
ナマスカール(北インドの言葉ヒンディー語で「こんにちは」)。
普段いろいろ書いてますけど、ホントはインド映画が専門の松岡です(笑)。
3月の半ば、香港国際映画祭へ行く前にインドへも行ってきました。
3月のインドは酷暑の入り口、という感じ。
日中の最高気温は30度をかる〜く超えて、時にはマジすか??の40度にも。
実はインド、5月が一番暑いんですよ。
3月は年間最高気温に向けてひた走ってる時期なんですね。
インドでは、シネマ・コンプレックス(シネコン)がますます増えていました。
PVR、IMAX、INOX、ADLABS、FAMEなどなど、
いろんなシネコン・チェーンがあります。
その中で、今成長著しいのがINOX。
昨年1月に行った時、ムンバイ市の南端ナリマン・ポイントにできていて、
便利に使わせてもらいました。ファッションビルの中に入っています。
写真は1F外壁にあるチケット売り場。もち、コンピュータ発券です。

これまでムンバイでは、シネコンは市内でなくて郊外、
北部の国内線&国際線空港に近い地区に展開していました。
下の写真はムンバイ郊外マラードにあるショッピングモールです。
ここにはフェイム・マラードというシネコンが入っています。
スクリーン数は6で、この写真を撮った2006年1月は、
時間帯で細かく上映作品を変えて、インド映画10本、
外国映画3本の計13作品が上映されていました。
このショッピングモールはソウルのCOEX並みの巨大さ。
デパートに大型スーパー、飲食店もたくさんあって、1日中遊べちゃいます。
小ぎれいな格好をした若者たちが連れ立ってやってくる、人気のスポットです。

ムンバイのシネコンの料金は平均200ルピー(約600円)。
プレミアム・スクリーンがあってそこは4割増しぐらいだったり、
昼間の時間帯は割引があったりもしますが、基本料金は大体どこも200ルピーです。
200ルピーもあると、庶民的な食堂で朝・昼・晩の三食がお腹い〜っぱい食べら
れます。
ちなみに、新聞は1部5ルピー(約15円)ほど、タクシーの初乗り料金
は9ルピー(約27円)です。
シネコンに対して従来型の映画館は、料金の高い二階席で80ルピー(約240
円)、
安い一階席なら50ルピー(約150円)。
二階席はスクリーンが正面に見えるから高いんですね。
安い一階席には貧しい人たちが陣取って、映画を見ながらイキのいい反応を示し
てくれます。
ムンバイの従来型の映画館は、イギリス植民地時代のものが結構あります。
タージマハル・ホテル近くの映画館リーガルは1933年の建築。
チャーチゲート駅に近い映画館エロスは1938年。
エロスの1ブロック北にある映画館メトロも1938年にできました。
そのメトロ、今回行ったら内部がシネコンにリフォームされてました。
写真は昨年写したエロスですが、座席数1024のここも今にシネコンに生まれ変わ
るかも。

今回INOXでは、3本のヒンディー語映画を見ました。
インドの場合、シネコンに入る時には持ち物検査があり、
INOXではそれが2回もあります。
まず、ビルの入り口で金属探知ゲートを通った上、
ピーピー言う金属探知器を向けられて、持ち物を全部開けられます。
それから、シネコン入り口で食べ物、飲物を持っていないかまた検査。
水以外はすべてNGで、入り口で預けさせられます。
預けると、映画が終わってから取りに行くのがまた面倒なんですよねー。
でも、INOXはカメラに関してはうるさくなくてホッ。
ニューデリーのシネコン、PVRでは、カメラから電池を抜いて預けさせられました。
INOXに2日間通って見たのは次の3本です。
『1971』〜1971年のインド・パキスタン戦争が終結したあとも、
パキスタンに捕虜として捕らえられていたインド軍兵士たちの話。
存在を消されてしまった彼らの脱出劇はスリル満点で、脚本がいい出来でした。
主演はマノージュ・バージペーイーら男ばっかり。
『エークラヴィヤ〜宮殿の衛士』
〜マハラジャの老衛士エークラヴィヤ(アミターブ・バッチャン)が、
実はプリンス(サイフ・アリー・カーン)の本当の父
だった、という、
陰謀渦巻く宮廷サスペンス。
サンジャイ・ダットやヴィディヤー・バーランも出てます。
公式サイトはこちら→CLICK!←
『声もなく(ニシャブド)』
〜インド版『ロリータ』で、初老の写真家(アミターブ・バッチャン)が、
娘の同級生のハイティーン娘(ジア・カーン)に翻弄される、というもの。
新人女優ジア・カーンは、魔性的魅力をたたえたヒロインにぴったりでした。
公式サイトはこちら。→CLICK!←
シネコンでも、映画の途中に休憩がきちんと入ります。
INOXはコーヒーも1杯40ルピー(約120円)とバカ高いのですが、
オマケにクッキーを付けてくれるからまあ許すとしましょう。
あとは、従来型映画館リーガルで1本。
ここはメンテが悪くて座席が座りづらい。
映像も音声もシネコンに比べるとぐっと落ちます。
でも、ここで見た作品『ハネムーン・トラベル社』が私的には大ヒットでした。
写真はリーガルの外壁に貼られたポスターです。

『ハネムーン・トラベル社』
〜6組の新婚がリゾート地ゴアへバスで新婚旅行に。
1組は途中で花嫁が元カレと駆け落ちしてしまい、旦那は大ショック。
残る5組は、ラブラブカップルに熟年再婚カップル、
幼なじみの初恋成就組、見合い婚だけど意気投合組、
そして控え目な伝統的インド人カップル。
彼らの「でも、実は....」が、笑いや涙と共に徐々に明かされていきます。
果たして夫婦の絆は強まるのか、それとも風前の灯か....。
この映画からは「サジュナジー・ヴァーリー・ヴァーリー(最愛の人)」という
スニディ・チョウハーンが歌う歌が大ヒット。
彼女の声はドスが効いていて、こういうイロモノ的な歌によく合います。
今年上半期、インドではパーティーというとこの歌が流れたそうな。
『ハネムーン・トラベル社』は、トップスターはアミーシャー・パテールぐらい
しか出ていない
(彼女も現在のポジションはトップスターと言えるかどうかちょい微妙)
ノンスター映画なのですが、それでも大健闘のヒットぶり。
これも、シネコンの観客層にアピールしたことが大きかったようです。
ニューリッチと呼ばれる新興金持ち層を中心としたシネコンの観客は、
コテコテの娯楽映画でなくても受け入れられる余裕を持ってます。
というわけで、歌も踊りも入らない芸術系の映画も、
シネコンでは上映されるようになり始めました。
シネコンの誕生は、インドの映画シーンを変えつつあるようです。
最後に、ムンバイのオススメの味を。
スナックのダヒー・プーリー。
小さい揚げパンの中にスパイスを混ぜ込んだヨーグルトが入っています。
揚げたヌードル状のものとコリアンダーの葉を上にかけます。

お菓子のフィルニー。牛乳を煮詰めたものを素焼きの器に入れて固めます。
上に乗っているのは食べられる銀箔です。甘さも控え目でほんとに美味。
マンゴー・ラッシー。ラッシーはドリンク・ヨーグルトですね。
そのマンゴー風味でとーっても濃厚な味です。
いずれの品もここのがピカ一!
映画館の多いグラントロードにある
「パンジャービー・ガシートラーム(あとは長いので略)」というお店です。
映画館ノヴェルティの近く、交差点の駅側にあります。
この看板を目印にぜひどうぞ。