ラヴェル マ・メール・ロワ

ショパン 幻想ポロネーズOp61

ドビュッシー 映像第1集

バルトーク ソナタ

 

アンコール

シューマン 子供の情景から「トロイメライ」

バルトーク ソナチネより2楽章「熊の踊り」

 

2007.11.22のプログラムより

曲目解説 ◆  おとぎ話の夢と現実の狭間で

 

ラヴェルの「マ・メール・ロワ」(フランス版マザー・グース)この曲の初演は2人の少女によって連弾で行われましたが、編曲の名手だったラヴェルは、2台ピアノ用、オーケストラ版と作り、今日は作曲者本人による一人用で弾きます。おとぎ話の雰囲気で優雅に弾きたいと思います。

1. 眠れる森の美女へのパヴァーヌ おとぎの世界に誘うにふさわしい、映画のカメラが森へ入っていくような曲です。

2. 親指太郎(一寸法師) 森の奥でさまよっている不安な様子。目印に撒いてきたパンくずも、小鳥たちが飛んできて食べてしまいます。

3. パゴダの女帝レドロネット パゴダの女帝の入浴シーン。その間小さな人形達はくるみやアーモンドの殻で作った楽器で、中国の獅子舞や農村風の音楽を演奏しています。

4. 美女と野獣の会話 最初に美女のテーマが流れ、次に野獣が登場します。そして野獣と美女が結婚の申し込みを受け入れるか否かの緊迫した会話の後、美女がOKの返事をしたとたんに、グリッサンドがあり、野獣の姿になっていた王子の呪いが解け、元の姿に戻って、めでたし、めでたし。ほんわかムードで終わります。

5. 妖精の園 特に説明はされていないのですが、重い足取りで妖精の国に着いたとたん、天国の音楽はかくや?と思われる美しい竪琴の音楽が流れて、魂が昇華されていくような曲です。

 

ショパンの「幻想ポロネーズ」はショパンのポロネーズ(ポーランドの舞曲)の中でも最後にパリで作曲されました。それまでに書かれたポロネーズとは随分違った形で、望郷の念がつのったのでしょうか、「幻想」の名がつくように、幻想的なアルペジオから導入し、やがて、ファンファーレのような踊りのリズムによってポロネーズへ進んでいきます。が、さらに幻想的な部分が織り込まれ、最後には宗教的な和声の静けさの中から、一気にテーマが力強くポロネーズを謳歌するように奏でられ、印象的に終わります。

 

ドビュッシー「映像第1集」1905年作曲。今度はイメージの世界になります。ドビュッシーが印象派としてのスタイルを確立してからの最も完成された作品の一つで、3つの異なるイメージからなる3篇の詩。

水の反映‥‥水の流れや滴り、その反射の情景。

ラモーを讃えて‥‥いにしえの作曲者(ジャン・フィリップ・ラモー(1683−1764仏))の名を冠した、もの悲しくも緩やかなサラバンド(3拍子の舞曲)。

動き‥‥規則的なリズムの中で(うごめ)くファンタジックな世界が広がります。

 

一転して、バルトークの「ソナタ」では現実の世界に戻ります。20代始めの頃初めて弾き、自分の中にこんな感覚があったのかと驚きました。当時から体力的にハードでしたが、今のうちに弾いておきたいと思い、取り上げました。バルトークの美しさをより出せたらと思っています。1楽章は、近代社会を思わせる力強くも素朴な1面のある曲。私は部分的にチャップリンのモダンタイムスの流れ作業の場面を思い出します。2楽章は、東洋的な深い鐘の音のような音から始まります。バルビゼ先生に原爆を思って弾きなさいと言われたので、すべての戦争被害者へのレクイエムとして弾こうと思います。バルトーク自身も後に戦禍を逃れてハンガリーからアメリカへ亡命し、不遇の死を遂げたのですから。3楽章は活気づいた村祭りか。喧噪の中、鶏や家鴨も蹴散らされそう。中間部で民族的な哀愁のあるメロディーが流れます。 

 

*モンフォール・ラモリーのラヴェルの小さな家は思い出の人、風景、食にあります

 

                       

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