

ソン・シギョン
「正直な話をします」と言ったとおりの、誠実なライヴ
プレミアム・パーティ'07 Acoustic Live & Talk
2007.04.28. at 渋谷C.C.Lemonホール
TEXT:関谷元子
連休初日、大混雑の渋谷の街を通り抜け、
元・渋谷公会堂=現・C.C.Lemonホールで行われた
〈ソン・シギョン Premium Party 07〉に行ってきました。
韓国のアーティストのライヴが
もはや特別なことではなくなった東京ですが、
その中で、いつも他とは違う、
本人と制作側の意図が明確に丁寧に表現されるのが
ソン・シギョンのライヴだと思います。
僕は韓流じゃない、というアーティストがいますが、
ソン・シギョンもそう言います。が、
それは決して言わされていることではなくて、
彼自身の強い意志が感じられて、
見た目のソフトさとは違って、心の中には
安易なノリには乗らない、自分らしいものを表現したい
といった強い信念がある、
そこがソン・シギョンの最大の魅力であり、
私も大好きなところです。
といいつつ、始まる前、この人たち全員が入るだろうか、
と思うような、大勢の人たちが、
このホール前にある広場にいます。すごい人気です。
この日は、コンサートではなく、パーティ、ということで、
曲は全部で12曲。
最初の曲「女雨夜」の後に、自然な日本語で
「来ちゃいました(大歓声)。またお会いできて嬉しいです。
ファンの皆さんがこんなに増えたので、
ファンミーティングを準備しましたが、
準備していると1、2曲というわけにはいきません。
たくさんの歌と正直な話、最後まで楽しんでください」
と一気に。
この日、風邪ひいてしまったということですが、
たいしたヴォーカルでした。
高音もあくまでのびやかだったし。
最後の「コリエソ」まで、聞かせました。
で、5時に始まったパーティも終われば7時半。
で、何をしたかというと、
韓国でのラジオ番組の再現だったんですね。
それも人生相談。
韓国ではそういうことをしているということで、
まさに、再現。
しかし、相談が、なかなかオトナな相談です。
最初の質問を聞いたソン・シギョン
「僕のラジオ番組では、学生の悩みが多いんですが…」と、
困った顔。
しかし、嫌そうじゃないのがいいです。
相談する3人が一人ずつステージに呼ばれました。
それぞれの質問は。
1.結婚して13年になるが、子供ができない。
奥さんの真意を聞きたい。という男性。
2.つきあって10年になるが、
結婚しようと言われない女性。
3.娘のボーイフレンドの外見がイマイチという女性。
といった質問です。

ソン・シギョン、このひとつひとつに、
相談者を真正面から見つめ、真剣に聞き答えます。
たとえば、1の時は、最初旦那様が出てきて、
こんなことを言います。
ソン「子供を作りたくない努力をしていますか」
旦那「いいえ」
ソン「できる努力をしている?」
旦那「はい」
ソン「何故できないんですか」
旦那「わからない」
ソン「奥さんと話していますか」
旦那「毎日毎晩」
ソン「この答えは、神様しかわからないかと思うんですが」
旦那「ええ」
ソン「僕は結婚してないのでわかりませんが、
できる時に集中的にやるようにすれば・・・」
と言いつつ、自分の言ったことに照れる。
場内大爆笑。
その後、奥様が出てきて、奥様が若いと知ると、
「韓国では、そういう年の差がある女性をもらった男性を、
泥棒と言います」
また大爆笑。
そして奥様が、心の中にトラウマがあると告白。
場内も笑う雰囲気ではなくなりますね。
そういう時、ソン・シギョンは、目を見つめ真剣に聞き、
答えようとします。
この辺のやり取り、
スマートな人だという事がよくわかります。
ちょっと下ネタ風になっても、全く嫌味がない。
その受け答えが本当に洗練されていて、そして面白いし、
心がこもっているんですね。
まさにソン・シギョンの魅力全開の時でした。
韓国では「最も婿にしたい男性」と言われていましたが、
それは彼が高学歴で歌が上手で成功している、
ということだけではなく、
こういう人柄が愛されているのだ
ということがよくわかりました。
音楽の話もしないといけません。
この日は、韓国の本当にすごいプロデューサー
(キム・ゴンモや、ソリッドといった
90年代の大物からBOAまで)
のキム・ヒョンソク率いる、大人なサウンドです。
ボサノバからちょっとジャジーなものまで、
これがソン・シギョンにぴったりでした。
大物バンドということで、
たんにバックバンドではない存在感があり、
シンガー、ソン・シギョンといい意味での緊張感がありました
ね。
音楽的にも聞かせるものを作ってきました。
ソン・シギョンのライヴはいつも来てよかったと思わせるもの
です。