雲海を遠くから見ることが素晴らしいことなのに、多くの人々が城そのものに押し寄せるために、城の石垣がたびたび崩れ、木々の育ちが悪くなるなどの影響が出ています。


 観光客の増加で破壊が心配の「竹田城跡

日本の貴重な観光資源を守るために、先々のことを考え、城に入る人数を制限するなど、知恵を絞って様々な規制を加えるなどして、まちの宝物を守っていってほしいものです。

SNSの効果と弊害

●自然破壊の心配

   SNSによる情報は、PC、スマホなどを通じて多くの観光客に瞬時に行き渡る力を持っていることは周知の事実です。PR手段として簡単で非常に効果を上げることができます。特に画像で紹介された場所は、画面を見ただけで「楽しそうだ!・面白そうだ!」などの判断が瞬時にできます。このため、SNS紹介された観光地には、観光客が集中する恐れがあります。

観光地にとって、観光客が殺到するのは、ありがたいことですが、SNSで紹介された場所が一般の人の立ち入りができない民有地であった場合、また観光地であっても自然保護のため整備されていないところだった場合、一度に多くの人がやってきたらどうなるでしょか?鉄道やバスなど交通機関が込み合い、駐車場が少ないところに車が集中して大渋滞が起こし、観光地への取り付け道路が渋滞したり、大きな事故が起きる恐れが出てくるなど、多くの問題が持ち上がります。

こうした問題が発生した後は、観光地へ向かう新たな道路や駐車場の整備、さらに、駐車場から観光地までの散策路の拡幅などの要望が必ず持ち上がります。こうした動きは、今後さらに増えることも考えられます。関係者は、こうした状態を予測し、早めに対処しておかなければなりません。このようにSNSは観光地に人がやってくるという効果をもたらす一方で自然破壊を誘発しかねない弊害をもたらす恐れも持ち合わせているといえます。

自然はいったん破壊するとほとんど元に戻りません。こうした問題が持ち上がる前から、関係市町村は観光地の利用状況をキャッチし、入場を制限や立ち入りの範囲を抑制するなど、自然破壊をいかに食い止めるかといった課題に真正面から取り組んでもらいたいということを指摘しておきます。

●山の遭難騒ぎも起こった!

   SNSの関係では、2018年3月22日に「東京・奥多摩町の三頭山(みとうざん)の登山をしようとSNSによる呼びかけで集まった外国人を含む13人が、登山中に雪が積もって歩けなくなり、救助を求めるという遭難騒ぎが起きた。13人は消防・警察の素早い対応で犠牲者は幸いにもいなかった。

   しかし、集まった人たちの中には登山のリーダーもいないまま、登山をしたという。全く信じられないことが行われたもので、今後こうしたSNSによる弊害・事故をどう防いでいくかも大きな課題として取り組まなければなりません。

「観光振興には人づくりがものをいう」

外国人観光客の受け入れに当たって、これから一層力を入れなければならない課題を、私なりに述べてきました。

最後に強調したいことは、観光に携わる人たちのレベルアップです。長いスパーンで日本の観光の在り方を冷静に分析・計画(企画)・PRできる人、一方で空港・駅・ホテルなどで実際に外国人観光客と接する人たちとの言語ばかりでなく、どうしたら自分のところに観光客を引っ張ってくることができるかを考えだす力を持つ人を養成しなければなりません。これには、センスのある人材を見出すことも重要です。

北海道では、ホテル自体が従業員の確保も含めて、観光に携わる人たちを高度に教育・養成していこうとする動きも、2018年から出てきます。これからの日本の観光振興には、観光に携わる人たちのレベルアップを図るとともに、センスのある人には、地位や待遇を向上させることがあらゆる競争に打ち勝っていくことにつながっていくと言えます。

EPILOG(まとめ)

1.日本の観光地や歴史文化遺産についてその魅力と楽しみ方を詳しく紹介。

2.世界の国々の人々の好きな色や好みなどニーズを適格に把握し、それに合った魅力情報を的確に伝える。

3.日本でのマナーをできる限り詳しく伝える努力をする。トイレの使用法も・・・。
(プロモーション活動の際、トップセールスということばは聞こえいいが、その観光宣伝の際、観光地の宣伝やグルメなどのPRは詳しくするが、日本旅の安全・安心やマナーの伝達がおろそかになることが多い。)

4.自然の保護と歴史的文化遺産を守るため、あらかじめ保護と利用の線引きをし、事前にはっきり決めておく。

(完)




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