ヴォイスアート 〜声を使用した電子音響音楽〜

こちらはcoricoが制作した音響作品を公開している特設ページです。

■概要■

この作品《ヴォイスアート》は、声を使用した5chサラウンドによる5つの電子音響音楽集です。

言葉を発する声音の特色を生かし、声を中心に構成しました。

※この特設サイトでは5つのうち3つの作品を公開します。

※舞台上での公演を目的に作られたサラウンド作品なので、公開するのはステレオミックスバージョンとなります。
 (ラジオパートのみ電話のようなエフェクトを通してかけています)

■再生方法と会場のレイアウトの解説■

会場の前方LR、後方LR、ステージ中央(あるいは舞台上)にラジカセを置いた5ch(サラウンド)で公演する作品です。

1chから4chはDAWとオーディオインターフェースで(卒業制作で使用したものはCubaseとMOTUの4Pre)からミキサー、

アンプを経由しスピーカーで再生します。5chはラジカセで再生します。

■第一曲「波」■

<詩:「波」> ※別窓で開きます

声と電子音が調和された電子音響作品です。

「波」と「あがなうもの」の2つの詩は、家本明佳さんに依頼して書いていただきました。

この作品は細かくシーンを設定し、電子音と声の見せ場が交互にくるように構成しました。

所々に入る無音の空間は、タイミングを大切にしながら盛り上がる部分と対象的になる静かなシーンを演出し、

また中盤の盛り上がりに向けて声が次々と重なり、地響きのような電子音を各トラックでクレッシェンドし、

押し寄せてくる波のように広がりと重い質感を持たせました。

最後は遠くなっていく電子音と空白の無音をアクセントにし、そして「かつてここに立った人々のように」という節を

繰り返しながら余韻の残る作品になるように編集しました。

■第四曲 「紡ぎ歌」■

VOCALOID(リアルな歌声を合成するためのソフトウェア)のみで構成された作品です。

人間らしさから少し離れた無機質で独特な声を生かせるように、言葉の音としての響きを大切にしながら、

どこか遠い異国で使われていそうな造語を短い言葉を組み合わせて作りました。

この曲の構成は4つに分かれており、リバース音声から始まり、短い言葉をいくつか 次に高い音と低い音が継続的に流れます。

さらに長い音が加わり、短く繰り返す音から長く繰り返す音に変化していき、「あ〜〜」と上から下降する声を合図に4つめのシーンへ入ります。

ラストは再現部のように最初に使った声を中心に構成し、「ほーおさーりーおーえでぃひゃーいそらーり」という造語の最後の「りー」という音で終わります。

■第五曲「あがなうもの」■

<詩:「あがなうもの」> ※別窓で開きます

この作品では、武満徹の電子音楽《ヴォーカリズムA・I》を参考に、言葉のニュアンスを出すため

喜・怒・哀・楽の4つのパターンで詩の最初から最後まで朗読したものを素材として使用し、

役者の声のみを使って構成しました。

なお、細かい言葉のニュアンスや演技は大まかな指定のみで役者それぞれの解釈で演じていただいています。

この作品は、同じ節でも感情が違うものや違う役者の声を重ね、ニュアンスの違いを音で感じられるように工夫しました。

また中間部の盛り上がりは、「処女雪の隙間から顔を出すアナウサギのいじらしさで 私の矜持があがなえるものか」

という節を繰り返しながら徐々にピッチを上げたり、逆に下げていく音と重ね、またアンプの歪みのパラメーターも

少しずつ大きくなるように編集しました。朗読の声も哀のもの寂しい雰囲気から喜、楽、怒と感情も移り変わっていきます。

そして静かな感情に戻り、最後の「私の矜持があがなえるものか」を全ての感情の声を重ね、

タイミングも近くなるように編集し、統一感のあるラストを表現しました。

 

■紹介■

「波」「あがなうもの」の2作品で作詞、朗読に協力していただいた方の紹介です。

お忙しい中、本作品に協力していただき、本当にありがとうございました。

・家本明住(いえもと はるか)さん

ゲーム制作やオーディオドラマ企画など、主催やシナリオ脚本、作詞などで幅広く活動されています。

・伊ヶ崎綾香(いがさき あやか)さん

自分の声や自然の音をバイノーラルで録音した実験動画を中心にニコニコ動画へ投稿、
またWEBラジオを公式HPにて公開するなどインターネット上を中心に活躍しています。

・天音水希(あまね みずき)さん

インターネット上で公開されているオーディオドラマや、個人制作のゲームのキャラクターに
声を当てるなど演技を中心とした作品で活躍しています。

・笹原 那太(ささはら なた)さん

インターネット上で公開されている朗読やオーディオドラマに役者として参加しているほか、
作詞作曲歌唱したものを公開したり、多くの企画に楽曲提供しているなど広い範囲で活躍しています。