バッハ室内合唱団  Bach Chamber Choir (Bach Kammer Chor)

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 バッハ室内合唱団の歩み

 

2006113日 バッハ室内合唱団演奏会  

での片山光由氏

 合唱団の演奏会を振り返ってみると、しばしば空白の期間がある。

 これは、指揮者・片山光由氏の病気による。東京音楽大学指揮科において前田幸市郎氏に師事し、1978年バッハ室内合唱団設立後、1981年(29才)潰瘍性大腸炎を発症。以後入退院を繰り返す。その間も、カンタータの解釈ならびに指揮法をヘルムート・リリング、ニール・ヴァロン、エルヴィン・アツェル各氏に師事。ラテン語を松本悦治氏に学ぶ。また、東京理科大学混声合唱団、明治学院大学グリークラブの常任指揮者のほか、神奈川大学弦楽合奏団、神奈川大学管弦楽団、東海大学女声合唱団「明日香」、東京スコラ・カントールム、上智大学聖ペトロ聖歌隊(社会人)等の指揮を手がけてきた。

 1999年夏、ウィーンにて直腸穿孔。帰国後、入院しながら指揮活動し、20002月、7月の2回にわたり大腸全摘手術を受ける。退院直後に脳硬膜下血腫にて再入院。両目の右側が半盲、高次脳機能障害を残す。20016月退院し、世田谷区総合福祉センター「幸次苑」のメンバーとなる。と同時に、バッハ室内合唱団にて指揮を再開する。

再開時は集中力が持続しない、思いを言葉に出来ない、感情をコントロール出来ない等々で女声3人で半分はお茶飲みという状態が続く。しかし、音楽にかかわる時のみスイッチが入るかのようで、リハビリを担当するセラピストも驚く回復を示した。音楽の持つ力と、片山氏の奥深くに存在する感性が響きあうものと思われる。

 着実に合唱団として成長を続け、2004年10月「音楽の照らす道」と題した新生バッハ室内合唱団の第1回定期演奏会を開催するに至った。4回目となる2007年には、ドイツの教会から招聘を受け初の海外公演を行っている。

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 現在のメンバーは、元からの団員に加え、大学・高校時代の仲間、後輩、片山氏が指導していた教会の聖歌隊のメンバー、そして片山氏の教会音楽に魅かれたメンバーが集まっている。また、オルガニストの細川久恵氏とは、大学在学中より多くのステージで共演してきているが、再起後の演奏会は細川氏の深い理解と心強いサポートに負うところが大きい。

片山氏が求める音楽は以前と変わりなく、あるいは更に純化されていると細川氏は評価するが、やはり練習において障害の存在は否めず、自分の思いをうまく言葉にしきれない場面が多く生まれる。言葉を見つけられない時、指揮者は身振り、視線、表情、あらゆる方法で団員にメッセージを出し続ける。その「目指す音」を理解し、歌える人というハードルがあるため団員数が少ないのが悩みの種である。しかし、教会音楽を愛する気持ちを持つ団員の参加を望みたい。

 音楽の照らす道シリーズは第5回を迎えることとなった。その成長ぶりを多くの聴衆が評価している。音楽のことしかない指揮者を前にして、歌う方が「各自にとって音楽とは何なのか」という問いを突きつけられる。

 そして、ここに集まっている人々の温かさが、より良い音楽を作り上げていくと確信する。

 

             (200611 O.S 記/2008年10月 T.S加筆)