Eno:Eno

MUSIC FOR AIRPORTS


   

このアルバムは一つの目的の最小公倍数で成り立っている。私はここで面白い音楽を作り出そうとは思わなかった。
純粋に、空港で流れるようなものを作りたかったのだ。そして私の音楽によって非行は耐え難い、不愉快なものではなく楽しいことだと思ってもらいたい、というのは私が常に飛行機での旅行を好まないからだ。

アルバムの中の1曲では非常に長いテープループ、50,60,70フィート相当のものをいくつも使用している。その数は全部で22。あるループにはピアノ音だけが入っている。あるループにはピアノ音だけが入っている。あるいはループには女性の声、10秒ほどの長さのものが入っている。女性の声のループが8本、ピアノ音のループが14本、私はこれだけを使用した。そして構成は意図せずループの動くままにまかせた。結果は最高だった。

この曲はみんなが想像するようにメカニカル、あるいは数学的には実際、聞こえない。一人の男が緊張してピアノを弾いているように聞こえる。空間的広がり、ダイナミックさを感じさせる彼の演奏は非常に組織的だ。

この曲が出来上がり、私が聞き返したとき、ただ一つ、気に入らないピアノ音があった。間違った場所に入り込んだようなその音を私は編集の際に取り除いた。システムは常に正しい。システム・コンポーザーはそれゆえにこのようなことに出会う。システムを変更させることはむやみには出来ない。システムは自分がそう判断する限り正しいものだ。もし何かの理由でシステムが気に入らないとしたら、そのときは自分の直感を信じるべきだ。私はシステムに対し、教義的アプローチは望まない。


Brian Eno